経営学検定(マネジメント検定)
初学者でも取得可能。学生であれば経営学の成績「優」の方が価値がある。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
2か月程度 |
やや易しい |
50% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己啓発 |
~2万円 |
誰でも受験可 |
※上記は初級の数字です。
最終更新日:2022/09/20
経営学検定(マネジメント検定)とは
経営学検定(マネジメント検定)とは、日本経営協会が実施する民間の検定試験です。
試験の学習を通して経営学を学び、経営に関する基礎的・専門的知識、その応用能力としての経営管理能力や問題解決能力を身に着けます。
経営学検定には難易度によって初級・中級・上級の3つのレベルがあります。
初級は主に大学生などが対象ですが、中級・上級では会社経営者や経営学専攻の大学院生を対象とした内容になっています。
それぞれのニーズやレベルにあった級を受験でき、合格すれば経営管理能力や問題解決能力が一定水準に達していると認定されます。
主催者サイト:経営学検定/マネジメント検定
そもそも経営学とは一体何?
経営学とは、「組織の運営」について研究する学問です。
対象となる組織は企業となる場合が多いのですが、企業に限定せず、あらゆる組織体(自治体・NPOなど)が経営学の対象となりえます。
「社会システムを中心とする環境の中で、企業がいかに運営されているか」を解明する学問であるということです。(一部Wikipediaを参考)
うーん、これだけじゃ何のことだかさっぱり理解できませんね。もう少し簡単に説明したいと思います。
例えば企業を例にすると、儲かっている企業と儲かっていない企業、一般的な組織を例にすると、うまく機能している組織とダメな組織、という具合に違いがあります。
経営学とは、これらの違いや差を元に、「なぜ、その企業や組織は成功し、逆になぜ失敗したかを法則化して、今の経営の現場に実践的に活かす手段を学ぶ学問」と言えるのではないでしょうか。
役に立つ資格なのか?
民間の検定試験であれ知識を広げるために資格を取るのは良いことだと思います。
経営学の学習を通して組織の運営について学び、経営者としてのマネジメント能力がつき、社会人として成長するのであれば素晴らしいことです。
10年20年と仕事を続け、部下を持ったりあるいは経営者として成長すれば、学習して得た知識が、問題解決の参考になることもあります。起業を目指す若者にとって、経営者を学んでもマイナスにはならないでしょう。
知識や理論を身につけるのは良いことですし、資格を取得するのも自由です。できることなら徹底的に満点で取れるぐらい学習してください。
ただし、それが実際に社会において役立つのか、起業する際に役立つのか、就職や転職に役立つのかとは別問題です。経営学検定に合格したからといって、これが必ずしも役立つ資格ではないということを理解してください。
学習する内容は、経営学の基礎的な用語や知識、考え方などが中心です。教科書的に書かれた内容が多く、初級や中級ではケーススタディや実践的な内容がほとんどありません。これで経営学を理解したとはとても言えない内容ですし、知識が役立つ・・・とまでは言えないようです。
経営学検定の資格は、学習して得た知識は役に立つかもしれませんが非常に限定的です。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
新卒予定者であれば、経営学検定の学習を通して得た知識を就職活動に活かせます。
利益が出ている企業、あまり順調でない企業というのは、会社四季報などですぐに分かります。また、組織を構成する人員などの情報は就職四季報である程度理解できます。
就活で志望する企業を選ぶ際に、単なる上面だけの企業分析だけではなく、一歩踏み込んで企業を組織として分析できます。
経営学検定で得た知識を使って、独自に会社を分析し、就職活動の際の客観的な企業の見方・選び方に活用できます。
独自に企業を分析した結果を、うまく工夫して履歴書の志望動機欄に書けば、一味違ったモノになるでしょう。疑問点などをあらかじめ用意しておけば面接に活かせます。
本格的に学びたいのであれば中小企業診断士がおすすめ。
自己啓発の一環として経営学検定の学習をするのは良いことですが、資格としては正直イマイチ…です。
経営学検定の初級や中級に合格したのであれば、さらにステップアップを目指して、1~2年くらい時間をかけて中小企業診断士を目指すのがおすすめです。
