日本語教師が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

日本語教師

仕事はあっても超薄給かボランティア、420時間の養成講座には要注意

日本語教師に関する業界はとても奥が深いです。興味のある人は是非全て読んでください。なお、日本語教師を「資格」として紹介していますが一般的には職業の種類です。日本語教育能力検定試験が唯一日本語教師の資格として認められています。

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

難しい

1年程度

民間資格

民間検定

20%

最終更新日:2020/05/27

日本語教師とは

女性日本語教師

日本語教師とは、外国人を対象に日本語を専門的に教える「先生」の仕事です。簡単に言うと、日本語スクールの講師です。

 

活躍の場は、日本国内の語学学校が中心です。中国、ベトナム、ネパール、韓国、台湾やアジアの途上国、欧米やオーストラリアなどの語学学校で教える日本語教師もいます。

 

また、海外の大学の日本語科や日本語学校で教えている日本語教師もいます。

 

日本語教師は、日本語を母国語(母語)として育っていない人たちに、正しい日本語の発音や文法、読み書きを教え、日本語能力を身につけさせるように教育をします。

 

日本語教師は、ただ日本語を教えるだけではありません。日本の文化や習慣、歴史、ビジネスマナー、商慣習などを教えるのも重要な役割です。

 

主催者サイト:JEES 日本語教育能力検定試験ホーム

87.7%はボランティアか非常勤、常勤は12.2%という現実

日本語教師養成の通信講座や通学講座のパンフレットを見ると、多くの外国人を前に教壇に立つ笑顔の日本人女性の姿が印刷されています。

 

そんなイキイキと活躍する女性の写真を見て、「私も先生になって教壇に立ってみたい」「日本を飛び出して欧米で生活するのもステキ」・・・なんて憧れてしまう人が少なからずいるようです。

 

日本人だから日本語は得意、だから簡単になれるんじゃないか・・・そう安易に考えるのも日本語教師に憧れる理由の1つです。

 

想像したり理想を追うのは構いませんが、まずは日本語教師の現実について書きます。

 

全体の動向として、文化庁文化部国語課の調査では、国内の日本語教師の数は37,962人(平成28年))です。平成23年の東日本大震災の影響で一時減少しますが、その後は年々増加しています。

 

日本語教師の職務別の状況は以下の通りです。

  • ボランティア 22,043人(58.1%)
  • 非常勤教師 11,271人(29.7%)
  • 常勤教師 4,648人(12.2%)

出典:平成28年度 国内の日本語教育の概要 | 文化庁文化部国語課(pdf)
※6ページに掲載されています。

 

なんと、驚くことに常勤つまり正社員として働いているのは全体の12.2%、11,271人にすぎません。非常勤は3割ほどで、無給のボランティアが6割近くいます。

 

日本語教師になるには、後述しますが決して安くない養成講座や通信講座を受講しなければなりません。最初からアルバイトやボランティア活動をするために60万円以上もするような授業料を払うとは考えずらいです。

 

おそらく、仕方なくそういった職務に甘んじているのではないでしょうか。

給料は驚くほど低い!コンビニのバイトの方がまだマシ

日本語教師の年収・給料については、大学や公的な機関で教鞭をとる一部の教師を除いて「低収入」なのは間違いないようです。

 

もともと日本語教師になるためのハードルが低いため誰でもなれます。需要と供給のバランスがとれていないのも一因でしょう。

 

給料や待遇は、雇用先や雇用形態などによりもちろん違いはありますが、日本語教師は常勤(つまり正規職員・正社員)で月収は20万円前後と言われています。年収300万円ぐらいになれば良いほうで、多くは年収200〜250万円程度以下です。

 

アルバイトやパートなどの非常勤であれば、1回の授業(45〜90分)を「1コマ」と考え、1コマあたり1,800円から2,500円ぐらが報酬の相場です。

 

もちろん決められた授業の時間だけで仕事は終わりません。授業の前準備や授業後の面談、学生との相談にも相当な時間がかかります。それを考えると時給換算すると最低賃金以下になるのではないでしょうか。

 

残念ながら、スーパーのレジ打ちやコンビニのアルバイトの方が給料はよいケースがほとんどです。

 

受け持つコマの数が多ければ給料は増えそうですが、生徒数や授業数にも限りがあって簡単にはいきません。月の収入が2万円程度になることもあります。

 

