ガンマ線透過写真撮影作業主任者
受験者数が毎年400名程度の超マイナー国家資格、放射線関連では一番簡単
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
国家資格 |
3か月程度 |
やや易しい |
60~75% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
評価アップ |
~2万円 |
誰でも受験可 |
最終更新日:2022/09/06
ガンマ線透過写真撮影作業主任者とは
鋳物は製造過程で内部に空洞ができたり、ヒビ割れが生じたりすると強度不足になり、使用中に壊れやすくなります。しかし、金属の内部の状況は、人の目で外部から見ても分かりません。
そこで、鋳物の内部や、金属の溶接部分を検査するために特殊な光、つまりガンマ線を当てて内部の様子を調べます。
ガンマ線は、エックス線、アルファ線、ベータ線などと同じく放射線の一種です。適切に利用して管理を行わないと人体に重大な悪影響を及ぼす危険性があります。
ガンマ線発生装置を使って検査業務をおこなう際、管理区域ごとにガンマ線透過写真撮影作業主任者を選任しなければなりません。
管理区域とは、一般の人が無用な放射線を浴びないように、人の出入を法律的に規制している場所です。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、管理区域の標識の確認、人の立ち入りの確認、放射線の量をおさえるなどの重要な任務を負っています。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、労働安全法に基づいた免許試験の1つで法律で定められた国家資格です。
主催者サイト:資格の紹介(ガンマ線透過写真撮影作業主任者)
役に立つ資格なのか?
ガンマ線透過写真撮影作業主任者だけに限った求人はほとんどありません。
試しに該当する免許・資格コード1608を入力して検索したところ、なんと求人数は全国でゼロでした。
この資格を単独で取得しても就職・転職が有利になるというメリットはほとんどないようです。やはり他の放射線に関する資格も合わせて取得するのがおすすめです。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、ニッチでマイナーな資格なので、非破壊検査の業界でしか求められていません。それ以外ではほとんど役に立たないでしょう。
あくまでガンマ線による放射線撮影に関する資格なので、できる業務も限定されます。無いよりはあった方がうよい程度です。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、非破壊検査を行う会社で評価されます。
就職・転職するために取得するというより、入社後に勉強してスキルアップのために取得する人の方が多いようです。会社によっては資格手当や一時金が支給されます。
この資格を活かして転職するのであれば、エックス線作業主任者なども取得して、現場での実務経験があれば有利になります。
関連資格:エックス線作業主任者とは
さらに放射線取扱主任者第2種以上も持っていれば、就職先の選択肢が広がります。
関連資格:放射線取扱主任者とは
エックス線作業主任者と比べてどちらが簡単か?
エックス線作業主任者と比べると、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方が試験は簡単だと言われています。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者の試験は毎回ほとんどよく似た過去問題が繰り返し出題されるので、試験の対策が立てやすく、合格率は70%程度とかなり高めです。
一方で、エックス線作業主任者の合格率は55%程度です。
先にエックス線作業主任者試験に合格して、科目の免除を利用する人が多いのと、全くの未経験者よりも何らかの現場経験を持っている人が必要に応じて受験するという点も理由の1つにあげられます。
実際に、放射線取扱主任者→エックス線作業主任者→ガンマ線透過撮影写真作業主任者の順に取得する人が多いようです。
ちなみに、無試験で資格を得る際、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方は放射線取扱主任者第2種の合格証があればよいのですが、エックス線作業主任者の方は放射線取扱主任者第1種の合格証が必要です。
その点から判断しても、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方がランクとしては下という位置付けです。
合格するには
ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験には受験資格の制限はありません。難易度が高いわけでもなく、誰でも試験できます。
ただし、合格免許交付の対象は満18歳以上です。18歳未満で試験に合格した人は、18歳に達してから免許の交付を申請します。
合格率も70%程度ど高めで難易度は高くはないです。しっかりと過去問題を繰り返し学習すれば2~3か月ほどの学習期間で合格できます。
計算問題も出題されますが、作業や装置で2問ずつ、法令で1問程度出題されますが、毎回同じような問題なので何度も練習して計算問題に慣れておけば大丈夫です。数値や文言が差し替わっている程度で特に難しいとは感じないはずです。
ただし、テキストは全ての基本ですから、理解できるまで一通り読んでおく必要があります。
ガンマ線透過写真撮影主任者試験は、放射線関連の資格の中でもっとも簡単だと言われています。
特に、エックス線作業主任者の合格者であれば、関連性が高いため取り組みやすく短期間で合格できます。最短3日の学習で合格する人もいます。
生体の免除で受験すると、必ずしも有利じゃない可能性も
エックス線作業主任者の合格者は、受験の際に、生体(エックス線の生体に与える影響に関する知識:10問25点)の科目が免除になります。
しかし、免除を利用したからと言って、必ずしも有利にはならないのでご注意ください。
合格基準は、まず前提として「科目ごとの得点が40%以上で、かつ、合計点が60%以上であること」となっています。
免除を利用すると、本来、計40問100点満点のところを、生体の問題が丸々なくなって計30問75点満点になります。
その中で、科目それぞれ40%以上、かつ75点の60%以上を得点しなければなりません。
生体が得意で、得点源になる人で他の科目に不安があるのであれば、逆に免除せずに受験したほうが総得点は高くなるでしょう。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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年1回(5月または11月) |
試験日の2月~14日前まで |
受験資格 |
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受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。 |
試験内容 |
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【試験地】各ブロックの安全衛生技術センター
《午後:13:30~15:30》
※全て5択のマークシート式です。 |
試験に関する詳しい情報は受験資格(ガンマ線透過写真撮影作業主任者(概要))をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
ガンマ線透過写真撮影作業主任者テキスト〈オンデマンド版〉 | |||||
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ガンマ線透過写真撮影作業主任者は超マイナーな資格なので、そもそもテキストは限られています。これ一択と言ってもよいでしょう。
わかりやすくて理解しやすく書かれているので、初学者にはおすすめです。ただし、最初は難しく感じられるでしょう。
しっかり読めば内容を理解できて知識が身に付くように編集されているので、受験用に十分使えます。 |
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おすすめ問題集
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 過去問題・解答解説集 2021年4月版 | |||||
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ガンマ線透過写真撮影作業主任者資格試験の最新令和3年4月(2021年4月)の過去問題から過去8回分を収録し、解答解説した過去問題集です。
市販されている問題集はほぼこれ一冊なので受験生の多くが利用しています。
ぼぼ毎年似たような問題が繰り返し出題されるので、過去問を理解すればなんとかなります。試験を受けるなら必須です。 |
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