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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

運行管理者とは?メリットもデメリットもある安全運転の責任者

バスの運転手

大型トラックやバスのドライバーを管理する安全運転の責任者

種類難易度合格率
国家資格易しい20~25%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~2万円1か月以上
活かし方全国の求人数おすすめ度
評価アップ2,516件
  • 「貨物」と「旅客」の2種類があります。同時には受験できません。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月3日に集計。

運行管理者は、大型トラックのドライバーが無理せず物や人を運ぶように指導・管理するのが主な仕事です。

運行管理者には旅客と貨物がり試験の内容も難易度も違います。いずれに合格しても就職・転職が有利になるメリットがあります。

基礎講習を受講すれば誰でも受験可能です。なお、一定の条件に該当すれば無試験で取得可能です。

平成19年に法律が改正され運行管理者の常駐義務はなくなりました。

「運行管理者は運転してはいけない」は過去の話しで、運行管理者も問題なく運転できます。

目次

運行管理者とは

一列に並んだ貨物トラック

運転手の指導役

運行管理者とは、大型トラック・バスのドライバーの管理が主たる業務です。

無理せず物や人を運ぶように指導・管理を行います。

例えば運行管理者は、ドライバーが長時間の連続運転にならないように労働時間を管理したり、荷物を届けるための安全なルートを提案します。

運行管理者は、安全運転の意識を高めるために定期的に安全運転教育も実施します。

日本では、度重なる交通事故を削減するため大型車両にはタコグラフ(運行記録計)の装備が義務付けられています。

このタコグラフとは運転記録を示す丸い厚紙状の紙で、運行時間やスピードの変化などをグラフ化して印刷されます。

これを見れば、運転速度や休憩を取っているかなどの運行状況が一目瞭然です。

運行管理者は、この記録に基づいてスピードが出過ぎているとか、時々休憩しながら走るようにと指導します。

社会的に責任のある仕事

運行管理者は、ドライバーの運転前に点呼をすることで、疲労や健康状態等を把握し、安全運行の指示をします。

また、飲酒運転の防止を図るため、点呼時にアルコール検知器の利用が義務付けられています。

大型のトラックやバスによる重大事故は後を絶ちません。大型トラックを運転していて交通事故をおこした場合、その大きさゆえに被害がとても甚大になるケースが多いです。

無理な運行スケジュールを組んで運転手が事故を起こすと、運行管理者も共同責任で責任を問われます。

運行管理者とは、社会的に責任の重い仕事であるといえます。

主催者サイト:事業用自動車の安全対策:自動車総合安全情報

試験に合格した者の中から責任者として運行管理者を選ぶ

青い半袖ポロシャツと帽子でオッケーサインを出す男性

運行管理者とは、国土交通大臣指定試験機関が実施する運行管理者試験に合格した者などの中から、事業者が安全輸送の責任者として選任した者のことをいいます。

事業用自動車を有している営業所ごとに車両の数によって一定の人数以上の運行管理者を選任しなければなりません。

複数の営業所の運行管理者を兼務することはできません。

※平成25年5月1日以降は全ての営業所において運行管理者を選任するよう選任義務付けられました。

参考:運行管理業務と安全マニュアル – 全日本トラック協会(pdf)

運行管理者は業務を行うための権限を与えられなければならず、パートやアルバイトでは不適任です。

条件にあてはまれば無試験で運行管理者になれる

運行管理者になるには、国土交通省が実施する国家試験に合格しなければなりませんが、運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していることを要件として無試験で運行管理者になれます。

この場合、事業者による運行管理に関する実務経験証明書が必要です。この証明書があれば申請できます。

役に立つ資格なのか?

