化粧品成分検定とは?成分を読み取る知識を身に付ける試験
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | やや易しい | 60~70% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 2か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 0件 |
- 上記は2級についての内容です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年7月10日に集計。
化粧品成分検定とは、化粧品に表示されている成分を正しく読み取る知識を身に付けるための民間資格です。
履歴書に書くのは自由ですが、就職や転職の際に評価されて採用が有利にるとは思わない方がいいでしょう。あくまでも知識習得のための検定試験です。
仮に、将来大手化粧品会社で研究職に就きたいのであれば、大学の薬学部へ進んで薬剤師の国家資格を取得するのが最低条件です。
化粧品成分検定とは
化粧品の成分について学習
化粧品成分検定とは、普段利用している化粧品に記載されている全成分の情報、及びパッケージに記載されている情報を正しく理解しているかを測る検定試験です。
試験の学習を通じて、自分自身の肌質に合った化粧品や、目的に合った化粧品を正しく選べるようになります。
化粧品成分検定は、一般社団法人化粧品成分検定協会(CILA)が実施する民間の検定試験です。第1回試験は2015年の6月に開催されました。
主催者サイト:CILA 化粧品成分検定協会|CILA 化粧品成分検定協会
化粧品成分検定と日本化粧品検定との違い
化粧品に関する人気の民間資格には、化粧品成分検定と日本化粧品検定があります。どう違うのでしょうか?
化粧品成分検定は、試験の学習を通して、化粧品のパッケージに書いてある成分を正しく理解できるようになる目的があります。
一方、日本化粧品検定では、基本的なメイクアップ方法、正しいお手入れなどの美容方法、薬機法(薬事法)などについて学びます。
これらは化粧品売り場などで、販売員や美容部員がお客様に化粧品をすすめする際に必要となる知識です。
どちらも3級であれば無料でネット受験できます。必要事項を登録すればすぐにその場で試験に挑戦できるので、興味のある人は是非挑戦してみてください。両試験の難易度の違いも分かるはずです。
関連資格:日本化粧品検定とは
就職や転職に役立つのか?
化粧品メーカーへ就職したいのであれば、まずは学歴
化粧品メーカーで将来働きたいのであれば、現実的に求められるのは大卒などの学歴です。しかもレベルの高い大学です。
会社の規模にもよりますが、最低でも地方の国公立大学、難関私大クラスの学歴は要求されます。
大手の化粧品メーカーともなると日本中の高学歴の人たちが採用枠を争い、倍率は余裕で100倍を超えます。
資生堂やカネボウ、花王などの大手化粧品メーカーの研究職・開発職ともなれば、職場には化学系の大学院卒という女性が普通にゴロゴロしています。
そういった大手メーカーであれば、就職活動の際に日本化粧品検定などを履歴書に書いても全く見向きもされません。化粧品成分検定でも同じです。
評価されるのは薬剤師などの国家資格です。さらに、旧帝大クラスの大学院をトップクラスで卒業するくらいの優秀さが求められます。
関連資格:薬剤師とは
大手化粧品会社に就職するのが目標であれば、高校生なら良い大学へ行けるように日々の学校の勉強に力を入れてください。
化粧品成分検定を取得して就職や転職に活かそうなどとは考えない方がいいです。
現実的には容姿や清潔感、接客態度の方が重要です。上品で清潔な女性、接客態度の優れた女性が求められるのは言うまでもありません。
将来性について徹底研究
自分で化粧品の成分を理解できるようになる
化粧品成分検定は、化粧水や美容液といった普段購入している化粧品に記載されている全成分の情報や、パッケージに記載されている情報を読み解けるように導くための検定試験です。
個人的な趣味で化粧品成分検定の勉強をするのは良いと思います。
化粧品を選ぶ際に、成分を見て買うなどの知識は付きます。全く無駄ではないでしょう。
化粧品には「全成分表示」という日本化粧品工業連合会で定めたルールがあって、含まれる成分は全て表示されています。
けれど、全成分が表示されていたとしても、内容が正しく理解できなければ、読んでも意味はありません。
試験の学習を通して化粧品に関する正しい知識が身に付けば、自ら必要な目的にあった化粧品を正しく選択できるようになります。
その点ではおすすめの検定試験です。勉強するメリットは十分あります。
自身の肌に合う成分、合わない成分を多少なりとも見極められれば、化粧品会社の広告戦略に惑わされることなく、自分に合った化粧品を購入できるようになるでしょう。
化粧品は肌に直接触れるので健康被害にもつながります。自分の肌を守るために正しい知識を得るには化粧品成分検定で得た知識は役に立つでしょう。
怪しい民間資格がいっぱいの分野
こういった美容にまつわるような分野には、民間資格がいっぱい存在します。
少し調べただけでも、10を軽く超える程度にありました。
- スキンケアマイスター
