こころ検定とは心理学の基礎を学ぶ入門レベルの民間資格
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 非公開 |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
趣味・教養 | 0件 |
- 合格率は非公開ですが4級3級の難易度は低く合格率は高めです。4級は1か月ほどで合格できます。
- 全国求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年8月13日に集計しました。
こころ検定とは、心理学の基礎について誰もが簡単に学べる民間の検定試験です。
あくまでも趣味・教養の検定試験です。
短期間で取得できる検定試験なので履歴書に書いても評価の対象にはなりません。
知識が役立つ機会はあるかもしれませんが、就職や転職には活かせません。
こころ検定とは
心理学の基礎を学べる検定試験
こころ検定は、メンタルケア学術学会が試験を実施する民間の検定試験です。
難易度の低い順に4級・3級・2級・1級があり、それぞれ心理学の基礎について学習します。
試験の学習を通して「こころ」の問題を理解し、適切な対応を行うために必要となる知識および技能を身に付けるのが目標です。
主催者サイト:心理学を学び、心と向き合い、心を成長させる|文部科学省後援こころ検定
文部科学省後援としきりにPRしてますけど・・・
こころ検定は平成30年7月から文部科学省の後援になっています。
主催者のホームページを見ると、しきりに「文部科学省後援」という文字が出てきて、「公的な資格」であることをアピールしています。
しかし実は、この「文部科学省後援」、全然大したことはないんです。
よほど悪質な資格商法でない限り省庁の後援は承認されます。
省庁が積極的に支援して取得を奨励しているワケでもないんです。
情報元:文部科学省後援名義等の使用許可申請について:文部科学省
学校の運動会でも、許可さえおりれば「文部科学省後援」とチラシや横断幕に印刷してもいいレベルなんです。
文部科学省後援と告知することで信頼性を高めたいという主催者側の意図も理解できます。
しかし、これだけのことで「文部科学省後援の公的資格」というのはかなり大袈裟な気はします。
こういった「省庁後援」という言葉を信じて勉強をはじめるのであれば、ちょっと考え直した方がいいかもしれません。
役に立つ民間資格なのか?
趣味・教養の延長
こころ検定の難易度は低く、4・3級なら1~2か月程度、2級でも3か月ほどで合格できます。
では、短期間でこうった民間の検定試験に合格して何に役立つのかと言うと極めて限定的です。
基本的な心理学に関する知識であれば身に付くかもしれません。
けれど「心理学のプロフェッショナル」になろうとは考えない方がいいでしょう。
こころ検定は公式テキストだけで勉強できます。
心理学に興味があるので少し学んでみたいというのであれば良いかもしれません。
心理学は本来長い時間をかけて研究する学問
例えば、心理カウンセラーの代表的な仕事に「スクールカウンセラー」があります。
その名の通り主に小中学校や高校へ赴き、生徒たちの相談相手となります。
スクールカウンセラーに応募できるのは概ね下記の3資格の所有者に限定されています。
- 精神科医
- 公認心理師
- 臨床心理士
精神科医になるには6年以上医学部で勉強します。
公認心理師や臨床心理士になるには4年制の大学で心理学を専攻し、その後大学院(修士か博士)で2年以上心理学について研究しなければなりません。
それでようやく受験資格を得て、試験に合格してようやくスクールカウンセラーになるための道が開けます。
心理学とは、この通り長い年月をかけて研究する分野なんです。
数か月程度の勉強で合格できる民間資格などではスクールカウンセラーに応募すらできません。
世間では心理カウンセラーとして認めていないということです。
浅はかな知識で中途半端にカウンセリングなどを行うのであれば、時として有害な行為につながります。
怪しい検定試験が多い分野、要注意です
民間の団体が主催する心理系の検定試験は数多く存在します。
例えば、メンタル心理カウンセラー、メンタルケア心理士、メンタル士心理カウンセラー、上級心理カウンセラー、チャイルドカウンセラー、子供心理カウンセラー、メンタルケアカウンセラー、ケアストレスカウンセラー、高齢者ケアストレスカウンセラー、行動心理士、学校心理士等々・・・
調べればいくらでも出てきます。軽く200以上はありそうです。
これらの検定試験に概ね共通しているのは下記の3点です。
- 通信講座受講が条件
- 試験は在宅受験が中心
- 短期間(2~6か月程度)で合格可能
もちろん全てに当てはまるとは言いません。けれど、この3点に当てはまる民間資格であれば受講しない方がいいですね。
短期間で取得できる民間資格など取得しても意味ないです。
テキストの内容は基本的な内容ばかりで驚くほどあっさりとしています。ボリュームもありません。
中には「2か月でプロのカウンセラーになれる」なんて宣伝している講座もありますが、さすがにそれは無理でしょう。前述の通り、心理学とは長い年月をかけて研究する分野です。
安くない通信講座(3~8万円程度)を受講してまで勉強するのはどうかなって思います。
心理学に関する民間資格の中には、心理学検定や認定心理士のように一定の評価を受けるものもあります。
