インテリアコーディネーターは意味ない?将来性や難易度は
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 普通 | 20~25% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 6か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 659件 |
- 次試験の合格率は30%、2次試験の合格率は60%ほどです。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月14日に集計。
受験料 | 一次+二次:14,850円 (一次あるいは二次のみ:11,550円) |
初回登録料 | 14,300円(税込)5年間有効 |
更新登録料 | 資格取得後5年目および10年目:20,900円(更新登録費+研修費) 資格取得後15年目以降:14,300円(更新登録費のみ) |
- 全て税込み、2024年4月現在です。
- 登録、更新は任意ですが「インテリアコーディネーター」と名乗るには必須です。
インテリアコーディネーターは、住宅の新築・増改築・リフォームの際に、住む人の好みやライフスタイルに合わせて、壁紙や照明、カーテン、家具、生活用具などについて提案やアドバイスを行います。
もちろん合格者は評価されますが、民間資格なのでできる仕事は限定的です。
将来性を考えると、まずは建築士を目指すのが理想です。
インテリアコーディネーターとは
インテリアを提案する専門家
インテリアコーディネーターとは、住宅の新築・増改築・リフォームの際に、住む人の好みやライフスタイルに合わせて、壁紙や照明、カーテン、家具、生活用具などについて提案やアドバイスをおこなう専門職のことです。
また、内装や模様替えのプロとして、住宅メーカー・工務店、販売店に対して、住む人の立場で商品選択や配置などのアドバイスを行います。
インテリアコーディネーターには、インテリア全般について幅広い知識が必要です。例えば、壁紙や天井などの内装、家具などの調度品、照明器具、水道やガスなどの住宅設備等についてです。
住宅だけではなく、店舗、オフィス、公共施設などのインテリアを提案するのも重要な仕事です。
訪れる人にとって快適な空間を演出するのはまさにインテリアコーディネーターの腕の見せ所です。
一般的には、インテリアコーディネーターというと職業の種類の1つのように呼ばれていますが、公益社団法人インテリア産業協会が試験を実施する民間の検定試験の名称でもあります。
主催者サイト:インテリアコーディネーター資格試験│インテリア産業協会
本気でインテリア業界のプロを目指すのであれば建築士を!
本気で建築・インテリア業界のプロを目指すのであれば、国家資格の建築士を目指してください。
インテリアというと、建物の中で人間の一番目に付く部分です。オシャレな家具や明るくてセンスの良い照明は華やかなイメージです。
こういった職業になんとなく憧れを抱くのは分かります。
しかし、建物があってのインテリアです。
建物の構造を理解した上でインテリアを考えないと建築基準法に違反しているかどうかさえわかりません。
例えば、内装を改装したくても、構造的に柱や壁を抜いていいのか判断ができないと大掛かりな改装はできません。
建築について理解していないとインテリアを顧客にアドバイスすることもできないということです。
建築や大規模なリフォームを行えるのは、法律上(建築基準法)建築士だけです。
インテリアコーディネーターにできる仕事は建築設計のほんの一部にすぎません。
もしも、インテリアコーディネーターを目指して学校へ通いたいのであれば、建築士の受験資格を満たせる学校がおすすめです。
二級建築士の受験資格は大学(または専門学校)の建築系学科で必要単位を修得すると卒業時に生じます。社会人であれば夜間の専門学校もあります。
学校では、パース(建物の外観や室内を立体的な絵にしたもの)の描き方や、CADの使い方も学べます。この2つは建築・インテリアの仕事で最低限必要な知識です。
関連資格:建築CAD検定試験とは
まずは、インテリアコーディネーターから入るのではなく、可能な限り建築士の国家資格を取るのが先です。
その先にインテリアコーディネーターの仕事があると思えば、できる業務の範囲も拡大します。
建築士でないとできない仕事はありますが、インテリアコーディネーターでないとできない仕事はありません。
社会での評価も圧倒的に建築士の方が上です。
収入も大幅に違います。メリットも十分です。
ただし、建築士の資格は簡単ではありません。建設関係の会社に勤めながら苦労して取る覚悟が必要です。
役に立つ民間資格なのか?
知名度が高いのでアピール材料にはなる
インテリアコーディネーターは、インテリア業界では最も認知度の高い民間資格です。
デザイン・建築・インテリア系の専門学校生や大学生などが就活を控えて、アピール材料にするために受験します。
あるいは、住宅会社(新築、リフォーム)やインテリア関係の会社に勤める社員が、スキルアップのために受験します。
接客する際に、差し出した名刺に「インテリアコーディネーター」と印刷してあれば、相手を信用させる効果が望めます。
ただし、民間資格ですから、合格者だけに認められるような独占的な業務などはありません。
取得する意味ないとは言いませんが、あくまでも知識を身に付けるための検定試験です。
合格者だから即採用というワケにはいかず、やはりそれまでの経験も求められます。
業界未経験者が、インテリア業界へ転職するために取得しても社会人が就職や転職のために取得する人もいますが、合格したからといって採用が有利になるものでもありません。
インテリアコーディネーターの資格は、未経験者でも半年ほどの勉強で取得できます。
どうしても必要であれば、業界に就職してからでも十分取得できます。実務経験があった方が理解は早いです。
あるいは、二級建築士+αの資格と思った方がいいでしょう。
将来性について徹底研究
求人は多いが、実態はただの営業スタッフだったり・・・
インテリアコーディネーターの資格を取得すると、ハウスメーカー、不動産、建設、リフォーム、設計事務所などへの就職・転職が有利になると言われていますが、実際はどうでしょうか?
