調剤薬局事務の資格は意味ない?持っていても評価されない裏事情

処方箋を受け付ける薬局のイラスト

資格とは名ばかりの検定試験、学歴・年齢・清潔感や人柄が優先される

このページでは一般的に調剤薬局事務と呼ばれる民間資格全般について解説します。

種類難易度合格率
民間資格易しい60~90%
受験資格取得費用勉強時間
指定講座受講3~6万円1か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
要検討約2,500件
  • 全国求人数は、ハローワークの求人情報を基に2026年7月16日に集計しました。
  • 自身の目的に合致しているか、取得前の事前確認をおすすめします。

調剤事務といっても民間資格です。就職や転職は有利になりません。

採用されたとしてもアルバイト・パートである場合がほとんどで、概ねその地域の最低賃金程度の時間給です。

求人数は全国的にも多くみつかりますが、これは薬局での事務員の応募数です。ほとんどが資格の有無は問わない内容となっています。

仮に、こういった薬局で働きたいのであればパソコンの使い方を覚えた方が採用は有利です。

当サイト内の評価や感想は公正で客観的な判断に基づいていますが、あくまでも運営者個人の意見です。参考にするかしないかはご自身で判断してください。

目次

調剤薬局事務とは

薬局で笑顔で対応する女性

薬局の雑務全般

調剤薬局において、患者さんの受付や会計、処方箋のチェック、レセプト作成、お薬手帳の発行などの業務を行うのが「調剤薬局事務」の主な仕事です。

薬局で受け取る薬代は病院での診療と同じで医療保険が適用されます。

そのため患者さんは全額負担とはならず一部負担となります。

患者さんが負担した分以外の残りの料金は、保険者である国民健康保険や保険組合に請求します。

これをレセプト業務といいます。内容としては医療事務と同じです。

レセプト(調剤報酬明細書)を作成するには、処方箋の内容をレセコン(レセプトコンピューター)に入力しなければなりません。

同じ薬でもさまざまな規格があり類似する薬品名も多いので、事務作業には入力の正確さが求められます。

その他、調剤薬局事務の仕事としては、薬局内の雑務全般や、法的に認められた範囲内での薬剤師の調剤補助業務(処方箋の準備やピッキングのサポートなどです)。

調剤薬局と一般の薬局とどう違うの?

調剤薬局とは、医師の診察に基づいて書かれた処方箋で指示された薬を調剤して患者さんに手渡す薬局のことです。

患者さんは、病院で受け取った処方箋と引き換えに、調剤薬局で薬の説明を聞きながら薬剤師から薬を受け取ります。

かつて昭和の終わりくらいまでは、診察を受けた病院や診療所の窓口で帰り際に薬を受け取っていました。

その後「医薬分業」が進み、街の調剤薬局(保険薬局)で薬を受け取るのが現在は一般的になっています。

大手といわれるウエルシア、スギ薬局、クスリのアオキ、マツモトキヨシなどにおいて、処方箋を受け付けている店舗(調剤併設型店舗)も調剤薬局の機能を備えています。

いまや調剤薬局の数は約6万2,000軒を超えて飽和状態にあります(厚生労働省の令和5年度末最新統計)。

コンビニの数(約5万6,000)よりも多いと言われていますから驚きの数です。

役に立つ民間資格なのか?