学校の長期休みの期間は授業が無いので収入はゼロです。ボランティアであれば当然無給です。

 

爆発的に生徒数が増えない限り、この先勤務年数に比例して年々順調に昇給なんてことも考えられません。頭打ちの状態です。

 

それどころか、日本の経済力低下に伴って日本語を学ぶ外国人が減少する可能性もあります。いくら日本を訪れる観光客が激増してるとはいえ、観光客では日本語学校の学生は増えません。

 

一方でボランティアは年々増えています。日本語教師の労働環境は増々悪くなって、収入はこの先減っていくでしょう。

著しく低収入なのは貧しい国の人達を相手にしているから

では、どうして日本語教師の給料が安いのかを説明します。

 

日本語学習者数の国・地域別の内訳としては、中国が最多の73,430人(33.7%)です。次いで多いのがベトナムの44,797人(20.6%)、ネパールの10,852人(5.0%)です。ベトナムは前年の1.3倍に増加しています。

 

表は、日本語学習者数の多い上位10か国のランキングです。
日本語学習者地域別
出典元:平成28年度 国内の日本語教育の概要 | 文化庁文化部国語課(pdf)
※17ページの表を一部抜粋して引用。

 

1〜7位までがアジア諸国で、割合からいっても80〜90%近くがアジア地域の人達です。

 

こういったアジア諸国の特徴はと言うと・・・それは明白です。日本より貧しい国だということです。

 

1位の中国は日本を抜いてGDP2位ですが、人口が他の国と比べてずば抜けて多いだけで、まだまだ貧しい国民が多くいます。 

 

こういった貧しい国の人達は、アニメや日本の文化が好きで来日して日本語を習うワケではありません。日本で働いて稼いで貧しさから脱するために来日して日本語を習います。

 

例えば2017年9月より運用開始された「介護ビザ」の制度では、介護福祉士の国家資格を取得した外国人であれば長期間日本で働けるようになりました。

 

日本で「介護」というと、どちらかというと給与水準は低い職種ですが、アジアの途上国から見ると魅力ある給与です。

 

介護ビザを取得するには、外国人留学生として来日して日本語学校で日本語を学ばなければなりません。

 

EPA協定により、フィリピン、ベトナム、インドネシアからは以前から留学生として受け入れていましたが、現在では他のアジア諸国からも受け入れています。

 

こういった所得水準が低い貧しい人達を相手にするのが日本語学校であって日本語教師です。経済格差の上に成り立つ職業が日本語教師であると言えます。

 

途上国によっては平均月収が2〜5万円以下という国もあります。そういった元々お金を持っていない人が相手の商売ですから、高額な授業料なんてとても回収できません。ボランティアが多い背景もそこにあります。

 

需要と供給のバランスによって日本語教師の給料もおのずと控えられます。そこに日本語教師の給与が安い理由が存在します。

 

先進国のセレブと言われる人達が相手であれば、きっと日本語教師の給与は高水準でしょう。

欧米やオセアニア地域で働くのは現実的に難しい

欧州や北アメリカ、オセアニア地域へ移住して日本語教師として働いてみたい!なんて夢を抱いている人も多いようです。

 

しかし、現実的にはかなり難しいです。現地での日本語の需要が少ないからです。現地在住の無償のボランティアなら活動できる程度です。

 

その理由は簡単です。経済力、物価、所得水準ともに日本と同等かそれ以上の欧州、北米、オセアニア地域の人達には、日本語は役立つ言語ではないので学習する必要がないんです。

 

こういった先進国では、現地の大学などの教育機関を除き、日本語教師ではビザや労働許可証すら取れない可能性もあります。

 

下記は、日本語学習者数とその割合です。圧倒的にアジア地域が多いのが分かります。
日本語学習者地域別
出典元:平成28年度 国内の日本語教育の概要 | 文化庁文化部国語課(pdf)
※16ページの表を引用。

 

世界で最も使われている言語は何か?英語?いえいえ、実は中国語だと言われています。中国の人口は10億人以上、プラス世界各地に中国人はいます。

 

英語は世界の公用語です。ビジネスの世界では全て英語でやり取りをします。主要な会議は全て英語です。中東の国であろうと、南米の国であろうと、そして日本であろうと国際的な会議は全て英語で行われます。

 

経済の中心はアメリカであって、貿易の中心は中国です。世界を相手にビジネスを展開するのであれば、英語と中国語は必須とも言われる時代です。

 

