医師事務作業補助者
通信教育のカモになるだけの民間検定。奥さん!単なる資格商法ですよ。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
2週間程度 |
易しい |
80% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
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自己満足 |
2~5万円 |
通信講座受講 |
最終更新日:2022/09/04
医師事務作業補助者とは
本来は、病状や怪我の診察の後で、カルテに記入したり診断書を作成するのは医師でしかできない業務です。
しかし、医師の分野もやはり人手不足で多忙です。そんな医師の負担を軽くして医師の事務作業を補助するために、医師に代わって診断書の作成や、カルテへの記入をおこなうのが医師事務作業補助者です。
医師事務作業補助者は、DA(ドクターズアシスタント、ドクターエイド)とも呼ばれています。
医師事務作業補助者は、医療事務従事者がおこなう受付・事務よりも、医師に近いところで秘書的な業務を中心におこないます。例えばカルテのパソコン入力の代行、文書の作成・清書、患者の予約管理、医師のスケジュール管理などです。
患者のカルテを見ながらの生命保険診断書や病名診断書等の作成、介護主治医意見書や年金書類・生活保護の医療要否意見書・傷病手当金・身障認定などの書類も代行して作成します。ただし、医師の指示で事務作業の補助をおこなうという厳格な要件はあります。
平成20年に厚生労働省により認められた業務
医師事務作業補助者は、厚生労働省により平成20年に一部の医療機関で認められるようになった業務(職種)の一種です。
その後平成28年に全ての病院で認められるようになり、医師事務作業補助者が行った作業は、診療報酬として加算できるようになりました。つまり医師事務作業補助者は病院の収入にもつながる重要な存在になったんです。
参考:タスク・シフティング推進に関するヒアリング | 日本医師事務作業補助研究会(pdf)
と、ここまではたいそう立派な業務で、国により認められた資格のように思われがちですが、実際は厚生労働省が認めたのは「医師事務作業補助者」という名称と作業内容のみです。
医師事務作業補助者の業務をおこなうのに資格は要りません。そもそも医師事務作業補助者なんて資格はないんです。つまり誰でも従事できる業務です。
通信教育や通信講座の会社が資格と称して、医師事務アシスタント、メディカルアシスタント、ドクターズクラーク、ドクターズオフィスワークアシスト、医療クラ-ク、メディカルワーカー、メディカルケアアシスタント、医療秘書士、医事管理士、医療管理秘書士、医療秘書技能検定などの受講生を募集していますが、どれも医師事務作業補助者のことをいいます。
これらは当然ですが資格でもなんでもないです。単なるお金儲けのための民間の検定試験です。取得する意味などありません。
中には真面目な講座もあるでしょうが、多くは数週間程度で取得できます。難易度も低く未経験でも問題ないです。と言うか、教材の代金さえ支払えば誰でもほぼ100%合格できます。
こういった通信講座にどれほどの価値があるのか・・・受講を真剣に考えている人は今一度よく考えてみてください。
役に立つ資格なのか?
医師事務作業補助者とは、医師がおこなう診断書作成等の事務作業を補助するスタッフのことをいいます。
通信教育や通信講座の会社が、医師事務アシスタント、メディカルアシスタント、ドクターズクラーク・・・などと名称を変えて呼んでいますがどれも同じです。
医師事務作業補助者とは厚生労働省が作った名称であるため民間企業が独占的に使えず、そのため各社が名称を変えているにすぎません。
医師事務作業補助者の仕事に従事するには資格なんて必要ないんです。つまり誰にでも医師事務作業補助者の仕事はできます。
病院から医師事務作業補助者として仕事をするように言われたら、その日から医師事務作業補助者なんです。全く医療とは関係のない職業の方が転職して、すぐその日から医師事務作業補助者として働けます。
医師事務作業補助者として働くために職務経験などは一切要りません。看護師や他の医療職の国家資格とは違います。勝手に名乗ればそれで済むだけの話しなんです。実際、診療報酬の加算をとりたいがために、医療職とは関係ない人でも採用されています。
かつて医療事務といわれる民間資格がテレビCMでさかんに紹介され、何も知らない多くの主婦が飛びつきました。結局資格を取得しても役立つ機会は少なく、取得しても全然意味がないのが世間に知れ渡るようになったのはまだ最近のことです。当然ですがかつてほどの受講生もいません。ユーキャンもニチイも受講生が減ってきたようです。
関連資格:医療事務とは
そこで新たに、何も知らない女性を対象とした新商品となったのがこの医師事務作業補助者です。いろんな会社から名前を変えて紹介されていますが、どれも同じです。取得しても意味はありません。
こういった資格商法的な詐欺まがいな民間検定試験、そろそろ国がなにか規制してもいいんじゃないでしょうかねぇ。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
医師事務作業補助者に関する民間検定試験は看護助手の講座と同じです。そもそも医師事務作業補助者も看護助手も資格ではないので、仕事をするのに資格も認定証も要りません。
民間の医師事務作業補助者の検定試験に合格しても、そのために病院への就職が有利にはなりません。ただ、未経験であれば、資格取得に向けて勉強しているという前向きな姿勢がアピールできるかもしれませんが、期待できるのはそこまでです。
医師事務作業補助者の講座はおおよそ20社以上あって、30,000円~60,000円の範囲で受講生を募集しています。この程度の金額なら、誰もが騙されたという意識は低いんですよね。けれど、受講する価値や意味はほとんどないということをまずは理解してください。
関連情報:現代版資格商法とは?
