競売不動産取扱主任者が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

競売不動産取扱主任者

「主任者」と付いても民間の検定試験、この程度の知識じゃ落札は困難。

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

やや易しい

2か月以上

民間資格

民間検定

40%

最終更新日:2020/05/29

競売不動産取扱主任者とは

家の外観を調べる男性

土地や建物などの不動産は一般的には高額で、何十年とローン契約を結んで購入します。

 

しかし、実はずっと安く不動産を取得できる方法があります。それは、競売に出された不動産を落札するんです。

 

競売不動産とは、例えば住宅ローンを組んでマンションを購入したけど、月々の支払いができなくなり、お金を貸していた銀行の申立により裁判所が売却する不動産のことです。

 

競売不動産は、空き家や古民家と違って比較的都会にある優良物件もあります。競売には不動産業者ではない個人でも参加できるので、誰にでも安くて良い不動産を手に入れるチャンスがあるということで一時注目を集めました。

 

落札してリフォームして転売したり、自ら賃貸すれば、不動産投資としてサラリーマンでも副収入を得られます。

 

しかし、何も知識のない素人が競売に参加して、うまく落札できるはずがありません。トラブルも多く、一般人が参加する機会は少ないのが現実です。

 

競売不動産取扱主任者とは、競売不動産に関して、専門家として一般の人に対して競売に関するアドバイス及びサポートをするための民間資格です。

 

また、自らが競売の落札者となって、リフォームして転売したり、賃貸したりして収入を得ることも可能です。

 

競売不動産取扱主任者とは、不動産競売流通協会が試験を実施し認定する民間の認定試験で、2011年にはじまりました。

 

試験の学習を通して、競売不動産に関して一定の知識と能力を身に付け、競売不動産の購入を希望している人に対して安心した助言・代行をするのを目指します。

「主任者」と付きますが単なる民間の検定試験

競売不動産取扱主任者は、旧宅地建物取引主任者(現在は宅地建物取引士)と同様に「主任者」と付きますから、何も知らない人が聞くと国家資格と勘違いするようですが、実は民間資格です。

 

関連資格:宅地建物取引士とは

 

また、この先に国家資格になる可能性も今のところはないです。

 

競売不動産取扱主任者はあくまでも法律の裏付けのない民間資格です。認定団体の独自の検定試験なので、取得しても特別にできる業務は存在しません。

 

安全に落札できる良い物件であるかどうか、どの程度の入札額がふさわしくてどれくらいの金額であれば落札できるかを予想するにも高度な不動産の知識を必要とします。

 

そのためには、不動産の取引にも精通していなければなりません。海千山千の不動産業者じゃないとまともに落札などできません。

 

さらには表面的ではない時間をかけて学習した民法や不動産登記法などの知識も必要です。誰でも取得できる競売不動産取扱主任者ではかなり役不足です。

 

主催者サイト:競売不動産取扱主任者資格 | 不動産競売流通協会(FKR)

競売不動産の現実

競売不動産は、たとえ隠れた瑕疵(欠陥)があったとしても、裁判所が開示した情報を元に落札して買い受けた本人の自己責任です。

 

慎重に調べる必要があるのに、建物の内覧ができない場合がほとんどなので、かなりのリスクも伴います。

 

そして、買い受けた不動産には、誰か住んで(=占有者)いる場合がほとんどです。多くの場合、内部もゴミや衣服、壊れた家具が散乱しています。

 

立ち退かせない限りそこには住めません。占有者も法律で一応は保護されているので「オレが落札した正式な所有者だ、出て行ってくれ!」と言っても簡単には出ていきません。

 

立ち退かせる技術にも特別な知識を必要とします。立退き交渉が難航すると時間もかかります。

 

こういった交渉は競売不動産取扱主任者が代理人となってできません。弁護士に依頼しないかぎり落札者本人がしなければなりません。

 

最終的には裁判所の執行官が強制的に建物内の物を撤去する強制執行になりますが、その場合の荷物運搬用トラック費用や人件費はすべて落札者の負担です。

 

無事落札して不動産を手に入れるには、いくつものハードルが待ち構えています。

上記は、不動産の競売に参加する際のリスクのほんの一部です。どういった不動産が競売物件となっているかは、下記サイトを見ると詳しく分かります。

 

参考:ホーム | BIT 不動産競売物件情報サイト

 

「裁判所から探す」の箇所で都道府県と裁判所名を選択して「検索」ボタンを押せば一覧が出てきます。

 

注目してほしいのは「占有者」と「共有者」です。占有者がいればやっかいなのは前述の通りです。第三者の持ち分が共有者として登記してあればこれまたやっかいです。

 

「3点セットのダウンロード」をすれば、内部の様子や現況について詳しく書かれた裁判所の公告も見られます。

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

競売不動産取扱主任者のレーダーチャート

前述の通り、競売不動産取扱主任者の資格は民間資格です。

 

