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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

【建設業経理士】目指すなら難易度の高い2級以上、建設業への就職・転職が有利になるメリットも

パソコンで経理作業をする男性

民間資格とはいえ国土交通大臣登録の公共性が高い検定試験

種類難易度合格率
民間資格やや易しい40%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~2万円3か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
スキルアップ331件
  • 上記は2級の例です。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月4日に集計。

建設業経理士とは、建設業において経理に関する専門の会計知識と会計処理能力を持った専門家です。

難易度別に4級まであり、1級・2級なら履歴書に書けば就職や転職が有利になるメリットがあります。

合格者を対象とした求人も全国的に少なからずみつかります。

国家資格ではありませんが公共性の高い民間資格です。

目次

建設業経理士(建設業経理事務士)とは

ヘルメットを持った男性と帳簿を持った女性

建設業に特化した簿記の民間資格

建設業経理士とは、建設業において経理に関する専門の会計知識と会計処理能力を持った専門家です。

つまり、建設業に特化した簿記のスペシャリストといえます。

建設業は、モノを作って完成品を販売するような一般的な業種と違って、「受注」をしてから仕事が始まる受注産業です。道路やダムの工事は全て受注してから工事に入ります。

そのため、会計処理に特殊な点が多く、建設業界だけで使用する特殊な専門用語も存在します。

経理の担当者には高い専門性が求められます。

試験は1級から4級まであり合格者の名称も異なる

建設業経理士検定試験は、国土交通大臣の認証を受けた建設業振興基金が実施する民間の検定試験です。

一言でいうと「建設業に特化した簿記の検定試験」になります。

試験には難易度の高い順に1級~4級があります。

級によって合格者の称号が異なり、1級・2級は建設業経理士3級・4級は建設業経理事務士となります。

主催者サイト:建設業経理検定

公共性の高い民間資格

建設業経理士は民間資格ですが、建設業法施行規則第(昭和二十四年建設省令第十四号)18の3に規定する国土交通大臣登録経理試験であって極めて公共性の高い民間資格です。

中でも1級、2級合格者は、公共工事の入札可否の判断の資料となる「経営事項審査」の評価対象の1つになっています。

国や自治体が公共工事を発注する際、請け負った企業が工事の途中で倒産することがないよう必ず会社の信用度を点数化して事前にチェックします。それが経営事項審査です。

建設業経理士がいると人数や級が点数に加点されます。

つまり、国などが行う公共事業において入札して事業を請け負う場合、社内に建設業経理士がいると少しだけ有利になります。

加点となる対象とポイントは以下の通りです。3級・4級合格者には加点がありません。

  • 公認会計士:1ポイント
  • 税理士:1ポイント
  • 建設業経理士1級:1ポイント
  • 建設業経理士2級:0.4ポイント

最も難易度の高い1級であれば、経営事項審査での評価が税理士公認会計士と同レベルで扱われます。

建設会社にとっては建設業経理士は非常に重要な存在です。

役に立つ資格なのか?

作業着姿の男性経理担当者

建設業への就職・転職の際に役立つ

建設業経理士の資格は、建設業界への就職・転職をする際に役立ちます。

1級合格者であれば、基礎能力が高いと企業は評価します。実務経験がなかったとしても、建設業界に応募する際には採用の決め手になる可能性があります。

1級でしかも実務経験が豊富であれば、大手建設業(ゼネコン等)・中小を問わず転職の際は非常に有利になります。

2級合格者であったとしても、実務経験があれば建設業界への就職・転職を希望する際に大きな武器になります。

未だ合格者の少ない中・小規模の建設会社では特に重宝されます。

しかし、2級試験に合格しているだけで実務経験が無い場合は、採用の際に必ずしも有資格者が優遇されるとはいえません。やはり実務経験が求められます。

建設業経理士は一般的に、事務・経理職の社員が、実務能力向上のために取得する資格です。

転職の際に履歴書に建設業経理士と書くのであれば、これまでの実務経験とともに取得していることをアピールするのが最も役立つ手段です。

念の為に申し上げますと、他の業種では建設業経理士の資格はほとんど役立つことはありません。

将来性について徹底研究

作業着を着てパソコンに向かって作業する人たち

取得するのであれば建設業経理士2級以上!

