放射線取扱主任者が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

放射線取扱主任者

第3種は試験不要、講習を受講・修了すれば国家資格の免状を取得できる

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

普通

8か月

国家資格

必置資格

15〜25%

※上記は第2種の例です。難易度は事前の知識でかなり違います。

最終更新日:2020/02/19

放射線取扱主任者とは

バインダーを持った男性

以前からよく耳にする「放射線」という用語、テレビや新聞で報道されると、放射能漏れ・被ばく・発がん性・・・などを連想してしまいます。

 

目に見えないだけに普通の人にはよく分かりません。しかし、マイナスのイメージが強いのはどうやら間違いないようです。

 

実は、放射線は普段意識しないだけで、身の回りに普通に存在します。例えば、宇宙から一定の強さで放射線が地球に降り注いでいますし、地表からも絶えず放射線は放出されています。食べ物や、空気中にも放射線は含まれています。

 

放射線は、自然界に存在するだけではなく、医療、工業、農業等などの様々な分野で利用されています。

 

身近な例としては、病院でのエックス線検査、CT、MRIなどです。健康診断などで利用した人も多いでしょう。

 

さらに、工場などでも、製品の検査、厚みの検査などで放射線は使われています。

 

放射線の取り扱いには細心の注意が必要です。放射性物質(放射線発生装置も含む)を、適切に安全に利用できるように管理するのが放射線取扱主任者です。

 

放射線を発生する装置を使用する病院・工場・研究所(放射性同位元素等を取り扱う事業所)等では、放射線障害の防止について監督を行うために、放射線取扱主任者を事業所ごとに1名以上選任し、原子力規制委員会に届け出なければなりません。

 

放射線取扱主任者は、放射性物質や放射線発生装置を使用している病院や工場では、日々利用状況をを細かに管理・記録します。

 

また、施設の放射線の量などの測定を毎月し、そこで働く人がどれくらい放射性物質の影響を受けているか測定して、管理・記録します。

 

参考:放射線取扱主任者免状(放射線取扱主任者試験及び講習) | 原子力規制委員会

最も簡単な3種は講習を受講すれば誰でも取得できる

放射線取扱主任者は、扱える放射線のレベルによって以下のように分かれています。試験を受けるにあたっての受験資格や制限などはなく、どなたでも受験できます。

  • 第1種放射線取扱主任者(一番難易度が高い)
  • 第2種放射線取扱主任者
  • 第3種放射線取扱主任者(講習会で取得できる)

第1種と第2種の違いは後ほど詳しく解説していますのでご覧ください。

 

第3種放射線取扱主任者は、講習を受講すればそのまま取得できます。

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

放射線取扱主任者のレーダーチャート

この資格は、取得しても選任者にならなければ基本的に役立つ機会も少ないので、実用性は低いです。

 

事業所の規模にもよりますが、1人か2人有資格者がいれば間に合います。常に不足しているなんてことはありません。

 

実際に、転職情報を探しても、放射線取扱主任者の求人数は全国的に少ないです。

 

放射線取扱主任者は国家資格ですが、就職・転職が有利になるとまでは言えません。どちらかと言えば、会社で信頼されている中堅社員が、ステップアップのために取得する資格です。

 

ただし、この試験に合格している人は少ないので、学生あるいは第二新卒くらいまでなら、2種以上はある程度評価されるでしょう。

 

就活などでは、試験に合格しているだけでアピールにもなります。知識の証明につながるので多少なりとも就職が有利になる可能性はあります。

 

例えば、医療・検査機器の製造会社、製薬会社、非破壊検査会社などは、それなりの知識をもっているという点で一定の評価は得られます。

 

ただし、3種は講習に出席すれば誰でも合格できるので、就職に役立つかは微妙なところです。


放射線取扱主任者の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

会社から命じられて放射線取扱主任者の試験に挑戦する人も多いようです。合格すれば月々1〜3万円くらいの資格手当が支給されたり、報奨金が貰えるようですから、会社で有資格者が必要になれば是が非でも合格しましょう。

 

合格するメリットとしては、収入が増えるだけではなく、放射線に関する知識があるという証明になるので任される仕事の幅が広がります

 

この資格は業界では有名なので持っていれば箔がつきます。事業所で選任されなかったとしても持っているだけで周りの目は変わります。

 

特に非密封線源を用いる事業所では重宝されます。実務経験と第一種作業環境測定士(放射線)も持っていればなお資格を活かせます。

 

診療放射線技師として働いている人が放射線取扱主任者にも合格すれば、業務の幅が若干増えるので、核医学や放射線治療の部署へ配属される可能性が大きくなります。

 

また、診療放射線技師は、就職後に学会認定資格を取得するように指導されることもありますが、放射線取扱主任者の方が価値は上です。放射線取扱主任者は法律で規定されている国家資格です。

 

参考:診療放射線技師とは

第1種と第2の違い

 

簡単に言うと、第2種は密封された放射性同位元素(RI)しか扱えませんが、第1種は業務範囲が広く、いかなる施設でも選任可能です。

 

これだけじゃ、普通の人では何のことだかサッパリわからないと思います。もっと簡単に説明すると・・・

 

「密封された放射性同位元素」とは、簡単には中の放射性同位元素が外へ出ないように、放射性物質を金属などに密封したものです。密封されているので、飛散や内部被ばくの可能性はまずありません。

 

それ以外の「非密封」とは、放射性物質が液体や粉末の状態なので、飛散して放射能汚染の可能性が非常に高くなります。

 

つまり、非密封放射性同位元素を扱えるかどうかが、第1種と第2種の違いということです。さらに、1種であれば放射線発生装置も扱えます。

 

ちなみに、ウランやプルトニウムなどの核燃料物質は、放射性同位元素としてではなく核燃料物質として扱います。性質上より厳しい条件で管理しなければならないので、核燃料取扱主任者という別の資格が必要です。

取得するなら第1種がおすすめ?