法律的に認められた権限や能力などなく、不動産の競売自体この資格がなくても誰でも参加できます。

 

そもそも試験に合格しても、前提として宅地建物取引士に合格していないと競売不動産取扱主任者として登録できず、名刺に印刷したり名乗ったりもできません。有料の登録講習にも出席しなければなりません。

 

結局のところ、競売不動産取扱主任者だけの価値は微妙です。宅地建物取引士に合格しておらず、競売不動産取扱主任者だけに合格しても就職や転職の際には役立ちません。

 

履歴書に書いたところで評価の対象にはならないでしょう。試験に合格して知識を得たから何かの職業につけるとという「職業と直結する資格」でもないです。求人もありません。その点は宅地建物取引士と違います。

 

試験がはじまった2011年当時は、不動産投資が話題になっていた頃で、話題性もあって一時は「国家資格になるのでは?」なんて言われてました。一部の資格予備校では今でも講座を設けています。

 

しかし、この資格試験で得た知識で何かできるワケでもなく必要性は低いです。年間の受験者数もほぼ2000人程度と横ばいです。この先に国家資格となる可能性はないでしょう。取得者の評判も決して良くはないです。


競売不動産取扱主任者の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

不動産の競売は誰でも参加できるとはいえ、やはり最低限の知識や取引の実態について理解しておく必要はあります。

 

試験の学習を通して競売不動産について体系的に学べるので、得た知識は不動産競売に参加しようという知識と経験のない一般人をサポートするという点で活かせます。

 

一応不動産系の資格に分類されるので、登録して名刺に「競売不動産取扱主任者」と印刷すれば、営業のネタ程度にはなります。

 

一般の人も、競売に関する専門家と勘違いして絶大な信頼を寄せてくれるでしょう。

 

なんと言うか、競売不動産取扱主任者はハッタリには有効な資格です。

ADR調停人の基礎資格として一体何ができる?

 

競売不動産取扱主任者の主催者である不動産競売流通協会(FKR)のホームページを見ると、「不動産ADR調停人」として、平成29年3月15日に法務大臣より裁判外紛争解決機関としての認証を受けたとPRしています。

 

主催者サイト:不動産ADR調停人 | 不動産競売流通協会(FKR)

 

調停人になるには、日本不動産仲裁機構が指定する調停人研修(20時間)を受講し、調停人としての登録をしなければいけません。

 

では、一体これがどういう制度なのか?簡単に説明すると・・・

 

争い事が生じた場合、法律知識を備えた一定の専門家が間に入って(調停)、裁判などをせずに話し合いで手っ取り早く解決しましょう!という制度です。

 

参考:法律にかかわる様々なトラブルの相談・話し合いによる解決のサポートのかいけつサポート

 

これだけで判断すると、競売不動産取扱主任者を取得すると弁護士のような業務もできるんだ!って早とちりしてしまいそうですがそうではありません。

 

できるのはあくまでも中立的な立場での「交渉の提案」のみです。仮に、落札後に退去などで揉めるようであれば、そこで話し合いは終了します。競売不動産取扱主任者ではそれ以上何もできません。

 

競売不動産取扱主任者が代理人になって交渉するのは、非弁行為となって弁護士法に違反します。占有解除手続きの代行をするのも弁護士法などに抵触するのでできません。

 

競売参加予定者の法律的な相談に応じることもできません。競売の相談が、法律相談でなければ大丈夫ですが、通常、法律に触れない相談なんて考えられません。

 

主催者の公式サイトでは、競売不動産取扱主任者について「競売不動産の取扱いに関する一定水準の知識、能力を証明するもの」と説明しています。

 

つまり、知識を有してしても、法律的なアドバイスはできない資格であるということです。

 

「ADR調停人の基礎資格」とは、主催者側が特筆しているほど大げさな資格ではないんです。

国家資格じゃないと持っていても意味はない

 

不動産は高価なモノなので、取引の安全を図るために売買や所有権の移転に関して多くの法律や規則が存在します。

 

法律的に何かするのであれば、独占業務が認められている司法書士や不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士などの国家資格が最低でも必要です。

 

関連資格:司法書士とは不動産鑑定士とは土地家屋調査士とは

 

例えば、落札した不動産を転売して儲けようと考えるのであれば、まずは宅地建物取引士の資格を取得して、宅建業者として国土交通省に登録しなければなりません。

 

業務に活かせる専門知識を学習するにしても、就職や転職のために資格を取得するのが目的だとしても、やはり国家資格です。

有料の講習会も必須!さらに更新費用もかかる!

 

試験合格後、不動産競売流通協会へ競売不動産取扱主任者として登録すれば主任者証の交付を受けられます。

 

主任者交付費用:15,000円(税別)!

 

その際、登録講習も受講しなければなりません。

 

登録講習費用:15,000円(税別)!