その点について調べてみました。
すると、都会・地方関係なく意外なほどインテリアコーディネーターの求人は多く出てきます。
職種にも必要な資格にも、ハッキリと「インテリアコーディネーター」と明記してあります。
「未経験者可」といった記載も目立ちます。しかもほとんどが正社員としての求人です。
これは意外にも民間資格とはいえこんなに役立つ資格なのか!と驚きましたが、実態は少し違うようです。
何社か電話して業務内容を聞いてみたんですけど、インテリアコーディネーターを募集している会社は、どうやら営業スタッフ、販売スタッフを求めているようでした。
この人手不足の時代、営業マンやショールームでの接客担当者を募集しても応募はありません。
そこで、「インテリアコーディネーター募集」として、求人を掲載しているという話し方でした。
そもそも、あると望ましい資格またはスキルとして「1級・2級建築士、またはインテリアコーディネーター」と書いてありましたが、難関の建築士と同等に扱うワケがありません。
「未経験可」というのは、あまりインテリアコーディネーターとしての知識は求めておらず、入社後、まずは営業をしてほしいということのようです。
インテリアコーディネーターの求人を、インテリアの専門職だと勘違いしている人が多いようですが、 実態はただの営業スタッフ、販売スタッフの募集だったりします。
残念ですが、そう思って応募するのがいいでしょう。
登録料・更新料などのお金が必要になるので要注意!
インテリアコーディネーターの資格には、受験料をはじめ登録料、さらに5年毎に更新料が必要になります。
こういった内容は主催者のホームページを良く読んでもあまり目立たないところに書いてあるので要注意です。
まずは、インテリアコーディネーターを受験するには当然ですけど受験料が必要です。
1次試験と2次試験を同時に申し込む「基本タイプ」で14,850円です。
1次不合格であっても2次分の受験料は返金されません。1次試験、2次試験だけの申し込みもできますが、その場合若干安くなります。
2次試験になんとか合格、認定証をもらえば、「やった!インテリアコーディネーターだ!」・・・というワケにはいきません。
実は、インテリアコーディネーターと名乗るには、インテリア産業協会に登録しなければなりません。その際14,300円(税込)が必要です。
「登録」とは、簡単に言うとインテリア産業協会の名簿に記載してもらうことです。
登録が完了すれば、資格登録証として「インテリアコーディネーター証」をもらえます。プラスチック製のカードで、そこには顔写真が印刷されています。
それだけで終わりません。
インテリアコーディネーターの資格は、5年に一度更新しなければなりません。
その際に試験はなく、論文の提出と簡単な研修を受講します。
金額は20,900円(更新登録・研修費、税込)です。高いのか安いのか・・・。
もちろん仕事をする上で必要であれば更新するでしょうけど、維持費もかかるので、ただ持っているだけというワケにはいきません。
受験する人はこのあたりもよく考えた方が良さそうです。
※上記は2023年4月現在税込みの金額です。主催者ホームページによります。
合格するには
合格までの勉強時間は6か月以上
インテリアコーディネーターの試験で必要とされるのは、主にインテリア業界で働くに当たって最低限必要とされる知識です。
そのため、学習する内容は基礎的です。
知識ゼロからでも標準的な学習期間は6か月程度です。通信講座でも半年くらいを目安にスケジュールが立てられているようです。
もちろん個人差はあります。1日3時間ほど勉強して1か月半くらで1次試験に合格する人もいます。
1次試験と2次試験があり、1次試験合格者は3年間有効
試験は1次試験と2次試験に分かれています。概要は以下の通りです。
- 1次試験:学科(マークシートによる択一式)
- 2次試験:プレゼンテーション・論文(記述式)
※過去3年以内に1次試験に合格していれば2次試験に進めます。
1次試験の合格率は30%、2次試験は60%ほどで、最終的には20~25%の合格率です。
勉強方法のポイントは、1次試験はとにかく暗記です。
2次試験は論文と製図が出題されますから暗記だけでは対応できません。とにかく製図に慣れて描けるようになることです。
1試験対策としてはテキストと過去問題集を使った学習が重要です。
テキストを読んで、過去問を解いて、またテキストに戻って確認します。
必要な部分はとにかく暗記します。この方法で学習を続ければ、1次試験は合格できます。
2次試験は論文と製図
2次試験は論文と製図などの実技です。もちろん独学でも十分合格できます。
自信がない人は第三者に見てもらうためにも通信講座を受講するのもおすすめです。
1次試験が終われば2次試験まで2か月間ありません。
特に論文は一朝一夕で実力は付かないので、できるだけ早い時期から学習をはじめましょう。
論文は、専門性があるので住宅やインテリアに関する教養を身に付けておいた方がいいです。
例えば、バリアフリー、エコ住宅、再生エネルギー住宅、リノベーションなどです。
1次試験の判定結果も気になりますが、試験が終わり次第2次試験に向けて製図の練習をはじめましょう。
製図未経験者はどうしてよいか最初は分からないと思いますが、テキストを読んで真似して練習するだけです。とにかく何度も繰り返し書いて練習してください。