しかし、多くは数か月で取得できるような難易度の低い民間資格ばかりです。
講座受講料と受験料を目的としただけの怪しい資格商法的なモノが多いので注意してください。
心理学の入門書を買って(借りて)読めばいい
心理学に興味があるから勉強してみたいというのであれば、自分でテキストを購入して勉強すれば十分です。
心理学は人気の分野なので入門書から専門書まで種類も豊富です。
Amazonで人気の本を調べ、何冊か図書館で借りて実際に読んで気に入ったら購入するのもいいでしょう。
※人気の心理学入門書を3種類ほど紹介しているので興味のある方はおすすめ入門書ご覧ください。全て当サイト運営者が手に取って読んだ本です。
合格するには
認定級は4種類
こころ検定で取得できる認定級は、上から難易度の低い順に4級・3級・2級・1級です。
4級、3級、2級については誰でも受検できます。イッキに4級から2級まで併願しての受検も可能です。
1級は、こころ検定2級に合格していなければなりません。
4級なら1か月程度の勉強期間で合格
難易度としては、合格率が公表されていないので一概に判断できませんが、初学者であっても1か月程度の学習で合格できます。
他の心理系民間検定はテキスト持ち込み可で自宅受験オッケーのような簡易な試験が多いのですが、それに比べると若干難しいようです。
勉強方法としては、テキストが市販されていない分、4級と3級は公式ホームページからテキストを購入するしかないです。テキスト中心の学習で合格できます。
テキストの本文中には心理学の専門用語などの難しい漢字には全てにかながふられていて中学卒業レベルから学べる設定になっています。
テキスト・問題集・参考書
テキスト・問題集は残念ながら一般の書店、Amazon、楽天などでは販売していません。公式ホームページからお買い求めください。
おすすめ入門書
※当サイト運営者が実際に読んでみて初心者におすすめできる入門書を紹介しています。
全くの初学者でこれから心理学について第一歩という人にまずはおすすめの一冊です。
イラスト入りの用語解説という内容ですが、難しい表現はなく、とても詳しく解説しているのでスラスラと読めて頭に入ってきます。
心理学の歴史についても詳しく書かれていますが、まとまっていて分かりやすいです。
1日で読める分量です。これを読んでから専門書に進むと理解が深まります。
公認心理師の受験対策に使用している受験生もいます。
種類 | 評価 |
入門書 |
心理学を志す学生であれば、誰しも一度は手にしたことがあるであろう名著です。
何度も改定を重ねており文章も練られているので完成度の高い書籍です。入門書ではなく、どちらかと言えば専門書に近い教科書なので初学者には少々読み難いかもしれません。
ただ、イラストも多く、手抜きのない解説が理解を助けてくれます。初学者でもじっくり読めば十分理解できる内容です。
赤ちゃんを使った実験や動物実験などの結果もイラストを多く取り入れて解説しています。納得しながら読む進められます。
まず最初の一冊としてこの本から入るのもおすすめです。後半へ読む進むと初心者には難しくなるので、理解できるまで読み進めればいいと思います。
大学や通信大学で指定されたテキストがすごくわかりづらく、そのため参考書として購入して利用している学生も多いです。
心理学を全体的に俯瞰的にまとめている良書です。
種類 | 評価 |
テキスト |
600ページを超える本格的な心理学の入門書&専門書です。とにかく内容が詳しい!
難解だと思われている内容もわかりやすく書かれています。初学者は繰り返し読むことで理解は深まります。
適宜重要な用語やおすすめの文献が紹介されているので、特定の分野について掘り下げて学習する研究者にもおすすめです。
大学の教科書としても使われています。
種類 | 評価 |
テキスト |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
期間を定めて年4回実施(CBT受験)
こちらをご覧ください。
検定日程一覧|心理を学ぶ文部科学省後援「こころ検定」
お申し込み
上記参照
受験資格
4~2級:誰でも受験できます、1級:こころ検定2級合格者
試験会場
全国各地のCBT試験会場
※1級実技・口述試験は、東京、北海道、大阪、宮城、愛知、福岡
受験料
- 1級:学科試験 8,000円、実技・口述試験 5,000円
- 2級:7,700円
- 3級:6,000円
- 4級:6,000円
2024年4月2日現在
試験内容
※下記の内容は4級についてです。
【試験内容】
~こころと向き合う~基礎心理学における領域で下記の領域における知識を理解し、自らのこころについて理解を深めることができる。
【出題範囲】
学習・認知・生理・知覚・社会・感情・知能
- 学習心理学 こころと行動の関係
- 認知心理学 こころと物事の捉え方の関係
- 生理心理学 からだとこころの関係
- 知覚心理学 見る・聴くとこころの関係
- 社会心理学 自分と他人のこころ
- 感情心理学 気持ちとやる気
- 知能 頭の良さとこころの関係
【試験時間】60分
【解答形式】四者択一
【問題数】20問
合格基準
100点中70点以上
合格発表
試験終了後、画面に合否を表示。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は心理に関する検定概要|心理を学ぶ文部科学省後援「こころ検定」をご覧ください。