種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | やや易しい | 60~70% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 2か月程度 |
- 上記はC級についてです。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2023年2月14日に集計。
貿易実務検定とは、貿易実務に必要な輸出・輸入の取引きの流れや関連する法律の知識を身に付けるための民間の検定試験です。難易度の低いC級を学生が取得しても就職や転職は有利になりませんが、B級以上取得で評価する会社もあります。
貿易実務検定とは

貿易実務を学習する試験
貿易実務検定とは、貿易取引に関する実務、貿易書類、貿易業務に必要な英語の能力や汎用的な知識がどのくらい身に付いているかを客観的に測るための民間の検定試験です。
試験の学習を通して、貿易に関する輸出・輸入の取引きの流れや貿易関連の法律を学習し、貿易実務に必要な能力を身につけます。
試験は、難易度の低い順にC級、B級、A級に分かれています。全くの知識ゼロでもC級であれば独学で2~3か月ほどの学習で合格できます。輸出業に従事していれば1か月程度で合格できます。
主催者サイト:貿易実務検定について | 貿易実務検定の紹介 | 貿易実務検定(R)
現場では貿易実務の専門家が求められている
日本は貿易によって成り立っている国です。海外から原材料・燃料資源を輸入し、高い技術力で作った工業製品を海外に輸出するというスタイルで経済成長しました。
世界経済がグローバル化する中で、特に2000年以降は貿易のあり方も変化しています。
特定の国又は地域同士での貿易や投資を促進するために関税の撤廃などについて約束する経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)、新興・途上国における地域経済統合などを中心に、世界の貿易自由化は加速しています。
貿易の自由化とともに、日本でもますます多くの貿易実務の専門家が求められています。
役に立つ資格なのか?
貿易実務検定は、民間の検定試験です。法律で定められた資格ではありません。
この資格がないとできない貿易に関する業務はないということです。その点法律で定められた通関士の資格とは違います。
関連資格:通関士とは
貿易実務検定は、難易度の低い順に、C級、B級、A級の3種類がありますが、C級はあくまでも入門資格です。履歴書に書いても就職や転職は有利になりません。
B級以上であれば、履歴書に書いてアピールできるメリットはあります。B級に合格するには英検2級レベル位の英語力が必要なので、その点でも評価されます。
A級であれば、試験に書類作成問題が出題されるので転職の際に役立つ可能性はあるでしょう。実務にも知識は役立ちます。
しかし、実際に貿易関係の仕事に就けば、貿易実務の知識は自然に身に付きます。その後で勉強して取得する方が効率的です。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
貿易実務検定B級以上取得で評価の対象としている会社もあります。
B級以上合格者には奨励金・一時金を支給する会社もあります。合格すれば当然その後の昇給にも影響がでるはずです。
そういった会社へ就職を希望するのであれば、B級取得で就職・転職の際にアピール材料になります。
また、中小の貿易会社などであれば即戦力を求められるので、貿易実務検定は業務で役立ちます。貿易会社や商社でも貿易実務検定の知識は活かせるでしょう。
学生であれば、まずは語学力を身に付ける!
