フォークリフト免許は難しい?免許無しでも5日間で取得可能
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 易しい | 95% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
講習受講 | 2~5万円 | 2~5日間 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
就職・転職 | 28,375件 |
- 取得費用・勉強時間は自動車免許有りの場合です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年7月8日に集計しました。
工場や倉庫、建設現場、資材置場などで荷物や建材などを運ぶために欠かせないのがフォークリフトです。
車の免許がなくてもフォークリフト運転技能講習を5日ほど受講すれば誰でも取得できます。学科も実技も落ちる人はマレです。
求人も多く就職や転職にも活かせます。他の運転免許があればさらに役に立ちます。
フォークリフトの運転については、毎日車を運転している人でもフォークリフトが下手な人もいます。
逆に、車の免許がなくても上手な人もいます。
フォークリフト運転技能講習(免許)とは
取得しやすくて役に立つ資格
工場や倉庫、建設現場、ホームセンターで荷物や建材などを運ぶのに欠かせないフォークリフト。
人が手を使って積み下ろししていたら気の遠くなるような作業を、フォークリフトであればレバーひとつで終わらせてしまいます。
荷物の搬入・搬出を伴う運送業や工場などで働いた経験のある人なら、フォークリフトが活躍する姿を見たことがある人も多いでしょう。
この便利なフォークリフト、数日の講習で取得できて就職や転職にも役立ちます。
フォークリフトの免許には2種類ある
フォークリフトを使って荷物の積み下ろしをするには国家資格(免許)が必要です。
免許は積載量で2種類に分かれていて、どちらを取得するか選択します。
- フォークリフト運転技能講習(約5日間):1トン以上
- フォークリフト運転特別教育(約3日間):1トン未満
現場で1トン未満のフォークリフトを使うことはほぼないです。
やはり1トン以上の技能講習がおすすめです。
※あくまでもフォークリフトの「最大積載荷重」、つまり持ち上げる荷物の重さが基準であって、フォークリフトの排気量や大きさではありません。
多くの人が持っている自動車免許や自動二輪免許は道路交通法による免許です。都道府県の公安委員会(警察)が発行します。
一方、フォークリフト免許は労働安全衛生法によって定められていて、厚生労働大臣の指定機関が発行するという違いがあります。
つまり、厳密に言うと、「フォークリフト免許」というものは存在せず「技能講習修了証」となります。
会社の敷地内でフォークリフトを操作する際も免許が必須!
フォークリフトの操作についてはよく勘違いされている人がいます。
工場の敷地内だけだけであればフォークリフトの免許はいらない → 重大な間違い
まず、フォークリフトの「操作」と「運転(移動)」は別物と分けて考えてください。
フォークリフト免許は、「荷役作業をするための資格」になります。
「荷役:にやく、にえき」とは、荷物の積み込みや荷下ろしなどの入庫・出庫作業全般のことです。
フォークリフトで荷物の積み下ろしをして倉庫内を運転して移動するにはフォークリフト免許が必要になります。
自社の倉庫内だけでフォークリフトを運転(移動)するのであれば、フォークリフトの免許は要りません。運転免許も要りません。
無理やりこじつけて説明すると分かりやすいと思いますが、「荷役作業をせず、ただ私有地内を走り回るだけならフォークリフトの免許は不要」ということです。
リフトの操作を行うには免許が必要です。
移動だけではフォークリフトは何の役にも立ちませんね。
フォークリフトを運転するのであれば、やはりフォークリフト免許が必要です。
倉庫内の移動だけなら自転車で十分でしょう。
※ナンバープレートを付けて公道を走行するのであれば、大きなフォークリフトだと大型特殊免許が必要です。小さいと小型特殊扱いになるので普通免許で運転できます。原則公道上では荷役作業はできません。
もしも、無資格でフォークリフトの操作を会社の敷地内を行なった場合は、労働安全衛生法の違反行為(交通違反とは違う)にあたり罰則が科されます。
運転した本人だけではなく、所属先の会社やその代表者の責任も問われるため、無免許での操作は絶対しないようにしましょう。
参考:公益社団法人東京労働基準協会連合会:技能講習:フォークリフト技能講習(31時間コース)のご案内
役に立つ資格なのか?
