防災管理者が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

資格の概要

防火管理者の上位資格。難易度は低く誰でも講習会受講で取得できます。

種類 学習期間 難易度 合格率

国家資格

2日

易しい

99%

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

知識習得

1万円以下

講習受講

※会社単位での申込みが一般的ですが、個人でも受講できます。

最終更新日:2022/04/23

防災管理者とは

防災と書かれたヘルメット

※防火管理者との違いも合わせて解説しています。その方がより防災管理者について理解できると思います。

 

関連資格:防火管理者とは

 

防災管理者とは、大規模・高層の建築物等において、「火災以外の災害」による被害を軽減するため、防災管理上必要な業務を計画的に行う責任者です。

 

大規模・高層の建築物等(防災管理対象物)とは、ざっくり言うと、広い地下街や11階以上の大型の施設などです。

 

消防法では、こういった大規模な建築物では防災管理者を選任しなければならないと規定しています。

多くの人が集まる一定規模以上の建物では防火管理者を選ばなければなりませんが、さらに大型の建物になると防災管理者を選ばなければなりません。

消防法には元々防火管理者の規定がありましたが、「阪神・淡路大震災」や「地下鉄サリン事件」等が契機となり、既存の「防火管理制度」とは別に、地震災害や大規模事故やテロ等による毒性物質の発散に対応した防災体制を整備するように改定されました。

 

「火災以外の災害」とは、地震や津波、台風などの自然災害、テロ、毒性物質の発散等を原因とする災害などで、それに伴う火災も含みます。

 

防火管理者と防災管理者の違いは、防火管理者は「火災による被害の防止・軽減」、防災管理者は「地震などの火災以外の災害による被害の軽減」ということです。

防火管理者:火災による被害の防止と軽減
防災管理者:地震、津波、テロ、毒性物質の発散などによる被害の防止と軽減

防火管理者は、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務を計画的に行う責任者です。

 

一方、防災管理者は、防災管理に係る消防計画を作成し、防災管理上必要な業務を計画的に行う責任者となります。

 

参考:東京消防庁<安全・安心情報><事業所向けアドバイス><防火管理 実践ガイド:防災管理制度について>

実質的には防災管理者が防火管理者を兼任する

では、規模の大きな建物・施設になると、防火管理と防災管理者を各1名ずつ選ばなければならないのかというと、実はそうではありません。

 

前述の通り、雑居ビルのような中小規模の建物では防火管理者のみで大丈夫です。大規模・高層の建築物等では防災管理者を選ばなければなりませんが、防災管理者は防火管理者も兼任します。

防災管理者を選任すれば防火管理者は不要(消防法第36条)。

防火管理者、防災管理者ともに防火管理に係る消防計画を作成し、管轄する消防署へ提出しなければなりませんが、防災管理者は、防火管理の消防計画と防災管理を一体的に運用し、「防災管理に係る消防計画」として作成・提出します。地震や津波などの災害と、火災の防止は密接に関連するからです。

 

防災管理者は、年に1回以上避難訓練を実施します。避難訓練では、地震や津波の発生を想定し、避難階段や避難はしごなどを使った避難方法を確認します。

 

その際も、防災管理対象物が防火対象物も兼ねていることから、避難訓練だけでなく消火訓練や通報訓練とセットで実施するのが一般的です。

 

参照:消防法

「防災管理者」は「防火管理者」の上位資格

職務の内容から判断しても、防災管理者は防火管理者の上位資格という位置付けです。

 

防火管理者は基本的に火災による被害を想定して防火対象物の管理をしますが、防災管理者はさらに範囲を広めて地震などの大きな災害による被害を想定した管理をします。

 

防火管理、防災管理者ともに資格を取得するには専門の講習を受講する必要がありますが、防火管理の講習を受講した後でなければ防災管理者の講習は受講できません。あるいは同時に受講します。

防災管理者について本音で一言

防火管理者の資格と同じで、取得したからといって就職や転職の役に立つ機会は少ないです。履歴書に書いても特に採用が有利にはならないでしょう。

 

ただし、ビルの施工管理会社や、保守点検を行う会社、マンション管理会社などでは防災管理者の資格が評価されて採用が有利になる可能性はあります。

 

会社で管理職に昇進したら、会社の命令で会社の費用で取得するのが一般的です。

 

将来性を徹底研究

講習会を受講すれば誰でも取得できる

 

防災のロゴ

 

防災管理者の資格は、消防庁、各地の消防本部、都道府県や市区町村、日本防火・防災協会が主催する講習を受講するだけで取得できます。

 

防火管理者には、建物の規模に応じて甲種・乙種の2種類がありますが、防災管理者にはありません。

 

参考:東京消防庁<試験・講習><防火管理講習・防災管理講習>
参考:防災管理新規講習 - 北九州市

 

受講資格の制限は特にありませんが、申し込みが多いと会社経由で数十人単位で申し込まないと個人では拒否されるケースがあります。

 