 

手続きが完了すると、顔写真入のプラスチック製の主任者証をありがたく頂戴できます。

 

そして、主任者証の有効期限は交付日より5年間です。更新時には、再度更新時講習を受講しなければなりません。

 

講習と交付手数料:18,000円(税別)!

 

費用対効果があればもちろん決して高くはないでしょうけど、取得する前に必要性についてよく考えてみましょう!

 

※金額は2020年4月現在です。

 

引用:試験合格後の主任者登録について | 不動産競売流通協会(FKR)

 

競売不動産取扱主任者に合格するには

競売不動産取扱主任者の試験は誰でも受験できますが、登録する際には宅地建物取引士の国家試験に合格していることが前提となっています。

 

宅地建物取引士の試験と比べると難易度は低いです。つまり簡単です。まだ宅地建物取引士を取得して間もない人であれば、不足している競売に関する知識を1週間程度学習すれば合格できます。

 

試験は全てマークシート方式で、四択で50問出題されます。合格率は40%ほどです。市販の教材でしっかりと対策をしておけば合格できるレベルです。

 

全くの初学者であれば、1日2時間程度の勉強で2か月あれば合格できます。

 

競売不動産取扱主任者の試験は、試験の問題用紙は持って帰れません。そのため試験対策が立てにくいです。

試験対策講座を受講すれば合格できる???

試験の主催者である不動産競売流通協会は、試験対策用に毎年講座を開催しています。

 

オリジナルテキストを使用し、短期間で効率よく試験に出題される重要ポイントを押さえるのが目的の講座です。

 

講座の時間は6時間で、受講料は19,800円(税込)です。

 

これは確たる証拠はないようですが、講座を受講していれば優先的に合格になるとかならないとか・・・

 

試験はよくできたのに結果は不合格、一方で半分位しかできてなくても結果合格なんてこともあるとかないとか。

 

自宅で採点できないので、正確な点数はわかりません。

合格への第一歩、まずは無料の資料請求から

いろんな講座を比較検討することもできます。

女性のイラスト

競売不動産取扱主任者 | LEC東京リーガルマインド

競売不動産取扱主任者 試験情報

試験日

お申込み

12月上旬

8月上旬〜10月下旬

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。
※試験はどなたでも受けられますが、宅地建物取引士試験の合格者のみ登録できます。

試験内容

【出題範囲】

  • 不動産競売手続に関する基礎知識:競売不動産の特徴、不動産競売の全体像、裁判所資料、公法上の規制
  • 不動産競売の法理論と実務:民事執行法の概要(申立手続、開始手続、売却手続、及びその進行、債権関係の調査、権利関係の調査、裁判手続の保全と売却条件の判断)、裁判所交付資料の理解(読み方と実務上の注意点)、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の概要
  • 不動産競売を理解する前提となる法律知識:民法、借地借家法、建物区分所有法、不動産登記法、宅地建物取引業法、民事執行法、民事訴訟法、民事保全法、建築基準法、都市計画法等
  • 競売不動産の移転、取得等に関する税金等:登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、印紙税等

【実施方法】50問4肢択一による筆記試験、マークシート方式
【合格基準】主催者発表によると、合格ラインは7割(35点)程度が目安です。 2017年度の合格点は32点でした。
【試験地】札幌・仙台・新潟・金沢・埼玉・千葉・東京・横浜・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇

試験に関する詳しい情報は競売不動産取扱主任者試験 | 不動産競売流通協会(FKR)をご覧ください。

競売不動産取扱主任者 おすすめテキスト・基本書

競売不動産の基礎知識 3訂版 (競売不動産取扱主任者試験の公式テキスト)
こちらは一応公式のテキストになっています。

 

競売不動産取扱主任者の本試験の問題はその場で回収されて持ち帰れません。そのため、こうしたテキストと問題集で勉強するしかないようです。

 

内容としては、競売に関することがほとんどで、他の不動産系の資格を持っている人や初学者でも、なるほどと思う内容が多く書いてあります。

 

ただ、残念なのは、文章がわかりにくく、理解し難い点も多いことです。他の参考書も必要です。

種類 評価
テキスト

競売不動産取扱主任者 おすすめ問題集

試験主催者による2020年度版公式テキストは、現在刷新中で2020年4月20日より販売開始予定ということです。しばらくお待ちください。

競売不動産取扱主任者 おすすめ参考書

空き家を買って、不動産投資で儲ける!

競売不動産の購入方法とは少し違っていますが、空き家(古家)を購入して、資産を増やしながら活用していくためのノウハウが書かれた一冊です。

 

空き家不動産を再生し、長く不動産経営をすることによって、着実に資産を増や方法が書かれています。

 

分かりやすくて評判の良い入門書ですが、すでに投資している人や、具体的手法を知りたい人には不向きで、内容は薄く感じられると思います。

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