バツ印の書かれたカードを上げる女性

そもそも調剤薬局事務などという資格は存在しない

某大手通信教育の会社などが受講生募集を目的に調剤薬局事務を大々的に宣伝していたため、名称は広く一般的になっています。

ずいぶん前になりますがテレビCMもよく目にしました。

そのため、薬局で働くために持っていると就職や転職が有利になる役立つ資格と認識している女性が多いようです。

しかし、残念ながら調剤薬局事務の民間資格を持っていたところで就職や転職は有利になりません。

それは医療事務や介護事務なども同じです。

理由は単純明白です。

それは、誰でも短期間で取得できる民間の検定試験に過ぎないからです。

持っていても持っていなくても無資格者と同じです。

採用する際は資格の有無はほとんど考慮しません。「免許・資格不問」となっている場合がほとんどです。

実際に調剤薬局で事務として働いている人の多くは特に何も資格は持っていません。

薬局内で資格として評価されるのは、薬剤師などの国家資格や登録販売者といった実務上の権限を持つ専門資格です。

調剤薬局事務の民間資格を持っている人よりも持っていない人を採用するなんてことも普通にあります。

採用後の給料・時給も資格の有無で違いはありません。民間資格なので資格手当が支給されることはないでしょう。

履歴書に書いて話のネタになれば良い方です。

学歴・年齢・清潔感や人柄が優先されるケースが多い

繰り返しになりますが、調剤薬局事務といっても単なる民間の検定試験です。

この資格を持っているからと言って特に就職や転職が有利になることはありません。

ネット上でよく見かけるのが、「調剤薬局事務や医療事務の資格を持っていれば採用に関して資格が優先しますか?」という書き込みです。

実態は、学歴や面接時の印象つまり基礎学力や人柄の方を優先するケースが多いようです。

さらには実務経験の有無、勤務条件などです。

調剤薬局事務のような民間資格を持っていても、普通に面接で落とされます。

優秀な国公立大学や有名私大、田舎であれば地元で有名な進学高を卒業している人の方が採用は優先されます。

年齢層や第一印象も要素の一つではありますが、若さだけが評価されるわけではありません。当然ですが、清潔感や窓口でのコミュニケーション能力も求められます。

薬局側の事情としては、長期的に安定してシフトに入れる人材を求める傾向があり、ライフスタイルの変化が多い年代よりも、子育てが一段落して勤務時間を安定して確保できる層の方が採用されやすいケースも少なからずあります。

また、採用に関しては、例えばパートであれば勤務できる曜日と時間なども重視します。

病院が終わったあとも薬局は営業しています。土曜もやってる薬局が増えています。

残業も少なく勤務時間帯を選んで自由に仕事ができて家事や育児と両立しやすい・・・なんて信じていたらおそらくどこにも採用されないでしょう。

そして、意外と重要なのが自動車運転免許です。

ネット上で薬局の求人を見ると、在宅患者への配達業務や地方店舗への応援、車通勤などを想定し、採用条件に「普通自動車運転免許必須」を掲げる薬局も目立ちます。

薬局で働きたいのであれば、調剤薬局事務の資格よりもよほど自動車運転免許の方が役に立ちます。

将来性について徹底研究

調剤薬局の外観

調剤薬局の求人が多い理由

調剤薬局や医療事務の求人は全国的に多く簡単に見つけられます。

なぜか?

理由は簡単です。入ってもすぐに辞めるからです。

出入りは頻繁です。そのため、よく見ると同じ薬局がいつも求人を掲載しています。

調剤薬局事務の認知度は高いため、あまり深く考えずに簡単な事務作業だと考えて気軽に応募する女性が多いようです。

数か月勉強して取得した程度の知識では現場で役に立ちません。

未経験者にとって覚える事はあまりにも膨大すぎます。

未経験者だから慣れるのに時間がかかるのは教える方も重々理解していますが、慣れる前に諦めてすぐに辞めてしまいます。

求められる業務の幅や正確性に対するプレッシャーから、業務に慣れる前に離職してしまうケースも少なくありません。

しかも、採用はパートである場合が圧倒的に多く、時給は薬剤師の半分以下です。

地域によっては、コンビニやスーパーのレジなどと同等、あるいはそれらを下回る時間給で募集されているケースも珍しくありません。

中には、職場環境に恵まれ、複雑な事務処理や薬品名を正確に覚える努力を重ねて長く定着している人もいます。

将来性もあって全国どこでも長く続けられるお仕事・・・とはいかないようです。

専門学校への進学は慎重に!