個人で申し込むのであれば、一般向けの講習を開催している日本防火・防災協会主催がおすすめです。予約が取れたら誰でも参加できます。

 

参照:防災管理講習|講習について|防火・防災管理講習|一般財団法人 日本防火・防災協会

 

日本防火・防災協会の講習は一部の都道府県を除く各都道府県で年2~20回ほど行われます。受講料(テキスト、修了証、その他の諸経費を含む、税込み)も安く、7,000円あるいは10,000円(2022年1月現在)です。

 

※この資格を取得したからといって誰でも防災管理者を名乗れるワケではありません。取得後に消防署に選任届を提出して、承認されて初めて防災管理者になれます。つまり、防災管理者の講習を修了しても、単なる有資格者にすぎません。

 

余談ですが、くだらない防災士の民間資格よりは費用も安く、取得するメリットは十分にあります。

 

関連資格:防災士とは

 

合格するには

新たに防災管理者の資格を取得するには防災管理講習を受講しなければなりません。講習は以下の2種類です。

  • 防災管理新規講習:講習1日+効果測定(修了試験)
  • 防火・防災管理新規講習:講習2日+効果測定(修了試験)

防災管理者になるには、原則として防災管理者の資格を持っていることが前提になります。

 

防災管理者の講習を既に受講している人は、上記の講習1日を受講します。全くの新規の人は、下記を受講して防火管理者と防災管理者を同時に取得します。

 

※防災管理者として任命されるには、防災管理業務を適切に遂行することができる「管理的、監督的地位」にあることが要件ですが、防災管理者講習を受講するための要件ではありません。

 

防災管理者は防火管理者を兼任するため、両資格がセットとなった防火・防災管理新規講習を受講するのが一般的です。実際にこちらの講習会の方が実施回数も多いようです。

 

講習会の費用は、主催者や地域によって異なります。多くの地域では、テキスト代」という項目で当日に受講費用を支払います。

ほぼ全員が合格できる程度の難易度

防災管理者の合格証書

講習の最後に効果測定(修了試験)がありますが、そんなに身構えるほどではないです。

 

遅刻・早退をせず講習を終了すればほぼ全員が合格できます。

 

講師の方が、講義中に試験に出るところをピンポイントで教えてくれます。効果測定は講習用テキストを見ても大丈夫です。国家資格ですけど難易度は非常に低いです。

 

なお、防火管理者資格の修了証には 有効期限はないので、更新の必要はありません。

 

ただし、既に選任されている防災管理者は、 講習終了後の5年以内に「防火・防災再講習」の受講が義務付けられています。

 

受講期限内に再講習を受講しなかった場合、防災管理者の選任から外れるので注意しましょう。

講習情報

開催日 お申込み

主催者によって違います

主催者によって違います

受験資格

受験資格の制限はなく、どなたでも受験できます。
※ただし、取得要件として「甲種防火管理者」資格が必要です。

試験内容

受講料:防災管理者 7,000円、防火・防災管理(併催) 10,000円(各税込)
※日本防火・防災協会の講習会受講の場合です。

 

【防災管理者】:4時間30分(1日)

  • 防災管理の意義および制度
  • 施設・設備の維持管理
  • 防災管理に係る訓練および教育
  • 防災管理に係る消防計画など

【防火・防災管理者併催】:12時間(2日間)

  • 防火・防災管理の意義および制度
  • 火気管理
  • 施設・設備の維持管理
  • 防火・防災管理に係る訓練および教育
  • 防火・防災管理に係る消防計画など

合格基準:遅刻・早退をせず講習を終了し、効果測定において十分な理解をしている者

 

《講習の一部科目免除》

  • 自衛消防業務講習修了者は、「防災管理の意義および制度」が免除されます。

《甲種講習の免除》
次のいずれかに該当する者は、受講不要で取得できます。

  • 市町村の消防職員で、管理的または監督的な職に1年以上あった者
  • 労働安全衛生法第11条第1項に規定する安全管理者として選任された者
  • 防火対象物点検資格者講習の課程を修了し、免状の交付を受けている者
  • 危険物保安監督者として選任された者で、甲種危険物取扱者免状の交付を受けている者
  • 鉱山保安法第22条第3項の規定により保安管理者又は保安統括者として選任された者
  • 国もしくは都道府県の消防の事務に従事する職員で、1年以上管理的または監督的な職にあった者
  • 警察官またはこれに準ずる警察職員で、3年以上管理的または監督的な職にあった者
  • 建築主事または一級建築士の資格を有する者で、1年以上の防火管理の実務経験および1年以上の防災管理の実務経験を有する者
  • 市町村の消防団員で、3年以上管理的または監督的な職にあった者

講習に関する詳しい情報は消防庁、各地の消防本部、都道府県や市区町村、日本防火・防災協会のホームページをご覧ください。



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