青い作業着を着た女性トラックドライバー

求人も多く、資格手当を支給する会社も

ある大手運送会社は、大型トラックドライバーは全員会社の負担で運行管理者の資格取得を義務付けています。

理由は、ドライバーとしての交通安全意識を徹底させるためです。

安全教育を行うことで事故が減れば会社の利益向上にもつながります。

重大事故をおこすよりは教育費用の方が安上がりです。

運行管理者の資格を持っているだけで資格手当がつく運送会社もあります。

その中からさらに運行管理者として選任されたら10,000円ほどの資格手当を支給している会社もあります。

資格を保有しているだけでも手当が付くのであれば、受験するメリットは当然あります。

各自で責任を持って運転するためにも役立つ資格です。

どんなにITの技術が進歩しようと物流の業界はなくなりません。ネット上で誰かが物を買えば、必ず誰かが配達します。

運行管理者は運送事業には必ずいなければならない存在です。運行管理者の求人も少なからずあります。今までの運行管理者が退職して急募している会社も意外と多くあります。

今後も役立つ資格であるのは間違いないようです。

将来性について徹底研究

この資格の活かし方

運行管理者の資格を持っていれば、何も持っていない人よりは就職や転職が有利になる可能性は高いでしょう。

運行管理者以外にもフォークリフト、大型二種、けん引、ユニックなどの免許を持っているとさらに有利です。

危険物取扱者(乙4)、毒物劇物取扱責任者の資格があれば会社によっては非常に重宝されます。

貸切の運送事業の会社であれば国内旅行業務取扱管理者(旅行業務取扱管理者)の資格も役立ちます。合わせて取得すればともに使える資格になります。

就職・転職の際は、過去数年間(3年ほど)における自動車運転違反や事故歴の有無、それに酒癖なども問われます。

やはり経験が重要な世界、未経験ではナメられる!

運送業界未経験者であっても、運行管理者の資格を取得すれば就職や転職が有利になるのか?

そう考える人も少なからずいるようです。けれど、やはり現場での経験が重視される世界です。

この資格だけですぐに就職・転職して、その会社で運行管理者に選任・・・というワケにはいきません。

運行管理者に選ばれたからといって、現場を知らない人が運行規則にのっとり、ドライバーの休息場所を指定したり走るルートを指定したりなんてことはとてもできません。

道をよく知っている経験のあるドライバーの方が道路事情や所要時間などについて詳しいに決まってます。

何も知らない運行管理者が指示を出しても笑われてしまいます。つまり、ドライバーと同等以上の知識と経験が求められます。

まずは、ドライバーや運行管理者の補助者から入って経験を積む必要があります。

「貨物」と「旅客」どちらが需要はある?難易度の違いは?

需要・ニーズという面では、受験者数が多い点で判断してもやはり貨物でしょう。

求人サイトやハローワークインターネットサービスを見ても貨物の方が求人は圧倒的に多いようです。

難易度という点では、旅客の方が覚える内容が多い分、難しいという意見が多いようです。

貨物はトラックのみですが、旅客は乗合バス・貸切バス・タクシーの3本立てです。

運行管理者の旅客と貨物、試験の内容も違いますし当然難易度も違います。

根拠となる法令はそれぞれ違うので出題内容も違います。

貨物は貨物自動車運送事業法で旅客は道路運送法です。

その他、例えば、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、その他の知識及び能力などは共通しています。

試験には共通項目もたくさんありますが、全くの別物と考えて勉強するのが良いでしょう。

運行管理者は運転してはいけないのか?

運行管理者は運転手を兼ねることはできるのか?

つまり、運行管理者は運転してはいけないのか?そう疑問を持たれている人は多いようです。

結論を申し上げますと、運行管理者は専任(常駐)である必要はありません。

ドライバーであっても問題ありません。つまり運転できます。

ネット上では、運行管理者は運転手を兼務してはいけないと言い切っているサイトを多く見ます。

実はその昔、運行管理者は事業所にいなければならなかったんです。

けれど、平成19年に法律が改正され、運行管理者の常駐義務はなくなりました。

ただし、運行管理者が運転手となる場合、補助者が点呼しなければなりません。

合格するには

運転する男性ドライバーの横顔

基礎講習を受講すれば誰でも受験できる

大型車両で運ぶ対象は大きく分けて2つです。物(貨物)と人(旅客)です。

それに応じて運行管理者の試験には「貨物試験」と「旅客試験」の2種類があります。

どちらかを選んで受験します。受験申請手続きは1種類のみ可能なので同時に受験はできません。

運行管理者の国家試験を受験するには、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 事業用自動車(事業の種別は問わない。)の運行の管理に関し1年以上の実務経験を有する。
  • 国土交通大臣の認定する基礎講習を修了している。

