医療事務の民間資格は就職に有利?2026年現在の冷徹な現実

| 種類 | 難易度 | 合格率 |
| 民間資格 | 易しい | — |
| 受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
| 指定講座受講 | 2~10万円 | 1か月程度 |
| 活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
| 要再考 | 約3,000件以上 |
- 合格率は試験を主催する会社によって違います。
- 全国求人数は、ハローワークの求人情報を基に2026年7月16日に集計しました。
- 取得に関しては再考をおすすめします。
世間では医療事務について「資格」などと認識されていますが、単なる民間団体が実施する検定試験であって資格じゃありません。
通信講座を受講すれば一応は合格証書らしきものはもらえますが就職・転職にはあまり影響しません。
つまり、合格してもしなくても同じです。民間資格を持っていない人が優先して採用されることも珍しくありません。
お金と時間の無駄にならないように気を付けてください。
医療事務は無資格でも誰にでもできる仕事です。
経験者優遇の業界で、次に重視されるのは学歴・若さ・容姿・面接時の印象などです。
求人は見つかりますが、バイトか派遣が中心で正社員はマレです。

医療の現場で資格と呼べるのは国家資格だけです。短期間で取得できる民間の検定試験なんて資格でもなんでもないのよ!
医療事務とは


病院における請求業務
医療事務とは、患者さんが病院で受けた治療費を集計して、国や患者さんに請求する業務のことを言います。
患者さんが病院で診療を受けると、処置(治療)した内容がすべて点数で計算され、それに基づき診療費が算出されます。
その診療費は全額患者さんが支払うのではなく、2~3割が患者さんの負担になり、残りの診療費を国民健康保険や健康保険組合などに請求します。
その請求業務の作業を「診療報酬請求・レセプト業務」と呼び医療事務の代表的な業務になります。
表を見て簡単に点数がわかればいいのですが、該当する項目や例外も多く判断しづらいため慣れていないとなかなか判断できません。
そこで医療事務の業務に精通した人が必要になるわけです。
保険点数=診療報酬点数とは?
医療事務の仕事をする上で必ず出てくる「医療点数」という言葉は一体何でしょうか?
「保険点数」とは「診療報酬点数」のことで、簡単に言えば医者などが行った医療行為の値段です。
この診療報酬点数は診療報酬点数表によって全国一律に決まっています。
医療行為は全てカルテに記入されているので、それに基いて処置した金額を算出します。
医療行為はあらかじめ保険点数が定められており、1点につき10円で計算されます。
例えば、サラリーマンのAさんが体調を崩し、病院に初めて受診して尿検査と心電図検査を受けたとします。
このときの保険点数は初診料(291点)、尿検査(26点)、心電図検査(130点)で合計447点、つまり4,470円が診療に要した医療費となります。
会社員の場合、合計金額のうちの3割が患者の自己負担で、残りの7割は患者が加入している健康保険組合から支払われます。
この別々の請求を行う業務が医療事務です。
役に立つ資格なのか?
役に立たない民間資格、取得する意味は薄い
多くの通信講座の会社が、この「資格」を持っていると全国どこでも役に立ち、すぐに使えるようなPRをしていますが、実際はほぼ評価されない単なる民間の検定試験です。
また、すべての民間資格がそうだとは言いませんが、中には「高額な講座の受講」と「資格の取得」がセットになっており、実質的にスクール側のビジネス(販売目的)になっているものもあります。
こうした資格は、取得にかかるコストに対して実社会での評価が見合わないケースも多いため、受講前に一歩立ち止まって検討することをおすすめします。
もちろん、この民間資格があってもなくても医療事務の仕事はできます。
医療事務の民間資格を持っているからといって、それだけで採用が確実に有利になるわけではありません。
実務未経験の場合、資格の有無よりもこれまでの経歴(学歴や前職での実績)や、面接時のコミュニケーション能力・第一印象といった「人物重視」で採用が決まるケースが多々あるからです。
民間資格がなくても地元の優秀な進学校や大学を卒業していて地頭が良いと判断された人が採用され、一方で民間資格を持っていても面接での受け答えや最低限の基礎学力に不安がある人が不採用になることは普通にあります。
つまり、「何も持っていないよりは、医療事務の資格を持っていた方が絶対に有利」という世間のイメージは、実際の採用現場では必ずしも当てはまらないのが現実です
病院では「無資格者」と同じで待遇は悪い
病院は医者を頂点として、国家資格の有資格者がピラミッド型組織を形成します。
国家資格とは例えば、看護師、保健師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士などです。
各種国家資格の有資格者により医療チームを構成します。
特別な国家資格を必要としない医療事務や看護助手、医師事務作業補助者などの仕事は、医療現場の序列においてどうしても低く見られがち(立場が弱い傾向)にあるのが現実です。
結婚、出産後でも全国で通用する資格として医療事務をPRしている広告をよく目にしますが、それは長年の経験がある場合に限られます。
さらに、医療事務の仕事は派遣かアルバイトである場合がほとんどです。
時給は、都道府県の最低賃金と同等水準である場合が多く、統計的にもコンビニのバイト、スーパーのレジ打ちや飲食店の時給よりも低いのが現実です。
わざわざ高いお金を支払って民間資格を取得してまで低賃金のパートをする必要なんて全くありません。
医療事務の民間資格に過度に期待してはいけません。
全国の病院で本当に求められ、すぐに役立つのは民間資格の有無ではなく実務経験です。
医療事務の民間資格そのものが採用の決定打になる機会は、実際にはほとんどありません。これが採用現場の冷徹な現実です。
ネットやパンフレットでは「おすすめの資格」「就職に役立つ資格」として華やかに紹介されていますが、こうした宣伝文句をそのまま言葉通りに受け止めるのは禁物です。
同じことは、調剤薬局事務や介護事務などの民間資格にも当てはまります。
高額な受講料を支払う前に、雇用形態や実際の待遇といった「現場のリアル」をしっかりと見極めるように注意してください。
将来性について徹底研究


