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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

DCプランナーとは?必要性や難易度・取得する意味は?

投資のために積立をする男性のイメージ

発足当時は話題になったものの需要もなく存在が薄れた民間資格

種類難易度合格率
民間資格やや易しい40~50%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~2万円2か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
知識習得3件
  • 上記は2級についてです。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年11月27日に集計。
試験の級2級、1級
受験料2級:7,700円
1級(A・B・C分野):各5,500円
登録費用11,000円(2年有効)
資格更新通信
教育講座
2級:7,120円
1級:11,000円
登録更新費用11,000円(2年有効)
  • 金額は税込み、2024年11月現在です。
  • 1級を更新する際は「1級DCプランナー資格更新通信教育講座」または「1級DCプランナー資格更新研修会」を受講し修了します。

DCプランナーは、確定拠出年金制度に関して幅広い知識を持ち、加入者に対して制度の仕組みや資産の運用方法などを提案しアドバイスするのが主な仕事です。

確定拠出年金制度に関する知識そのものの必要性が薄れており、受験者数は年々減少し続けています。

難易度は低く取得しやすい民間資格ですが、合格後登録するにも更新するにもお金がかかります。

合格しても自己PRの材料になるとは言い難く、履歴書に書いても就職や転職に役立つとは言えないようです。

目次

DCプランナー(企業年金総合プランナー)とは

IDECOのロゴと現金

確定拠出年金制度の専門家

DCプランナーとは、確定拠出年金制度に関して幅広い知識を持ち、加入者に対して制度の仕組みや資産の運用方法などを提案しアドバイスすることを主な目的とした民間資格です。

また、確定拠出年金制度の円滑な普及も目指します。

試験を受験する対象者としては、金融機関の職員、一般企業の経営者や福利厚生担当者、社会保険労務士税理士中小企業診断士ファイナンシャル・プランナー等を想定しています。

DCプランナーの試験は、日本商工会議所と金融財政事情研究会が共同で開催しています。

試験は難易度の低い順に2級、1級に分かれていて、合格者はDCプランナー(企業年金総合プランナー)と名刺などに表記ができます。

主催者サイト:
DCプランナー|商工会議所の検定試験
DCプランナー|一般社団法人 金融財政事情研究会

DCプランナーの「DC」とは?

DCプランナーの「DC」とはDefined Contribution Planの略で、確定拠出年金プランを意味します。

では一体「確定拠出年金」とは何でしょうか?

「確定拠出年金」とは、事業主や加入者が掛金を拠出し、加入者自らその資産を運用し、運用の成果により将来の年金受取額が決まる制度です。

確定拠出年金の制度では、掛金は全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるなどの様々な税制優遇を受けられます。

運用次第では将来の年金額を増やせます。

公的年金と言われる国民年金・厚生年金とは別に、これに加えて任意に加入できる私的年金の制度が確定拠出年金です。「日本版401k」とも呼ばれています。

運用に失敗すれば年金額が減る可能性も

しかし、個人が自己の責任において運用の指図を行い資産を運用するため、運用の結果次第で将来支給される年金額は違ってきます。

運用に失敗してウンザリということもあり得るんです。

確定拠出年金って聞くと、将来受け取れる年金の額が「確定」されるイメージですが、そうではありません。全く逆です。

将来にわたって払う金額(拠出金額)が決まってる(確定)から確定拠出年金っていう名前がついているんです。

説明を聞くまでは勘違いしている人がとても多いようです。

そもそも確定拠出年金の制度は、自己責任を前提とした掛金の投資・運用です。

実績によっては将来の年金額が変動するという不確定要素を含んでいます

しかも、企業型であれ個人型であれ、一旦確定拠出年金に加入すると60歳まで引き出しができず、途中で解約はできません。

日本版401kなどとも呼ばれ、スタート当初はキレイ事を並べて「確定拠出年金ってこんなにいい制度ですよ」と官民あげてPRしました。

しかし、税制優遇措置のメリットがある一方で、各種手数料がかかったりするなど、実はあまり知られていないデメリットもあります。

企業の力では年金基金を維持できなくなって匙(サジ)を投げたという背景もあります。

役に立つ資格なのか?

