視能訓練士は女性におすすめで将来性もあり就職につながる
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | — | 95% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
養成課程修了 | 100万円~ | 1年以上 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
一生モノの技術 | 785件 |
- 視能訓練士になるには、所定の養成機関で必要な教育を修了し、国家試験に合格しなければなりません。
- 合格率は最終の国家試験についてです。
- 全国求人数は、ハローワークの情報を基に2024年11月1日に集計しました。
視能訓練士は、視力、遠視、近視、乱視、視野、色覚、眼圧といった眼科一般検査や白内障、緑内障などの眼疾患に関する検査、眼鏡やコンタクトレンズの処方、斜視や弱視などの訓練治療にも携わります。
最短1年で取得可能です。
需要も将来性も今後十分見込める国家資格です。
有資格者がまだ少ないため今が狙い目かも。
視能訓練士とは
眼のリハビリに携わる専門家
視能訓練士は、医師の指示のもと、視力・遠視・近視・乱視・視野・色覚・眼圧といった眼科一般検査、眼鏡やコンタクトレンズの処方に関する検査、白内障・緑内障・弱視や斜視などの眼疾患に関する検査と視能矯正訓練等を行います。
目の検査では、視力・視野・色覚・光覚・眼筋・眼球運動などを調べます。
メガネやコンタクトレンズの使用に関する検査も行います。単に視力にあった眼鏡を作るというだけではなく患者の今ある視力を生かすためにメガネなど補助具の選定・指導も行います。
最近では、糖尿病などの慢性疾患や老化に伴う疾患・障害の増加により、中高年の低視力者が増加傾向を示しています。
視力の低下した高齢者を対象に、目の検査やリハビリテーションの指導をするのも視能訓練士の大切な業務です。
また、高度な専門器具を使って斜視や弱視などの状態を詳しく調べ、患者の訓練治療にも携わります。
視能訓練士の英語名称はCertified Orthoptist(オルソプティスト)、略称COまたはORTです。
視能訓練士とは、厚生労働省が試験をおこなう医療専門職の国家資格です。
視力や視野に障害を持つ方々を救い、少しでも快適な生活をおくってもらうために欠かせない仕事です。
関連団体:公益社団法人 日本視能訓練士協会
子どもの斜視や弱視の機能を回復させる専門技術者
視能訓練士とは、単に視力検査や目に関する各種検査をするだけではありません。
幼少期の目の代表的疾患といえば斜視と弱視です。
斜視や弱視といった目の病気をもつ子どもを対象に、医師の指示のもと、機能を回復させるための検査と矯正訓練をおこなう専門技術者でもあります。
斜視とは片方の眼球が外側に向いたり、内側に向いたりしている症状です。
弱視とは、正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない症状です。
片方の目だけがあまり見えないケースもあります。
弱視や斜視などは早期に発見し、子どものころから正しい矯正訓練をすれば機能が回復する可能性が高いです。
視能訓練士のおこなう専門的な検査に基づいて眼科医と協力して矯正訓練のプログラムを立てて、症状によっては光学器械を操作して訓練を実施します。
視能訓練士が適切な訓練や指導をすることで弱視や斜視の子どもがその視力を向上させ、視覚障害を残さず成長するのを支援します。
治療は何年にもおよぶことがあるので、根気強く子どもやその家族と向き合い訓練を繰り返します。
役に立つ資格なのか?
他の医療従事者と比べても立場は弱い
視能訓練士は国家資格ですが、業務独占資格ではありません。
つまり、医師が監督している下であれば、無資格者でも目の検査業務はできます(検査内容によっては無資格者はできないケースもあります)。
例えば視力検査・アムスラー・機械を使った眼圧検査・視野検査・角膜内皮細胞の写真をとる検査・眼鏡の度数合わせ・コンタクトの度数合わせ、これらの検査はすべて無資格者でもできます。
もちろん視能訓練士の業務は検査だけではないので、全てにおいて視能訓練士の立場が弱いわけではりませんが、これはかなり弱い点だといえます。
以前は、日本眼科医会の資格であったOMA(眼科コメディカル)という数回の講義と修了試験に合格すれば比較的容易に得られた認定資格の制度がありました。
このOMAの有資格者が眼科医の下で視力検査等をしていたのですが、国家資格の視能訓練士が普及するとももに2011年にOMAの制度は廃止になりました。
OMAの廃止により徐々に視能訓練士のような眼科専門知識を持つ人が求められるようになりました。
最近では、特に先端医療志向の眼科クリニック等では、視能訓練士を積極的に採用し無資格者には眼科検査等は一切させないという方針のクリニックも増えています。
とはいえ、そういったクリニックはまだ一部です。地方の眼科クリニックでは今までとなんら変わらない無資格者やOMAでやりくりしているケースが多いようです。
活躍の場はまだ限られているが需要は増える傾向にある
