種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 普通 | 15% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | 3~6万円 | 6か月以上 |
- 取得費用は独学の場合です。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2023年4月15日に集計。
保育士は、働くお母さんの代わりとして子ども達の世話をするのが主な仕事です。国家資格であり、女性にとっては一生涯役立つメリットのある資格です。常に人手の業界で求人数は多く、就職・転職先には困りません。
保育士とは

子供の見守り役
保育士は、働くお母さん・お父さんの代わりとして子ども達の世話をするのが主な仕事です。
0歳からの子どもも保育の対象となるので、オムツ交換や授乳、生活面での指導・しつけ、歌や折り紙などで一緒に遊びながらお母さんに代わって見守ります。
子どもが心身ともに健やかに成長するために保育士は様々な遊びなどの計画をたて、子どもの様子や天候、疲労度を見ながら一緒に遊びます。時には柔軟な保育を進めていかなければなりません。
保育士とは、もともとは「保母さん」と呼ばれていた資格です。
女性の仕事として定義付けられていたため実際に保母さんとして働くのもほぼ100%が女性でした。
しかし、1985年の男女雇用機会均等法の制定以降、少しずつ男性の「保父さん」も増えています。
そういった背景を踏まえ「保母」は「保育士」に改められ、女性でも男性でも関係なく保育の専門家としての国家資格として定義付けられています。
役に立つ資格なのか?

一生涯役立つ資格
保育士は国家資格であり一度取得すれば生涯有効な資格です。
子育て等の理由で一旦退職したとしても、その経験が再就職を有利とすることも仕事柄多いようです。女性にとっては一生涯役立つ資格です。
子供と遊ぶ仕事というイメージがあるため最近では男性の保育士も増えてはいますが、やはり子育てという面では女性の仕事と言えます。
近年、共働き家庭の増加などから保育の需要が増え、また、待機児童の問題などもあり、常に保育士を募集しているような状況です。
そのためパートなどの短時間勤務や、保育士派遣を専門としている人材派遣会社で働くなどライフスタイルに合わせた働き方をすることもできるようになりました。
活躍できる場所は保育所だけに限らず、病院、大型複合施設など多岐に渡ります。最近では病院で保育士を募集しているケースも目にします。
様々な形で子どもと関わることができる点が保育士の大きな特徴です。
将来性について徹底研究

この資格の活かし方
保育士は常に人手不足なので日本全国で求人は多く見つかります。資格を取得すると就職や転職にはかなり役立ちます。
最近は男性の保育士もいますが、やはり女性に人気の職業です。
保育士の仕事は、将来の日本を支える元気な子どもの成長を親に代わって見届けるやりがいある仕事です。
就職先は幼稚園、保育園、託児施設、乳児院、養護施設などの児童福祉施設や病院などで、活躍の場は多くあります。
放課後児童支援員、児童指導員として働く保育士もいます。
将来結婚して子どもを持ちたいと考えている女性には、子どもの心理を学ぶ上でも役立つ資格です。
参考までに申し上げますと、チャイルドマインダーといった民間の検定試験などは全く役に立ちません。お金さえ払えば手っ取り早く取得できますが就職や転職に際しては評価されません。
それどころか、初めから講座受講料と受験料を目的としただけの資格商法です。チャイルドマインダーといった民間資格には手を出さないように願います。
関連資格:チャイルドマインダー
地域限定保育士の制度がスタート!