- スキンケアカウンセラー
- 日本メイクアップ技術検定
- メイクアップアドバイザー検定
- メイクセラピー検定
- メンタルメイクセラピスト検定
- ナチュラルビューティスタイリスト検定
- 美容薬学検定
- 健康食品コーディネーター
- コスメマイスター
どれも難易度は低いです。これらの検定試験に合格したところで、果たして就職や転職に役立つのかと言われるとそれはかなり難しいでしょう。
怪しいナゾの検定試験もいくつか存在します。
「文部科学省後援」をウリにしているモノもありますが、申請すれば普通に「後援」は得られます。あまり意味のない制度です。
テキストや対策講座の売上げや受験料、登録料、資格の更新料、入会金、年会費などで儲けている資格商法的なビジネスも少なからずありますから注意してください。
興味があって趣味の一環として学習するにはいいと思いますが、自分の就職や転職に役立てようとは考えない方がいいでしょう。
結局お金と時間の無駄だった・・・ってなります。
(※日本化粧品検定のページと記事が一部重複しています。ご了承ください)
合格するには
3級はお試し受験、ほぼ全員合格できる
化粧品成分検定は、難易度の低い順に、3級・2級・1級に分かれています。
学習する内容は、化粧品の成分情報やパッケージに記載された情報を読み解くことのできるレベルを目的としているので、かなり専門的です。
とにかくカタカナだらけの化粧品の成分の繰り返しで理系の内容です。
3級は無料でいつでも下記の主催者ホームページ上で受験できます。繰り返し挑戦できるので、何度も挑戦すれば合格できます。100%の合格率です。
ただ、化粧品・美容業界での実務経験がなければ3級でも難しく感じられるでしょう。逆に実務経験が豊富であれば1級でも比較的簡単に感じられるはずです。
必要な学習時間は、2級で約2か月ほど、1級で3か月くらいです。受験者の60%ほどは化粧品・美容業界の経験者を占めているので、合格率は1級、2級共に60~70%と高い数値です。
2級・1級ともに出題範囲は同じで、問題の質が異なってます。
2級は知識を問う問題が多く、テキストに書いてあることを暗記していればなんとかなります。
1級は応用力を問う出題が多く、テキストに書いてある内容だけでは解けません。2級の学習で覚えた知識を使って考える問題が多いです。
協会から出ている公式テキスト・問題集を何度も繰り返して学習して、足りない部分はネットを調べたり、実際に化粧品売り場で情報収集しましょう。
認定料を払えば化粧品成分スペシャリストと名乗れる
合格者は、合格した級に応じて以下のように名乗れます。
1級合格者:化粧品成分上級スペシャリスト 資格認定料¥5,500(税込)
2級合格者:化粧品成分スペシャリスト 資格認定料¥5,500(税込)
認定を受けると、公式認定バッジ、公式認定シール(名刺に貼付可能なサイズです)100枚がもらえます。
年会費等は必要ないようです。
参考:「化粧品成分スペシャリスト」資格認定制度のご案内 | CILA 化粧品成分検定協会
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
協会(CILA)の公式テキストです。化粧品の成分を大きく4種類に分類して、それぞれ代表的な成分を取り上げ解説しています。
あくまでもテキスト(教科書)なので読み物としてはあまり面白くないですが、適宜疑問点を参照するには良い本です。
化粧品の成分について勉強したい人にはもちろんですが、単純に化粧品が好きな人にもおすすめです。
化粧品成分検定試験を受験される方は必読の1冊です。
種類 | 評価 |
テキスト |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年2回(6月、12月)
お申し込み
試験実施月の前月下旬
受験資格
受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。
試験会場
東京、大阪、福岡
※3級:自宅などでWeb試験
受験料
1級:12,100円
2級:7,700円
3級:無料(お試し)
(各税込、2024年2月11日現在)
試験内容
試験時間:
- 1級 90分
- 2級 70分
知識の範囲:
【1級】
- 化粧品の処方時に役立つ基礎知識を元に様々なパターンの全成分表を読み解くことができる。
- 処方の背景、なぜその成分が配合されているかを大体理解できる。
- 全成分表示の中で各成分が持つ役割を大体想像できるようになり、同じ役割を持つ別の成分と置き換えることができる。
【2級】
- 頻出の化粧品成分名、その種類・主な働きは、暗記できている。
- 成分の表示名称、または成分の種類の穴埋めができる。
- 全成分表示を見て、それがどのような化粧品をある程度判断できる。
【3級】
- 2級相当の問題 (成分知識のみ)10問・3択
級レベル:
- 【1級】全成分表示を読み解き、目的にあった化粧品を選ぶことができる。また、第三者にアドバイスができる。
- 【2級】基本的な成分・パッケージ記載内容を理解でき、化粧品選びに役立てることができる。
合格基準
正答率80%以上
主催者情報
試験に関する詳しい情報は検定試験について|CILA 化粧品成分検定協会をご覧ください。