医療事務
講座受講料と受験料を目的とした資格商法。時間とお金の無駄遣い。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
1か月程度 |
易しい |
99% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己満足 |
2~5万円 |
誰でも受験可 |
※多くの場合、指定の講座受講が条件になっています。
年収・給料 | 最低賃金程度の時給、年収は150~200万程度 |
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求人・就職 | 多くはバイトか派遣、正社員はマレ、採用は経験者優遇 |
医療事務の資格と称して通信教育の会社が高額な教材を売るのが目的の民間の検定試験です。誰でもお金を払えば一応は合格証書らしきものはもらえますが就職・転職は有利になりません。経験者優遇の業界で、次に必要なのは学歴、若さ、容姿などです。
最終更新日:2022/09/16
医療事務とは
患者さんが病院で診療を受けると、処置(治療)した内容がすべて点数で計算され、それに基づき診療費が算出されます。
その診療費は全額患者さんが支払うのではなく、2割~3割が患者さんの負担になり、残りの診療費を国民健康保険や健康保険組合などに請求します。
その請求業務の作業を「診療報酬請求・レセプト業務」と呼び医療事務の代表的な業務になります。
表を見て簡単に点数がわかればいいのですが、項目が多く例外も多く判断しずらいため慣れていないとなかなか判断できません。そこで医療事務の業務に精通した人が必要になるわけです。
保険点数=診療報酬点数とは?
医療事務の仕事をする上で必ず出てくる「医療点数」という言葉は一体何でしょうか?
「保険点数」とは「診療報酬点数」のことで、簡単に言えば医者などが行った医療行為の値段です。この診療報酬点数は診療報酬点数表によって全国一律に決まっています。
行った医療行為は全てカルテに記入されているので、それに基いて処置した金額を算出します。行われた医療行為はあらかじめ保険点数が定められており、1点につき10円で計算されます。
例えば、サラリーマンのAさんが体調を崩し、病院に初めて受診して尿検査と心電図検査を受けたとします。このときの保険点数は初診料(270点)、尿検査(26点)、心電図検査(130点)で合計426点、つまり4260円が診療に要した医療費ということになります。
会社員の場合、合計金額のうちの3割が患者の自己負担で、残りの7割は患者が加入している健康保険組合から支払われます。この別々の請求をおこなう業務が医療事務と言われています。
役立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?
この「資格」を持っていると全国どこでも役に立ち、すぐに使えるようなPRをされていますが、実際は全く役に立たない民間検定試験です。現代版資格商法といってもいいでしょう。
関連情報:現代版資格商法とは
ユーキャンなどの通信講座の会社により、医療事務は資格としてPRされていますが、この資格があってもなくても医療事務の仕事はできます。
医療事務の資格が就職や転職に役立つことはあほとんどりません。あまりこの資格に過度に期待してはいけません。
病院は医者を頂点とした有資格者のピラミッド型組織で、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士などの国家資格有資格者により構成されています。
関連資格:医療系(事務系含む)の資格一覧
病院の中で無資格でもできる仕事は医療事務・看護助手・医師事務作業補助者などに限られており、病院内では非常に低く(軽く)見られます。
関連資格:看護助手とは・医師事務作業補助者とは
結婚、出産後でも全国で通用する資格とPRされていますが、医療事務の仕事は派遣かアルバイトである場合がほとんどです。
時給は850円程度で都道府県の最低賃金の場合が多く、統計的にもコンビニのバイト、スーパーのレジ打ちや飲食店の時給よりも低いのが現実です。
わざわざ高いお金を支払って民間資格を取得してまで低賃金のパートをする必要なんて全くありません。使える資格でもなんでもありません。
全国の病院ですぐに役立つのは、「経験」であって「若さ」と「容姿」も重要です。医療事務の資格が役立つ機会はほとんどありません。これが現実です。
よく、おすすめの資格、役立つ資格なんて紹介されていますが、全くのデタラメです。同じことが調剤薬局事務や介護事務などの資格にもあてはまります。ご注意ください。
関連資格:調剤薬局事務とは、介護事務とは
参考:ユーキャンの医療事務講座|女性に人気No.1
取得する意味ない民間資格です。十分注意しましょう。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
医療事務の資格が就職・転職の役に立つことはほとんどありません。
インターネットハローワークで検索すると医療事務の求人がいくつか出てきます。しかし、どの求人を見てもほぼ「経験者優遇」となっています。そして、わざわざ「資格の有無は問いません」と明記してある求人も多くあります。
10万円ぐらいの受講料を支払って最短5日間で取得可能なんていう講座もありますが、これははっきり言って受講料目的の詐欺です。ほとんど知識は身に付かないので受講する意味はありません。資格としての価値もありません。
仮に医療事務の資格を持っていても、資格を持っていない人と時給は同じです。最近の医療事務はパソコンで処理するのがほとんどなので、パソコンに慣れている人の方が採用は優先されます。
医療事務?資格とは名ばかりの民間検定
高齢化社会にともない医療機関を受診する人の増加が今後も予想され、医療事務の仕事も人気が高まっています。それに、TVでさかんに医療事務の資格をPRしたこともあり人気の職種となっています。
そのためこの仕事の求人があると、1名の求人に応募者が100名以上殺到するようです。ワケの分からない講座で取得した医療事務の有資格者がゴロゴロいるということです。
しかし医療事務の資格は、そろばん、習字、生け花、お茶と同じように民間の団体が主催する検定試験にすぎません。当然資格がなくても医療事務の仕事はできます。就職・転職の役に立つことはほとんどありません。
専門学校など行く意味ない!お金と時間の無駄
「医療事務の専門学校って、行く意味はありますか?」
こんな質問をネット上でよく見かけます。
ハッキリ言って、医療事務の専門学校など行く意味ないです。大切なお金と時間の無駄です。
理由は簡単です。単なる民間資格で取得する意味がないからです。卒業しても何も残りません!