地域限定保育士とは保育士の人材不足を解消するために、少しでも合格者を増やすのが狙いで作られた試験的な制度です。平成27年より実施されています。
簡単に説明すると、保育士試験に合格した地域(自治体)でだけ働ける保育士資格の地域限定版です。地域が限定されているので合格した地域以外では「保育士」とは名乗れません。
しかし、地域が限定されるのは合格後最初の3年間だけで、実際に保育士として働かなくても登録後3年すれば全国で働ける保育士に「自動昇格」します。
地域限定保育士試験は全国どこでも受けられワケではありません。神奈川県、大阪府、沖縄県、千葉県、宮城県などの一部の地域(国家戦略特別区)に限定して実施されています。
地域限定保育士の試験が簡単ということではなく、1回多く地域限定保育士の試験を受けられるという制度です。
地域限定保育士試験と通常の保育士試験でも科目合格制度(後で詳しく説明)は利用できるので、合格できるチャンスがアップします。
参考:地域限定保育士試験の実施について |報道発表資料|厚生労働省
未経験者であっても意外と採用される業界
どの資格にもいえますが、就職するにあたってはもちろん経験があるに越したことはありません。保育士であっても同様です。
しかし、経験があればいい保育士であるとは限りません。経験がなくても採用時から良い保育をする保育士も多くいます。
相手は小さな子どもとはいえ感情を持った生身の人間です。保育士の人間性が重要であることは言うまでもありません。
保育園の園長の立場からすると、よその保育園の悪い習慣が身についているベテランよりも、全くの新人の方が指導しやすいという意見も多いようです。
面接の際に当然経験の有無も聞かれますが、大切なのは人柄です。決して経験者が有利にはならず未経験者を積極的に採用する保育園も珍しくないです。
保育園の求人情報はハローワークや一般求人誌、保育士専門の求人サイトなどに多数掲載されています。詳しく調べてみると、未経験歓迎の求人も多く掲載されていのがわかります。
幼稚園教諭と保育士の違いとは
幼稚園教諭と保育士の仕事は違いますが、どちらも幼児を対象にした施設で働く幼児教育のプロであってその差は薄れつつあります。
幼稚園の先生は、正確には幼稚園教諭と言われ、ピアノやお絵かきなどのお遊戯で情操教育をおこなうのと同時に、団体生活の中でのしつけなどもします。
保育士は、働くお母さんに代わって子どもの世話をするのが仕事です。0歳からの子どもがいるので、オムツ交換や授乳から、生活面での指導・しつけ、歌や折り紙などで一緒に遊びながら子どもの成長をお母さんに代わって見守ります。
現実は厳しい仕事
一般的に保育士の仕事は低賃金であると言われています。国会などでもしばしばこの話題は取り上げられているので周知の事実と言ってもよいでしょう。
平均年収214万円との統計もでていて他の職種よりもかなり低いのが現実です。
保育士は長時間労働をすることも多いのですが、手当がつかない保育園がほとんどのようです。いわゆるサービス残業です。
そのため保育士の資格を持っているにもかかわらず保育士の仕事をしない人は多く、これが保育士の慢性的な不足となっている一因と言われています。
人口減少に歯止めをかける狙いもあって、国は保育士の給与面での待遇改善を現在すすめている最中です。今後の待遇改善を期待しましょう。
役立つ資格ですが、現実は厳しいようです。
参照:平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書) 東京都福祉保健局
労働条件は改善されつつあるようです
当ホームページで初めて保育士の紹介をしたのは2015年になります。その後わずか数年しか経っていませんが保育士の労働条件は明らかに改善されているようです。
特に2016年に、「保育園落ちた、日本しね」などの書き込みが話題になり問題提起のきっかけにもなりました。
待機児童数解消のためには保育士の確保が重要です。資格を持っているだけで保育士として働いていない「潜在保育士」が保育士になる場合、自治体によっては助成金が支給されます。
給与も以前と比べると少しずつですが良くなってきているようです。好条件の求人もある程度選べるようです。
合格するには
通信教育など、独学でも保育士の資格は取得可能
保育士資格の取得方法は大きくわけて下記の2通りです。
- 大学、短期大学、専門学校などの指定保育士養成施設へ進学し、その課程を修了して保育士資格を取得する。
- 国家試験である「保育士試験」を受験し合格する。
簡単に説明すると、学校で保育士の学習をするか、学校へ行かずに独学で試験に合格するかのどちらかです。
保育課などの学部がある大学・短期大学・専門学校を卒業すれば、それと同時に無条件で保育士の資格を取得します。
それ以外の人は、通信教育や市販の問題集で学習して試験に合格すれば保育士の資格を取得します。保育園などで教育実習をしなければならないのでは?と思われる人が多くいますが、それは保育の学校へ通っている学生のみです。
保育士の資格は、専門的な学校・施設へ通うことなく通信講座でも十分に取得できます。
科目合格制度で、最大3年かけての合格も可能
筆記試験は9科目ですが、一度の試験で全て合格する必要はありません。
全科目合格しなかったとしても、合格した科目は最大3年間次の試験に引き継げます。つまり、3年間かけて筆記試験9科目に合格すればよいことになります。
ただし、教育原理と社会的養護は2科目で1セット(通称ニコイチ)になっており、一度の試験で両科目とも合格点を取らないと合格科目として次へ引き継げません。実は、これで苦しめられる受験生が意外と多くいるようです。
