日本農業技術検定
農業に民間資格は必要ない、自動車運転免許の方が断然重宝します。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
2か月程度 |
易しい |
60% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
知識習得 |
~2万円 |
誰でも受験可 |
※上記は3級の数字です。
最終更新日:2023/01/14
日本農業技術検定とは
日本農業技術検定とは、農業高校生・農業大学生、あるいはこれから農業を始めたいという人が受験する検定試験です。
試験は、難易度の低い順に3級、2級、1級に分かれています。難易度に応じて農業についての知識や技術・技能を試せます。
日本農業技術検定は2007年に試験がはじまりました。
その後年々受験者数が増え続け、2016年以降は毎年20,000人以上が受験する人気の検定試験となっています。
主催者サイト:全国農業会議所
日本の農業問題はかなり深刻
日本の農業を取り巻く問題は数多くあります。
例えば、農業分野へ新規参入のためのハードルの高さです。まず農地の確保が難しく、誰でも簡単に農地が使えるワケではありません。水利権などの問題もあります。
農業をするには農具や農業用機械が必要です。高価な農業用器具もたくさんあって、新規就農者には入手が困難です。
苗を植えてもすぐには収入につながりません。農作物を育てる時間も手間も必要ですし、実った農作物を売るための販路も必要です。農薬や肥料代、光熱費などもかかります。
新規参入者に高いハードルがある一方で、農業従事者の高齢化や後継者不足などもあり、離農者は年々増加しています。
課題山積の日本の農業ですが、離農者が年々増える一方で、新しく農業を始めようとする人達もいます。
農業人口の減少に歯止めをかけるために、国は「農業次世代人材投資資金」など資金面での支援もしています。
役に立つ資格なのか?
日本農業技術検定は、農業高校の多くの生徒が、学校の先生に「就職が有利になる」と言われて受験します。
しかし、あくまでも民間の検定試験です。学生時代に農業を勉強した証のようなものにすぎません。
合格に向けて勉強した姿勢は、決して無意味ではないですが、そんなに就職やその後の転職に役立つ資格ではありません。
農業というのは資格でするものではありません。極論を言えば農業をするのに資格は必要ないです。
残念ながら2007年にはじまった試験なので歴史が浅く、知名度も低いです。まだ限られた若い世代の人しか合格していないので、どれくらい知識が役立つのかも不明です。
そもそも就職・転職といっても、農業に関する会社も少ないため、この資格が役立つ機会も少ないでしょう。
社会人が取得するメリットは見当たりません。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
3級に関しては初学者でも少し勉強すれば取れる程度の難易度です。これだけでは就職や転職にはほとんど何も活かせません。
実技が必要な2級・1級であれば、学習した農業の知識が農作業に活かせます。
例えば、農業法人や食品関連企業へ就職を希望する場合、履歴書に1級取得と書けば技術水準の証明につながるので評価される可能性が高いでしょう。
仮に2級でも、学生が履歴書に書けば、JAなどの団体職員を目指すのには多少アピール材料にはなります。一般の企業であればほとんど評価されません。
農業高校を卒業して、さらに農学系の大学にいるなら、この資格は必要ないでしょう。
日本農業技術検定と日本農業検定の違い
日本農業技術検定とよく似た、日本農業検定という検定試験がありますが、これは全くの別物です。
参考:日本農業検定公式サイト
日本農業検定は、「農検」「農業検定」として略されることもあります。
日本農業検定の受験対象者は、農業に関する知識がない人、農業に日頃から関心があり農業の基礎的知識を学びたい人、家庭菜園や農業体験など栽培についての体験があり農業の基礎的知識を学びたい人などです。
農業への理解を促進するために作られた検定で、受検資格はなく小学生から一般の人まで、仕事や趣味で農業について学びたい人が受験します。
難易度の低い順に3級、2級、1級に分かれており、合格率はそれぞれ71%、61%、37%ほどです。
一方、日本農業技術検定は、農業を学ぶ学生や農業に従事したい人を対象としています。農業高校、農業大学校などの学生や就農前の人が、農業についての知識・技能の水準を客観的に評価するのが目的の試験です。
もちろんそれぞれの級によって難易度は異なりますが、日本農業検定は農業のアマチュアレベル、日本農業技術検定はプロレベルを目指すという違いがあります。
農業で役立つ資格は何と言っても運転免許!