残るのは、聞いたこともないような民間団体が発行する合格証と称する紙っきれ一枚。こんなモノなど医療の現場では資格とはみなしません。
中には、いろんな資格(医療事務検定、歯科医療事務検定、診療報酬請求事務能力認定試験、調剤薬局事務検定、介護報酬請求事務技能検定、医事コンピュータ技能検定、医療秘書技能検定、チャイルドボディセラピスト等々)を取得できるなんて宣伝している専門学校もありますが、どれも民間資格です。
申し訳ないんですけど・・・全て役に立ちません。意味ない検定試験です。
医療事務は未経験でも誰でもできる仕事です。無資格・未経験40代でも採用されます。わざわざ高い授業料払って検定試験に合格しても専門職には就けません。
そりゃ、若い女性であれば低賃金で雇用できるため、どこか就職先は見つかるでしょう。派遣やバイトであれば就職できる可能性は高いです。
けれど、待遇が悪いため、多くの人は長く続きません。結構早い時期に辞めます。すぐ辞めてしまう業界なので常に人手不足です。
そこで、「医療事務の専門学校など無駄だった・・・」と気付くワケです。
若い人が学校へ通ってまで勉強するものではありません。
同様に、看護助手、歯科助手などの専門学校へは通わないでください。資格を取得する価値も意味もありません。お金と時間の無駄で終わり、後で後悔します。
怪しい民間検定試験の巣窟、注意しましょう
「医療事務=資格」という観念がテレビCMを通してすっかり国民に植え付けられ、ここぞとばかりに利益を上げることだけが目的の資格商法的な検定試験がイッキに増えました。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)、診療報酬請求事務能力認定試験、医療事務管理士技能検定試験、医事コンピュータ技能検定、医療保険請求事務者、医事管理士、医療保険士、医療情報実務能力検定、保険請求事務技能検定、医療管理秘書士、医療事務士…
全てが詐欺的とか資格商法だとは言いません。中にはしっかりした内容の検定試験もあるかもしれませんが、聞いたこともないような試験ばかりです。とにかく怪しさ満載です。怪しいというか、多くは受講料目的だけの講座です。
医療事務の民間資格について「どれがいい」「おすすめは?」と聞かれたら、迷わず「全部おすすめしません、必要ないです、意味ないです」という返答です。
通信講座の会社は一度テキストを作ってしまえばコピーして配布するだけですから経費もほとんどかかりません。
本来であれば診療報酬の改定の度にテキストも改正しなければなりませんが、再大手のユーキャンでさえテキストは古いものをずっと使い回しています(まれに改定するようですが)。これは手抜きとしか言えません。
受講金額は35,000円~150,000円と幅がありますが、極端に高額ではないため、騙されたという意識は希薄です。
どの医療事務の検定試験も、何も知らない主婦を騙す金儲けだけの怪しい講座です!
未経験で医療系資格を目指すのであれば
あなたが今後、医療や福祉の道を目指すのであれば、介護職員初任者研修、ケアマネジャー、介護福祉士、登録販売者を目指す方が現実的に役立ちます。
いずれも国家資格なので資格としての価値が十分あります。資格の価値の重みが違います。
関連資格:介護・福祉・心理の資格一覧
高校生や中学生で、今後医療や福祉の業界で仕事をしたいのであれば、看護師、准看護師、歯科衛生士の資格取得を目指して専門の学校へ通うのが理想的です。
上記の資格は全て国家資格です。医療の現場で資格として認められているの国家資格のみです。
もちろん就職や転職は有利になります。一生涯役に立つ手に職の資格です。
登録販売者は、平成27年度の試験より、受験資格の要件がなくなり誰でも受験できるようになりました。医療系の資格を取得したいのなら登録販売者をおすすめします。
関連資格:登録販売者とは
経験者優先、次は出身校、それから顔、年齢
病院側としては経験者を優先して採用します。次に出身大学です。
地方へ行くとやはり出身高校がものを言います。地元の私立ヤンキー高校卒業生よりも、当然公立の進学校卒業生を採用します。
それから重要なのが顔と年齢です。未経験者を採用する場合、若い人を優先して採用します。
医療事務のような民間資格では、それらを補えません。
同じ未経験なら若い人のほうが適応力があります。病院の受付は、まず最初に悩みを抱えた患者さんが接する所なので、明るい雰囲気にしたいからです。
一般企業でも同じでしょうが、美人で独身はかなり有利です。これが現実です。
自分で勝手に医療事務の資格を作ればいい!
