放課後児童支援員が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

放課後児童支援員

今後も需要が増え続ける国家資格、ただし給与水準は低く改善に期待。

種類 学習期間 難易度 合格率

国家資格

4日間

易しい

99%

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

就職・転職

原則無料

講習受講

※講習を受講するためには資格や実務経験が必要です。
※放課後児童支援員は児童福祉法第6条を根拠とした国家資格です。

最終更新日:2022/09/05

放課後児童支援員とは

子供に勉強を教える女性

子ども達が、学校での授業が終わった後や土曜日・夏休みなどの学校休業日に、安心して過ごすために提供される「遊び」や「生活の場」が放課後児童クラブです。

 

放課後児童支援員とは、放課後児童クラブなどの学童保育施設で、遊びと生活を支援し、健全育成を行うための専門資格です。

 

放課後児童支援員の仕事は、子ども達が家に帰るまでの時間、安心して過ごせる場を提供することです。

 

子ども一人ひとりの発達の特徴などを理解して、安全に配慮し、時には勉強を教え、おやつを食べ、話をしたり、遊んだりして放課後を一緒に過ごします。

 

放課後児童クラブを利用できるのは、仕事などで保護者が日中家にいない家庭で、保護者が病気や障がいを持っている場合や、介護や看護、就学、就職活動で家にいない場合なども含まれます。

 

対象となる児童は、小学校1年生から6年生までの子ども達です(低学年のみとなっている場合も多い)。

 

参考:放課後児童クラブ運営指針解説書|厚生労働省(pdf)

2015年度にスタートした国家資格

日本では、戦後間もない1940年頃から都市化や核家族化が進み、共働き家庭や一人親家庭の子ども達が学校の授業後に安心して過ごせる場所として、放課後児童クラブが整備され始めました。

 

当初は放課後児童クラブで働くための専門資格は存在せず、保育士や幼稚園教諭が代わって子ども達の面倒を見ていました。

 

2015年度より新しく放課後児童支援員の資格が国家資格として誕生。2015年4月以降、学童保育施設には1名以上の放課後児童支援員を配置することが義務付けられています。

放課後児童クラブの名称は様々で地域によって違う

マスクをしたまま勉強する小学生

 

放課後児童クラブとは、一般的には児童福祉法に規定される放課後児童健全育成事業をおこなう場所のことを指します。

 

地域によって様々な呼び方があり、「学童保育」「学童クラブ」「放課後クラブ」「学童保育所」などとも呼ばれています。

 

放課後児童クラブは各地に点在する児童館などに併設されている場合が多く、小学校の敷地内に部屋が確保されているケースもあります。

 

放課後児童クラブは、大きく分けると自治体が運営するクラブと民間団体が運営するクラブがあります。地方へ行くと自治体が運営する割合が高くなります。

 

利用料金は自治体や施設によって差はありますが、月額で4,000~10,000円程度かかります。概ね全体の約47%が4,000円以上8,000円未満となっています。無料の自治体もあります。

 

参照:放課後児童クラブ関係資料 | 厚生労働省(pdf)
※20ページを参照。

 

別途、おやつ代、延長料金、登録時の保険料、勉強を見るとプラス料金が加算される施設が多いです。

 

役に立つ資格なのか?

放課後児童支援員のレーダーチャート

放課後児童支援員は、児童福祉法第6条を根拠とした国家資格です。そのため履歴書に書いて十分アピールできます。

 

学童保育施設の施設数・登録児童数は、平成10年の調査以来ずっと増加の一途をたどっています。

 

参考:令和2年(2020 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況

 

今後も放課後児童支援員の需要は高まり続けると予想され、注目度の高い資格のひとつだと言えます。

 

パートやアルバイトで就業するのであれば資格はなくても大丈夫です。どこの事業所も人手不足なので、資格や経験がなくても指導補助員という形で採用しています(全体の40%は無資格の補助員)。

 

資格は仕事が決まって実務経験を積んでからでもいいです。しかし、要件を満たすのであれば就職は有利になるので取得して損はないです。


将来性を徹底研究

全体の65%は非常勤のパート、昇給は期待できない

 

