美術検定が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

美術検定

2級以上に合格すれば美術館でボランティアとして働けるかも!

種類 学習期間 難易度 合格率

民間資格

3か月程度

やや易しい

42%

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

趣味・教養

〜1万円

誰でも受験可

※上記は2級についての内容です。

最終更新日:2021/07/14

美術検定とは

絵画を鑑賞する親子

美術検定とは、美術に関する幅広い知識・教養を身に付け、美術史に関わる様々な概念を理解するための検定試験です。

 

絵を描いたりするような実技試験は一切はなく、美術に関する知識が問われる試験内容となっています。

 

美術検定は、一般社団法人美術検定協会が試験を実施する民間資格です。

 

かつて「アートナビゲーター検定」の名称で株式会社美術出版社が実施していた検定試験を、2007年から美術検定の名称に変更して再スタートしました。

 

主催者サイト:美術検定|知るほど、みえてくる。

美術検定について本音で一言

美術館に展示してある絵画を前にして、男性が「この絵はルネッサンス時代のイタリアの画家で・・・」なんて女性に自慢げにウンチクを披露するくらいの美術の知識は身に付きます。

 

「よくご存知ですね」「実はオレ、美術検定って資格持ってんだ!」「ええ〜スゴ〜い!」・・・これだけで男性の気持ちは満たされます。美術検定の勉強をした目的はほぼ達成できたようなものです。

 

美術検定は趣味の検定試験にすぎません。美術系の高校、芸大・美大・美術系の大学や短大へ進学する際に評価されません。学芸員になるにも必要のない資格です。

 

美術検定の将来性を徹底研究!

入試で優遇措置を実施する大学や高校はない

 

美術検定1級に合格しても、芸大・美大・芸術系の大学・短大・高校の入試の際に有利にはなりません。

 

現状では、推薦・AO・一般のいずれの入試でも美術検定の合格者に対して優遇措置を実施している学校は存在しません。

 

一般的な芸大・美大の一般受験においては、当日の入学試験の成績が全てです。推薦やAOなら話題の1つになるかもしれませんが、プラス評価にはならないでしょう。

 

美術検定よりも、美術、造形系コンクールでの入賞歴があればAO・推薦などには役立つかもしれません。しかし、本当に実力のある人は、AOで入学できるような芸大や美大は最初から志望しません。

 

美術検定は、あくまでも美術に関する知識を深めるための趣味の民間資格です。国家資格でもなんでもないので、一般的には評価の対象にはなりません。

 

一般受験での合格を目指して準備する方がよっぽど効率的で現実的です。民間資格を「逃げ道」として考えないでください。

学芸員になるには博士課程修了が理想

 

美術館や博物館で働きたいと考えて美術検定取得を目指す人がいますが、残念ながら民間資格では話しになりません。

 

あくまでも趣味・教養程度の知識であって仕事には結びつかないということです。学芸員になることと美術検定は一切関係ありません。

 

ここ数年自治体の予算不足で、博物館・美術館の閉鎖が相次ぎ学芸員の数が減っています。

 

今後、まともな美術館や博物館で学芸員として働くには、最低でも美大・芸大、あるいは大学で美術系を専攻、さらには大学院で博士過程修了くらいの学歴がないと難しいでしょう。

 

学芸員に求められる人物像は、単なる「学芸員の有資格者」ではなく、専門的な研究実績のある有能な研究者です。

 

将来、例えば美術系大学へ進学するにしても学芸員になるにしても、美術検定よりもTOEICや英検の勉強をして英語の実力をつける方がはるかに役立ちます。

 

関連資格:TOEICとは英検とは

 

英語はもちろん、フランス語かイタリア語が堪能で、美術に関する専門用語を交えて会話ができれば有利です。

美術館のボランティアならなれるかも!

 

最後の晩餐

 

美術検定に合格しても就職や転職には結びつきませんが、唯一美術館で仕事ができる可能性があるとすれば、それはボランティアスタッフです。

 

ネットで「美術館 ボランティア募集」と入力して検索すると、驚くほどの数の美術館が表示されます。

 

全国津々浦々、国立・県立・市立・民間の美術館を問わず実に様々な美術館でボランティアスタッフを募集していることがわかります。

 

こういったボランティアスタッフに応募する際に、美術検定合格者であることをPRすれば、美術に関心があると評価されて採用は有利になるのではないでしょうか。もちろん無給ですけど。

 

まれに、運営スタッフを募集している美術館も見つかります。仕事の内容は受付や清掃、設営、カフェの手伝い、力仕事などです。バイトか契約社員という待遇で、その地域の最低賃金程度の時間給です。

 

そんな仕事内容でも、応募条件は美大出身者や学芸員の資格保持者となっていたりします。

 

美術検定のような民間資格では、お金をもらって美術館で働くのはかなり困難なようです。

合格者には割引特典があるらしいけど・・・

 

美術検定の合格者は、各地の美術館の入館料が安くなるなどの特典もあります。

 

その数は全国で22箇所の美術館(2020年5月現在)ですが、どれくらいお得になるのか調べてみました。

 

参照:応援館・応援施設 | 美術検定

 

結論から申し上げますと大した特典ではないです。入場料が半額になる美術館もありますが、だいたい100円か200円程度の割引です。

 

