健康管理検定とは?どれほど価値があるのか冷静に考えて!

種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 90% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
自己満足 | 0件 | ![]() |
- 合格率は非公開ですが、3・2級はほぼ全員合格するようです。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月31日に集計。
運動健康学、栄養管理学、健康心理学・・・健康に関する分野って、本来であれば時間をかけて学ぶべき内容です。
それを、講座を受講すれば短期間でほぼ全員合格って・・・不思議ですよね。
こういった短期間で取得できる「健康」をうたう文句にした民間資格ってどこまで意味があるのか、受講を考えている人はよく考えてみるといいです。
私は大いに疑問に感じます。
自分や家族の健康にどれくらい有意義なのか、履歴書に書けばPR材料になるのか、就職や転職が有利になるのか・・・ちょっと考えれば分かるはずです。
健康管理検定とは

不明な点が多い団体が主催する検定試験
健康管理検定とは、日本成人病予防協会が主催する民間資格です。
検定試験の学習を通して、体内時計がつくる体のリズムや、健康で美しくなるための食事・運動・休養などの基礎知識を学びます。
主催者サイト:【公式】文部科学省後援 健康管理検定
と、まぁ、ここまではよくある民間資格と同じなんですけど、実はこの日本成人病予防協会という団体、調べてみるといろいろと不明な点が多い団体であることがわかります。
認定している日本成人病予防協会という特定非営利活動法人(NPO法人)は、医学博士の先生が会長となっていて賢威のありそうな学術団代のイメージを漂わせています。
いかにも公的機関のようなPRをしていますが、医学の分野でこれといった研究成果(つまり論文)などの発表はみつかりませんでした。
日本成人病予防協会には、実際は別に法人の代表者がいて、その人が別に代表を勤める株式会社日本医協という営利団体がテキストの販売や養成講座、合格対策講座などを行っています。
株式会社ですからもちろん営利を追求する団体です。
ここでは省略しますが、その代表者の行っている事業内容もいろいろと不明な点が多いんです(興味のある人は是非調べてみてください)。
もちろんこれだけで「詐欺」「怪しい」とは言いませんが、実態がよく分からない団体が試験を実施しているような感じです。
他にも健康管理士・一般指導員という民間資格を運営していますが、合格すると一体どれほどの効果があるのかは大いに疑問です。
関連資格:健康管理士(一般指導員)とは
こういった健康系民間資格を取得する意味は・・・メリットは多分ないでしょう。
ちょっと冷静になって考えれば分かるはずです。
役に立つ資格なのか?
健康管理検定の合格率は公表されていませんが、3級と2級については公式テキストを購入して合格対策講座を受講すれば、短期間でほぼ全員合格できます。
合格対策講座は任意です。本来であればテキストをじっくりと読み込んで勉強すべきでしょう。
けれど、公式テキストを読んだだけではなかなか合格できません。
そこで合格対策講座が登場します。
合格対策講座を受講すると、配られた資料にあるイラストや図表がそのまま試験に出題されたりします。
確実に合格したい人はお金を払って受講します。するとほぼ合格する可能性が高くなるワケです。
こういった短期間で取得できる程度の民間資格が、就職や転職、あるいは私生活でどれくらい役に立つのか・・・少し考えれば誰にでもわかるはずです。
将来性について徹底研究