薬局で働く女性

世の中には、調剤薬局事務や医療事務について習うための専門学校が存在しますが、当サイト運営者はおすすめしません。

専門学校に行かなければなれない職種ではないですし、調剤薬局事務や医療事務などは誰でも短期間で取得できる民間資格です。

確かに学校で時間をかけて本格的な勉強もするでしょう。一般の求人誌では見つからないような専門学校独自の求人もあります。それは否定しません。

しかし、専門学校の卒業生よりも、全く関係のない学部の大学あるいは短大卒の方が採用は有利になるケースも多いようです。

調剤薬局の多くは一般企業と同様の給与体系を採用しているため、初任給の規定において専門学校卒が短大・大学卒と同等に評価されるとは限らず、学歴区分による待遇差が生じる可能性もあります。

専門学校独自の求人といっても、多くは中途採用も募集している薬局がほとんどです。

高額な学費を払って専門学校に通うだけのコストパフォーマンスがあるかは大いに疑問です。

仮に専門学校へ進学するのであれば、医療系の国家資格を取得できる学校へ進んでください。

学校へ進まなければ取得できないような価値のある資格を取得してください。

関連情報:医療(事務系)の資格一覧

登録販売者の方がよほど価値がある

薬局で働くことを強く希望しているのであれば、登録販売者の資格を取得する方がよほど価値があります。

平成27年より登録販売者の受験資格の制限がなくなったので誰でも受験できます。

医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき都道府県が認定する公的な専門資格であり、一般用医薬品の販売に関わる実務上の明確な権限があるため、就職や転職にも役立ちます。

※試験合格後に、正規の登録販売者(一人で売り場に立てる状態)として認められるには、直近5年以内に通算2年以上の実務経験が必要です。

資格手当てを支給する薬局も多くあります。

登録販売者には独占的な業務が法律で認められています。

薬剤師か登録販売者にしか扱えない特定の医薬品があります。

調剤薬局事務になるには

お薬手帳と処方箋と保険証

調剤薬局事務は医療事務と同じく民間資格です。

主催している会社は多く、内容に統一された規格はないため各社基準はバラバラです。

学習する内容から難易度、試験日程までそれぞれ異なります。

代表的な例としては下記があげられます。

  • 調剤事務管理士
  • 調剤報酬請求事務技能認定
  • 調剤事務実務士
  • 調剤薬局事務士
  • 医療保険調剤報酬事務士

ほぼすべてが指定講座の受講を前提としています。

一部、受験資格上は「誰でも受験可能(独学OK)」とされている民間資格もあります。

しかし、専用のテキストや過去問が一般の書店等に流通しておらず、実質的には主催団体や提携スクールが販売する指定教材・通信講座を購入しなければ対策が難しい仕組みになっているケースが目立ちます。

市販本だけで費用を抑えて独学合格を目指すのは現実的に難しく、結果として所定の受講料や教材費の負担が前提となる点には注意が必要です。

難易度は全体的に低く、最近は自宅受験が主流です。普通に勉強すれば短期間で合格できます。

テキスト・問題集・参考書

おすすめ参考書

現在調剤薬局で事務の仕事に就いている人や、これから調剤薬局で働いてみたいと考えている人にもおすすめの一冊です。

大手のドラッグストアでは会社から全ての支店へ配布されていますが、店員も自ら学習のために購入するようです。

実務と結びつけて紹介されているので、実用的な内容です。レセプトに関わる人だけではなく、薬局に勤務するすべての人におすすめです。

※調剤報酬の仕組みは2年ごとに改定されるので、古いテキストではなく必ず最新版を参照してください。

種類評価
参考書

現在医療事務・調剤薬局事務の仕事に就いている人も、興味があってこれからこの仕事をしてみたいと考えている人にもおすすめの一冊です。

特定の実務的なテーマだけに絞って、よく取り扱う公費について分かりやすく説明してます。

カラー印刷で難しい用語も少なく、重要な内容を主に書いているので、初心者でもわかりやすい内容になっています。

まずとっつきにくい細かい報酬点数を載せてないのがわかりやすさのポイントです。現場でもかなり評判の良い一冊です。

種類評価
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