関連資格:中小企業診断士とは
中小企業診断士の学習を通して幅広い経営に関する知識が身に付きます。実務に役立つ経営学が学習できるので経営者はもちろん会社員にも役立ちます。
さらに、中小企業診断士は国家資格なので、就職や転職にも役立ちます。大企業でも一定の評価があるのでキャリアアップに役立つ資格です。
民間資格と国家資格では、こういった点で明らかな違いがあります。
また、税理士やフィナンシャルプランナーなどもおすすめです(ファイナンシャルプランナーは簡単ですが国家資格です。ただしそんなに役立つとはいえませんけど)。
関連資格:税理士とは、フィナンシャルプランナーとは
大学の経営学の成績が「優」の方が価値が有る。
経営学検定に合格しても就職や転職は有利にはなりません。それは一番難易度の高い上級であっても同じです。履歴書に書けるかもしれませんが「ないよりはマシ」な程度です。
仮に経営学を学んでいる学生であれば、大学の経営学の成績が「優」の方が価値が有りますし就職や転職は有利になるでしょう。
確かに上級になると難易度は高く、経営学専攻の大学院生レベルの知識が必要になりますが、残念ながら世間一般的にも知名度が低いため効果はあまり期待できません。
取得するメリットはあまりないです。
合格するには
経営学検定には難易度の低い順に、初級・中級・上級があります。
初級の場合、中級・上級と比べても範囲はそれほど広くないので、公式のテキスト・過去問題集を繰り返し学習すれば独学でも十分合格できます。
しかし、公式テキストの完成度は低く、あまり実用的とは言えません。逆に過去問題集の解説は丁寧で分かりやすいため、こちらのをしっかり読めば試験は大丈夫です。
特に、過去問題集は掲載数が多いので、繰り返し似たような問題が何度も出てきます。本試験における出題パターンは過去問題集でほぼ掴めます。
基本的には、本試験の出題はテキストや過去問の知識問題が大半を占めます。初級であればテキストも1冊だけですし、合格率も高いです。
※公式の過去問題集は一般の書籍やAmazonでは販売していません。下記主催者サイトより【検定事務局版】年度別 過去問題・解答解説をお買い求めください。
参考:公式テキスト・過去問題集 | 経営学検定/マネジメント検定
大学で経営学を学んでれば1か月ほどの学習で合格可能
初級の合格基準は、「短期大学、4年制大学の2~3年生のレベルの経営学知識の判定」ということですから、経営学を学んでいる人であれば1か月ほどで合格できます。
経営学について学習している人であれば、それほど勉強時間は必要ありません。たとえ初学者だったとしても、初級であれば出題範囲も狭く、内容もそんなに難しくないので、2か月もあれば合格できる可能性が十分にあります。
ある程度、一般教養・知識があれば、選択肢から常識の範囲で推測できるレベルの出題もあります。
試験情報
試験日 |
お申込み |
---|---|
【初・中級】年2回(6月、11月) |
【初・中級】3月上旬~5月中旬、8月上旬~10月中旬 |
受験資格 |
---|
初級・中級は誰でも受験できます。上級は中級合格のみです。 |
試験内容 |
---|
※下記は経営学検定初級についての内容です。
経営学に関する初歩的・基礎的知識を習得しているかどうかを判定します。
出題数:50問 |
試験に関する詳しい情報は検定要項(初級) | 経営学検定/マネジメント検定をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
1経営学の基本 (経営学検定試験公式テキスト) |
|||||
---|---|---|---|---|---|
経営学検定の公式テキストです。公式テキストはNo.1~5までありますが、初級は、「1 経営学の基本」のみが指定テキストになっています。残りの4冊は中級用のテキストです。
この本のみで経営学を基礎から理解するのは難しいと思います。内容がところどころで重複しておりり、文章も分かりやすいとは言えず、読みづらい点も多くあります。しかし他社からテキストは出版されていないため、とりあえずこのテキストで学習するしか方法はありません。
あくまでも辞書的な使い方をするのがおすすめです。教科書的に内容が箇条書きされているだけなので読みにくいと感じる人もいると思います。じっくりと読み込んでも理解はすすみません。
合わせて、同じ出版社より過去問題集が出ているので、それも勉強すると、より効果的です。 |
|||||
|