産業カウンセラーが役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

産業カウンセラー

この資格で専門のカウンセラーになるのはほぼ無理。取得も更新も大出費。

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

普通

6か月以上

民間資格

民間検定

67%

最終更新日:2019/10/03

産業カウンセラーとは

男性の悩みを聞く産業カウンセラー

近年、日本経済の衰退とともに企業がおこなうコスト削減政策は徹底され、希望退職やリストラによる雇用の不安定化、非正規社員の増加、成果主義の導入など、労働者の心身にストレスを与える要因が増えています。

 

弱い立場の労働者は我慢を強いられ、不安や不満は心の中に蓄積していきます。心に余裕がなくなると労働者同士の人間関係は悪くなります。

 

心に不安や強いストレスを抱いている状態を放置しておけば、心身の変調が生産性の低下へとつながり会社にとってマイナスになるばかりか、些細なミスが大事故を発生させて会社の存続を脅かす重大な事故が発生するリスクも増加します。

 

そこで、職場における労働者のストレスを早期に発見し、可能な範囲で対策を立てるなどのストレスコントロールの援助が必要になります。

 

産業カウンセラーとは、主に企業内において、労働者が職場で日々感じる悩み事や心配事などのストレスを少しでも緩和して、良い方向へ導くための相談役です。

 

産業カウンセラーは、心理学的手法を用いて、主に会社で働く人とその組織を支えるメンタルヘルスの専門家です。

産業カウンセラーの仕事の基本は「傾聴」

女性カウンセラーと男性

産業カウンセラーがおこなうカウンセリングの基本は「傾聴」です。

 

傾聴とは、カウンセリングの際のコミュニケーションスキルの一つで、人の話をただ聞くのではなく、注意を払ってより深く丁寧に耳を傾けることです。

 

相手が話したいこと、伝えたいことを受け入れ、共感しながら真摯に「聴く」行為や技法を指します。

 

産業カウンセラーが熱心に傾聴すると、相談者は自分を認めてくれたと感じ共感の意識が生まれます。すると心を開いて何でも語るようになります。

 

産業カウンセラーは、企業内でのカウンセリングにおいてもまずは傾聴からはじめ、問題解決へと導いていきます。

 

参考:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

産業カウンセラーのレーダーチャート

産業カウンセラーとは、日本産業カウンセラー協会が主催する民間の資格です。つまり法的な根拠のない検定試験になります。

 

1992年から2001年までは産業カウンセラー試験は旧労働省が認定する技能審査であったため公的資格という位置づけでした。求人なども探せばありました。

 

しかし、2001年に技能審査から除外され、以降は完全な民間資格になっています。

 

産業カウンセラーの資格を取得しても就職・転職の役に立ったり、キャリアアップにつながって給与がアップするのはほとんど期待できません。

 

産業カウンセラーの資格を取得しても直接メリットはないですが、カウンセラーとしての知識が広まるので自分自身の成長につながるなど学習した内容が間接的に役立つ機会はあります。

 

例えば、所属する企業で人事部の責任者になったとか、社員と定期的に面接をおこなう管理職になった場合には、学習した内容が役に立つでしょう。

 

あるいは、キャリアを積んで人事労務の専門家として転職するのであれば、自己アピールの材料として役立つかもしれません。

 

専門のカウンセラーとして就職・転職あるいは独立しようと思うなら、産業カウンセラーの資格だけでは無理です。求人はありません。今、日本でカウンセラーの専門家として活躍しているのはほとんどが臨床心理士か精神科医です。大学院卒で最低でも6年間は心理学について学ぶ必要があります。

 

参考:臨床心理士とは


産業カウンセラーの将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

産業カウンセラーの資格を取得して就職しようというのではなく、現在の仕事に役立てるために産業カウンセラーの勉強をしようという人にはおすすめです。

 

産業カウンセラーは民間資格ですが歴史もあり、それなりに実績もあります。資格試験の学習を通してカウンセリングの基礎を学習できます。

 

会社で社員のメンタルヘルス対策の担当になったが産業保健について知識がないので産業カウンセラーの勉強をして仕事に活かしたい、大勢いる部下のメンタルヘルス対応に困っているので、産業カウンセラーについて勉強してみたい、というような場合には、学習した内容が仕事に活かせるでしょう。

 

職場でも仕事の上でも人と接する際に、カウンセリングの技術を学んでいる人と、そうでない人とでは接し方は全く違います。

産業カウンセラーとして専門業務に就くのは無理

 

産業カウンセラーの資格だけで専門のカウンセラーの仕事に就くのはほとんど無理です。

 

ちょっとしたお手伝い程度の仕事があったらすごくラッキーですが、最低賃金の時間給が支給される程度のボランティアのような仕事です。

 

例えば、他に看護師、臨床心理士などの資格を持っていればよいのですが、産業カウンセラー資格だけで応募できる相談の専門職の求人はありません。

 

産業カウンセラーは、数多ある民間のカウンセラー資格の中では知名度があります。それは、以前は旧労働省の認定を受けた公的な資格であったからです。しかし、現在は単なる民間資格にすぎません。取得する意味はありません。

 

カウンセラーの仕事をするなら臨床心理士あるいは国家資格である公認心理師の資格が必要になります。

 

それ以外にも民間のカウンセラー資格は多数存在しますが、多くは金儲けだけの資格商法です。

産業カウンセラーは取得も更新も金がかかる!