やたらと文部科学省後援を強調してますけど・・・
主催者のサイトを見ると、やたらと文部科学省後援であることをPRしています。
たまたま見かけた広告の「文部科学省後援」と言う文字に惹かれて受験する人も多いようです。
省庁の後ろ盾があれば、何やら公的な資格のようで信頼してしまうのも無理はありません。
けれど、世の中には文部科学省後援という民間資格は数多く存在します。
あまりにも数が多いのでここでは例を上げて紹介しませんが、中には資格商法的な民間資格もあります。
実はこの「文部科学省後援」をはじめとした省庁の後援制度は、明らかな詐欺的な民間資格でない限り申請すれば使用を認められます。
つまり、文部科学省後援と言ってもそんなに権威はないんです。
健康管理検定は、テキストを購入して、購入者だけが参加できる合格対策講座を受講すれば誰でも合格できる程度の検定試験です。
取得したところで履歴書に書いても評価されず、就職や転職の役には立ちません。
受験料とテキスト販売による収入が目当てなの?って感じがします。もちろんこれはサイト運営者個人の感想です。
こういった民間資格には要注意です。
健康に関する民間資格はよく考えてから
健康を題材にした民間の資格は、実は意外と多く存在します。ちょっと調べればいくらでも出てきます。
健康管理士、健康運動指導士、健康運動実践指導者、日本健康マスター検定、ヘルスケアプランナー検定、健康検定、ダイエット検定、100年健康アドバイザー検定、生活リズムアドバイザー、健康リズムカウンセラー、日本健康マスター検定、健康予防管理専門士・・・まだまだ探せばいくらでも出てきます。
健康に関する民間資格には、実は大きな特徴があります。
それは、取得するのも維持するのも、思いの外お金がかかるということです。
健康系の民間資格って合格後も継続してお金が必要となります。
もちろん全てとは言いませんけど、多くは高額な指定の講座受講が条件です。
おまけに有効期限があって数年毎に有料で更新する必要があったりします。
そして、虎の威を借るかのごとく「文部科学省後援」となっている資格が多いのも特徴です。
率直に言って、健康に関する民間資格はどれも取得する意味はかなり低いと思います。
ただし、やっぱり取得するのも維持するのも安くないお金が必要です。
検定説明会・受験説明会には要注意
こういった民間の検定試験の多くは、事前に説明会を開催している場合がほとんどです。
やはり、健康管理検定も定期的に全国で検定説明会を開催しています。
でも、要注意です。
見込み客を1人でも多く獲得しなければならないので、こういう場所では当然ですけど「良い例え話」しか話しません。
化粧品販売やエステ関係などの美容業界で働く人が多く受験していること、某大手化粧品会社の社員教育で健康管理検定を導入している話し(本当かどうかは不明)、化粧品会社の社員の受験体験記などを長々と紹介されます。
健康管理検定を取得すればキレイになれるかも・・・プロが勉強しているんだからそれなりに効果があるんだろう・・・なんて勝手に思い込んでしまうのも無理はありません。
しかし、誰もが美しさを得られるはずもありません。
検定説明会への参加をキッカケに、その気にさせられて受験を決めた人はやはり多いようです。注意しましょう。
合格するには
健康管理検定とは、健康的に暮らすため、また、病気の予防のために知っておきたい体の仕組みや生活習慣について学ぶ民間の検定試験です。
試験は、難易度の低い順に、基礎レベルの3級(生活リズムアドバイザー)、応用レベルの2級(健康リズムカウンセラー)、プロフェッショナルレベルの1級(健康リズムプロフェッショナル)に分かれています。受験資格などはなく誰でも受験できます。
1級は若干難しいようですが(受験する人はマレ)、3級、2級であればほとんどの人が合格する程度の難易度です。なお、合格率は公表されてません。
知識ゼロからでも1か月程度勉強すれば3、2級なら合格できます。
合格するには、テキスト+合格対策講座が必須
試験は、公式テキストからしか出題されません。
つまり公式テキストを買うことが前提となっています。このテキストは一般の書店やAmazonでは市販されておれず、公式ホームページから購入します。
目が飛び出るほど高いと想像していたんですけど、その点は良心的で3級2,750円、2級3,300円です(2022年11月現在)。
テキストを購入すると特典として「学習ポイントWEB講座」を60日間視聴できます。
勉強方法としては、テキストの学習と、別途有料の「合格対策講座」を受講することです。この講座は健康管理能力検定協会が実施します。
合格対策講座には、「通学コース(2,750円税込)」と、好きな時間と場所で受講できる「通信コース(3,850円税込)」があります。この講座の内容から出題されるので、多くの人が受講します。
※金額は2024年4月現在です。
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
会場によって異なります。
お申し込み
各試験日の10日前まで。
受験資格
受験資格の制限はなく、どなたでも受験できます。
試験会場
東京、大阪、札幌、福岡、名古屋
受験料
- 3級 4,950円
- 2級 5,500円
- 1級 6,600円
- 2・3級併願 8,800円
試験内容
出題範囲:
【3級】
- 体内リズムとは
- 体内リズムとホメオスタシス
- 活動的に過ごすための1日のリズム
- 体内リズムと四季折々のくらし方
- ライフステージと体内リズムほか
【2級】
- 消化管のリズム
- 心臓と血液・リンパのリズム
- 呼吸のリズム
- 体温のリズム
- 睡眠のリズムほか
【1級】
- 健康管理学
- 生活習慣病の基礎知識
- 心の健康管理
- 生活を守る栄養学
- 生活環境と健康
- 身体を守る健康知識ほか
合格基準
概ね各級満点の70%前後
合格発表
結果発表:受験日から約2週間後に郵送
主催者情報
試験に関する詳しい情報は文部科学省後援 健康管理検定|受験についてをご覧ください。