歯科衛生士とは?働き方や将来性・歯科助手との違いなど解説
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | — | 96% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
養成課程修了 | 200万円~ | 3年以上 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
一生モノの技術 | 11,084件 |
- 歯科衛生士になるには、所定の養成機関で必要な教育を修了し国家試験に合格しなければなりません。
- 合格率は最終の国家試験についてです。
- 全国求人数は、ハローワークの情報を基に2024年3月26日に集計しました。
歯科衛生士とは、歯や口の中の健康づくりをサポートする専門職です。
将来性もあって全国で就職や転職先は豊富にあります。まさに一生モノの価値ある資格と言っても良いでしょう。
独学では取得できず専門学校か大学へ通わなければなりません。社会人であれば夜間の学校もおすすめです。
歯科衛生士が持っていれば就職が有利になる資格は自動車免許くらいです。
歯科衛生士とは
歯や口の中の健康づくりをサポートする専門職
歯医者さんへ歯の定期検診へ行って、歯石をゴリゴリと取ってもらった経験がある人も多いのではないでしょうか。
虫歯の治療で歯医者さんへ訪れると、最近ではまず歯石取りから始まるようです。
虫歯の治療はしませんが歯石をいつも取ってくれるのは歯科衛生士です。
小学生の頃、学校に大きな歯ブラシの模型を持った若い白衣を着た女性が来て、歯の正しい磨き方を教えてくれました。あの保険指導をおこなう女性も歯科衛生士です。
歯医者さんへ行くと、歯科医のアシスタント的に口の中に手を入れて治療の補助をする女性がいますが、その女性も歯科衛生士(のはず)です。
歯科衛生士は人々の口の中(口腔)を清潔に保って虫歯の予防を図るのが主な仕事で、歯や口の中の健康づくりをサポートする専門職です。
歯科衛生士は、国の法律(歯科衛生士法)で定められた国家資格です。
仕事の内容は、①診療補助②予防処置③保険指導、の3つの業務が定められており、それぞれに専門性の高い知識・技術を必要とします。
ちなみに当サイトの筆者は虫歯になりやすい体質のようで、毎日丁寧に歯を磨いていても3か月もすればどこか虫歯が見つかります。
そのため毎月のように定期検診に行き、歯石を取ってもらっています。
関連団体:歯科衛生士とは|日本歯科衛生士会
歯科衛生士と歯科助手はどう違うの?
歯科衛生士は歯科医師と同じく医療系の国家資格です。
歯科衛生士になるためには3年以上専門の教育を受けた上で国家試験をクリアしなければ業務は行えません。
一方、歯科助手というのは一般的な名称であって、特に資格ではありません。単なる民間の検定試験です。
つまり持っていても持っていなくても誰にでもできる仕事です。
誰にでもできるということは業務内容も限られていて、器具の洗浄や受け渡し、歯科材料の準備、受付、電話対応、診療報酬の計算などに限られます。
患者さんに対してできるのはバキューム(唾液の吸引)までです。
歯科助手は直接患者さんの口の中に手を入れられません。処置や指導などはできないということです。
歯科衛生士と歯科助手には仕事の内容に大きな違いがあります。
役に立つ資格なのか?
歯科衛生士の国家試験では、性別・年齢・国籍は問われませんが、入学を女性に限定している学校が多く、完全に女性優位な職業です。
歯科医師1人に、歯科衛生士2人が理想といわれていますが、実際には医師の数に比べて歯科衛生士は極端な人手不足です。
求人数は歯科衛生士養成学校の卒業者をはるかに上回っています。一説によると求人は10倍以上だそうです。
やはり国家資格なので資格を取得すれば就職先などには困りません。
高齢者への訪問歯科などの必要性から、これから歯科衛生士の活躍する場がもっと増えるはずです。
将来性もあって価値ある資格だといえます。まさに一生モノの資格と言っても良いでしょう。
ブランクなども気にせず日本全国で働く場所はあります。
余談ですが、なぜ男性の歯科衛生士がいないのか?これはサイト運営者の想像ですが、男性の歯科衛生士だと患者さんが敬遠するからだと思います。
採用する歯科医院も男性よりは女性を採用するでしょう。
体臭漂う筋肉隆々の男に力ずくで歯石をゴリゴリ取られるなんて想像したくないですよね!
誰でも女性に優しく歯石を取ってもらいたいはずです。
そんな理由があるのではないでしょうか。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
歯科衛生士の資格があれば就職先には困りません。
学校からの紹介、求人広告、ハローワーク、どこでも求人はたくさんあります。
ただし、個人経営の歯科医院に就職するケースが多いため、病院次第で待遇に差がでます。
個人病院だと福利厚生が充実しにくく、従業員が少ないために休みが取りづらいという面もあります。総合病院や民間の会社に就職する人もいますが、その方が待遇が良いケースが多いようです。
以前は、結婚や出産でブランクがあると40歳以上ではなかなか再就職が難しかったようですが、最近では人手不足もあって年配の歯科衛生士の再就職はかなり改善されています。
例えば、高齢者への訪問歯科による口腔ケア指導に年配の歯科衛生士が活躍しています。
大学か専門学校、進学するならどっち?
