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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

【世界遺産検定】難易度が低い3級でも大学入試や就活でアピール材料になるメリットも

広島原爆ドームのイラスト

大学入試、就活の際に評価される可能性もある検定試験

種類難易度合格率
民間検定易しい50%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~1万円1か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
入試でPR0件
  • 難易度・合格率・学習期間は2級についてです。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2023年10月14日に集計。

世界遺産検定とはNPO法人世界遺産アカデミーが試験を主催する民間の検定試験です。

難易度が低い3級でも一部の旅行会社での就職活動・大学入試の際の自己アピール材料になるメリットはあります。できたら2級以上がおすすめです。

社会人であれば趣味・教養の検定試験です。転職は有利になりません。

当サイト内の評価や感想は公正で客観的な判断に基づいていますが、あくまでも運営者個人の意見です。参考にするかしないかはご自身で判断してください。

目次

世界遺産検定とは

桜が咲く清水寺

累計受験者数32万人を超える人気の検定試験

世界遺産検定とはNPO法人世界遺産アカデミーが試験を主催する民間の検定試験です。

人類共通の財産・宝物である世界遺産についての知識・理解を深め、学んだ内容を社会へ還元することを目指した検定試験です(世界遺産検定ホームページより一部引用)。

世界遺産とは、地球の誕生より生み出され現在まで行き続ける自然、あるいは、人類の歴史とともに造り出され現在へと引き継がれている建造物などです。

いずれも人類共通の宝物として未来へと伝えていかなければならない遺産です。

世界遺産検定の学習を通して、世界遺産についての知識・理解を深め、同時に世界遺産の保護に役立てていこうという狙いがあります。

世界遺産検定は、2006年に第一回の試験がはじまって以来受験者数は増え続け、2021年度にはのべ人数で累計32万人を超えました。

世界遺産検定の受検料の一部は、世界遺産保全活動に活用するためユネスコに寄付されています。

主催者サイト:世界遺産検定|NPO法人 世界遺産アカデミー

世界遺産とは?

京都に点在する古い木造作りの神社・仏閣は、その文化的・歴史的な価値により国により文化財として指定され、後世に残すよう保護されています。

一方、北海道の知床の自然環境ように、あえて人の手を入れず、あるいは人の手による保護を最小限にすることで、景観や学術的に重要な価値のあるものを後世に残すように保護されているものも存在します。

京都も知床も国が保存のために保護しているという面では同じです。そして中でも特に世界的なレベルで、全人類共有の財産として保護していこうというのが世界遺産です。

世界遺産とは、国連のユネスコ(UNESCO)が世界遺産条約のリストに登録することにより指定されます。

役に立つ資格なのか?

モン・サン・ミッシェル

そもそも世界遺産検定は趣味の領域の検定試験です。毎年のように増え続ける世界遺産の正確な知識を身に付け、自分自身の見聞を広めるための検定試験です。

学生が取得しても、就活では面接の際にアピール材料になる程度です。就職や転職で役立つというメリットは期待できません。

旅行関係の会社へ就職を希望するのであれば、一部の会社では参考にしていますが、履歴書に記載できるのは3級以上です。それ以外の業種であればほとんど就職や転職には影響しません。

旅行関係の仕事に就きたいのであれば、旅行業務取扱管理者通訳案内士などの国家資格の方が確実に評価されます。それらの資格であれば資格手当を支給する会社も多くあります。

ちなみに、世界遺産検定は民間の団体が主催する検定試験です。ユネスコ等の団体とは一切関係ありません。

将来性について徹底研究

この資格の活かし方

世界遺産検定は、旅行関係の会社へ就職を希望するのであれば多少なりとも役立つ可能性はあります。

実際に大手の旅行会社3社で、エントリーシートの資格欄に「世界遺産検定」が設けられています。そこで自己PRの1つの材料として記入することはできます。

世界遺産検定には1級からマイスターまで5ランクの分かれていますが、やはり2級以上、できたら1級以上がよいでしょう。

とはいうものの、世界遺産検定の資格を取得しました!というだけでは強いアピール材料にはなりません。

この資格を取った理由や、取得するのにどう努力したのか、という過程が大事です。

さらに言うと、将来この資格をどう仕事に活かしていきたいのかを志望動機とともに面接の際にアピールできるかが大切です。

ただ単に、1級を取得しましたから採用してください!では話しになりません。

旅行会社以外でも、旅行業務に関係のある会社であれば資格を取得していることが知識の裏付けになり就職が有利になる可能性はあります。例えば、旅行関係の本を出版している出版業界などです。