医療事務の求人の多くは「資格不問」
医療事務の資格が就職・転職の役に立つことはほとんどありません(マレにありますが少数です)。
インターネットハローワークに掲載されている医療事務の求人を見れば明らかです。
多くの求人は「免許・資格不問」となっていて、わざわざ「資格の有無は問いません」と明記してある求人もあります。
仮に医療事務の資格を持っていても、資格を持っていない人と時給は同じです。
それは、病院で資格とみなされるのは医療系国家資格のみで、民間資格は資格手当の対象としていないからです。
※稀に数千円の資格手当を支給する求人もありますが、大手の医療事務受託企業などが自社系列の講座修了者を対象にしているケースなどがほとんどです。
最近の医療事務はパソコンで処理するので、医療事務の民間資格よりもパソコン操作に慣れている人を重宝するケースも多いようです。
単なる民間の検定試験
高齢化社会にともない医療機関を受診する人の増加が今後も予想され、医療事務の仕事も人気が高まっています。
さらに、TVでさかんに医療事務の民間資格をPRしたこともあり医療事務は人気の職種となっています。
そのためこの仕事の求人があると、1名の求人に応募者が10名以上殺到するようです。
特に、正規社員の募集ともなると応募者が殺到します。
その中には、信頼性に欠けるような講座で取得した自称有資格者がゴロゴロいます。
しかし医療事務の資格は、そろばん、習字、生け花、お茶と同じように民間の団体が主催する検定試験にすぎません。
当然資格がなくても医療事務の仕事はできます。
繰り返しになりますが、就職・転職の役に立つとは期待しない方がいいです。
前述の通り、医療事務の民間資格よりも優先する資質はたくさんあります。
中には、10万円ぐらいの受講料を支払って最短5日間で取得可能なんていう講座もありますが、どれほどの価値があるのか、本当に現場で評価されるのか・・・今一度立ち止まって考えてください。
医療系資格を目指すのであれば
あなたが今後、医療の道を目指すのであれば、看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、診療放射線技師等の資格取得を目指して大学や専門学校へ進学するのがおすすめです。
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いずれも国家資格なので価値があります。医療の現場で資格として認められているのは国家資格のみです。
あるいは福祉の業界で仕事をしたいのであれば、介護職員初任者研修、ケアマネジャー、社会福祉士、介護福祉士を目指せば現実的に役に立ちます。
いずれも公的な位置づけであり、一生涯役に立つ手に職の資格です。
※社会福祉士と介護福祉士は国家資格、ケアマネジャー(介護支援専門員)は介護保険法に基づく公的性格を持つ資格(都道府県管轄)です。
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医療系では、登録販売者は平成27年度の試験より受験資格の要件がなくなり誰でも受験できるようになりました。
独学で半年ほどの勉強で合格できます。
経験者優先、次は出身校、それから第一印象、年齢など
未経験者を採用する場合、病院側が重視する優先順位は明確です。
- 実務経験(最優先)
- 学歴・出身校(地元の進学校などは基礎学力の証明として信頼されます)
- 年齢(若い人ほど新しい業務への適応力や長期的な勤務が期待できます)
- 第一印象(窓口の顔として、明るさ、清潔感、丁寧な接遇ができるか)
病院の受付は、体調の悪い患者さんが最初に接する場所です。
そのため、民間資格の有無よりも、周囲を明るくするような雰囲気や、高いコミュニケーション能力を持つ人材が圧倒的に選ばれます。
これが採用の現実です。
合格するには