歯科衛生士になるには、高校卒業、大学か短大あるいは専門学校などの養成校へ進学しなければなりません。そこで専門知識を習得します。
進学するのであればどっちがいいか?卒業後の就職や待遇面で違いがあるのか迷うところです。
個人のクリニックや歯科医院に就職するのであればほぼ学歴は関係ないです。
大学病院や大型総合病院の口腔外科や保健センター、歯科関連の企業へ就職を希望するのであれば大学がおすすめです。
中には大卒(短大卒)しか採用しない病院もあります。
歯科衛生士や歯科医の意見を調べてみると、大学も短大も専門学校も卒業して資格をとってしまえば同じだという意見が多いようです。
歯科衛生士として早く働きたいのであれば、短大や専門学校は1年短いのでおすすめです。学歴を気にするのであれば大学が良いでしょう。
大きな病院あるいは公務員として働きたいのであれば短大・大学がおすすめです。
入学試験の難易度は様々です。大学の方が若干難しいですが、面接のみで容易に入学できる短大や専門学校もあります。
歯科助手の学校へ通うのなら断然歯科衛生士の学校へ
ほとんどの歯科医院では歯科衛生士と歯科助手が一緒に働いていると思います。
しかし給料や待遇、求人数も歯科助手より歯科衛生士の方がはるかに良いです。
できる仕事も全く違います。歯科助手はあくまでも歯科医のお手伝いで雑用的な業務です。誰でもできる仕事です。
一方、歯科衛生士は治療の補助とはいえ実際に患者さんの口に手を入れて治療に準ずるような高度な専門業務を行います。
世間には歯科助手の専門学校もありますが、そこへ通ってもほとんど意味はないです。それは卒業してもしていなくてもできる業務は同じだからです。
もしも歯科助手の学校へ行くことを検討されているようであれば、将来性という面でも断然歯科衛生士の学校へ行くことをおすすめします。
就職先は人気のある歯医者さんへ!
歯科衛生士になってたくさん稼げるかどうかは就職先により左右される一面もあります(もちろん経験や能力によっても違います)。
歯科医院がコンビニの数よりも多い現状では、どこの歯科医院も患者で一杯というわけにはいきません。
特に都会では患者の取り合いをしている歯科医院密集地域もあるくらいです。
やはり人間性が良くて腕の良い先生がいる歯科医院は平日でも患者で賑わっています。
そんなところへ採用されたら当然ですがヒマなところよりは稼げるでしょう。
歯科衛生士も複数人いて、ヒマな時間がほとんどないくらいです。
当サイトの筆者がお世話になっている歯科医院は、片田舎にあるにも関わらず、とにかく午前中から人でいっぱいです。
年配の歯科医師が経営していますが、とにかく人柄が良い!
それもあってスタッフの入れ替わりが全くといっていいほどないんです。
8年間ほどお世話になっていますが、歯科衛生士、歯科助手の顔ぶれはずっと同じです。
こういう歯科医院を就職先として選んでほしいものです。
持ってるといい資格、有利になる資格は?