とはいえ、やはり趣味の延長線上の検定試験です。過度にメリットなどを期待してはいけません。

エントリーシートに記入できる企業は3社

新卒採用の際に、エントリーシートの資格欄に「世界遺産検定」を設けている企業は3社です(2022年11月現在)。以下の通りです。

  • JTBグループ
  • 近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社
  • 阪急交通社

※当サイト運営者が独自に調査した結果です。増えている可能性はあります。

認定級は3級からエントリーシートに記載でき、面接でも資格取得をアピール材料とすることができます。

エントリーシートに世界遺産検定の項目がなかったとしても、独自に履歴書に記入してアピール材料となります。

参考:受検のメリット – 世界遺産検定

ただし、資格の有無により就職活動の選考時に優遇されるわけではありません(※この一文は2020年まで明記してありました。現在は削除)。

資格を持っていることが直接選考に影響するわけではないが、面接の際にアピール材料にはなるということです。

そして、世界遺産検定を社内推奨資格としている会社は以下の4社です。

  • JTBグループ
  • KNT-CTホールディングス(近畿日本ツーリストグループ)
  • 阪急交通社
  • 日本旅行

世界遺産検定の学習を通して得られる知識の範囲は広く、カウンター業務から電話対応、商品開発、海外旅行の添乗業務などで得られた知識を活かせます。

大学入試で世界遺産検定が優遇される?!

現在全国で289校(2023年8月の資料)を超える大学のAO・推薦入試において世界遺産検定が評価されています。

一体、どのような内容で評価されているのか詳しく調べてみました。

参照:世界遺産検定の入試優遇措置のある大学・短期大学一覧(pdf)

東京都の大学だけで検索すると、38校が優遇措置を取る大学として出てきます。ほぼ私立の大学ですが、国立大学が3校(群馬大学、お茶ノ水女子大学、東京農工大学)ありました。多くの大学が学部の指定はしておらず、学部は問わないようです。

ほとんど100%がAO・推薦入試の際に「自己アピール材料として使用できたり、参考資料とする」という程度の内容で、直接の影響は少ないようです。出願して合否判定の際に優遇する可能性はあるけど、直接の合否判定の理由にはなりません。

しかし、面接・小論文テストの際、うまく自己PRにつなげれば世界遺産検定の資格が役立つ可能性はあります。そのため一部の中学、高校では、世界遺産検定の団体受検も実施しています。

※公開の許可があった大学のみ掲載しており、他にも入試で考慮する可能性のある大学はあるようです。

他にも、歴史能力検定・数学検定なども大学受験・高校入試の際に優遇措置を実施しています。

世界遺産検定の受験者の内訳

世界遺産検定は10歳未満の小学生から90代のお年寄りまで、毎回幅広い年代の人が受検します。

趣味の旅行をより楽しみたいという人や、知識を増やして学ぶことを楽しみたいという人の受験が多いのが特徴です。

受検者の年代は10~20代で72%ですから、ほぼ8割を占めています。学生の受検者が増えており全体の約6割を占めています。世界遺産検定は知名度もあるため、就職に役立つようにと受験する学生が多いようです。

性別では女性が6割で、女性がやや多いようです。男性よりも女性の方が旅行好きだからとも言えます。

参考:受検者について – 世界遺産検定

合格するには

世界遺産コロッセオ

1級は全ての世界遺産が出題範囲

世界遺産検定には難易度の低い順に4級、3級、2級、1級、マイスターの5ランクがあります。2018年の受験者数は(4級:2,030人、3級:6,877人、2級:5,488人、1級:843人、マイスター:37人)計15,275人です。最近の受験者数は鈍化傾向にあります。

各級の難易度は、概ね以下の通りです。

  • マイスター:すべての世界遺産(論述)
  • 1級:すべての世界遺産
  • 2級:主要な遺産300件
  • 3級:主要な遺産100件
  • 4級:主要な遺産30件

4級から1級へ難易度が上がるにつれて出題範囲も広くなっていきます。1級は出題範囲が全ての世界遺産なので、世界遺産を学ぶ上では是非1級まで取得したいところです。

1級を取得するためには、2級取得者でないと試験を受けることはできません。1級~4級はどこからでも挑戦できます。2級と3級、3級と4級の同時受験も可能です。

1級から4級の試験はマークシート形式で出題され、世界遺産の基礎知識、日本の遺産、自然遺産、文化遺産、その他の分野から出題されます。

最上位のマイスターともなると論述で回答しますが、世界遺産について自分の意見をしっかり話さないとなかなか合格できません。

何級から受けるべき?

