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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

【eco検定(環境社会検定)】履歴書に書いても就活では評価されない趣味・教養の検定試験

地球の上で遊ぶ子ども達のイラスト

企業がイメージアップに利用する検定試験、就職や転職では使えません

種類難易度合格率
民間資格易しい54.0%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~1万円2週間程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
自己満足0件
  • 合格率は2023年第34回と35回の合計です。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月4日に集計。

eco検定とは、環境問題について理解し、仕事や日常生活と地球環境との関わりについて学習するこを目的とした検定試験です。

難易度はそれほど高くはなく合格率は60%前後です。

実はこの検定試験、一般の人にはメリットは少ないですが、企業にとって大きなメリットがあります。

「eco検定推進企業」になれば企業のイメージアップにつながるからです。

学生や社会人が取得しても就活や転職に活かせるなどとは期待しない方がいいでしょう。

あくまでも趣味・教養の検定試験です。

目次

eco検定(環境社会検定)とは

苔とガラス製の地球儀

環境問題に関する民間資格

eco検定とは環境社会検定試験の通称で東京商工会議所が主催する環境問題に関する民間資格です。

環境問題とは何か?という問いに対し、よく耳にするのは「地球温暖化」です。

石油などの化石燃料を大量消費することで大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇し、地球全体が温暖化して様々な気候変動が生じるおそれがあると言われています。

自然環境を破壊し、健康に害を及ぼす工場などによる水質汚染・大気汚染・土壌汚染、これらも全て環境問題です。

eco検定とは、環境問題について正しく理解し、仕事や日常生活と地球環境との関わりを、他人に説明できるまでの力を身につけるこを目的とした検定試験です。

主催者サイト:東京商工会議所検定サイト|eco検定(環境社会検定試験)

正しい環境問題の知識が身に付けばよいのですが・・・

これまで環境問題について意識していなかった人にとって、eco検定は環境問題について勉強できるだけではなく、環境保護についても学べる良い機会になるでしょう。

しかし、環境問題に関する間違った知識が世の中には蔓延しているのも事実です。

一昔前までは、企業ではコピー用紙の裏紙を使うのが常識でした。平成20年くらいまでの話しです。

しかし、かえってインクや紙の無駄遣いにつながるため、今では実践している企業の方が少数です。

「再生紙は環境に優しい」と思いがちですが、必ずしも正しくありません。

古紙を混ぜずにコピー用紙を作った方がトータルのCO2排出量が少なくなるようです。

そのため海外ではコピー用紙は古紙ゼロが常識です。

日本では、公共の施設にコピー用紙を納入する際には一定以上の古紙配合比率が条件となっている自治体が今だにありますが大いに疑問です。

いくら自治体がゴミを厳しく分別回収したところで正しく処分されている保証はありません。

処理しきれずに人目のつかなない山間部に再資源化が可能といわれる資源ゴミが山積みになっている光景をあちこちで目にします。

環境保護どころか、かえって環境を破壊しています。しかも長年にわたって。

eco検定という立派な名称を用いているのはいいのですが、形だけの「偽善エコ検定」にならないことを願っています。

役に立つ資格なのか?

大規模な風力発電施設
MINOLTA DIGITAL CAMERA

個人が合格してもメリットは少ない

eco検定を社員の教育ツールとして活用している企業は多いです。

主催者である東京商工会議所のホームページを見ると、社員に取得を奨励している「eco検定推進企業」が一覧となって78社分ズラリと出てきます。

エプソン販売、イオン、イトーヨーカ堂、NTT東日本、三菱グループなどの名だたる大企業ばかりです。

参考:東京商工会議所検定サイト|eco検定推進企業|eco検定のひろがり|eco検定(環境社会検定試験)