一方、日本語はアジアの一地域のマイナーな言語にすぎません。日本は経済力の低下とともに国力は低下し、貿易やビジネスの相手としての存在も薄れています。

 

日本語の需要が少なくなれば、必然的に日本語教師の需要も少なくなります。

 

事実、オーストラリアでは、これまで第二外国語として日本語に人気があったんですが、政府の方針で中国語重視の教育へと既に転換しています。

 

欧米であれば、現地に在住している日本人も少なくないです。日本語教育の需要があったとしても、そういった現地の日本人やワーキングホリデーで来ている日本人で需要をほとんど満たしてしまいます。わざわざ日本から日本語教師を呼び寄せる必要がないんです。

 

欧米に移住するのが目的であれば、日本語教師は求人が少ないのでおすすめできません。他の手段を考えましょう。

日本語教師には誰でもなれる、結果として続かない

ホワイトボードを指す女性

 

日本語教師には、法律で定められた教員免許のような国家資格は存在しません。

 

※2020年2月14日文化庁より日本語教師は国家資格化される見込みと発表されました。
参考:文化審議会国語分科会日本語教育小委員会(第99回)議事次第 | 文化庁
(配布資料にて現状と今後の見通しについて言及しています)

 

「日本語教育能力検定試験」という民間資格はあっても必ずしも取得しなければならない資格ではないので、誰でも日本語教師と名乗って日本語学校で教えられます。

 

しかし一応は、「日本語教員資格ガイドライン」により、日本語学校が日本語教師を採用する際の一定の基準が以下の通り設けられています。

  1. 大学または大学院で日本語専攻あるいは副専攻
  2. 大学卒で日本語教師養成講座420時間以上を受講
  3. 日本語教育能力検定試験に合格(学歴不問)

概ね、この3つの条件のいずれかに該当すれば、誰でも日本語教師になれます。

 

参考:日本語教育機関の運営に関する基準(pdf)
(これが世間一般で「日本語教員資格ガイドライン」と呼ばれているものです)

 

日本語教師になるための手段として、多くの人は、2.大学卒で日本語教師養成講座420時間以上を受講、あるいは、3.日本語教育能力試験に合格、を選びます。

 

本来、日本で学校の教師になるには、4年制の大学を卒業して教育実習を受け、国家試験に合格しなければなりません。

 

日本語教育能力検定なら、学歴不問で通信教育でも取得できます。4年生大学卒であれば、必要な420時間の講座さえ受講さえすれば日本語教員資格者として認められます。

 

つまり現状では、お金と時間さえあれば誰でも日本語教師になれます。資質とか学歴などほとんど関係ないです。

 

しかし、日本語教師として稼いで生活していけるかどうかは全く別の話しです。

 

インターネット広告で日本語教師を知って興味を持った、定年後に人の役に立つ仕事をしたい、外国での生活に憧れて将来日本語教師として欧米へ移住したい、子どもが学校へ行きだしたら専任教員として働いてみたい、という軽い気持ちで講座を申し込む人が多くいます。

 

きっと、人前に立って上から目線で指導できる「教員」の仕事に潜在的に憧れているのでしょう。特に定年後の元サラリーマンや再就職を考えている女性、現状に不満がある会社員にはこういった傾向が顕著です。

 

「なんとなく憧れて」という理由で、特に教師としての情熱もなく強い希望もなく日本語教師を始めるとどうなるか・・・

 

まず、結果として続きません。

 

日本語教師は決して楽な仕事ではありません。事務の仕事のように、9時から5時まで働いて、家に帰れば家事や自分のことに専念できる生活は基本的にはできません。

 

収入は不安定で、金額にあった仕事とは言えず、しかも生活できるほど十分稼げません。ワーキングプアのようになって、結局短期間で辞めてしまいます。

 

この業界はいつも求人が途絶えません。ネットで日本語教師の求人はいくらでも見つかります。それは、労度条件の悪さに辞めていく人が多いからです。

420時間日本語教師養成講座はトラブルも多い

4年制大学を卒業していれば、日本語教師養成講座420時間コースを受講すれば日本語教師として認められるので、多くの人がこの方法を選択します。

 

「日本語教師養成講座420時間コース」とは、文化庁が示した「日本語教員養成において必要とされる教育内容」がガイドラインとなって発表された「日本語教育機関審査内規」に基づいた講座のことです。

 