現在のところ、多くの視能訓練士の就職先が病院の眼科や個人病院の眼科中心という点でも、他の医療専門職と比べて活躍の場は限られています。
病院においては、診療の補助は看護師がするので、視能訓練士は近視、遠視、乱視の患者や眼疾患の検査、メガネやコンタクトレンズの使用に関する検査、超音波検査や眼底撮影などが業務の中心です。
とは言うものの、視能訓練士は専門学校で3年間、大学の場合は4年間、眼科に関する専門知識や実技等を含めて十分学んでいるので眼科に関しては看護師よりも遥かに詳しい知識とスキルを身に付けています。
視能訓練士を優遇する眼科クリニックも増えつつあります。
やはり国家資格である視能訓練士はとても役に立つ資格です。
資格がないとできない眼科検査もあります。資格を持っていると給与面でも優遇されます。
病院の眼科や眼科医以外、例えば保健所や学校、福祉センターなど活躍の場は確実に増える傾向にあります。
2018年での視能訓練士の有資格者は15,351人です。言語聴覚士が31,233人であるのと比べても少ないことが分かります。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
視能訓練士は、1971年に制定された国家資格です。
言語聴覚士の制定が1999年であるのと比べても歴史がありますが、まだ世間一般に広く認知されていません。眼科限定で目の検査だけを行っているイメージです。
そのため眼科に限定した就職先が中心です。多くの視能訓練士は女性です。
まだ人数が少ないので視能訓練士養成の大学や専門学校で教師として働くという道もあります。
また、眼鏡屋さん、コンタクトメーカー等の一般企業に就職して視能訓練士として働く人もいます。
視能訓練士は、他の医療専門職の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と同じく、一度社会に出てから学校へ入り直す人が多いのも特徴のひとつです。
ただ、まだまだ有資格者が少ないこともあって、実績が世間には十分認められるにはいたっていない発展途上の資格です。
そのため30代、40代の人が学校へ入り直すには、多少リスクが高いような感じはします。
視能訓練士の年収・給与について
気になる視能訓練士の年収・給与ですが、初任給はどこの施設へ行くにしても20万+諸手当、あとはボーナス2~3か月分(年間)が平均的です。
完全週休2日、看護師と違って夜勤はほぼないので基本給以外で給料は上がりずらいです。
平均年収350万円~450万円ぐらいが一般的です。
一般企業で働くよりも自分の時間が多く持てるのがメリットです。
数年間勤務して、基本給22万円前後+諸手当+ボーナスという内容ですが、経験年数や能力次第での昇給は十分見込めます。
同じ医療専門職である理学療法士や作業療法士と比べると収入は若干低めの印象ですが、視能訓練士は20代30代の女性が多いので平均年収を押し下げているんだと思います。
一般的な社会人と比較しても決して低い収入ではなく、むしろ良い方だと思います。人並みの生活は当然できます。
視能訓練士は医療技術職です。公務員やサラリーマンとは違います。一定の給料をもらうためには自分の仕事を認めてもらう努力も必要です。
視能訓練士の求人・就職について
視能訓練士を目指そうと考えている人が試しにネットで求人情報を検索してみると、ほとんど求人が見当たらないことに不安を覚えるようです。
試しにインターネットハローワークを利用して、理学療法士と視能訓練士についての求人数を調べてみました。結果は以下です。
- 理学療法士:8995件
- 視能訓練士: 728件
※2024年3月の調査結果です。
視能訓練士の求人は理学療法士の1/10程度しか見つかりませんでした。
求人情報が見当たらなかったら不安に思うのは当然ですよね。
これが「視能訓練士は就職できない、やめとけ」と言われる理由のようです。
でも心配には及びません。
視能訓練士は、医療専門職の国家資格の中では知名度も低く全国的に養成校も少ないため有資格者の数が少ないんです。
そのため通常の人材募集ではなかなか応募が集まりません。
視能訓練士の求人のほとんどは養成校に直接届きます。ネットで出てくる求人情報はごく一部なんです。
もちろん今後も需要が見込める国家資格です。就職できないなんてことはないでしょう。
1年制の専門学校は超きびしい!退学者続出
視能訓練士は、最短では1年制の視能訓練士養成所を卒業すれば国家試験の受験資格を得られます。
理学療法士、作業療法士は最低でも3年間、言語聴覚士は2間年学校へ通う必要があるので、それと比べてもかなり短い期間といえます。
1年制のメリットは短期間で視能訓練士の資格を取得するのが可能であることです。
しかしそう簡単にはいきません。
1年という短期間で学習できるということは、学習内容が簡単で合格しやすいと考える人がいると思いますが、全くそれは間違っています。
1年で済ませるために当然ですがハードなカリキュラムが組まれています。
3年制の専門学校へ通う人の3倍毎日学習しなければなりません。
「絶対に視能訓練士になる!」という情熱や意欲がないと途中で挫折してしまいます。
1年経過後、約半分が留年や自主退学で減る学校もあります。