科目合格制度は税理士試験でも採用されています。働きながら学習を続ける受験生の負担を減らすのが狙いですが、保育士の場合は慢性的な人手不足で合格者を少しでも増やしたいという背景があります。
短期合格も可能ですが、決して簡単な試験ではない
保育士試験は国家資格の中では比較的取得しやすい部類に入ります。
試験の感覚的な難易度は受験生の基礎学力にもよりますが、大学受験時にある程度学習を積んいれば3か月程度の学習で1~2回の受験で合格している人もいます。
とはいえ国家資格です。楽に短期間で合格できるような試験ではありません。短期間で合格する人もいる一方で2年以上の時間を費やしてなんとか合格できた人もいます。
筆記試験は9科目です。中でも社会福祉、児童家庭福祉、保育原理、教育原理、社会的養護はある程度時間をかけて学習しないと合格点をとるのは簡単ではないという印象です。
学習する範囲が広いので中には不得意な科目もあるでしょう。必ず全て受験する必要はないので、科目合格を狙って不得意な科目は次回の試験にまわすこともできます。
しかし、同じ科目でも難易度は試験の度に違います。自信がない科目でもとりあえず受けてみたら意外と点数が良かったりします。年に2回受験できるので要領(運)がよければ短期間で合格できるかもしれません。
子育てがひと段落した主婦など、自宅でゆっくりと学習ができる環境にある人は独学が向いています。時間さえかけて学習すれば十分独学でも合格を狙えます。普通に時間をかけて学習すれば合格できます。
受験生の年齢も幅広く、50代以上の合格者も珍しくありません。
おすすめの通信講座
保育士試験に合格した女性にも詳しく聞きましたが、一番評判が良いのが下記のヒューマンの通信講座です。等サイト運営者が調べた結果でもやはりおすすめできる内容です。
教材の内容がとにかくしっかりしています。教材は理解するポイントがしっかりまとまっているので何度も読めば確実に理解が深まります。
ヒューマンの通信講座はDVDで学習をすすめられるのがいいです。各科目の要点を解説した講義DVDがついていて理解を深めるのに役立ちます。それになんと言っても、実技の様子はDVDやCDなどで見て事前に対策を立てる必要があります。保育士受験に関してはDVDは必須と言ってもよいでしょう。
他にも、講義音声CDや保育所保育指針読み上げCDなども付属していて教材の内容が最も充実しています。
学習をすすめていると、どうしても気分がのらない時があります。そんな時はただDVDだけ見ていても何もしないよりはマシです。そんな気分転換にもDVDは使えます。
サポート期間が3年間あるのも嬉しいです。ここまでサポートしてくれるのなら、申し込んだだけで途中で挫折するのはもったいないです。これを是非活かしてください。
よく、「ユーキャンもDVDが付いているけど、教材として使えそうですか?」と質問をいただきますが、注意してほしいのは、ユーキャンについているDVDは学習のすすめ方を解説したDVDであって、講義のDVDではないです。学習教材とは違います。
他社の通信講座でもDVDが数枚付属しているものもありますが、教材の一部の内容にとどまっており、あまり使えるものとは言えません。一応DVDがついているといったレベルです。
ヒューマンの通信講座はメール、FAX、電話サポートも受けられます。この内容で合格できないのならヤル気がないだけだと思います。申し込んだら合格するまで必ず学習してください。
※こちらから受講申し込みができます。資料請求も可能です。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
おすすめ参考書
試験情報
試験日
前記と後期の年2回実施されています。
【前記】筆記試験:例年4月に2日間、実技試験:例年7月
【後期】筆記試験:例年10月に2日間、実技試験:例年12月
お申し込み
主催者サイトでご確認ください。
受験資格
受験資格は詳しく分類されおり、特例措置などもあります。
基本的には大学卒業ですが、それ以外でも受験資格を得られます。
詳しくは受験資格|一般社団法人全国保育士養成協議会をご覧ください。
試験会場
各都道府県
受験料
12,700円
試験内容
【筆記試験科目】(9科目、出題範囲も広いです)
土日の2日間にわたって実施されます。
- 社会福祉
- 児童家庭福祉
- 保育の心理
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育原理
- 教育原理
- 社会的養護
- 保育実習理論
合格点はどの科目も60%です。
【実技試験科目】(ピアノや絵を描く技術が試されます。対策を立てて練習すれば難しくはありません)
- 音楽表現に関する技術 (ピアノ・ギター・アコーディオンから1つ選び、事前に知らされた課題曲を弾き語ります)
- 造形表現に関する技術 (テーマに沿った絵を書きます)
- 言語表現に関する技術 (好きな絵本を暗唱して、3分以内に話します)
筆記試験に全科目合格すれば実技試験の受験資格を得られます。
実技試験の合格率は95%と高めです。ほとんどの人が合格できます。
合格基準
■筆記試験
各科目において、60%以上の得点。
■実技試験
選択した2分野とも、60%以上の得点。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は保育士試験を受ける方へ|一般社団法人全国保育士養成協議会をご覧ください。
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