FASS検定は意味ない?簿記の方が就職・転職の際に評価
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | — |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 2件 |
- スコアによる評価なので合格率は省略します。勉強時間はAランクに到達する期間です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年7月30日に集計。
FASS検定とは、経理・財務部門の業務に従事する人を対象として、実務に即した経理・財務の知識やスキルを問う検定試験です。
ただし、知名度が低いので合格しても一般的には評価されません。
経理・財務系の職種に就職あるいは転職を希望するのであれば、簿記検定の方が知名度もあって評価されます。
簿記二級であれば実務経験がなくても就職や転職が有利になる可能性があります。
FASS(経理・財務スキル)検定とは
合否ではなくA~Eの5段階で評価
FASS(ファス:Finance & Accounting Skill Standardの頭文字)検定とは、経理・財務部門の業務に従事する人を対象として、実務に即した経理・財務の知識やスキルを問う民間の検定試験です。
試験は、経済産業省の委託を受けた日本CFO協会が人材育成事業の1つとして実施・運営しています。
よく似た経理系の民間資格として簿記検定がありますが、FASS検定は簿記検定と比べてより実務的な内容について問われます。
試験の結果は合格・不合格で判定するのではなく、スコアと呼ばれる点数に応じて5段階(A~E)で評価されます。
満点は800点です。
主催者サイト:FASS 経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト|日本CFO協会
役に立つ民間資格なのか?
目指すなら簿記検定2級
FASS検定は知名度の点ではかなり低く、経理担当者の中でも知らない人が圧倒的に多いのが現状です。
一方、簿記検定は歴史もあって知名度は抜群です。一般的に就職・転職には有利な資格として知られています。実務経験があればさらに有利になります。
経理について勉強したい人は、まずは簿記検定の勉強をおすすめします。
簿記検定の方が実務に直結するスキルが身に付きます。
経理の仕事がしたいのであれば、FASS検定という微妙な民間資格ではなく、まずは簿記検定2級を目指しましょう。
関連資格:簿記検定とは
求人情報を検索すると、「簿記検定3級合格者」という条件の募集は見つかっても、「FASS検定Cレベル」という募集はまず見つかりません。圧倒的に簿記検定の方に分があります。
既に経理の部署にいて、さらにスキルをあげたいのなら、簿記1級を目指しましょう。
こちらの方がよほど評価されます。
職業として経理・財務のプロフェッショナルを目指すのであれば、税理士、公認会計士を目指してください。
合格するには
試験は全てCBT方式
FASS検定を受験する機会は上期と下期の年2回です。定められた期間内(上期:5月~7月、下期:11月~翌年1月)に受験します。
受験するには、何やら「受験チケット」らしきモノを買わないといけないようです。
受験方法はCBT方式です。
指定された会場(パソコン教室や専門の試験センター)で、インターネットに接続されたパソコン端末使って解答を入力します。
全て選択式で、記述式の問題は出題されません。
受験結果は試験が終わり次第瞬時に確認できます。
試験会場で「成績証明書」及び別紙で「不正解となった主な試験問題の内容」を手渡しされます。
試験は、会計・税務・資金・内部統制など、幅広い分野から100問出題されます。
試験時間90分ですから、100問解くには1問1分もかけられません。
ある程度のスピードも要求されます。
かなりの問題数ですが、全て選択式なのでそれほど心配はいりません。
満点は800点で、スコアと呼ばれる得点に応じて5段階(A~E)で実務スキルを判定します。
平均点は573点のCランクです。
ランク別の得点とレベル感については下記をご覧ください。
- レベルA:689点~
- レベルB:641点~688点
- レベルC:561点~640点
- レベルD:441点~560点
- レベルE:~440点
最も難易度が高いレベルAでも全体の15%以上と言われていますから、それほど難関というわけでもないようです。
評価の詳細については下記をご覧ください。
参照:結果通知:FASS検定|FASS 経理・財務人材育成事業 公式サイト
簿記3級について勉強した経験があれば大丈夫
試験では、経理・財務に関して幅広い知識を浅く問われます。
出題全体を見てもそれほど難易度の高い試験ではありません。
短期間でAランクに達するのも十分可能です。
ちなみに、受験するにあたって基礎知識として必要なのは「簿記3級を勉強したことがある」くらいで十分です。
経理・財務の実務経験ゼロであっても、1か月間(計20~30時間)勉強すればAレベルを狙えます。
決して実務レベルまで要求されません。
勉強方法としては、協会が出している公式テキスト「経理・財務スキル検定公式学習ガイド」を利用するのがおすすめです。
主催者が作成したテキストなので確実に出題傾向をつかめます。
というか、このテキストからほとんど同じ問題がかなりの割合で出題されます。
1回解いて2回目は間違えたところだけ解くようにすれば、最短10~20時間程度でAランクくらいに到達できるでしょう。
これで受験料10,000円?って感は拭えませんけど・・・
なお、公式テキストは原則として一般の書店やAmazonなどの通販では買えません。
公式サイトより購入します。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
FASS検定の公式テキストに準拠したテキスト&問題集です。FASSの書籍はほとんど市販されていないのでこちらを利用する人が多いようです。
内容は本試験より少し簡単なレベルです。こちらで記載されていない論点も出題されるので、勉強方法としてはこれ一冊では不十分な気がします。
問題の数は少なく、解説も短いので、初学者にはあまりおすすめしません。
ある程度基本を理解しているば、基礎固めに使えます。これだけでAランクを取る人もいます。
種類 | 評価 |
テキスト&問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年2回(上期・下期):期間内随時
上期:5~7月、下期:11~翌年1月
お申し込み
上期:2月上旬~7月下旬
下期:8月上旬~1月下旬
受験資格
どなたでも受験できますが、経理・財務部門の定型的実務に従事されている人、これから経理・財務部門に従事しようとしている人が対象。
試験会場
全国のCBT試験会場
受験料
一般:11,000円
会員:8,800円
2024年4月9日現在、税込み
試験内容
【出題範囲】
- 「経理・財務サービス・スキルスタンダード」のうち、定型業務として標準化された業務が対象
- 「FASS」試験本体は、資産・決算・税務・資金の4分野から構成
上記4分野に回答後、任意で「オプション科目」に回答できます。
【試験時間】
- 「FASS」試験本体90分
- 「オプション科目」30分(任意受験)
【問題数】
- 「FASS」試験本体:上記の出題範囲から合計で100問
- 「オプション科目」収益認識基準・・・20問
合格基準
- 「FASS」試験本体:合否ではなく総合点(満点:800点)から5段階のレベルでスキル評価、分野毎の達成度合いも表示
- 「オプション科目」:達成度合いから、3段階のレベルでの評価を表示
合格発表
試験結果は試験終了後、直ちに試験会場で分かります。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は検定の概要:FASS検定|FASS 経理・財務人材育成事業 公式サイトをご覧ください。