学習をサボって油断をしたら即留年です。卒業するまでは毎日勉強漬けの険しく辛い道のりです。
就職するにあたっても、3年制でじっくり学習して卒業した人の方が病院側から好まれる傾向にあります。
しかも1年制は国家試験の対策と就職活動が同時進行になります。
1年制は日頃の勉強も就職活動も中途半端になってしまう可能性があります(もちろん全員がそうだとはいいませんけど)。
1年制では視能訓練士の基礎しか学べません。
働き出してからもしっかりと学習して検査を通して覚えていかなければなりません。学校での勉強も実習も就職してからもかなりの努力が必要です。
現役の視能訓練士も、1年制で学ぶよりも3年制もしくは4年制の大学で時間をかけて学ぶ道をすすめるようです。
視能訓練士の適正について
視能訓練士は接客業です。
患者と1対1で検査をする機会が多く、他の医療系の職種よりもコミュニケーション能力を必要とします。
眼科は子供とお年寄りがメインの患者です。
誰もが素直に指示に従ってくれたらいいのですが、中にはへそ曲がりで非協力的な患者もいます。
特に若い女性であれば年配患者にナメられる可能性は否定できません。
また、斜視・弱視の訓練は視能訓練士の専門分野ですが患者は圧倒的に子どもです。
子どもが機械を怖がらず検査に協力してくれるように接しなければなりません。
検査には患者の協力が必要です。患者をうまく「扱う」必要があります。
いわゆる接客が苦手だったり、子供やお年寄りが苦手だと視能訓練士は向かないかもしれません。
当然ですが、医師や看護師、事務スタッフとのコミュニケーションも重要です。
眼科の検査は、機械操作が大半を占めます。
視力を測るにしても、以前は数メートル先の印を片目を隠して見ていましたが、現在は機械を覗き込むだけで瞬時に視力を測れます。アナログとデジタルの違いです。
不器用な人が視能訓練士には向かないとまではいい切れませんが、ある程度抵抗なく近代的な機械を使いこなせる器用さは必要です。
視能訓練士は試験に合格したらゴールではありません。
働きだしてからも日々学習して技術の習得に務めます。
時には休日返上で学習する必要もあります。勉強熱心で向上心のある人でなければなりません。
視能訓練士になるには
3年制の専門学校へ通うのが一般的
視能訓練士になるには、高校卒業後、文部科学大臣が指定する学校(4年制の大学、短大)または厚生労働大臣が指定する視能訓練士養成所(3~4年制の専門学校)を卒業することで受験資格を得られます。
その後、国家試験に合格してはじめて視能訓練士となります。
短大卒以上または看護師や保育士の養成機関で2年以上必要な科目を習得し、指定科目を修了していれば1年制の視能訓練士養成所を卒業することで受験資格を得られます。
養成校は次の4種類です。
- 4年制の大学
- 3年制の短大
- 3年制または4年制の専門学校
- 1年の視能訓練士養成所
通信制や通信講座では受験資格は得られません。視能訓練士になるには養成校や大学へ通います。
※1年制の視能訓練士養成所ですが、「指定科目」を修得していなければ入学できません。この指定科目の不足分は通信教育や科目履修でも取得できます。
視能訓練士は、3年制の専門学校で学習するのが一般的です。
大学へ進学して視能訓練士という選択肢もありますが、視能訓練士養成科のある大学が少ないです。
1年制の養成所は少なく、全国で2校ほど(関東と関西)です。
視能訓練士の養成校は偏差値的にそれほど高くないです。偏差値40ほど…という養成校もあるようです。
資格の知名度も他の医療専門職と比べてもまだまだ低いですから希望者も少なく、競争率も低いです。
入試で面接がある学校がほとんどですが、正直に志望動機を述べればよいでしょう。
小論文や作文もありますが、事前に練習して、本番で文字を埋めれば問題ないでしょう。
入試に関してはそんなに心配する必要はないようです。
視能訓練士養成の大学・専門学校の一覧は下記を参考にしてください。
まずは無料の資料請求
社会人でも入学できる大学・専門学校の資料請求
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
多数の眼科医の執筆者による疾患クイズ全77問、目の構造から始まり全ページオールカラーです。この内容でこの金額ならかなりお値打ちです。
ただのクイズ本ではなく、問題と答えの他に、その疾患の解説がしっかりとされています。ほとんどの眼科疾患が網羅されています。
れを理解すればほとんどの目の疾患に対応できるので視能訓練士の試験にとも役立つ内容です。
種類 | 評価 |
関連書籍 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年に1回。2月下旬
お申し込み
12月中旬~1月上旬
受験資格
所定の養成機関で定められた課程を修了という学歴の条件があります。
試験会場
東京都、大阪府
受験料
15,800円
試験内容
筆記試験が実施されます。
【試験科目】
- 基礎医学大要
- 基礎視能矯正学
- 視能検査学
- 視能障害学
- 視能訓練学
合格基準
合計169点満点とし102点以上(60.4%)の得点。
合格発表
3月末ごろ
主催者情報
試験に関する詳しい情報は視能訓練士国家試験の施行|厚生労働省をご覧ください。