では、就職や転職の際に、履歴書に書けば採用が有利になるかというと、期待ほどではありません。

不利にはならないといった程度です。

eco検定は知名度があるので書くのは自由ですが、履歴書を見た面接担当者がどう評価するかは微妙なところです。

新卒予定の学生にとっては、環境問題に関心があるということで就職活動におけるアピール材料には少しだけなる可能性はありますが、それが合否の判定には影響はしません。

採用する側としても、難易度低い民間検定試験などそもそも評価の対象としては見ません。

仮に、環境調査などを専門にするコンサルタント系の会社へ就職を希望するにしても、仕事とはあまり関係ないので履歴書に書いても評価されないでしょう。

eco検定を取得すれば、環境に対する関心は高まります。

それに、合格証が今風のIDカード式で見た目がカッコいいです。飲み会の席で友達に自慢できるかもしれません。

将来性について徹底研究

青空を背景に置かれた水の入ったグラス

なぜeco推進企業が多く存在するのか

どうして大手企業を中心に「eco検定推進企業」が多く存在し、社員教育の一環として社員に取得を奨励しているのかというと、それはズバリ、企業のイメージアップ戦略です。

環境対策に取り組んでいる企業はイメージアップにもつながるので、消費者に良いイメージを与えます。

消費者は、商品を購入する際に「環境に優しい」という判断だけでその企業の商品を選ぶ可能性もあります。

さらに、環境問題に取り組んでいる企業であるとPRすれば、学生はホワイト企業であると勝手に想像して良いイメージを抱きます。

すると説明会に学生が集まるようになり採用活動がしやくすなります。

これは企業の間では定説のようです。

eco検定とは、企業のイメージアップ戦略に活かせる資格なんです。

個人で取得してもメリットは少ないですが、企業にとってはメリットがある民間資格なんです。

環境問題を本格的に学ぶのであれば他の国家資格を

環境やエコに関係のある環境系の資格試験はいくつかあります。

大気汚染や水質汚濁などの公害の対策をする公害防止管理者や、汚染・騒音・振動・有害物質などのレベルを正確に測定し分析する環境計量士などです。いずれも国家資格です。

環境の計測をするコンサルタント系の会社へ就職したいのであれば、これらの国家資格が役立ちます。

特殊な物質を扱う工場などを保有する会社などへの就職の際にも役立ちます。

他にも、技術士(環境部門)エネルギー管理士なども環境問題について学べる資格です。

危険物取扱責任者や、毒物劇物取扱責任者も環境に関する資格だといえます。

ただし、eco検定と比べても難易度は高いです。簡単には合格できません。資格によっては実務経験が必要になります。

環境社会学検定、ビオトープ管理士などの民間検定もありますが、eco検定と同じで特に役立つ資格とはいえません。

今後は高めの合格率が続くと予想される

eco検定は、2006年10月に第1回試験が実施され、2022年までに累計で54万人以上が受験したという人気の検定試験です。

世間的に環境問題についての意識が高まる中、2009年までの3年間は受験者数も増え続け、ピーク時には年間で6万2000人以上が受験しました。

主催者もかなり受験料で儲かったと思います。

しかし、その後は現在にいたるまで受験者数はほぼ減少し続けています。

2022年の受験生は24,711人、2023年は20,192人です。

合格率は2015年まではおおむね50~60%で推移していましたが、2017年より70%を超えています。

その後2023年になってまた50~60%に下がりました。

今後は、受験者数を増やすために合格率が高くなる可能性はあります。

合格するには

難易度は低く短期間で合格できる

eco検定の難易度はそれほど高くはありません。出題形式はマークシートの選択問題で、合格率はここ数年は55~65%ほどです。

受験制限はなく誰でも受験可能であることを考えると、難易度はかなり低い検定試験だと言えます。

環境問題について幅広く出題されますが、毎日1~2時間程度の学習であれば2週間ほどで合格できます。

1か月もあればほぼ確実です。定期テストで一夜漬けが得意だった人は、2日前から徹夜覚悟で勉強すればなんとかなります。

試験はほぼ公式テキストから出題されます。試験の主催者である東京商工会議所が発行する公式のテキスト(参考書)の学習だけで十分に合格できます。

できたら、公式問題集の利用もおすすめします。

eco検定の出題内容は、一般的な知識を問う出題ばかりです。ひっかけ問題や応用力が必要となるような出題はありません。

試験では、過去の問題がそのまま出題されることはありませんが、重要な事項は何度でも出題されます。問題集の内容は全て覚えることを意識しましょう。