とにかくフォークリフトは求人数が多い
求人情報を検索すると、「フォークリフト運転技能者必須・あれば尚可」と明記してあるケースが非常に多いです。
全国で探しても、常に3万件近くの求人が見つかります。
絶対的に有利とか必要とまではいえませんが、持っていると就職や転職が有利になるのは間違いないようです。
学生が就活に備えて取得すれば多少メリットがあるかもしれませんが、やはり中高年者が持っていると役に立つ資格です。
就職先としては、倉庫業、運送業、海運業、飲料メーカー、酒の問屋、ホームセンター、建材・資材・設備関連会社、その他重量物を扱う企業などです。
時給2,000円以上稼ぐ運転手も!
ただし、フォークリフト免許を持っているだけではあまり歓迎されません。
講習会へ行けば基本的には誰でも取得できます。その反面、何年も運転経験がある人は重宝されます。
会社としては、扱う商品を破損されたらとても困ります。
物損事故を起こさないのが当たり前、商品を破損したら大騒ぎになるのが物流倉庫です。
フォークリフトの免許で稼ごうと思ったら仕事の難易度は高くなります。
例えば、精密機械や車のフロントガラスを運ぶような仕事になると難易度が高くなり、同時にスピードも要求されます。
ハードルが高いため時給2,000円以上もらえたりします。
昨今では、契約社員やバイトだけではなく正社員であっても破損の際は個人で弁償するケースも珍しくありません。
時給が良いからと飛びつくと後でとんでもない目に合います。
さらに、フォークリフトの運転と言っても業務のほんの一部で、あとは検品、ピッキング、仕分け、出庫・・・と肉体労働が伴うケースも少なくないです。
スピードも正確さも要求されて想像以上に体力も頭も使う職場も多いです。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
フォークリフトの技能講習へ行って「免許」を取得したばかりでは、当然ですが実務経験はありません。
免許を就職活動に活かしたいのであれば、なるべく「経験者優遇」と明記してあるものを避け、未経験でもOKと言ってくれるところを選ぶのが良いでしょう。
あるいは、面接で運転経験がないことをしっかりと伝えてください。採用されたら現場でしっかりと教えてくれるはず。
ウソをついて採用されたら、いきなり高度なテクニックが必要な積み下ろしを任されて苦労します。
「全くの初心者」より「ヘタな経験者」の方が変なクセやプライドがあったりして嫌がられることもあります。
1時間もフォークリフトの練習をすれば、よほど才能が無い人以外は簡単な作業はできるようになります。
他の資格を持っているとさらに役に立つ
フォークリフトの運転免許を活かして就職・転職したいのであれば、運行管理者の資格を持っているだけで有利になる可能性があります。
倉庫業へ就職・転職するのであれば、倉庫管理主任者の資格も活かせます。
一日講習を受講すれば無試験で合格できるので、取得するメリットはあります。
他の資格と組み合わせて威力を発揮するのがフォークリフトの運転免許です。
フォークリフトの運転は難しい?不安ならAT講習
最近はAT限定で自動車運転免許を取得する人がかなり多いようで、下記のような不安を持つ人が意外と多いようです。
- AT限定の自動車免許しか持っていないけど、フォークリフトの免許は簡単に取れますか?
- ペーパードライバーだけど、フォークリフトの運転は大丈夫でしょうか?
車の運転とフォークリフトの運転の関連はあるのかないのか・・・というと、やはり多少は関連はあります。
フォークリフト運転技能講習は自動車免許がなくても受けられますが、その場合苦戦する人が多いようです。ペーパードライバーの人も同様の傾向です。
MT車(マニュアルトランスミッション、いわゆるミッション)を使う講習であれば、半クラッチ(半クラ)に悪戦苦闘してエンストばかりして結局不合格になる人もます。
AT限定なら半クラッチの感覚が難しいようです。
最近は講習でもATが主流で、ほとんどの講習ではATのフォークリフトを使います。
しかし、一部の講習ではMTのフォークリフトをいまだに利用しています。
不安であれば、事前に確認してATのフォークリフトを使う講習を選んだ方がよさそうです。
車の運転とフォークリフトの運転の関係
では、車の運転が得意ならフォークリフトの運転もうまくいくのか・・・逆に下手な人はフォークリフトの運転も下手なのか・・・
実は・・・関係するとも言えませんし、関係ないとも言えません。
毎日車を運転している人でもフォークリフトが下手な人もいます。
逆に、車の免許がなくても上手な人もいます。
自動車の運転はフォークリフトの運転を理解する手助けにはなりますが、そこまでです。
車の運転とフォークリフトの運転は同じではないということです。
合格するには
全国各地で技能講習を開催