実務経験がなくても指定の基礎講習を受講すれば受験資格を得られます。運送や物流とは全く関係ない人も多く受験します。

基礎講習は、「貨物試験」と「旅客試験」のそれぞれに応じて行います。貨物なら貨物、旅客なら旅客の講習を受講しなければなりません。

よく見かける軽貨物の運送事業であれば運行管理者は不要です。

運送会社で実務経験がある人でも試験に備えて講習会を受けるようです。

しかし、参加したからといって合格できるとは限りません。合格するために必須というほどの講習会でもないようです。

実務経験がある人でも講習会を受ける人が断然多いようです。

最新の法規も学習できるので、今までの業務の進め方が正しいのか正しくないのかを学んで、間違った知識を訂正できます。

近年、合格率は下がって難化傾向にある

運行管理者の合格率は、平成23年度まではほぼ50%前後でした。

しかし、それ以降は30%台が続いていて20%台も珍しくありません。明らかに試験は難しくなって合格率は下がっています。

その理由の1つとして、出題形式が変わって、ただの5択の解答では済まず正確な知識が試されるようになったからです。

日々の学習は市販の過去問題集・参考書で十分です。

実際に出題される試験問題は、過去の出題を多少変えている程度です。かなり昔に出題された問題も出ます。

1か月ほど過去問を繰り返し学習し、間違っていた箇所を参考書と基礎講習でもらう法令集・テキストで確認すれば合格に近づきます。

合格後の手続きに要注意!

試験に合格した人は、合格発表日から3か月以内に、所定の書類(申請書類、申請方法等の詳細は「試験結果通知書」の送付時に同封)をそろえて運輸支局等に資格者証の交付申請手続きを行う必要があります。

3か月以内に申請を行わないと合格が無効になってしまいます!

合格すれば資格は一生涯有効と勘違いする人が多いようです。

合格通知書だけでは正式な資格者証ではありません。

一度資格者証を取得すれば有効期限はありません。

違法行為や違反行為を行った場合を除き、資格が失効することはありません。

運行管理者に選任された後は、2年に1回一般講習の受講義務がある

運行管理者として事業者から選任されたら、その後は運行管理者の一般講習を2年に1回受講しなければなりません。

ただし、事業所で事故や違反などで一定の要件を満たすと毎年受講しなければなりません。

一般講習は選任された運行管理者の資格を維持するための講習です。

受講歴は基礎講習修了時に交付された運行管理者手帳で管理されます。

一般講習の受講義務があるのは事業所で選任された運行管理者のみです。

運行管理者試験に合格しただけで運行管理者に選任されていない場合や運行管理補助者であれば受講義務はありません。

テキスト・問題集・参考書

おすすめ問題集

運行管理者の受験生に絶大な支持を得ている参考書兼問題集です。大手の通信講座の会社ユーキャンからも同様の問題集が出ていますが、圧倒的にこちらの方が優れています。

公論出版という会社が出していますが、ほぼ運行管理に特化している会社だけあって問題は常に新しい制度に対応しています。

本試験では最近の法律の改正点からも出題がありますから安心して勉強できます。これ一冊で十分合格は狙えます。

運行管理者試験はとにかく過去問を繰り返し解いて出題のパターンを知ることが重要です。このテキストには、過去8回分の質問が掲載されていて、しかも解説が丁寧で分かりやすいのが特徴です。

公論出版のホームページから実際の過去の試験問題もダウンロードできます。

種類評価
参考書&問題集

こちらは旅客試験用の参考書兼問題集です。

本試験では、過去問題と同じ、あるいは多少内容を変えた類似問題が出題される傾向があります。過去問について分かりやすく解説しているので、限られた時間でも効率よく学習できます。

これ一冊で学習すれば合格できます。

種類評価
参考書&問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

年2回:3月と8月

お申し込み

11月下旬~12月中旬
5月下旬~6月中旬

受験資格

1年以上の実務経験もしくは国土交通大臣が認定する基礎講習を受講していなければなりません。

試験会場

全国にあるCBT試験会場
※2021年度試験から「CBT試験」に全面移行。

受験料

6,000円(非課税)

試験内容

次に掲げる出題分野ごとの法令(法律に基づく命令等を含む)等について筆記で行います。
試験は【貨物試験】と【旅客試験】の2種類です。
【出題分野】

  1. 貨物試験は貨物自動車運送事業法、旅客試験は道路運送法:8問
  2. 道路運送車両法:4問
  3. 道路交通法:5問
  4. 労働基準法:6問
  5. その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力:7問

合格基準

  • 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。
  • 上記1~4の出題分野ごとに正解が1問以上、5については正解が2問以上であること。

合格発表

4月初旬

主催者情報

試験に関する詳しい情報は公益財団法人 運行管理者試験センターをご覧ください。

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