種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | やや易しい | 60~75% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 3か月程度 |
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2022年12月14日に集計しました。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者とは、ガンマ線を当てて鋳物の内部や金属の溶接部分を検査するための資格です。
非破壊検査を行う会社で評価されますが、就職や転職にはほぼ活かせません。受験者数が毎年400名程度の超ニッチでマイナー国家資格です。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者とは

溶接部や鋳物内部を検査する際に必要
金属を熱することで溶かして液体にして、型の空洞部分に流し込み、冷やして固めた製品を鋳物(いもの)と言います。
鋳物は製造過程で内部に空洞ができたり、ヒビ割れが生じたりすると強度不足になり、使用中に壊れやすくなります。
しかし、金属の内部の状況は、人の目で外部から見ても分かりません。
そこで、鋳物の内部や、金属の溶接部分を検査するために特殊な光、つまりガンマ線を当てて内部の様子を調べます。
ガンマ線は、エックス線、アルファ線、ベータ線などと同じく放射線の一種です。適切に利用して管理を行わないと人体に重大な悪影響を及ぼす危険性があります。
参考記事:職場のあんぜんサイト:労働災害事例
管理区域ごとに有資格者を選任
ガンマ線発生装置を使って検査業務をおこなう際、管理区域ごとにガンマ線透過写真撮影作業主任者を選任しなければなりません。
管理区域とは、一般の人が無用な放射線を浴びないように、人の出入を法律的に規制している場所です。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、管理区域の標識の確認、人の立ち入りの確認、放射線の量をおさえるなどの重要な任務を負っています。
主催者サイト:資格の紹介(ガンマ線透過写真撮影作業主任者)
役に立つ資格なのか?
求人は全国で探しても2件程度
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、労働安全法に基づいた免許試験の1つで法律で定められた国家資格ですが、有資格者に限った求人はほとんど見つかりません。
該当する免許・資格コード1608を入力して検索すると、求人数は全国で0~2件程度です。
この資格を単独で取得しても就職・転職が有利になるというメリットはほとんどないようです。やはり他の放射線に関する資格も合わせて取得するのがおすすめです。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、ニッチでマイナーな資格なので、非破壊検査の業界でしか求められていません。それ以外ではほとんど役に立たないでしょう。
あくまでガンマ線による放射線撮影に関する資格なので、できる業務も限定されます。無いよりはあった方がうよい程度です。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、非破壊検査を行う会社で評価されます。
就職・転職するために取得するというより、入社後に勉強してスキルアップのために取得する人の方が多いようです。会社によっては資格手当や一時金が支給されます。
この資格を活かして転職するのであれば、エックス線作業主任者なども取得して、現場での実務経験があれば有利になります。
関連資格:エックス線作業主任者とは
さらに放射線取扱主任者第2種以上も持っていれば、就職先の選択肢が広がります。
関連資格:放射線取扱主任者とは
エックス線作業主任者と比べてどちらが簡単か?
エックス線作業主任者と比べると、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方が試験は簡単だと言われています。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者の試験は毎回ほとんどよく似た過去問題が繰り返し出題されるので、試験の対策が立てやすく、合格率は70%程度とかなり高めです。
一方で、エックス線作業主任者の合格率は55%程度です。
先にエックス線作業主任者試験に合格して、科目の免除を利用する人が多いのと、全くの未経験者よりも何らかの現場経験を持っている人が必要に応じて受験するという点も理由の1つにあげられます。
実際に、放射線取扱主任者→エックス線作業主任者→ガンマ線透過撮影写真作業主任者の順に取得する人が多いようです。
ちなみに、無試験で資格を得る際、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方は放射線取扱主任者第2種の合格証があればよいのですが、エックス線作業主任者の方は放射線取扱主任者第1種の合格証が必要です。
その点から判断しても、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方がランクとしては下という位置付けです。
合格するには
合格率も70%程度、独学で十分合格可能
ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験には受験資格の制限はありません。誰でも試験できます。
ただし、合格免許交付の対象は満18歳以上です。18歳未満で試験に合格した人は、18歳に達してから免許の交付を申請します。
ガンマ線透過写真撮影主任者試験は、放射線関連の資格の中でもっとも簡単だと言われています。
合格率も70%程度ど高めで難易度は高くはないです。しっかりと過去問題を繰り返し学習すれば2~3か月ほどの学習期間で合格できます。
エックス線作業主任者の合格者であれば関連性が高いため取り組みやすく、短期間で合格できます。最短3日の学習で合格する人もいます。
計算問題も出題されますが、作業や装置で2問ずつ、法令で1問程度出題されます。
毎回同じような問題なので何度も練習して計算問題に慣れておけば大丈夫です。数値や文言が差し替わっている程度で特に難しいとは感じないはずです。
ただし、テキストは全ての基本ですから、理解できるまで何回か読んでおく必要があります。
注意!生体の免除で受験しても必ず有利じゃない
エックス線作業主任者の合格者であれば、受験の際に生体(エックス線の生体に与える影響に関する知識:10問25点)の科目が免除になります。
しかし、免除を利用したからと言って、必ずしも有利にはならないのでご注意ください。
合格基準は、まず前提として「科目ごとの得点が40%以上で、かつ、合計点が60%以上であること」となっています。
免除を利用すると、本来、計40問100点満点のところを、生体の問題が丸々なくなって計30問75点満点になります。
その中で、科目それぞれ40%以上、かつ75点の60%以上を得点しなければなりません。
生体が得意で、得点源になる人で他の科目に不安があるのであれば、逆に免除せずに受験したほうが総得点は高くなって有利になります。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
おすすめ問題集
試験情報
試験日
年1回(5月または11月)
お申し込み
試験日の2月~14日前まで
受験資格
受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。
試験会場
各ブロックの安全衛生技術センター
(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州)
受験料
6,800円(非課税)
試験内容
【試験内容】
《午前:10:00~12:00》
- ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識
- 関係法令
《午後:13:30~15:30》
- ガンマ線照射装置に関する知識
- ガンマ線の生体に与える影響に関する知識
※全て5択のマークシート式です。
合格基準
試験科目ごとの得点が40%以上で、かつ全試験科目の合計得点が60%以上で合格
主催者情報
試験に関する詳しい情報は受験資格(ガンマ線透過写真撮影作業主任者(概要))をご覧ください。
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