貿易関係の会社へ就職を希望する学生であれば、学生のうちにやらねばならない勉強は語学です。
TOEICで800点以上、英検準1級または1級を取得し、さらに中国語の勉強も少ししておいた方がいいです。英語と中国語は世界の貿易の公用語です(最近は中国語らしいです)。
関連資格:TOEICとは、英検(実用英語技能検定)とは
学生のうちから貿易実務検定や通関士の勉強をすることはあまりおすすめしません。
通関士や貿易検定B級は、実務経験ゼロでも取得は可能ですが、実際に経験しないと本当の内容は理解できません。
これらの資格は就職後に取得しても遅くないです。特に通関士は通関業に就かないとほとんど役に立ちません。
商社やメーカーの貿易部門へ入社すれば、研修や実際の業務で貿易業務に必要な知識はある程度は身に付きます。新卒者には細かい実務知識は求めないということです。
会社がまず学生に対して期待するのは、とりあえず語学力です。社会人になってから語学力を伸ばそうと思ってもこれがなかなか上達しない現実があります。
語学は、1か月や2か月で覚えられるものではなく時間と手間がかかります。時間のある学生のうちに磨いておきましょう。
目指すのであれば国家資格の通関士
大手貿易会社や商社などに転職を希望するのであれば、やはり通関士の資格を持っていれば有利です。
単純に、通関士が国家資格であるというのが理由です。通関士にしかできない法律で裏付けられた独占業務が存在します。
通関士の合格率は10%程度です。短時間で合格できる民間資格とはワケが違います。資格手当が月に数万円支給される会社もあります。
通関士の資格というのは、貿易そのものの資格というよりも「貿易の手続き業者のための資格」です。通関部門を持っている港湾業者、航空貨物業者、海運会社へ就職するのであれば重要視されます。
会社によっては通関業者でも通関士の資格は全く活用できない部署もありますが、通関士の資格を持っているだけで優遇される可能性が高いです。
ちなみに、貿易商社や単に海外の会社と取引をしているメーカー等であれば、通関士の資格はそれほど重要視されません。
合格するには
貿易実務検定は貿易の実務に関する知識を求められる資格で、難易度の低い順にC級、B級、A級に分かれています。
各級によって求められる実務経験のレベルは以下の通りです。
- C級:概ね、1~3年以上
- B級:概ね、1~3年以上の中堅層
- A級:3~4年以上
C級であれば、初学者でも比較的短期間で合格できる
例えば、C級は実務経験1~3年のレベルを要求されますが、難易度としてはそれほど難しくはないです。
未経験者でも独学で2~3か月ほどの学習で合格できます。日商簿記3級より少し難しいくらいです。輸出業に従事していれば1か月あれば十分合格できます。
まったくの初心者がC級を受験するのであれば、まずは一通りテキストを読み込んで、それから問題集を解きましょう。逆に多少の知識があればテキストは目を通すくらいにして問題集から入ってもかまいません。
貿易実務検定C級は過去問からの出題率がかなり高いので、テキストや問題集を一通りこなした後はひたすら過去問を解くのが合格への近道です。
英語での出題に関しては、専門的な単語もないので、高校生レベルの英語で十分対応できます。
B級・A級になると実務経験がないと合格は難しい
B級・A級になると難易度も上がり、それなりに難しくなります。特にA級に関しては実務経験がないと合格するのは難しいレベルです。
解答は筆記が含まれ、英語のレベルに関しても専門的な用語が多く出題されます。日常レベルの英語では解けません。
全ての級に言えますが、英語が得意な人や、TOEICである程度の点数が取れている人にとっては貿易実務英語の勉強は楽です。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
おすすめ問題集
おすすめ参考書
試験情報
試験日
【C級】5月、7月、10月、12月
【B級】3月、7月、10月、12月
【A級】10月
お申し込み
主催者サイトを参照ください。
受験資格
どなたでも受験できます。
試験会場
会場試験:東京、名古屋、大阪
WEB試験:自宅など
受験料
A級:12,760円
B級:7,480円
C級:6,270円
併願
A級・B級:20,240円
B級・C級:13,750円
(各税込、2023年3月現在)
試験内容
※下記はC級についてです。
三肢択一式、語群選択式
【貿易実務:1時間30分】
- 貿易と環境
- 貿易経済知識
- 貿易の流れ
- 貿易金融
- 貿易書類と手続き
- 貿易法務
- 通関知識
- 貿易保険
- 外国為替
- マーケティング知識
【貿易実務英語:45分】
- 取引交渉時のビジネス・レターより基本的表現
- 貿易書類やビジネス・レター中の重要貿易英語
合格基準
2科目の合計160点/200点(80%)を基準として、試験委員長の定める点
主催者情報
試験に関する詳しい情報は各級の詳細 | 貿易実務検定の紹介 | 貿易実務検定(R)をご覧ください。
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