参考:日本語教育機関審査内規
参考:日本語教育機関の法務省告示基準第1条第1項第13号に定める日本語教員の要件について | 文化庁

 

国の示したガイドラインに沿う形で、民間の日本語学校が教師育成のために養成講座を運営しています。同時に生徒を広く募集しています。

 

代表的なところでは以下の3校が有名です。受講料は以下の通りです。

  • ヒューマンアカデミー 678,040円(税込)
  • 千駄ヶ谷日本語教育研究所 567,000円(税込)
  • アークアカデミー 480,000円(税別)

※金額は2020年3月現在です。

 

参考:日本語教員養成研修実施機関・団体一覧 | 文化庁(pdf)
(こちらに全国の日本語教員養成研修実施機関一覧が載っています。)

 

通学は1年程度ですが、最短半年で修了するコースもあります。費用は教材込で約50万〜60万円が相場です。コースの内容によって若干費用は違います。

 

どこの学校も、もちろん国の指針に沿って授業を進めます。模擬授業などの実習も行うのでかなり本格的な内容です。

 

養成講座の参加者は定年後の元サラリーマンか主婦がほとんどです。

 

しかし、実は詐欺まがいの強引な勧誘も多く、トラブルも発生しています。

 

少し前になりますが、こんな記事も掲載されました。
引用元:急増する日本語学校 教師養成講座で日本人がトラブルも|- 2018/12/2 NEWSポストセブン

 

以下は記事を抜粋して引用したものです。

講座を受講してもらおうと熱心に誘うのだが、その後の就職などについて丁寧な説明をしてくれることはほとんどない。養成講座さえ受ければ、誰でも日本語教師になれるかのように誘う学校が少なくありませんが、実際はそうじゃない。
養成講座で一緒になった同級生のほとんどが、定年後のお年寄りか主婦でした。受講するうちに気づいたのですが、国文でもなんでもない短大卒の私は、養成講座を修了するだけでは日本語教師として正規に雇ってもらえない。日本語教育能力検定試験に合格するか、四年制大学の日本語教育コースか国文科卒業と同等以上の学歴が必要なんです。その話を同級生にしたら、このままでは日本語の先生になれないとうろたえる人が何人もいました。
受講前の説明でも『これからの仕事として有望です』『パート勤めするより収入がよくなりますよ』と良いことばかり言われた。でも、就職できる条件に達することが出来る人は、ほとんどいません。半年かけて、何にもなれないなんて悔しいです。
主婦にぴったりの新しい資格、副業ですよと、いかにも素晴らしい仕事であるかのように見せているけれど、副業なんて生やさしいものではなかった。お金を払うのだから自分で詳しく調べるべきだ、自己責任だと言われるかもしれません。でも、事前説明をきちんとしない学校にも、責任があるのではないでしょうか。

全てがこういった被害者ばかりであるとは決して言いません。中には日本語教師としてイキイキと第二の人生を過ごしている卒業生もいるでしょう。

 

けれど、こうしたクレームが多数あるのも事実です。

 

養成講座の受講料50万60万を払って、すぐに辞めたり、そもそも教師になれないようでは本当にもったいないと思います。

 

所詮厳格な基準のない民間資格です。誰でもお金さえ払えば取得できます。例えば、児童英語教師のような民間資格も同様に価値は低く、やはりトラブルは多いです。

 

参考:児童英語教師とは

 

大切なお金と時間を費やす前に、納得がいくまで調べてください。そしてよく考えてみてください。理想ばかりではない現実の実態が見えてくるはずです。

 

日本語教師の現実はとても厳しいです。現実を知って目指すのを途中で諦める人も大勢います。

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

日本語教師のレーダーチャート

日本語教師になるために日本語教師の養成講座に参加するのは、ほとんどが定年後の元サラリーマンか主婦です。

 

そりゃ、気持ちは分かります。誰もが「教師」という言葉の響きになんとなく憧れるのは理解できます。

 

仮に、65歳で定年退職した大学卒の元管理職のサラリーマンであれば、再就職先で年下の男性にアゴで使われるのもイヤでしょう。

 

毎日家にいてブラブラしているよりも、外国人相手に日本語の教師をしてるといえば、何となく世間体も保てます。

 

主婦であれば、かつて何か高度な専門職に就いていた女性以外は、再就職といってもせいぜい単純労働のパート程度です。

 

もっと女性として輝ける仕事をしたい、自分の能力を活かせる仕事をしたい、そう考えるのはいたって自然です。

 