 

産業カウンセラーの資格を取得するには、日本産業カウンセラー協会が開催する「産業カウンセラー養成講座」を修了して受験資格を得なければなりません。

 

しかし、この養成講座が安くありません。e-Learningの6か月コースで291,600円(税込み、2019年7月現在)です。
※以前まであった通学制・通信制は廃止になりました。

 

まぁ、心理学について専門の教育を受けるワケですから、これが高いのか安いのかは一概には言えませんが、決して安くはない金額です。

 

そして、受験資格を得ると本試験に望みますが、受験料は学科・実技ともに受験すると33,124円です。

 

晴れて合格して、産業カウンセラーとして活動するとなると登録料(入会金)7,000円と年会費10,000円が必要です。その後は毎年会費が10,000円です。

 

産業カウンセラーほ資格は5年間有効です。その5年の間に、いろんな研修を受けて、計30ポイント(ポイントは研修内容によって違う)を取得し、更新料及び会費を支払わなければ資格は喪失します。しかも4日間で52,500円の実習講座を受講しなければ試験を受けられません。

 

一旦合格しても、資格喪失しないようにするには結構なお金も時間も必要です。

 

しかもですねぇ、こういった必要な金額っていうのが主催者である日本産業カウンセラー協会のホームページを見ても簡単には見つからないんです。いろいろと探してようやく小さく書かれた金額の明細にたどり着くよな感じです。ワザとしてるとは思いたくないんですけどね・・・

 

産業カウンセラーとは、とにかくお金がかかる資格です。取得する際の難易度は高くはないですが、維持する方が大変です。

 

取得する意味や将来性などもよく考えましょう。せっかく取得しても「仕事ない!」なんて状況になります。

 

産業カウンセラーになるには

産業カウンセラーの難易度や合格率を語る前に、まずは受験資格を得なければ試験にのぞめません。

 

下記の要件を満たして受験資格を得る必要があります。

  • 20歳以上で、産業カウンセラー養成講座を修了している
  • 大学および大学院で心理学関連の所定の専攻を修了し、所定の科目の単位を取得

大学や大学院で心理学について学んでいなければ必ず養成講座を受講しなければなりません。独学では受験資格は得られません。

 

その後、最終の試験に合格し、日本産業カウンセラー協会の会員になることで産業カウンセラーと名乗っての活動が可能になります。

 

養成講座は、インターネットを使ってWeb上で学習する「e-Learning」です(講座会場での実習もあります)。修了すれば、修了年度に関係なく受験が可能です。

 

ちなみに、以前まであった通学制と通信制は2019年頃に廃止になっています。

 

受験資格の内訳は、産業カウンセラー養成講座等修了者が85.8%、大学および大学院卒業者が7.8%ですから、ほとんどの受験生が養成講座を修了して受験資格を得ています。

 

参考:JAICO:産業カウンセラー養成講座『e-Learning』

 

最終試験の合格率は76%ほどです。1月に筆記と演習実技の試験があります。

 

難易度は決して高くはなく、必死で勉強しないと合格できないほどではありません。過去問をしっかりと学習すれば合格できます。

産業カウンセラー 試験情報

試験日

お申込み

毎年1月に実施。2週にわたって学科試験と実技試験が行われます。

11月中旬〜12月上旬

受験資格

大学および大学院にて所定の単位を取得している、または養成講座を修了していること。
※主催者のホームページを参照ください。

試験内容

試験は、学科試験と実技試験です。
【学科試験】5者択一によるマークシート方式
・基礎的な学識:40題程度

  • 産業カウンセリング概論
  • カウンセリングの原理及び技法
  • パーソナリティ理論
  • 職場のメンタルヘルス

・基本的な事例への対応能力、及び傾聴の技法の対話分析能力:20題程度

  • カウンセリングの現場に即した実践的な知識・技能の理解

【実技試験】
受験者相互によるロールプレイ及び口述試験。時間は20分程度。

 

試験に関する詳しい情報は産業カウンセラー試験|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会をご覧ください。

産業カウンセラー おすすめ参考書

カウンセリングいかがですか?〜産業カウンセラーはこうみる!カウンセリングの現状とその選び方〜

産業カウンセラーが書いた、カウンセリングの現状とカウンセラーの選び方に関する本です。

 

カウンセラーといえば臨床心理士ですが、相談しても病気が悪化するだけ、単純に話しを聞くだけ、なんのアドバイスもなく助けにもならない・・・などなど評判は様々です。

 

産業カウンセラーとして臨床心理士とは違う現場での視点が参考になります。決して専門家が読む本ではなく一般の人向けに読みやすく書かれています。とはいえ、かなり骨のある入門書です。

種類 評価
参考書
プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術

「傾聴」と聞いても普通の人には馴染みがありませんね。傾聴とは、カウンセリングの際のコミュニケーションスキルの一つで、人の話をただ聞くのではなく、注意を払ってより深く丁寧に耳を傾けることです。

 

相手が話しを受け入れ、共感しながら真摯に「聴く」行為や技法を指します。

 

この本では、傾聴の大切さを、難しい内容をやさしく噛み砕いて親しみやすく説明しています。丁寧で細かく傾聴を分析するだけで膨大な情報を得られます。傾聴についてはもちろん、人について理解ができるので日常や仕事にも大きく役立ちます。

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