建設業界の会計処理は特殊な点が多いため、一般企業の経理経験が豊富であっても建設業界の会計処理には戸惑うようです。

そのため、社員に建設業経理士の取得を奨励している会社もあります。

合格者には資格手当が月に数千円~1万円以上支給されたり、合格一時金が支給されるところもあります。

取得しておきたいのは入札での対象資格となる2級以上です。2級以上であれば実質的に資格として認められます。

建設業経理士の求人を見るとほぼどこも「2級以上」という条件になっています。

建設業経理士に挑戦するのであれば2級以上を目指しましょう。

また、建設業経理士と合わせて持っておきたいのが宅地建物取引士です。

会計処理とはいえ不動産の知識は必須です。Wライセンスであれば業務の幅も広がります。

いきなり2級から受験しても大丈夫か?

「本当に役に立つのは2級だ!3級は簡単そうだから2級から受験してみよう!」なんて考える人も多いようです。

実際のところ、いきなり2級に合格できるのでしょうか???

もちろん個人差があるので一概には言えません。

簿記の学習を過去にした人は意外と多く、中には簿記検定3級や2級取得済みの人もいます。全く知識の無い人もいます。

簿記検定の2級や3級に合格してまだ間もないようであれば建設業経理士2級から受験しても全く問題ありません。

2級から挑戦して短期間で合格できる可能性もあります。合格率も40%ほどあって極端に難易度が高いワケでもありません。

では、それ以外の人はどうすればよいのか・・・

試しに建設業経理士2級の勉強を始めたけれどもさっぱり分からない!そんな場合は簿記検定3級の学習からまずはスタートしてください。

2か月ほどあれば簿記3級程度の基礎知識は身に付きます。その状態で建設業経理事務士3級の勉強を一旦してください。

おそらく1週間~1か月で完璧に理解できるはずです。

簿記3級の方が建設業経理士3級よりも難しいからです。

満を持してこのレベルに達すれば、建設業経理士2級のテキストはスラスラと理解できて問題集も解けるようになっているはずです。

やはり基本は簿記検定の勉強です。簿記検定3級、できたら2級の勉強をしてから建設業経理士2級に挑戦するのが効率的です。

建設業経理士2級の実力が付いたら、3級と2級同時受験という手段もあります。

建設業経理士と簿記検定の違う点、似ている点

建設業経理士と簿記検定は、多くの部分で違いはありません。

関連資格:簿記検定とは

簿記検定に建設業特有の考え方(未成工事支出金とか)を加えたものが建設業経理士であり、その9割は内容が被るとも言われています。考え方も共通しています。

簿記検定の内容は「工業簿記」と「商業簿記」から成り立っています。

工業簿記は製造業で用いられる簿記の手法であり、商業簿記は小売業などで用いられる簿記の手法です。

工業簿記は「部品を仕入れて製品を組み立てる」というのが基本的な考え方ですが、建設業の会計処理も「部品を仕入れて建築物を造る」という点では同じです。

建設業の会計処理はは工業簿記と考え方がよく似ているため共通点が多くみられます。

建設業経理士に求められるのは簿記検定の中の工業簿記の知識です。

ただし、建設業は会計処理に特殊な点が多く独特の仕訳をします。

業界独自の用語も存在するため勘定科目の名称も簿記とは違う点があります。

建設業経理士になるには

伝票とペンと電卓

簡単には合格できません

建設業経理士試験に挑戦するのであれば、やはり2級以上を取得したいものです。

とは言うものの、初学者がいきなり2級を目指して学習をはじめても簡単には合格できません。

建設業経理士は、例えば2級であれば簿記検定2級、1級であれば簿記検定1級に相当する難易度があります(厳密に言うと建設業経理士の方が若干簡単)。

最近は簿記系(日商簿記・建設業経理士)の資格はどれも難易度が上がっています。

ネット上では1か月もあれば合格できるなんて情報もありますが、全くアテになりません。

合格するためには、やはりテキストの理解と過去問題の繰り返し学習が重要です。

テキストを一読しても理解できなければ理解できるまで読み込みます。

2級の内容がほとんど理解できないようであれば3級へ戻って学習しましょう。

場合によっては簿記検定3級の学習から始めてください。

簿記検定3級の理解が深まれば建設業経理士3級は楽勝です。

その上で本来の目的である建設業経理士2級の学習を本格的にはじめましょう。

2級のテキストを理解して、後は過去問題集を繰り返し解けば十分合格は可能です。

建設業経理士2級の問題はパターン化されています。過去問題集を繰り返し解くことが合格への鍵です。毎回似たような問題が出題されます。

建設業経理士2級のレベルであれば資格予備校へ通う必要はありません。

合格率も40%ほどですから、テキスト1冊と過去問題集1冊で十分に合格は狙えます。

1級は科目合格制を採用、5年間かけて合格を目指す。

建設業経理士は1級のみ3科目の科目合格制になっています。

3科目全てに合格しなければ建設業経理士1級にはなれませんが、科目ごとの合格の有効期限が5年と決まっているので、1科目合格したら残り2科目は5年以内に合格しなければなりません。

