【医療事務】通信教育の販売が目的?就職は有利になりません

種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
指定講座受講 | 2~10万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
要再考 | 約3,000件以上 | ![]() |
- 全国求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年12月20日に集計しました。
- 取得に関しては再考をおすすめします。
世間では医療事務について「資格」などと認識されていますが、単なる検定試験であって資格じゃありません。
通信講座を受講すれば一応は合格証書らしきものはもらえますが就職・転職にはあまり影響しません。
つまり、合格してもしなくても同じです。合格していない人が優先して採用されることも珍しくありません。
お金と時間の無駄にならないように気を付けてください。
医療事務は無資格でも誰にでもできる仕事です。
経験者優遇の業界で、次に重視されるのは学歴・若さ・容姿・面接時の印象などです。
求人は見つかりますが、バイトか派遣が中心で正社員はマレです。

医療の現場で資格と呼べるのは国家資格だけです。短期間で取得できる民間の検定試験なんて資格でもなんでもないのよ!
医療事務とは


病院における請求業務
医療事務とは、患者さんが病院で受けた治療費を集計して、国や患者さんに請求する業務のことを言います。
患者さんが病院で診療を受けると、処置(治療)した内容がすべて点数で計算され、それに基づき診療費が算出されます。
その診療費は全額患者さんが支払うのではなく、2~3割が患者さんの負担になり、残りの診療費を国民健康保険や健康保険組合などに請求します。
その請求業務の作業を「診療報酬請求・レセプト業務」と呼び医療事務の代表的な業務になります。
表を見て簡単に点数がわかればいいのですが、該当する項目や例外も多く判断しずらいため慣れていないとなかなか判断できません。
そこで医療事務の業務に精通した人が必要になるわけです。
保険点数=診療報酬点数とは?
医療事務の仕事をする上で必ず出てくる「医療点数」という言葉は一体何でしょうか?
「保険点数」とは「診療報酬点数」のことで、簡単に言えば医者などが行った医療行為の値段です。
この診療報酬点数は診療報酬点数表によって全国一律に決まっています。
医療行為は全てカルテに記入されているので、それに基いて処置した金額を算出します。
医療行為はあらかじめ保険点数が定められており、1点につき10円で計算されます。
例えば、サラリーマンのAさんが体調を崩し、病院に初めて受診して尿検査と心電図検査を受けたとします。
このときの保険点数は初診料(270点)、尿検査(26点)、心電図検査(130点)で合計426点、つまり4,260円が診療に要した医療費ということになります。
会社員の場合、合計金額のうちの3割が患者の自己負担で、残りの7割は患者が加入している健康保険組合から支払われます。
この別々の請求を行う業務が医療事務です。
役に立つ資格なのか?
役に立たない民間資格、取得する意味ない
多くの通信講座の会社が、この「資格」を持っていると全国どこでも役に立ち、すぐに使えるようなPRをしていますが、実際はほぼ評価されない単なる民間の検定試験です。
全てとは言いませんが、講座受講料と資格取得をセット販売しているだけの資格商法的なモノが多いので要注意です。
もちろん、この民間資格があってもなくても医療事務の仕事はできます。
医療事務の資格が就職や転職の決定打になることはありません。
「同じくらいの人が何人か応募したら、医療事務を持っていれば多少有利になるだろう?」なんて言う人がいますが、それは間違っています。
考えてもみてください。同じ人なんていません。十人十色、人はそれぞれ違います。
逆に、医療事務を持っていない人が優先して採用されるケースも普通にあります。
あまりこの民間資格に期待してはいけません。
病院では「無資格者」と同じで待遇は悪い
病院は医者を頂点として、国家資格の有資格者がピラミッド型組織を形成します。
国家資格とは例えば、看護師、保健師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士などです。
各種国家資格の有資格者により医療チームを構成します。
病院の中で無資格でもできる仕事は医療事務・看護助手・医師事務作業補助者などに限られており、病院内では非常に低く(軽く)見られます。
結婚、出産後でも全国で通用する資格として医療事務をPRしているのをよく目にしますが、それは長年の経験がある場合に限られます。
さらに、医療事務の仕事は派遣かアルバイトである場合がほとんどです。
時給は、都道府県の最低賃金である場合が多く(950円程度)、統計的にもコンビニのバイト、スーパーのレジ打ちや飲食店の時給よりも低いのが現実です。
わざわざ高いお金を支払って民間資格を取得してまで低賃金のパートをする必要なんて全くありません。
医療事務は使える資格でもなんでもないです。
全国の病院ですぐに役立つのは、「経験」であって学歴と若さと容姿も重要です。
医療事務の資格が役立つ機会はほとんどありません。これが現実です。
おすすめの資格、役立つ資格なんて紹介されていますが信じない方がいいですよ。
同じことが調剤薬局事務や介護事務などの民間資格にもあてはまります。
ご注意ください。
将来性について徹底研究