世界遺産検定は5つのランクに別れているため、何級から受ければよいのか迷うところです。

主催者でもある世界遺産アカデミーによると、初めて受検する場合は、高校生以下であれば4級、大学生・専門学校生・社会人であれば3級からの受検をおすすめするとしています。

マイスター・1級は社会人の合格者が多く、2級・3級は大学生、4級は高校生の合格者が多くなっています。

参照:受検の目安 世界遺産検定

学生時代に世界史をある程度学習していた人であれば2級からでも取り組みやすいのではないでしょうか。

世界史の知識があって、それに関連して世界地図も理解できるようであれば、1級から挑戦しても問題ないでしょう。不安のある人は、3級受験からでもよいでしょう。

公式テキストと問題集で勉強するのがおすすめ

少なくとも1級まではマークシート方式ですから、テキストの丸暗記は不要です。

毎日1時間の学習で1か月ほど(合計30時間)である程度確実に合格できますます。

学習方法としては、「過去問題集で問題を解く→テキストを読む→問題を解く→テキストを読む」この繰り返しです。

テキストは世界遺産検定用の公式のものがあるので、それを購入して学習するのが確実です。一般の書店ではあまり並んでいないのでネットで注文するのがおすすめです。

世界遺産は、毎年新たに世界遺産が登録されるので、確実に登録件数は増えます。そのため新しいテキストが常に必要になります。しかし古いテキストでも、最新部分をニュースやネットで確認しておけば問題はありません。

世界遺産検定はあくまでも趣味の検定試験です。合格することで就職・転職・スキルアップに利用するのではなく、理解して教養を身につけるのが目的です。楽しんで学習ができたら理解も進んで楽しくなるでしょう。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

試験の主催者であるNPO法人世界遺産アカデミーが出版する公式テキストです。

検定試験はほとんどここから出題されます。このテキスト以外に参考書はないと言ってもよいでしょう。試験終了後も趣味として十分に役立つ内容です。

見やすく、要点が分かりやすく網羅されていて内容も豊富です。試験に出る箇所が赤文字や太文字でかかれているので親切です。

※こちらは2級向けのテキストです。購入の際は受験する級と最新版であることを確認してください。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

世界遺産検定公式過去問題集1・2級の2024年度版です。

2023年に開催された1級の7・12月検定問題と2級の3・7・12月検定問題がすべて掲載されています。

テキストを読んでいるだけでは頭に残らないので、実際に出題された過去問題集を解きながら、出題傾向を確認して、内容を覚えるには最適です。

テキストと問題集の繰り返しで確実に合格へと近づきます。

※購入の際は受験する級と、最新版であることを確認してください。

種類評価
過去問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

公開会場試験:年3回(3月、7月、12月)
CBT試験:年4回(3月、6月、9月、12月)

お申し込み

公開会場試験:試験実施日の約1か月前まで
CBT試験:試験実施期間最終日の数日前まで

受験資格

2級、3級、4級:どなたでも受験できます。
1級:2級認定者
マイスター:1級認定者

試験会場

会場試験:札幌、仙台、高崎または前橋、さいたま、千葉、東京23区、東京西部(多摩地区)、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪(北)、大阪(南)、神戸、広島、岡山、高松、福岡

CBT受験:全国のCBT試験会場

受験料

  • マイスター:20,400円
  • 1級:10,900円(CBT:11,800円)
  • 1級リスタ*:5,000円(CBT:5,700円)
  • 2級:7,600円(CBT:未定)
  • 3級:5,400円(CBT:6,200円)
  • 4級:3,800円(CBT:4,600円)
  • 2級・3級併願:11,000円
  • 3級・4級併願:8,800円

(2024年2月2日現在、各税込)

試験内容

【出題形式】

  • マイスター:論述形式、3題
  • 1級:マークシート形式、90問
  • 2級:マークシート形式、60問
  • 3級:マークシート形式、60問
  • 4級:マークシート形式、50問

級によって出題形式が異なります。

合格基準

2級、3級、4級:100点満点中、60点以上。

主催者情報

世界遺産検定試験に関する詳しい情報は年間日程、時間、受検料 – 世界遺産検定をご覧ください。

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