つまり、5年間かけて3科目合格すれば良いということです。

もちろん一度の試験で全て合格できれば言うことありません。

1級を受験するために2級合格といったことは不要です。いきなり1級を受験することができます。

ただし、1級と2級を同時受験はできません。

建設業経理士1級はかなりの難関です。

独学では厳しいため、資格予備校利用なども検討するレベルです。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

建設業経理士2級出題パターンと解き方過去問題集&テキスト24年3月、24年9月試験用

簿記2級程度の知識がある人は、基本部分や論点は学習済みなので、詳細なテキストや問題集は必要ありません。

建設業経理士2級は同じパターンの問題が毎年でてくるようなのので、これを1冊しっかりマスターすれば合格点はとれます。

テキストと練習問題、そして過去問が1冊にまとまっているので、学習しやすく、しかも見やすい構成になっています。

解法の解説も丁寧です。試験会場でも多くの人が使っているのを目にします。

種類評価
過去問題集&テキスト

簿記3級程度の知識がある人、あるいは全くの初学者向けの入門用テキストです。

誰にでも理解できるように、分かりやすく書かれています。イラストも豊富なので、飽きることなくテンポ良く学習をすすめられます。

ただし、入門書としての読み物なら良いのですが、建設業経理士2級の試験対策としてはあまりおすすめできません。このテキストだけでは、過去問題集はあまり解けません。

スッキリわかるシリーズには問題集もありますが、試験対策向きではありません。使用しないのが懸命です。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

簿記3級程度の知識がある人や、基礎的な勉強が終わった人向けの過去問題集です。

内容は過去12回分の過去問に特化しています。内容も分かりやすく試験対策にも十分です。対策問題もあり、要点が掴みやすいです。

建設業経理士の試験は、出題が毎回大きく変わることはあまりない試験なので、過去問題集の勉強は非常に効果的です。この一冊を何回も繰り返せば合格できます。

解説が簡易な箇所もあるので、他のテキストと一緒に学習するのをおすすめします。

毎年、試験前になるとすぐに売り切れてしまいます。早めの購入をおすすめします。

種類評価
過去問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

1級と2級:年2回(3月と9月)
3級と4級:年1回(3月)

お申し込み

試験日の約3か月前まで。
※締め切りが早いので要注意

受験資格

受験資格の制限は一切ありません。どなたでも受験できます。
※1級は、3科目まで同日受験が可能。他の級については、2級と3級あるいは3級と4級の同日受験が可能。

試験会場

受験地(全国51地区)

受験料

  • 1級 (1科目:8,120円、2科目:11,420円、3科目:14,720円)
  • 2級 7,120円
  • 3級 5,820円
  • 4級 4,720円

※2024年3月9日現在税込み、併願については主催者サイトをご覧ください。

試験内容

建設業経理検定は、その内容及び程度によって1級から4級に分かれています。
各級の内容は以下のとおりです。

※なお、1級は原価計算、財務諸表、財務分析の3科目から成る科目合格制をとっています。3科目全てに合格すると1級資格者となります。

【1級(3科目制度)建設業経理士】

  • 内容:建設業原価計算、財務諸表論及び財務分析
  • 程度:上級の建設業簿記、建設業原価計算及び会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成及びそれに基づく経営分析が行えること。

【2級 建設業経理士】

  • 内容:建設業の簿記・原価計算及び会社会計
  • 程度:実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること。

【3級 建設業経理事務士】

  • 内容:建設業の簿記・原価計算
  • 程度:基礎的な建設業簿記の原理及び記帳並びに初歩的な建設業原価計算を理解しており、決算等に関する初歩的な実務を行えること。

【4級 建設業経理事務士】

  • 内容:簿記のしくみ
  • 程度:初歩的な建設業簿記を理解していること。

合格基準

70%以上の正答で合格(2級~4級)、1級は相対評価で基準が変動。

主催者情報

試験に関する詳しい情報は建設業経理検定試験とは – 建設業経理検定試験をご覧ください。

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