現実的な求人内容を調べてみてください。
とはいうものの人手不足のこの世の中、病院関連の求人をよく目にします。医師、看護師などはいくらでも求人があります。
医師事務作業補助者の仕事に多少なりとも興味がある人は、まずはインターネットハローワークで検索して、病院でどんな求人をしているのかを参考にするのがよいと思います。
ここでフリーワードで「医師事務作業補助者」と入力して検索します。すると求人の一覧が表示されます。もちろん都道府県を指定できます。
具体的に給与や業務の内容が書かれているので、現実的な求人内容を確認するのをおすすめします。
経験者優先、次は出身校、それから年齢、容姿
求人を見ると、採用する条件として、ほぼ例外なく経験者優遇と記載されているのがわかります。何らかの形で病院の事務に関わっていた人が優遇されます。
かりに全くの未経験者であれば、次に重要となるのはパソコンの能力です。医師事務作業補助者の資格の有無は問わないとなっている病院がほとんどです。
これは医療事務、歯科助手の採用に関しても全く同じことがいえますが、病院側としては経験者を優先して採用します。
次に出身大学です。地方へ行くとやはり出身高校がものを言います。地元の私立ヤンキー高校出身者よりも、当然公立の進学校出身者を採用します。
関連資格:歯科助手とは
それから重要なのが年齢と容姿です。未経験者を採用する場合、若くて美しい女性が優先して採用されます。これが現実です。医師にしても、いつも近くで助手として作業をお願いするのなら、同じ未経験なら若くて美しい女性を採用します。
医師事務作業補助者になるには
現在民間の団体による医師事務作業補助者の講座は20以上あります。
どの講座も、簡単に短期間で取得でき、しかも就職に有利という謳い文句です。単純に言うと、通信教育や通信講座にお金を払えば、誰にでも認定状みたいな紙切れを発行してくれるわけです。
未経験でもお金を払えば独学で取得できる難易度の低い検定試験です。
盛んに医師事務作業補助者について資格といってPRしていますが、資格でもなんでもありません。散々医療事務で騙されたみなさん、もう騙されないようにしてください。スクールなどは間違っても通わないでください。
就職のサポートを売り文句にしている講座もあるようですが、呆れることに、単なる派遣会社の紹介だけです。これを「就活サポート」なんて言ってよいのでしょうか?
関連ブログへ:ユーキャンの就活サポートの正体は単なる派遣会社の紹介です。
※ちなみにユーキャンの医師事務アシスタントの講座は既に終了しています。
医師事務作業補助者の仕事はほとんどが派遣か低賃金のバイト程度です。派遣の場合は、退職にともない空き枠ができたときに紹介してくれますが、空き枠がないときはずっと待機です。
もっと悪質な会社の場合、ハローワークの求人票を印刷して渡してくれるだけです。これなら誰にでもできます。
どうしても医師事務作業補助者の資格を取得したい!と考えている人は、テキトーにメディカルアシスタントプロフェッショナルなどと名称を作って、認定状を作ればそれでOKです。
民間の検定試験などは法律的な根拠は一切ありません。その程度のものと変わらないということです。もちろん自己責任で行ってくださいね!
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