厚生労働省の調査によると、放課後児童クラブなどで働いている人のうち、約65%はパート、約35%は常勤という結果が出ています。

 

参考:令和2年(2020 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(pdf)14ページ

 

フルタイムの常勤職員としての求人は、保育士、社会福祉士、小学校教諭免許などが必須となっている場合がほとんどです。自治体が運営する事業所の常勤職員は公務員です。その場合は一般職や保育士からの異動になります。

 

関連資格:保育士とは社会福祉士とは

 

無資格であれば、ほぼパートでの採用です。勤務時間は2時以降から4時間程度です。一度勤務すると平均勤続年数が長いのも特徴です。

 

賃金・時給などは1,000円前後(地域の最低賃金+100円くらい)が多いようです。

 

参考:放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)に係る実態調査の中間集計の状況について | 内閣府

 

毎年の昇給などは期待できず、資格を持っていても無資格者とあまり違いはありません。仮に教員免許を持っていても資格手当は付きません。

理想は高いが・・・施設によってヒドい扱いも

 

放課後児童支援員は、学童クラブによって仕事の中身が全然違います。やりがいを感じられる施設もあれば、子ども達にヒドい扱いをする施設もあります。

 

子ども達にビデオやテレビをずっと見せてただ時間を過ごさせるだけ、とにかく部屋に子ども達を教室に閉じ込めがんじがらめ、喧嘩やイジメがあっても見て見ぬふり・・・こんな施設もあれば、子どもが主体となって行事の計画を立ててイキイキとした日々を過ごしている施設もあります。

 

少しでも子どもの成長の手助けができればと思って働きはじめてもガッカリすることになります。

 

子ども達の対象年齢も違えば、保育の環境や時間も異なります。子どもの育成支援を常に考え、子どもと全力で向き合う気持ちを持ち合わせていることが求められているのかもしれません。

放課後児童支援員と放課後児童指導員の違い

 

子どもに勉強を教える女性

 

以前は、放課後児童クラブなどの学童保育施設で働くために特に必要となる資格がなかったため、そこで働く全ての人が「学童指導員」と呼ばれていました。

 

しかし、2015年に放課後児童支援員の資格が創設されるとともに、学童保育施設への一定数以上の放課後指導支援員の配置が義務付けられたため、有資格者を「放課後児童支援員」、無資格者を「放課後児童指導員」あるいは「学童指導員」と呼び分けるようになっています。

 

簡単に言うと

  • 放課後児童支援員:資格が必要
  • 放課後学童指導員:資格が不要

となります。

 

参考:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係 | 厚生労働省(pdf)

 

資格や実務経験などがなくても放課後児童指導員として働けます。呼び名が違うだけで、仕事内容に差はありません。

 

実は、給与・時給などもほとんど変わりません。

 

しかし、放課後児童支援員は国家資格である以上、持っていた方が就職は有利です。

放課後児童支援員と児童指導員の違い

 

主に小学生などの児童を相手とした福祉の仕事には、似たような名前の職種として児童指導員があります。

 

関連資格:児童指導員とは

 

児童指導員の就業先は、児童発達支援や放課後等デイサービス、児童養護施設などの児童福祉施設です。虐待や障がいなど、様々な事情から児童福祉施設に通所・入所する児童の健全な育成を目的としています。

 

放課後児童支援資格は学童保育施設が主な働き場所なので、必要な要件・役割は似ていますが働く場所が違います。

 

放課後児童支援員の講習を受講する要件と児童指導員の任用資格は若干の違いはありますがほぼ同じと考えてよいです。

 

放課後児童支援員の資格があれば、児童指導員としての要件もほぼ満たします。

 

放課後児童支援員になるには

放課後児童支援員のテキスト

放課後児童支援員になるには、下記の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」で定められている条件のいずれかを満たし、かつ各自治体が行う研修を修了しなければなりません。

 

保有資格や学歴によって実務経験の要否が異なります。無資格で全く実務経験が無い人には受験資格はありません。

 