必要性は低くメリットはあまりない

DCプランナーの民間資格は、確定拠出年金制度の新設に合わせて日本での普及と受験者増による受験料収入を当て込んで発足しました。

2001年の第1回試験では、13,000人以上が受験し、世間から一時的ですが脚光を浴びまます。

しかし、2回目以降はほぼ順調に減り続け、2022年は2級の受験者数は2,971名まで落ち込んでいます。

確定拠出年金制度を新たに導入する企業が増えず、これ以上の需要増も見込めないからです。

将来性という面でも、今後役立つ資格とは言えないようです。

引用:DCプランナー 受験者データ|商工会議所の検定試験

銀行などの金融業界では、ファイナンシャル・プランナーの資格を必修にしているところはあっても、DCプランナーは必修外です。

つまり金融機関でもほとんどDCプランナーの資格は必要とされていません

確定拠出年金については、まとまった資料を一読すればメリット・デメリットも含め概要から詳細までだいたい理解できます。

わざわざDCプランナーという民間資格を取得する必要性は感じられません。

もちろんDCプランナーに合格したからと言って、就職や転職が有利にはならないでしょう。

将来性について徹底研究

通帳を見て怪しむ老夫婦

この資格の活かし方

公的年金にプラスできる「もうひとつの年金」として、「大きな税制優遇が特徴です!」というフレコミで厚生労働省がiDeCo(イデコ=個人型確定拠出年金)を懸命にPRしています。

iDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。

手数料収入を目当てに、銀行や証券会社も次々と参入して加入者を募っています。

iDeCoの加入者数は、平成30年8月末時点で100万人を突破したといいますから、関心を持っている人も多いようです。

参照:iDeCoの加入者数が、平成30年8月末時点で100万人を突破しました!

こういった金融商品を正しく説明する際には、DCプランナーの資格試験で得た知識はきっと活かせるでしょう。

後々加入者が「騙された・・・」と後悔しないよう説明してあげてください。

DCプランナーは、決して確定拠出年金を普及させるための手段ではなく、誤解が生じないように説明するのが有資格者の務めです。

合格後登録するのも、その後の更新もお金がかかる!

下記は、DCプランナーの試験に合格後の登録料と資格の維持費用です。

  • 初期の登録費用 \11,000円(2年間有効)
  • 2級DCプランナー資格更新通信教育講座(必須) \8,250円
  • 登録更新費用 \11,250円(2年間有効)