農業に従事するにあたって、民間の資格よりもやっぱり必要なのは、まずは自動車運転免許の国家資格です。
運転免許があれば、軽トラやトラックで農作物を運べます。出荷の際に絶対的に必要です。
さらに以下の資格があれば重宝します。
- 大型特殊自動車
- フォークリフト
- けん引
普通自動車の運転免許を取って、さらに大型特種も取ると大型トラクターやコンバインに乗れます。けん引タイプの農機具も多いので、けん引免許も持っていれば公道を走れます。
フォークリフトが運転できれば、重い荷物の積み下ろしに便利です。フォークリフト運転技能講習を受講すれば車の運転免許がなくても取得できます。
関連資格:フォークリフト運転技能講習とは
農業高校の生徒であれば、卒業時に運転免許は必ず取得しましょう!
農業に従事するにあたって、運転免許以外に持っていて役立つのは以下の資格です。
- 毒物劇物取扱責任者
- 危険物取扱者
- ボイラー技士
農薬や肥料等を扱う際には、毒物劇物取扱責任者の知識を活かせます。ボイラー設備を使用してハウス栽培を行う場合には重油を扱いますが、その際に危険物取扱者(乙4類)が必要になります。
最近は必要性も薄れていますが、ボイラー技士の資格も持っておいた方がよいかもしれません。
関連資格:毒物劇物取扱責任者とは、危険物取扱者とは、ボイラー技士とは
農業の国家資格が欲しい!というのであれば、技術士「農業部門」というのもあります。ただし、難関です。
関連資格:技術士(補)とは
合格するには
学習方法としては、公式テキストと問題集の利用がおすすめです。
3級であれば、合格ラインも55~60%と正答率は低いので、公式のテキストで基礎的な学習をして、あとは過去問題をひたすら解けば初学者でも1~2か月程度で合格できます。
3級で問われるのは基本的な農業の基礎知識です。高校の生物や地理、地学等が理解できていれば合格できます。文章量が多いのも特徴です。
土の成分名、肥料、家畜の名前、道具の名前、地形の名前等を覚えておけば、確実に点数はアップします。
選択問題では、作物、花、家畜、農産物、環境などからどれか1つを選ぶ必要がありますが、自分の興味や経験のある分野を選べばよいでしょう。
2級以上になると難易度はかなりアップする
3級は合格率が高いですが、2級や1級になると難しくなり、合格率も低いです。
2級以上は実技で受検資格が必要です。3級では農業の種類など基本的な出題が中心ですが、2級では栽培に関する専門的な知識が求められます。
2級までなら得意の選択さえ間違えなければそれほど難しくない試験です。どの科目も過去問をしっかり解くことで合格できます。
1級は実際に農業に携わっていなければ難しい内容となっているので、受験のためには実務経験も必須です。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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【3・2級】[学科]7月中旬、12月中旬 |
5月上旬~6月上旬 |
受験資格 |
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【3級】どなたでも受験できます 【2級】[学科]どなたでも受験できます [実技]学科合格者 【1級】[学科]どなたでも受験できます [実技]学科合格者 |
試験内容 |
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【試験内容】
■2級
《実技》
■1級
《実技》
※2級・1級ともに、農業高校、農業大学校などですでに実技水準に相当する内容を授業で実施している場合、実技試験は免除されます。
【合格基準】
■2級
■1級
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試験に関する詳しい情報は日本農業技術検定のご案内 - 全国農業会議所をご覧ください。
おすすめテキスト
おすすめ問題集
日本農業技術検定過去問題集3級 (2022年版) | |||||
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2019、2020、2021年度の試験問題5回分を収録した公式問題集です。
受験生のほとんどがこの問題集で学習しています。全問題、現役教師によって詳細な解説が書かれていて、試験の傾向と対策も掲載しています。
知識ゼロの人にとっては少し難しく感じられると思うので、別途テキストも必要です。 |
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