《実務経験が不要な人》

  • 保育士、社会福祉士の資格所持者
  • 幼稚園・小学校・中学校・高校のいずれかの教員免許所持者
  • 大学(短大を除く)や大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学のいずれかの専門課程を修了している

《実務経験が求められる人》

  • 高卒以上で、児童福祉事業での実務経験が2年以上
  • 高卒以上で、放課後児童健全育成事業に類似する事業での実務経験が2年以上(※2,000時間以上の勤務が目安)
  • 学歴を問わず、放課後児童クラブでの実務経験が5年以上(中卒等含む)

参照:放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条 第3項

 

上記の受験資格に該当する人は、各都道府県が開催する研修を受講します。保育士や社会福祉士などの資格保有者は、研修の一部除外があります。

 

研修期間は都道府県ごとに異なるようですが、カリキュラムは土日を2回、合計4日間で16コマ(6分野16科目24時間)を受講する形が多いです。1日6時間の座学ですから結構ハードです。

 

主に学童保育の運営方針や育成支援、心構え、子どもの発達に関する基礎知識など幅広く学びます。

 

研修受講料は原則として無料ですが、有料の自治体もあります。

 

参考:令和4年度東京都放課後児童支援員認定資格研修について 東京都福祉保健局

 

もちろん居眠りなどは厳禁です。難易度は低く、講習+レポート提出で取得できます。ほぼ100%の合格率です。

パートやアルバイトの実務経験も可、違う事業所での合算も可

パートでもアルバイトでも実務経験は有効です。2年以上の実務経験(合計で2000時間)があれば受講資格があります。

 

受講を申込む際に、勤務証明のような書類(受講資格確認書類)を添付して提出します。

 

また、転職や異動などで複数の事業所で働いていた場合、実務経験を合算することも可能です。

 

この場合、以前働いていた事業所から実務経験証明書を発行してもらう必要があります。転職を考えているなら退職する時に実務経験証明書を発行してもらいましょう。

認定資格研修情報

講習日 お申込み

各都道府県によります。

各都道府県によります。

受講資格

受講資格があり、資格や実務経験が必要です。

講習内容

受講料:原則無料、テキストは有料です。
《研修の項目・科目》
【放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解】

  • 放課後児童健全育成事業の目的および制度内容
  • 放課後児童健全育成事業の一般原則と権利擁護
  • 子ども家庭福祉施策と放課後児童クラブ

【子どもを理解するための基礎知識】

  • 子どもの発達理解
  • 児童期(6歳~12歳)の生活と発達
  • 障害のある子どもの理解
  • 特に配慮を必要とする子どもの理解

【放課後児童クラブにおける子どもの育成支援】

  • 放課後児童クラブに通う子どもの育成支援
  • 子どもの遊びの理解と支援
  • 障害のある子どもの育成支援

【放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力】

  • 保護者との連携・協力と相談支援
  • 学校・地域との連携

【放課後児童クラブにおける安全・安心への対応】

  • 子どもの生活面における対応
  • 安全対策・緊急時対応

【放課後児童支援員として求められる役割・機能】

  • 放課後児童支援員の仕事内容
  • 放課後児童クラブの運営管理と運営主体の法令の遵守

※保育士・社会福祉士・教員免許所有者は研修科目の一部免除あり
※1回の研修日数は4~8日程度、原則として2~3ヵ月以内で実施

 

参考:放課後児童支援員に係る都道府県認定資格研修ガイドラインの概要 | 厚生労働省

試験に関する詳しい情報は各主催者のホームページをご覧ください。

おすすめ参考書

放課後児童支援員都道府県認定資格研修教材 第2版: 認定資格研修のポイントと講義概要

研修科目ごとにポイント解説を加えわかりやすく編集してあります。

 

認定研修ガイドラインに基づき、最新の学童保育実践や教育・発達研究を取り入れてまとめた基本テキストです。

 

最新の法令・通知を収載。受講者だけでなく、研修講師、子育て支援員研修者にも必携の一冊です。

 

※なお、研修会場によってはこのテキストを会場で販売しています。

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