介護事務管理士は意味ない?求人数と現場の現実から取得を再考

| 種類 | 難易度 | 合格率 |
| 民間資格 | 易しい | 80% |
| 受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
| 誰でも受験可 | ~1万円 | 1か月程度 |
| 活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
| 要検討 | 約600件 (12件※) |
- 介護事務全体の求人は約600件ありますが介護事務管理士合格者と明記している求人は12件です。
- 全国の求人数はハローワークインターネットサービスの情報を基にフリーワードに「介護事務管理士」と入力して検索した結果です。「必須・歓迎・尚可」となっている求人を独自集計し、重複している求人などは省きました。実際の認知度や活用度とは異なる場合があります。2026年7月22日に集計。
- 自身の目的に合致しているか、取得前の事前確認をおすすめします。
介護事務管理士とは、介護施設における事務員を目指す民間の検定試験です。
民間資格ですから、持っていないとできない特別な仕事はなく、全くの未経験・無資格でも事務作業自体は可能です。
採用に関しては、まずは経験者優先ですが、経験がなければ学歴や年齢、面接時の印象の方が優先するようです。
介護事務管理士とは

介護施設での事務を目指す民間資格
介護事務管理士とは、介護サービスを提供する施設において、介護報酬の計算・請求業務(レセプト)、窓口対応などを担当する事務職員の能力を証明する民間資格です。
試験の学習を通して、介護保険制度の仕組みや介護報酬の請求に関する業務、レセプト作成方法について学びます。
株式会社技能認定振興協会(JSMA)が実施する「介護事務管理士技能認定試験」に合格すれば介護事務管理士と名乗れます。
受験資格や年齢制限はなく、誰でも受験できます。試験会場にはテキスト・資料なども持ち込み可能です。
主催者サイト:JSMA 技能認定振興協会|医療事務の資格・医療事務の試験ならJSMA
役に立つ民間資格なのか?

そもそも現場では事務専任の需要は限定的
介護施設でのレセプト業務(介護報酬請求)の保険請求期間は毎月1~10日と決まっていて、繁忙期以外は介護事務の仕事なんてほとんど発生しません。
頻繁に患者が出入りする一般の病院と違い、介護施設は基本的に入所者や利用者がほぼ固定しているため業務内容は定型的です。
介護事務用計算ソフトを利用すれば、入力作業は比較的単純です。入居者全員の1か月分の計算を半日で全部終わらせることも十分可能です。
そのため、現場ではケアマネジャーやサービス提供責任者(サ責)や管理者が兼務で介護事務の業務をやってしまうことが多いようです。
つまり、介護施設においては半日で終わる作業のためだけに、事務専任の職員を単独で採用するニーズ自体が限定的です。
在宅・資料持ち込み可の試験が評価されにくい理由
試験情報を見ると分かりますが、この試験は、インターネット試験(IBT)あるいは在宅(紙試験)での試験となっていることが分かります。
この試験は、テキストや資料を自由に見ながら解答できるルールになっています。
暗記力ではなく『調べながら正確に処理できるか』を試す試験ですが、何も見ずに受ける一般的な試験と比べれば、合格率が高くなるのは当然と言えます。
実務の手引きを見ながら受検できる形式である以上、採用側からすれば『自力で法令や制度を熟知していることの証明』とまでは受け止めにくく、資格単体で採用選考の強力なアピール材料にするには力不足になりがちです。
採用する側としたら、事務処理能力の高い人(つまりミスが少ない人)を採用したいわけですが、この民間資格が実務能力の証明として認められるかは大いに疑問を感じます。
介護施設での『求人の現実』
事務職員として採用後、現場業務との兼務になるケース
いわゆる介護事務に関する民間資格を取得すると、就職先として考えられるのは以下のような介護施設です。
- 特別養護老人ホーム
- デイサービス
- グループホーム
- ヘルパーステーション
全ての施設に共通しているのは、とにかくどこも人手不足だということです。
ネットやハローワークで求人を検索すると、介護に関する求人は全国でいくらでも見つかります。多くは年齢や経験も不問です。
そんな業界に、仮に事務員として採用されるとどうなるか・・・
注意が必要なのが『業務範囲の曖昧さ』です。
『まずは現場の仕事の流れや利用者様を把握するため』という名目で、入職直後から介護の現場補助や見守りを任されるケースが見受けられます。
小規模な事業所ほど業務の分業化が難しく、事務専任ではなく介護現場の仕事との兼務が実質的な前提になっているところもあります。
短期間の研修のつもりで現場に入ったものの、現場の人手不足から数か月、半年と現場対応が続き、事務作業になかなか専念できないという話も聞かれます。
求人票の応募条件を詳しく確認すべき理由
介護施設の事務員募集の求人を詳しく見ると、多くは「普通自動車運転免許必須(AT限定可)」となっています。
駅近の都市部ならともかく、郊外や地方ではマイカー通勤を前提としているケースもありますが、それだけとは限りません。
デイサービスなどの送迎業務、施設間の書類提出や買い出し、利用者の通院同行といった各種付帯業務を任される可能性が高い点には注意が必要です。
応募前に求人票の業務内容を細かく確認したり、面接時に『事務専任なのか、送迎や介護業務の兼務があるのか』を明確に確認しておくことを強くおすすめします。
確認を怠ると、希望していたデスクワーク中心の働き方ではなく、送迎や介護補助といった業務が主たる業務になってしまうケースもあるため、慎重な見極めが不可欠です。
関連情報:介護事務採用なのに現場へ?人手不足の施設で起きる求人のズレ
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
随時実施
お申し込み
随時受付
受験資格
どなたでも受験できます。
試験会場
在宅受験:IBT(Web試験)あるいは在宅でペーパー方式
受験料
5,500円(税込、2026年7月現在)
試験内容
試験時間:学科・実技あわせて2時間
試験方法:学科試験+実技試験
出題範囲:
【学科試験】:マークシート形式10問
- 法規(介護保険制度、介護報酬の請求についての知識)
- 介護請求事務(介護給付費単位数の算定、介護給付費明細書の作成、介護用語についての知識)
【実技試験】:レセプト点検問題2問(全6問中2問を選択)
- 介護給付費明細書を作成するために必要な知識(居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス)
※学科・実技とも、資料などを参考にして答案作成が認められています。
↓試験問題の見本はこちらで掲載しています。
参考:試験問題見本|JSMA 技能認定振興協会
合格基準
学科・実技ともに60%以上の得点で、かつ全問題の得点合計が80%以上(IBTは総合計70%以上)
合格発表
IBT:試験終了後マイページ等で確認/在宅ペーパー:試験実施後1か月以内に文書にて通知
主催者情報
試験に関する詳しい情報は介護事務管理士技能認定試験|JSMA 技能認定振興協会をご覧ください。