医療事務の求人の多くは「資格不問」
医療事務の資格が就職・転職の役に立つことはほとんどありません(マレにありますが少数です)。
インターネットハローワークに掲載されている医療事務の求人を見れば明らかです。
多くの求人は「免許・資格不問」となっていて、わざわざ「資格の有無は問いません」と明記してある求人もあります。
仮に医療事務の資格を持っていても、資格を持っていない人と時給は同じです。
それは、病院で資格とみなされるのは医療系国家資格のみで、民間資格は資格手当の対象としていないからです。
最近の医療事務はパソコンで処理するのでパソコンに慣れている人の方が採用は優先されます。
単なる民間の検定試験
高齢化社会にともない医療機関を受診する人の増加が今後も予想され、医療事務の仕事も人気が高まっています。
そらに、TVでさかんに医療事務の資格をPRしたこともあり医療事務は人気の職種となっています。
そのためこの仕事の求人があると、1名の求人に応募者が10名以上殺到するようです。
その中には、ワケの分からない講座で取得した医療事務の有資格者がゴロゴロいます。
しかし医療事務の資格は、そろばん、習字、生け花、お茶と同じように民間の団体が主催する検定試験にすぎません。
当然資格がなくても医療事務の仕事はできます。
繰り返しになりますが、就職・転職の役に立つことはほとんどありません。
医療事務の民間資格を持っていても持っていなくても扱いは同じです。
中には、10万円ぐらいの受講料を支払って最短5日間で取得可能なんていう講座もありますが、ほとんど知識は身に付かないので受講する意味はありません。資格としての価値もありません。
医療系資格を目指すのであれば
あなたが今後、医療の道を目指すのであれば、看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、診療放射線技師等の資格取得を目指して大学や専門学校へ進学するのがおすすめです。
いずれも国家資格なので価値があります。医療の現場で資格として認められているのは国家資格のみです。
あるいは福祉の業界で仕事をしたいのであれば、介護職員初任者研修、ケアマネジャー、社会福祉士、介護福祉士を目指せば現実的に役に立ちます。
上記は全て国家資格です。資格としての価値が十分あります。
もちろん就職や転職は有利になります。一生涯役に立つ手に職の資格です。
医療系では、登録販売者は平成27年度の試験より受験資格の要件がなくなり誰でも受験できるようになりました。
独学で半年ほどの勉強で合格できます。
経験者優先、次は出身校、それから容姿、年齢
病院側としては医療事務の経験者を優先して採用します。次に学歴です。
地方へ行くとやはり出身高校がものを言います。
地元の三流私立ヤンキー高校卒業生よりも公立の進学校卒業生を採用します。
それから重要なのが容姿と年齢と面接時の印象です。
未経験者を採用する場合、若い人を優先して採用します。
同じ未経験なら若い人のほうが適応力があります。
病院の受付は、まず最初に悩みを抱えた患者さんが接する所なので明るい雰囲気にしたいので面接時の印象は重要です。
医療事務のような民間資格ではそれらを補えません。
一般企業でも同じでしょうが、美人で独身はかなり有利です。これが現実です。
合格するには


自宅受験が主流、誰でも合格できます
医療事務の試験は、自宅での受験が最近の主流です。
時間無制限でテキストを見ながら解答できるワケですから、不合格になる方が不思議です。
この程度で資格といっていいのでしょうか?
就職のサポートを売り文句にしている講座もありますが、実態は派遣会社を紹介してくれるだけです。
※私は実際に電話して確かめました。
残念ながら就職先は紹介してくれません。
中にはハローワークの求人票を印刷して渡してくれる講座もあるようです。
インターネットハローワークをご覧になられた人ならわかると思いますが、ハローワークの求人票は誰にでも印刷できます。そこに履歴書を送付するように指導してくれるだけです。
簡単に取れる資格というものは所詮この程度のものです。
おすすめの医療事務講座
中には評価の高い試験も
どうでもいいような医療事務講座ばかりですが、唯一おすすめできるのが診療報酬請求事務能力認定試験です。
かつての公的資格で、医療の現場から高い評価を受けています。この試験の合格者に限定して採用する病院もあります。
指定の通信講座受講の必要もありません。市販のテキストで受験対策ができます。
ただし、難易度は高く6か月ほどの勉強期間が必要です。
特に実務経験者が取得すれば転職が有利になる可能性が高いです。
ハローワークの職業訓練コースもおすすめ
最近ではハローワークでも医療事務の講座を開催しています。
民間の高額な講座を受講するよりはよほどマシです。
かつては、公共職業訓練と一般的に呼ばれていました。今はハロートレーニング、職業訓練コース、離職者訓練、求職者支援訓練と呼ばれていますがどれもほぼ同じです。
主に雇用保険を受給している求職者が対象ですが、在職者でも受講できる場合があります。
テキスト代とでけは実費で、受講は無料という場合がほとんどです。女性向けであれば無料で託児所も利用可能です。
高い料金を払って通信講座を受講するよりはよほど内容も充実しています。
期間も3か月以上のものが多いので2週間程度で「合格」できる講座よりも内容は充実しています。
医療の現場でもワケのわかんない医療事務講座よりもハローワークの講座の方を信頼します。
医療事務の業界に進みたい方は是非ご検討ください。もちろんしっかりした就職支援もしてくれますよ。
ただ、お役所のやっている事業なので、該当する職業訓練を探すのが少しやっかいです。
情報が統一されておらず、それぞれのサイトで違う情報が掲示されていることが多くあります。
お近くのハローワークへ出向いて窓口で相談するのをおすすめします。
※厚生労働省の地方の労働局のページ内で「職業訓練コース一覧」が掲示されています。こちらで探すのが一番確実なようです。お住まいの地域の労働局のページで探してください。
例:長野県の職業訓練コース一覧
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
現在医療事務の仕事に就いている人も、興味があってこれからこの仕事をしてみたいと考えている人にもおすすめの一冊です。
特定の実務的なテーマだけに絞って、医療事務でよく取り扱う公費について分かりやすく説明してます。
カラー印刷で難しい用語も少なく、重要な内容を主に書いているので、初心者でもわかりやすい内容になっています。
まずとっつきにくい細かい報酬点数を載せてないのがわかりやすさのポイントです。現場でもかなり評判の良い一冊です。
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