※金額は税込み、2024年12月現在です。

参照:資格登録制度|一般社団法人 金融財政事情研究会DCプランナー 2級更新手続き|商工会議所の検定試験

DCプランナーの認定試験合格者は、まずは日本商工会議所に資格を登録します。

この際に必要となるのが登録費用(税込み11,000円)です。

登録とは、簡単に言えば名簿に書き込む作業です。

登録することでDCプランナーと名乗って名刺に印刷ができるようになります。つまり商標権の使用許諾です。

登録すれば月2回発行される「DCプランナーメールマガジン」、年2回発行される会報「DCプランナー」が届けられます。

資格登録の有効期限は2年です。

その際更新料(税込み11,250円)に加え、資格更新通信教育講座を受講しなければなりません。

DCプランナーに合格すると意外とお金がかかりますね。

金額に見合うメリットがあればいいんでしょうけど・・・

ただし、登録期限までに登録をしないと、もう一度試験を受けなければなりません。

DCプランナーと名乗って仕事をする必要がなければ、更新しなくてもよいでしょう。

難しいけど、取得するならFPがおすすめ

DCプランナー2級とファイナンシャル・プランナー(FP)2級、難易度を比較すればDCプランナーの方がずっと簡単です。おそらくFP3級より簡単だと思います。

DCプランナー2級であれば、実質3週間くらいの勉強で合格できる人もいます。

FP2級は最低でも3か月以上は必要でしょう。

FPは、「資産運用に関するプランニング」について学習するので一般家庭も相談の対象です。

一方DCプランナーは、これから確定拠出年金の制度を導入しようと検討している企業に対してのアドバイスなので、相談する対象が限られています。

需要のいう面でもFPの方がまだ将来性はあります。

どちらを取得するのであればFP2級がおすすめです。

一応国家資格なので自己PRにもつながります。

合格するには

DCプランナーは難易度の低い順に2級、1級と分かれています。

以前は3級もありましたが、現在は廃止されています。

2級は誰でも受験できますが、1級は2級合格者のみ受験できます。

DCプランナー2級であれば難易度も低いので、独学でも十分合格できます。

初学者であれば1日2時間勉強して2か月が合格の目安です。

通信教育などは受講する必要ない

基本的には、過去問を繰り返し解けば合格できます。

テキストは、後述する経営企画出版のものがおすすめです。

初学者であればDCプランナー教本(全3冊)を利用するのもよいでしょう。

この本はポイントがわかりやすく記載されているので役立つと思います。

問題集は、主催者(きんざい)が販売している公式問題集がおすすめです。

事例問題なども出題されますが、全問マークシートです。

過去問ベースの基本的な論点が多く出題されるため多いため、それほど難しくはないです。

1級になるとそこそこ難しくなりますが、こちらも独学で大丈夫です。

ただし、記述問題が加えられるなど、試験の難易度が一気に上がるため、過去問の独学だけでは時間もかかります。

2級1級ともに計算問題が出題されますが、問題用紙の最後に、資料として(年金)終価、現価係数といった係数表が載っています。係数表などを覚える必要はありません。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

DCプランナー受験用テキストは種類も限られていますが、実はどれも評判は良くないようです。

こちらのテキストも正直なところイマイチです。目次がざっくりとしていて、細かな索引がないので調べたい箇所を探すのに苦労します。

公式テキストもありますが評判が悪いため、多くの受験生はこちらを使っています。まぁ、仕方なくといったところです。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

DCプランナー2級認定試験の試験範囲に対応した公式問題集です。

この問題集を繰り返し解き、分からなかった問題は解説を読むことで十分合格できます。

出題の要点及び関連する重要事項をわかりやすく解説しているので、一般的な年金・資金運用知識が身に付きます。

DCプランナー教本(全3冊)+この問題集を揃えると少し高額ですが、通信教育よりはお手頃価格だと思います。

種類評価
問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

通年実施(随時実施)

お申し込み

随時受付

受験資格

2級はどなたでも受験できます。1級は2級合格者のみ受験できます。

試験会場

全国のCBT受験センター

受験料

1級(A・B・C分野):各4,400円
2級:6,600円

(各税込)

試験内容

【試験水準】

  • 2級:確定拠出年金やその他の年金制度全般に関する基本的事項を理解し、金融商品や投資等に関する一般的な知識を有し、確定拠出年金の加入者・受給者、確定拠出年金制度を実施する企業の福利厚生担当者などに対し説明できるレベル。
  • 1級:確定拠出年金やその他の年金制度全般、および金融商品、投資等に関する専門的な知識を有し、企業に対しては現行退職給付制度の特徴と問題点を把握のうえ、確定拠出年金を基軸とした適切な施策を構築でき、また、加入者等の個人に対しては確定拠出年金の加入者教育の実施と老後を見据えた生活設計を提案できるレベル。

【試験範囲】2級、1級ともに共通

  • A分野:わが国の年金制度・退職給付制度
  • B分野:確定拠出年金制度
  • C分野:投資に関する知識
  • D分野:ライフプランニングとリタイアメントプランニング

【出題形式】

  • 2級:マークシート方式、四答択一式30問および事例5題
  • 1級:[基礎編]マークシート方式、四答択一式50問 [応用編]記述式、事例5題(四択、穴埋、記述、計算)

合格基準

  • 2級:100点満点で70点以上
  • 1級:200点満点で140点以上

主催者情報

試験に関する詳しい情報は試験の概要|一般社団法人 金融財政事情研究会をご覧ください。

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