しかも、これらの美術館のほとんどはJAF会員カードやタイムズカードを持っていれば同等の割引を受けられます。他にも何種類かそういった特典が受けられるカードや会員証はあります。

 

郊外にある美術館であれば、近くの道の駅や飲食店で割引券は手に入ります。中には、ネット上のクーポン画面のスクリーンショットで割引を受けられるところもあります。割引金額は美術検定合格者と全く同じです。

 

大きなメリットとまでは言えないようです。むしろ、この程度の美術館の数と割引額であればかなりの期待外れです。

美術検定に合格するには

美術検定は、難易度の低い順に4〜1級の4種類に分かれています。

 

4〜2級は誰でも受験できます。1級は2級取得者のみ受験可能です。3・4級、2・3級の併願受験が可能です。1級は併願受験ができません。

 

級の違いによる合格率は概ね以下の通りです。

  • 4級 97%
  • 3級 78%
  • 2級 42%
  • 1級 15%

4級と3級は難易度は低く合格率は高めです。2級から難しくなり、特に1級は解答が記述式になって難易度も高くなります。4級から2級はマークシートによる解答ですが1級は記述式です。

公式テキスト・問題集を使った学習がおすすめ

美術出版社から公式テキストと美術検定問題集が出ています。こちらで学習するのがおすすめです。特に2級と3級のマークシート問題はテキストの内容から出題されるので必須です。

 

4級は、西洋美術・日本美術の有名な作家や作品についての問題が出題されます。特に事前に勉強しなくても一般的な教養の範囲で解答できます。3級は、有名な作品の時代背景まで出題されます。

 

3級と4級では写真問題が多く出題されています。繰り返し出題される頻出問題や有名な作品については過去問題で必ず覚えておきましょう。

 

2級は、美術史の流れや前後関係などの知識が必要です。趣味として美術鑑賞に出かけるくらいの人向けです。

 

1級では正しい芸術の知識や、より楽しく鑑賞するためのアイデアの提案など、人に説明できる程度の実践的な能力を問われます。

美術検定 試験情報

試験日 お申込み

11月初旬の日曜

6月初旬〜10月初旬

受験資格

どなたでも受験できます。

試験内容

試験会場:東京・大阪・札幌・名古屋・福岡 (1級は東京・大阪のみ)
【受験料(各税込)】

  • 1級 9,900円
  • 2級 7,950円
  • 3級 6,110円
  • 4級 3,970円

【出題範囲】

  • 4級:西洋美術・日本美術の基礎知識として、代表的な作品や作家を知る。
  • 3級:西洋美術・日本美術の基礎知識に加え、動向や形式など美術史に関わる概念を理解し、歴史的な流れを知る。
  • 2級:美術に関する幅広い知識を持ち、美術史に関わる様々な概念を理解する。また美術鑑賞の場の役割や現状を理解する。
  • 1級<アートナビゲーター>:美術に関する幅広い知識・情報をもとに、美術作品や美術をめぐる動向について自身で解釈・思考ができる。さらに他者に対し作品のより深い理解へ導くための具体的なナビゲート(道案内)の方法や手段を考えることができる。

合否基準:合格の目安は、正解率約60%(受験者全体の解答率によって左右します)
※2級は美術史問題、実践問題それぞれの正答率が約60%に達していること。
※1級は、一定の基準に達していること。
合格発表:12月下旬頃

試験に関する詳しい情報は受験要項 | 美術検定をご覧ください。

美術検定 おすすめテキスト・基本書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト

美術検定1・2・3級受験用公式テキストです。このテキストを基準として出題されます。

 

分かりやすい用語と文章で、絵画の背景とその時代と美術とのかかわりを説明しています。長文ではなく、ポイントを解説しているので、西洋史・日本史とも総合的な理解が得られます。

 

美術検定の公式テキストなので初心者にはおすすめです。まずは4級受験用の「この絵誰の絵」を見てから学習した方がより一層知識が深まります。

 

ただし、3〜1級まで一緒になっているので多少勉強しづらいです。

種類 評価
テキスト
この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門

美術検定4級受験用の公式テキストです。

 

1・2・3級受験用公式テキストで学習しても文章が難しくて分かりづらく、読んでいても全然頭に入ってこないというのであれば、まずはこちらの「この絵、誰の絵」から学習するのがおすすめです。絵に関する基本事項を押さえられるので、より一層知識が深まります。

 

西洋、日本の著名な100枚作品の作者が誰であるかを当てるというゲーム感覚でアートに親しむ入門書です。それぞれの作品や作者に関する簡単な解説も掲載されています。

 

カラーの図版もきれいなので、見ているだけでも楽しいです。

種類 評価
テキスト

美術検定 おすすめ問題集

美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる

2級受験用の公式問題集です。

 

残念ながら手放しでおすすめできるとまでは言えません。理由としては、非常に誤字等が目立ち、校正がまともになされていないからです。信じて読んでいると、次第に不安になってくるという意見が多いようです。

 

基本事項を理解していないと誤字を誤字と気づかないまま覚える心配もあります。2級以上になると受験生が少ないため、訂正まであまり手が回らないのでしょうか。

 

ただ、現状ではこれで勉強するしかないです。

 

※購入する際は、受験する級を確認してください。

種類 評価
問題集

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