フォークリフト運転技能講習は、都道府県労働局が指定する教習機関で開催しています。
大半の企業は1トン超え車輌を所有してますから、「フォークリフト運転技能講習」を受講してください。
1トン未満のフォークリフトを使うことはほぼないと考えた方がいいでしょう。※特別教育については説明を省略します。
自動車学校、各県トラック協会、クレーン協会、技能教習センター、フォークリフトのメーカー関連の会社(コマツ、コベルコ、三菱ロジスネクスト:旧ニチユ)などが開催しています。
※↑おそらくこちらのサイトが最も正確な全国の教習所リンク集です。
必要な講習時間や日数は、自動車免許の有無と種類で違いますが、長くても1週間で修了します。
- 大型特殊自動車免許所有:受講時間が11時間、2日ほど
- 普通・大型免許所有:受講時間が31時間、4~5日ほど
- 自動車免許無し:受講時間が35時間、5日ほど
受講料は、受講地や受講コースにより異なりますが、約2~5万円です。
教習生の多くは自動車免許を持っています。1~2割は免許を持っていません。
講習は学科と実技、実技は慣れてしまえば大丈夫
講習には、学科講習と実技講習があり、それぞれに学科試験、実技試験が実施されます。
学科講習
1日目の学科講習は、ずっと座ったまま講義を聞きます。
その日の夕方に学科試験があり、70点以上で合格です。これに合格しないと翌日からの実技へ進めません。実技は最終日まで続きます。
講義では、講師が「試験に出るポイント」をしっかりと教えてくれるはずです。
寝ないで聞いていれば余裕でほぼ受講生の全員が合格できます。
万が一ダメでもやり直しさせてくれるようです。気軽に受験しましょう。
学科試験に合格すると、いよいよ実技講習へと進みます。
実技講習
全くフォークリフト動かした経験のない人でも取得できるのでそんなに心配するほどでもないです。
最終日に実技試験が待っています。よほどのことがない限り落ちません。
けれど、マレに落ちる人もいます。
万が一実技試験に落ちたとしても、再試験をしてもらって基本的には全員合格させてくれるはずです。
中には再々試験でようやく合格という人もいます。
多くの会場ではヘルメットに関しては貸出のようです。
マイヘルメットを持っているなら持参しましょう。
フォークリフトは後輪で舵を切る(自動車は前輪)ので、曲がる時は後輪が外側に膨らみます。
そこに若干クセが有って運転感覚が違いますが、初めての人でも4日間の講習で乗れるようになります。
教習所によっては教習時間前に行くと自主練習させてくれます。
コースの範囲は狭く、ポールなど目印になるものもあります。
ハンドルを回すタイミングは教官が教えてくれます。運転も徐々に慣れます。確認作業をしっかり声に出して、大きな動作で行うことが大事です。
ちなみに、フォークリフトの免許は更新しなくても大丈夫です。一度取得すれば生涯ずっと有効です。
助成金を申請できる場合もある
フォークリフト運転技能講習を受講するにあたっては、厚生労働大臣の指定講習であれば助成金を申請できるケースもあります。
「教育訓練給付制度」の対象者であれば、フォークリフト免許の取得にかかった受講料金の20%相当が給付金として支給されます。
在職者と離職者で条件は違いますが、以下の通りです。
- 在職者:受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者である期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
- 離職者:受講開始日の時点で、離職日から受講開始まで1年以内、および雇用期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
これらの条件に該当すれば、取得費用の一部が給付金として支給されます。
「教育訓練給付制度」に関する詳細は、厚生労働省のホームページで確認してください。
技能講習情報
日程・受講資格・内容・その他
開催日
主催者によります。
お申し込み
主催者によります。
受講資格
18歳以上であれば誰でも受講できます。自動車運転免許無しでも可。
講習会場
各都道府県にて開催
※都道府県労働局、労働基準監督署、労働基準協会連合など
受講料
約2~5万円
講習の内容
【学科】
- 走行に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識 – 4時間
- 荷役に関する装置の構造および取扱の方法に関する知識 – 4時間
- 運転に必要な力学に関する知識 – 2時間
- 関係法令 – 1時間
- 修了試験
【実技】
- 走行の操作 – 20時間
- 荷役の操作 – 4時間
- 修了試験
合格基準
講習を受講後、修了試験に合格すること
主催者情報
試験に関する詳しい情報は各主催者のホームページをご覧ください。