自宅受験が主流、誰でも合格できます
医療事務の試験は、自宅での受験が最近の主流です。
時間制限が緩く、テキストや参考書を見ながら解答できる形式であれば合格率が高くなるのは当然です。
誰でも比較的容易に取得できる民間資格について、どこまで採用担当者が価値を認めて、評価するのか・・・(採用する側で意見が分かれる可能性もあります)
そのため、これを「専門性の高い資格」として一概に評価するのは難しいのが採用現場の本音です。
就職のサポートを売り文句にしている講座もありますが、実態は派遣会社を紹介してくれるだけです。
※私は実際に電話して確かめました。
残念ながら就職先は紹介してくれません。
中にはハローワークの求人票を印刷して渡してくれる講座もあるようです。
インターネットハローワークをご覧になられた人ならわかると思いますが、ハローワークの求人票は誰にでも印刷できます。そこに履歴書を送付するように指導するだけです。
短期間で容易に取得できる民間資格の就職サポートには、こうした現実があることもあらかじめ知っておく必要があります。
【参考】過去に評価の高かった試験
中には評価の高い試験もあった
数ある医療事務の試験の中で、唯一高く評価されていたのが診療報酬請求事務能力認定試験です。
かつて厚生省(厚生労働省)の認定事業として実施されていた経緯があり、医療の現場から高い評価を受けています。この試験の合格者に限定して採用する病院もあります。
指定の通信講座受講の必要もありません。市販のテキストで受験対策ができます。
ただし、難易度は高く6か月ほどの勉強期間が必要です。
特に実務経験者が取得すれば転職が有利になる可能性が高いです。
残念ながらこの検定試験を実施していた団体は2026年3月31日をもって正式に解散しました。ホームページなども全て閉鎖されています。それに伴い、同協会が主催していた診療報酬請求事務能力認定試験もすでに終了となっており、現在は実施されていません。
ハローワークの職業訓練コースもおすすめ
最近ではハローワークでも医療事務の講座を開催しています。
民間の高額な講座を受講するよりはよほどマシです。
かつては、公共職業訓練と一般的に呼ばれていました。今はハロートレーニング、職業訓練コース、離職者訓練、求職者支援訓練と呼ばれていますがどれもほぼ同じです。
主に雇用保険を受給している求職者が対象ですが、在職者でも受講できる場合があります。
テキスト代だけは実費で、受講は無料という場合がほとんどです。女性向けであれば無料で託児所も利用可能です。
高い料金を払って通信講座を受講するよりはよほど内容も充実しています。
期間も3か月以上のものが多いので2週間程度で「合格」できる講座よりも内容は充実しています。
医療の現場でも、受講期間が極めて短い民間の講座より国や自治体の職業訓練で数か月間みっちり学んできた人の方を信頼する傾向があります。
医療事務の業界に進みたい方は是非ご検討ください。もちろんしっかりした就職支援もしてくれますよ。
ただ、お役所のやっている事業なので、該当する職業訓練を探すのが少しやっかいです。
情報が統一されておらず、それぞれのサイトで違う情報が掲示されていることが多くあります。
お近くのハローワークへ出向いて窓口で相談するのをおすすめします。
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※厚生労働省の地方の労働局のページ内で「職業訓練コース一覧」が掲示されています。こちらで探すのが一番確実なようです。お住まいの地域の労働局のページで探してください。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
現在医療事務の仕事に就いている人も、興味があってこれからこの仕事をしてみたいと考えている人にもおすすめの一冊です。
特定の実務的なテーマだけに絞って、医療事務でよく取り扱う公費について分かりやすく説明しています。
カラー印刷で難しい用語も少なく、重要な内容を主に書いているので、初心者でもわかりやすい内容になっています。
まずとっつきにくい細かい報酬点数を載せてないのがわかりやすさのポイントです。現場でもかなり評判の良い一冊です。
| 種類 | 評価 |
| 参考書 |