少しでも就職が有利になるようにと、学生のうちに取得できて将来歯科衛生士として役に立つ資格や検定を取りたいと考える学生も多いようです。
しかし、率直に申し上げてそういった資格はありません。
民間資格や認定資格などは、歯科衛生士になってから必要に応じて取得すればよいです。
学生であれば学校での成績が重要です。在学中の成績がよければそんなに就活は苦労しません。
あとは、強いて言えば自動車運転免許くらいでしょう。
日本では急激に高齢化社会が進んでいます。それに伴い訪問歯科衛生士という働き方も今後増えることが予想されています。
訪問歯科衛生士とは、高齢者宅や介護施設・障害者施設や病院などを回って、口腔ケアをする仕事です。
その際に必要となるのは自動車運転免許です。
就職にはあまり影響しませんが、介護職員初任者研修などを受講しておけば体が不自由な人やお年寄りと接する際に役立ちます。
かわいい女性がやっぱり就職は有利だという現実
ただ、歯科衛生士の就活に関して言えば、申し上げずらいのですが多くの場合容姿が優れている女性が有利なようです。
つまり、美人です。
特に歯科医院の競争が激しい都会ではそんなことで就職が決まってしまう現実もあります。
少しでも清潔感を出せるように、服装やお化粧に気を使って、面接時の印象が良くなるようにするのが得策です。
若くて綺麗な歯科衛生士であれば、とりあえずは就職先にはほとんど困らないでしょう。
歯科衛生士になるには
歯科衛生士になるための進路
歯科衛生士になるためには高校卒業後、歯科衛生士の専門学校・短大・大学へ進学して、そこで専門知識について学習します。
大学は4年制ですが、専門学校と短大は3年制です。以前は2年制でしたが2011年頃に変わりました。
短大と大学の場合はそれぞれ大学内にある「歯科衛生士学科」になります。専門学校が一番入学しやすいです。
歯科衛生士は現在3年制になっています。1年間~1年間半は教科書を使って講義をひたすら受け、時々校内での実習もします。
2年目~後期になると国家試験に向けて学習する内容も濃くなり、大学病院や個人医院などの実際の現場に出て実習をします。
学校へ行けば必ず国家試験を受けられるわけではなく、一定の授業時間を受けていないと受験できません。
国家試験間近になれば校内での模擬試験がたくさんあります。本試験にむけての学習をひたすらおこない宿題も山ほどあるようです。
国家試験は、学校での勉強を普通にこなしていれば合格できるレベルで、合格率はほぼ100%です。
もちろん日々の勉強をサボっていれば落ちる人もいますが、どんな人が落ちるの?っていうくらいの難易度です。
国家試験に合格後は、登録申請により歯科衛生士名簿に登録することによって免許証が交付されます。
軽い気持ちで入学すると勉強が大変で退学する女性もいる
歯科衛生士は、患者さんの口に直接手を入れるほどの重大な業務をおこなう国家資格ですから、当然ですが簡単にはなれません。
数か月通信教育の教材をこなして、自宅で独学で勉強して試験なんていう検定試験とはワケが違います。
とはいうものの専門の教育機関に入学するのはそんなに難しくはないです。専門学校であれば比較的簡単に入学できます。
けれど一旦入学すると勉強、実習で、家に帰っても予習・復習しないとついていけないほどです。
歯科衛生士になるための最終の本試験は簡単かもしれませんが、それまでに覚えるべきことは膨大な量です。
3年かけてしっかりと学習し、身につけていないと解けないような応用問題も出題されます。
しかも歯科衛生士になってからも日々努力が必要です。
そのため軽い気持ちで学校に入って、イヤになったり辛くなったりして退学する女性も少なからずいます。
高校生の頃は勉強が大キライで大学へ進学する学力もなく、なんとなく歯科衛生士の専門学校へ入ったけど勉強する気も起きない、そんな女性は途中で学校を辞めていくようです。
誰にでも向き不向きがあります。入学してから将来の進路を変えるのは悪いことではありませんが、入学する前に今一度専門家になるために3年間は学習を続ける覚悟を持つ必要がありそうです。
社会人でも歯科衛生士になれる!
歯科衛生士の資格は、社会人になってからでも取得できます。
専門学校の中には夜間部を併設しているところも多くあります。
学費を捻出するために昼間働きながら夜間の専門学校で勉強するのもおすすめです。
夜間部では昼間部より少ない時間で勉強できて、さらに、夜間部の方が学費が安い専門学校が多いようです。
夜間部に通う女性には様々な人がいます。
昼間は正社員として働いていて将来のために手に職をつけたい女性、歯科助手の仕事をしながら歯科衛生士へのキャリアアップを目指す女性・・・等々。
年齢も幅広いです。30代・40代もいます。これは看護師の専門学校と同じです。
さらに、奨学金、ハローワークが行っている教育訓練給付金、学生ローンなどを利用できるケースもあります。これは大きなメリットです。
まずは無料の資料請求
社会人でも入学できる大学・専門学校の資料請求
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
現役の歯科衛生士にも、これから歯科衛生士を志す人にも人気の漫画です。特に現役の歯科衛生士に好評です。
歯科医と歯科衛生士と患者さんとのやりとりが笑えます。読んでいると歯、舌、口の中の大切さがよくわかり、歯科衛生士の仕事の重要さが理解できます。
種類 | 評価 |
参考書(漫画) |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年1回:2月下旬~3月上旬
お申し込み
1月上旬~中旬
受験資格
専門の養成機関で定められた課程を修了という学歴の条件があります。
試験会場
北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
受験料
14,300円
試験内容
筆記試験がおこなわれます。
【試験科目】
- 人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
- 歯・口腔の構造と機能
- 疾病の成り立ち及び回復過程の促進
- 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
- 歯科衛生士概論
- 臨床歯科医学
- 歯科予防処置論
- 歯科保健指導論
- 歯科診療補助論
合格基準
概ね60%以上の正解
合格発表
3月末ごろ
主催者情報
試験に関する詳しい情報は歯科衛生士国家試験の施行|厚生労働省をご覧ください。