そこで、どこかで日本語教師募集のチラシを見たのかキッカケに興味を持ち、養成講座を運営する学校に資料請求をしたり、説明会やガイダンスに出席します。すると、後はしつこいくらい何度も勧誘の電話がかかってきます。

 

そりゃ、授業料が1人50万円〜60万円もすれば、学校も必死になって勧誘します。「これから有望な仕事」「定年後や主婦にピッタリ」なんて有る事無い事平気で話します。

 

けれど、騙されてはいけません。日本語教師の養成講座の多くは現代版資格商法です。

 

※もちろん全ての日本語教師養成講座が詐欺・資格商法とは言ってません。実態は別として、多くは法令の範囲内で営業活動をしています。

 

日本語教師、日本語教育能力検定試験、どちらも役立つ資格でもなんでもないです。単純に「日本語ができる日本人だから」というだけでは日本語教師は務まりません。


日本語教師の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

低収入でも構わないのであれば、主に東南アジアの途上国などで日本語教師の仕事は見つけやすいようです。

 

実際に働いている日本語教師が多いのは、中国、ベトナム、ネパール、韓国、フィリピン、台湾、インドネシアなどです。

 

こういった途上国で一度生活してみたい、アジアの現実を見て少しでもその国の発展に貢献したい、そう考えるのであれば日本の大学を出て、そのまま海外で働くのも悪くはありません。新卒でも探せば仕事は見つかります。

 

多くの人はイヤになって1〜2年で日本に戻ってくるようですが、まだ若ければ日本での再就職もなんとかなります。現地の言葉や中国語をマスターすれば、貿易関係の会社へ転職も可能です。

 

一度海外で日本語教師を経験してから、さらに日本語教師の道を極めるか諦めるかはその人次第です。もちろん日本に帰国してからも日本語教師の道を選ぶ人もいます。

 

また、日本国内の自治体で開催している日本語教室のボランティアとして活躍する手段もあります。ボランティアであれば学歴も資格も特に問われません。

 

留学生が理解してくれたときにやりがい感じ、いろんな国の人と知り会う機会があって自分自身の知識が増える、そんなボランティア教師に生きがいを感じる人もいます。

 

日本語教師になる過程で学んだ知識は、こういった道であれば十分に活かせます。

本気で働きたいなら4年制の大卒以上

 

国内・海外を問わず、日本語教師として働くのが目的であれば、必ずしも大学卒の学歴は必要ないです。

 

しかし、実際は求人条件が4年制大学卒以上となっているところがほとんどです。

 

日本語教師という職業に就いて、給料を得てそれなりに自立して生活していこうと考えるのであれば、4年制大学で日本語学を修めておかないと難しいです。

 

例えば、日本語教員養成課程がある大学で専攻は人文学系や語学系などです。さらに、大学院まで進んで、修士・博士の学位を取得するのが理想です。

 

海外で働くにはビザの問題もあります。特に海外で日本語を教える「教師」として働く場合、最低でも大学を出ていないと就労ビザがほとんど下りません。資格以外に学歴や職歴(教師歴)などを求められるケースも多いようです。

 

日本人であれば誰でもOKみたいな感じで採用する海外の日本語学校もありますが、多くは4大卒以上という条件です。現地で採用する際は、日本の大学卒であることが最優先になります。

 

採用する際に、日本語に関する専門分野の学位(大卒)に加えて経験5年以上という条件の学校もあります。条件が厳しい求人の方が給与面での待遇は良くなります。

 

420時間講習を受講、あるいは日本語教育能力検定試験に合格しただけでも日本語教師になれますが、しっかりとした学校で教えるのはまずこれだけでは無理です。

 

420時間コースは、日本語教育能力検定試験に合格するためだけに必要な知識を教えてくれる場所です。日本語教師になるには役立ちますが、実際の授業で必要になる知識はほとんど学べません。

 

国内・国外を問わず、日本語学校では正しい日本語や文法などの専門知識の他、それらを学習者に教えられるスキルが求められます。そのスキルを証明できるのが大学卒あるいは大学院卒の学歴です。

 

本気で日本語教師を目指すのなら、大卒以上の資格を取っておくべきです。大学院卒業であれば、日本や海外の大学で日本語を教えられる可能性も出てきます。

 