時事問題が出題されるので、テキストはできたら最新版を購入することをおすすめします。

ただし一般常識の範囲内で解ける場合もあるので、そんなに最新のテキストにこだわらなくても大丈夫です。

以前は、東京商工会議所が試験対策の講習会を開催していましたが、現在は開催していないようです(2024年4月現在)。

時事問題に関してはテキスト以外に時事的なものも若干出題されます。

日頃から環境に関するニュースなどは新聞やニュースでチェックしておくとよいでしょう。

環境問題に対する世界的な各会議・条約の知識は必須

エコ検定は、日本の話題に限らず世界規模で見た環境問題がテーマです。環境問題に関わる総合的な知識が必要です。

よく出題されるのは、環境問題に対する世界的な取り組みの各会議・条約の年表です。

例えば、温暖化効果ガスの排出抑制をするための気候変動枠組条約である京都議定書などです。丸暗記しましょう。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

エコ検定試験用の公式テキストです。これをしっかりやっておけば他の参考書は特になくても大丈夫です。本試験は公式テキストから出題されるので買っておくのが無難です。

テキストは重要な語句は太字になっているので、初学者にとっても見やすく分りやすくなっています。

ページ左右の備考欄に記入してある説明からも出題されるので、それらを数回読んでおくだけでも参考になります。

公式テキストを読むだけで知識面はOKという人であれば、問題集は必要ないでしょう。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

この問題集を数回繰り返して学習すればエコ検定の試験に合格できます。

公式テキストだけで十分という人は、特に問題集は必要ないでしょう。

本書では正解以外の選択肢についても解説しています。また、1問ごとに公式テキストの復習すべきページが記載されているのも親切です。

問題集を解きながら、わからない箇所はテキストで確認するのが効率的な学習方法です。

種類評価
問題集

おすすめ参考書

当サイト運営者がおすすめする一冊です

環境問題、ecoなどに関心がある人に是非読んでもらいたいです。読むとかなりの衝撃を受けるかもしれません。

世の中には「偽善のエコ」つまり偽りのエコが蔓延しています。「ほんとにそれってエコ?」という事例ばかりです。

本書では、レジ袋や割り箸の削減、リサイクル、バイオエタノールなど、エコと言われているけれども実際には全くエコになっていないという数々の例を数値的な根拠とともに詳細に解説しています。

今までの概念をガラリと根底から覆してくれるような内容です。エコに対する認識が新たになり、世間の「根拠のない常識」に流されてはいけないと実感します。ひょっとしたらeco検定などどうでもよくなるかもしれません。

2020年7月からレジ袋が有料化されましたが、環境問題の解決策として意味があるのか疑問に感じます。

持参したマイバッグの中を見ると、プラスチックケースやトレイ、ビニールで包装された食品ばかりです。たかだかペラペラのレジ袋一枚でどれほどの効果があるのが大いに疑問です。

2008年の出版ですが、内容は全く色褪せることなく新鮮で、2024年現在でも十分通用します。

種類評価
関連書籍

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

年2回(7月、12月の日曜)

お申し込み

5月上旬~6月上旬
10月初旬~11月初旬

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。

試験会場

自宅や会社等任意の場所

受験料

5,500円(税込)

試験内容

【出題範囲】
・公式テキストの知識と、それを理解した上での応用力を問います。出題範囲は、基本的に公式テキストに準じますが、最近の時事問題などについても出題されます。

  • 持続可能な社会に向けて(環境問題への取組みの歴史、他)
  • 地球を知る(地球の基礎知識、いま地球で起きていること)
  • 環境問題を知る(地球温暖化、エネルギー、生物多様性・自然共生社会、循環型社会、地球環境問題、化学物質、震災関連・放射性物質)
  • 持続可能な社会に向けたアプローチ(持続可能な日本社会の実現に向けた行動計画、環境アセスメント、他)
  • 各主体の役割・活動(パブリックセクターの役割・取組み、企業の環境への取組み、個人の行動、NPO、主体を超えた連携)

出題形式:筆記試験(マークシート方式)

合格基準

70点以上

主催者情報

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