1次と2次同時に合格する必要はないので、2次試験を翌年にまわしてもいいでしょう。
まずは無料の資料請求
いろんな講座を比較検討できます。
おすすめの通信講座
インテリア業界未経験、あるいは建築に関する知識がほぼ無い人であれば、独学よりも通信講座を利用する方が良いでしょう。
特に、製図のプレゼンテーション問題が出題される2次試験は未経験者には難関です。
1次試験に合格後、3年間は2次試験を受けられるので、その間に2次試験のみ通信教育を受講するのも手です。
お手持ちのスマートフォン・タブレット・パソコンで学習できるので、通勤時間・移動時間・昼休み・待ち時間・就寝前後など、ちょっとしたスキマ時間を有効活用できます。
※こちらから受講申し込みができます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
インテリアコーディネーター受験用テキストは数種類出ていますが、最も評判が良く、利用者も多いのがこちらのシリーズです。
インテリアコーディネーターは出題範囲が広いですが、こちらのテキストであれば過不足なくしっかり勉強できます。詳しい解説と豊富なイラスト・図表で初心者に分かりやすく書かれています。
各章末には確認用の問題が掲載されているので、理解度を確認しながら学習を進められます。
特に独学で受験する人におすすめです。公式テキストの「インテリアコーディネーターハンドブック」よりも分かりやすく丁寧という評判です。
※上下2巻セットです。
種類 | 評価 |
テキスト |
インテリアコーディネーター2次試験の合格を目的とした製図のテキストです。
初学者にとって一番不安に感じるのが製図です。こちらのテキストでは、製図の基礎的な知識、各種図面の描き方、インテリア計画の進め方、図面の着彩方法、の4段階構成で製図を書いた経験のない人でも取組みやすいように工夫されています。
製図のきまりなどの基礎知識から、試験に出題される平面図やパースまで、それぞれの図面の描き方について学べます。
インテリア計画の進め方などのプランニングについての基本的な考え方も身につきます。
種類 | 評価 |
2次試験用テキスト |
「論文」と聞くと身構えてしまいます。日常的に書きませんし、今まで書いた経験のない人も多いでしょう。
そんな論文未経験者向け優しく書かれたおすすめのテキストです。
基本のレッスンでは、2次試験の過去問題を参考に、原稿用紙の使い方から文章の構成・時間配分まで、丁寧に論文の書き方を説明しています。
短時間で論文のテクニックを身につけるには最適なテキストです。論文練習課題も付いています。
時間に余裕を持って1次試験合格後にすぐにはじめてください。
種類 | 評価 |
2次試験用テキスト |
おすすめ問題集
過去5年分の過去問題集です。受験生に最も使われています。
解答の解説だけでなく、問題に出てくる選択肢についても解説があるので、得に初学者におすすめです。理解して納得しながら学べます。
分野ごとに問題がまとまっていて解説も丁寧です。実力テストもあるので理解度を確認しながら学習できます。
※上下2巻セットです。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
2次試験の過去問題集です。旧版の解答・解説をすべてリニューアルしています。
最新10年分の過去問題(プレゼンテーション・論文)を完全収録しているのと同時に、出題内容を一覧にし出題の傾向を分析しています。
この問題集を繰り返し学習することで合格が見えてきます。
重要な内容は解説も繰り返し出てくるので、何回も読むと理解が深まり間違えなくなります。
種類 | 評価 |
2次試験過去問題集 |
おすすめ参考書
インテリアコーディネーターに興味がある人、これからインテリア関係の学校へ進む人におすすめな一冊です。
タイトルにある通り、カラーの写真やイラストで多く、見やすくて読んでいて楽しい参考書です。
専門的な本を読む前に、まずはこちらの本で「インテリアコーディネーターとは何か?」を学んでみてください。
従業員の教育用として使っているインテリア販売の会社もあります。
内容はわかりやすく、初心者にとってはよい本でおすすめです。
種類 | 評価 |
参考書 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
一次:9月中旬~10月中旬
二次:12月上旬
お申し込み
7月中旬~8月下旬(※二次試験の受験申込も同期間)
受験資格
どなたでも受験できます。
試験会場
- 一次:全国47都道府県のCBT試験会場
- 二次:北海道、岩手県、宮城県、群馬県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県(12地域)
受験料
通常:14,850円
一次試験のみ:11,550円
二次試験のみ:11,550円
(各税込)
試験内容
【一次試験】:学科(CBT受験会場のパソコンで実施)
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
※受験申込時に会場と日時を選択します。
※過去3年以内に一次試験に合格していれば一次試験は免除になります。
合格基準
70~75%(公表されていません)
主催者情報
試験に関する詳しい情報はインテリアコーディネーター資格試験受験概要│インテリア産業協会をご覧ください。