どうしても病院で医療事務の仕事をしたいので、医療事務の資格を取って履歴書に書きたい、というのなら、自分でテキトーに医療事務の資格の名称を作って勝手に書いても問題ありません。
ただし、名称によっては商標登録されているものがあるのでその点だけ注意してください。勝手に名称を使うと怒られます。
・平成31年1月 主任医療事務管理士資格取得
こんな感じで書けば大丈夫です。
資格としても認められていないので、人事担当者から資格の証明書を出してくれと言われることはありません。万が一言われたらExcelで作って提出すれば問題ないでしょう。学習した内容を聞かれたら答えられるようにしておけば大丈夫です。
そもそも医療事務と言っても民間検定にすぎないので資格としての法律的な根拠はありません。誰かが認定してくれたらよいだけのことなので、自分で認定してもよいワケです。
資格として統一された基準が全くないので、各社バラバラで医療事務講座を開催しています。現状はお金を払って講座に申し込めば、誰でも合格者として認定されます。
自分で医療事務の資格を作って、取得したことにしちゃいましょう!
合格するには
単純に言うと、お金を払えば、誰にでも資格の認定状みたいなものを発行してくれるわけです。
もちろん学歴・年齢などは一切問いません。親の同意さえあれば未成年者でもOKです。
いずれも教材と試験(のようなもの)がセットになっています。そのため独学で受験できません。通信講座か通学で取得する以外方法はありません。
つまり、これが通信講座の会社の利益になるワケです。
医療事務は資格ということで世間では認知されていますが、資格でもなんでもありません。
そもそも自宅で試験を受けられる程度の検定試験です。時間無制限でテキストを見ながら解答できるワケですから、受からない方が不思議です。この程度で資格といっていいのでしょうか?
就職のサポートを売り文句にしている講座もありますが、実態は派遣会社を紹介してくれるだけです。残念ながら就職先は紹介してくれません。
中にはハローワークの求人票を印刷してくれる講座もあるようです。インターネットハローワークをご覧になられた人ならわかると思いますが、ハローワークの求人票は誰にでも印刷できます。そこに履歴書を送付するように指導してくれるだけです。
簡単に取れる資格というものは所詮この程度のものです。
まずは無料の資料請求
いろんな講座を比較検討することもできます。
マナビネット_総合 | ニチイ(無料資料請求)
ヒューマンの通信講座 『医療事務』(無料資料請求)
介護・福祉・医療の資格情報サイト『シカトル』
※まずは資料請求だけでもしてみたはいかがでしょうか?医療業界の参考にはなります。
おすすめの講座
医療事務の資格を取得するにはどれがおすすめの講座ですか?資格の種類はどれがいいですか?とよく聞かれますが、おすすめはありません。はっきり言って取得する価値はありません。
ハローワークの職業訓練コースがおすすめ
とは言え、最近ではハローワークでも医療事務の講座があります。民間の高額な講座を受講するよりはよほどマシです。
かつては、公共職業訓練と一般的に呼ばれていました。今は、ハロートレーニング、職業訓練コース、離職者訓練、求職者支援訓練と呼ばれていますがどれもほぼ同じです。主に雇用保険を受給している求職者が対象ですが、在職者でも受講できる場合があります。
テキスト代とでけは実費で、受講は無料という場合がほとんどです。女性向けであれば無料で託児所も利用可能です。
高い代金を払ってボッタクリの医療事務講座を受講するよりはよほど内容も充実しています。期間も3か月以上のものが多いので2週間程度で「合格」できる講座よりもよほどマシです。医療事務の業界に進みたい方は是非ご検討ください。もちろん就職支援もしてくれますよ。
ただ、お役所のやっている事業なので、お目当ての職業訓練を探すのが少しやっかいです。情報が統一されておらず、それぞれのサイトで違う情報が掲示されていることが多くあります。
お近くのハローワークへ出向いて窓口で相談するのをおすすめします。
参考:ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
参考:ハローワークインターネットサービス - 職業訓練検索・一覧
※厚生労働省の地方の労働局のページ内で「職業訓練コース一覧」が掲示されています。こちらで探すのが一番確実なようです。お住まいの地域の労働局のページで探してください。例:長野県の職業訓練コース一覧
おすすめ参考書
医療事務の現場で役に立つ 公費説明のポイント (医療事務員のためのスキルアップノート) |
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現在医療事務の仕事に就いている人も、興味があってこれからこの仕事をしてみたいと考えている人にもおすすめの一冊です。
特定の実務的なテーマだけに絞って、医療事務でよく取り扱う公費について分かりやすく説明してます。カラー印刷で難しい用語も少なく、重要な内容を主に書いているので、初心者でもわかりやすい内容になっています。まずとっつきにくい細かい報酬点数を載せてないのがわかりやすさのポイントです。現場でもかなり評判の良い一冊です。 |
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