 

ここ5年間の1種・2種の受験者数は以下の通りです。

  • 1級:3643人
  • 2級:2390人

資格試験は上位になるほど受験者数が少ないのが普通ですが、放射線取扱主任者は1級から受験する人の方が多数です。

 

ちなみに、3級取得者はかなり少数です。あまり現場で必要ないからでしょう。

 

会社で使用するのが密封放射性同位元素か否かで、最初から2種あるいは1種と決めて受験する人が多いようです。

 

全てをカバーする1種を受けるのが理想です。1種に合格すれば2種は全く使い物になりません。2種で間に合う施設もありますが、それ以上の幅は利きません。

 

いずれ1種が必要になるのであれば、最初から1種取得に専念すべきです。

 

1種は放射線について学んでいなければ難しいです。診療放射線技師養成の大学へ通っていても勉強しなければ落ちます。

無試験で他の国家資格ももらえる!

 

放射線取扱主任者の資格を持っていると、以下の国家資格が無試験で申請できます。

  • エックス線作業主任者(第1種のみ)
  • ガンマ線透過写真撮影作業主任者(第1種および第2種)
  • 作業環境測定士(第1種のみ、一定の条件あり)

その他、第2種に合格していれば、エックス線作業主任者試験の2科目が免除になります。

 

放射線取扱主任者とは、発展性のある資格です。さらなるスキルアップに活かせます。

 

放射線取扱主任者に合格するには

放射線取扱主任者試験の難易度は1種が最も高く、続いて2種、3種となります。全て受験資格がないので1種からでも誰でも受けられます。

 

第1種・第2種放射線取扱主任者の免状の交付を受けるためには、試験に合格後、法令で定められた講習を受講して、最終日の修了試験に合格しなければなりません。第3種は主任者試験が不要で、直接この講習を受講・修了すれば免状を取得できます。

 

講習は、概ね以下のような内容です(原子力安全技術センター)。

  • 第1種:5日間 167,546円(税込)
  • 第2種:3日間 103,176円(税込)
  • 第3種:2日間 93,398円(税込)

※2020年1月現在の価格です。

 

なお、講習会は5団体ほどが実施しています。金額もそれぞれ違います。下記にうまくまとめられているので参考にしてください。

 

参考:放射線取扱主任者 - Wikipedia
※資格講習機関の講習内容をコストパフォーマンス順に一覧表になっています。

 

ちなみに、講習の全課目を受講し、かつ実習レポートを提出後に修了試験に合格しなければなりません。この試験にはまずほとんど落ちません。マレに落ちる人が1名くらいいますが、直後に再試があってなんとなく答えを教えてくれるので、ほぼ全員合格できます。

 

この講習会は、会社負担で出席する人がほとんどです。個人で参加する人はごく少数です。まずは試験に合格だけしておいて、講習は会社に入社後、会社費用で参加するのが理想です。

放射線取扱主任者試験はどれくらい難しいのか?

試験の合格率が1種も2種も20%前後なので低そうに思われますが、高校で物理をある程度理解していた人なら、しっかり勉強すれば意外に合格できます。物理、化学が得意であれば2〜3か月で合格する人もいます。

 

1種は試験が2日間です。そのため最終科目になるころには諦めて帰る人も多く、半数くらいまで減ります。真剣に勉強していない「冷やかし受験生」も随分いると思われます。そのため、真面目に勉強した人の実質的な合格率はもっと高いのではないでしょうか。

 

1種と2種とでは、難易度の違いというよりも、試験範囲の違いでかなりの差があります。2種では「密封」だけですが、1種では「非密封」も加わります。試験範囲が単純に2倍になります。

 

本試験も問題が2倍です。勉強時間も倍必要になります。ただし、しっかりと勉強すれば合格できます。

テキストは通商産業研究社か日本アイソトープ協会

放射線取扱主任者はメジャーな資格ではないので、参考書は限られています。テキスト・問題集は日本アイソトープ協会あるいは通商産業研究社のどちらかです。

 

受験生の多くは、通商産業研究社のテキストや過去問題集を利用しています。

 

Amazonでも扱っていないようなので、直接ホームページから購入してください。

 

参考:通商産業研究社

放射線取扱主任者 試験情報

試験日

お申込み

【2種】8月下旬
【1種】8月下旬の2日間

5月中旬〜6月中旬
※5月中旬官報で公示

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。

試験内容

【試験区分】

  • 第1種放射線取扱主任者試験
  • 第2種放射線取扱主任者試験

【試験科目】
第2種放射線取扱主任者試験(5課目)

  • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目
  • 第2種放射線取扱主任者としての実務に関する課目
  • 物理学のうち放射線に関する課目
  • 化学のうち放射線に関する課目
  • 生物学のうち放射線に関する課目

第1種放射線取扱主任者試験(5課目)

  • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目
  • 第1種放射線取扱主任者としての実務に関する課目
  • 物理学のうち放射線に関する課目
  • 化学のうち放射線に関する課目
  • 生物学のうち放射線に関する課目

【試験方法】全課目択一式問題・筆記(マークシート)方式
【試験会場】札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡

試験に関する詳しい情報は原子力安全技術センターをご覧ください。


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