海外の大学で日本語関係の教師職に就けると、収入や待遇が格段によくなります。そのため、一度海外へ渡って日本語教師になったけど、大学院に行くためにもう一度日本へ戻って来る人もいます。

アジアの途上国で働く日本語教師の現実

 

前述の通り、欧米やオセアニア地域で日本語教師として働くのは非常に困難です。海外であれば、東南アジア諸国・中国・インド・台湾で働いている人がほとんどです。

 

こういった途上国なら就職先は豊富にあります。420時間の講習、日本語教育能力検定などを取得していれば一応日本語教師になれます。

 

しかし、現地採用なので大変給料は安いです。東南アジアであれば、もちろん勤務先によって違いますが月数万円(2〜8万円)程度です。これは、現地の人の平均月収よりは若干高いくらいです。

 

アジア諸国であれば物価は日本よりもずっと低いので、給料が安くても生活できます。しかし、決して贅沢はできません。月の給料が数万円程度では貯金もできません。

 

日本ではまさにワーキングプアと呼べるレベルです。コンビニでアルバイトをしている方がよほどマシです。

 

例えば、最も日本語教師として働く人が多く、待遇もアジア地域では良い方の中国であっても、給料は6万円前後+家賃や光熱費は無料という待遇です。同じ中国国内でも、田舎へ行くとさらに条件は悪くなります。

 

現地で生活はできても貯金ができなければ、日本に一時帰国あるいは帰国した後の生活費が大変です。日本で貯めた貯金を使ってる人もいます。

 

せっかく夢を抱いて日本語を教えるために海外へ渡っても、将来性に限界を感じ、ほとんどの人は1〜2年で逃げるように日本に戻ります。

 

日本語教師になるなら非常勤でも国内がおすすめです。

一度社会人を経験してからの方がおすすめ

 

日本語を学ぶ東南アジアの人達の多くは、日本で働いて稼ぐことを目的としています。

 

そのため日本語教師は、単に留学生に日本語を教えるだけではなく、日本でのビジネスマナーや会社内での敬語の使い方なども正しく教えられなければなりません。

 

大学新卒や社会経験がない主婦が教壇に立つと、時々とんでもない適当なことを平気で教えたりします。

 

実際に民間企業に就職して、自分で経験していなければ、日本について正しく教えられません。社会経験もない日本語教師では、教室で放つ言葉に説得力がありません。

 

会社経験も、日本語教師になるための大切な勉強の1つです。

 

特に中国の場合は、比較的若い教師は敬遠されます。実践的にも社会人経験のある日本語教師を求める傾向にあります。

 

一度日本で普通の社会人を数年経験してからでも日本語教師になるのは遅くはありません。

 

日本で社会人として経験を積めば、日本語教師としての価値も高まります。

外国語の能力は必ずしも必要ではない

 

日本語教師は、日本語を母語(日本語の環境で生まれ育つこと)としない海外の人達に日本語を教えるのが仕事です。英語やその他の外国語が流暢に話せる必要はありません。

 

日本国内の日本語学校に集まってくる留学生は国も言語もバラバラです。全ての学生が英語圏であれば授業で英語を使う機会もあるでしょうが、中国語、韓国語、スペイン語、ガタログ語など世界各地のあらゆる国から来ています。

 

そんな場合、英語や中国語で説明するわけにはいきません。日本語のみで教えることになります。

 

実際に、日本国内の日本語学校では、日本語だけで授業を進める「直接法」が主流です。

 

日本語教師として重要なのは、外国語の能力よりも、人に正しい日本語を教えられる専門の知識です。

 

例えば、海外でまともな学校(大学や日本語学校)に就職するのであれば、修士以上の学歴が求められます。修士以上の学歴があれば、日本語について正しい知識を身に付けていると判断されるからです。

 

もちろん海外で教えるのであれば、現地の言葉を覚えてマイナスにはなりません。自分が生活する上で現地の言葉が話せれば何かと便利です。話せた方が事務処理もスムーズです。

 

関連資格:日本語検定とは

 

日本語教師になるには

日本語学校が日本語教師として採用する基準は以下の通りです。

  1. 大学または大学院で日本語専攻あるいは副専攻
  2. 大学卒で、日本語教師養成講座420時間以上を受講
  3. 日本語教育能力検定試験に合格(学歴不問)

概ね、この3つの条件のいずれかを満たせば日本語教師になれます。以下で各基準ついて簡単に説明します。

1.大学または大学院で日本語専攻あるいは副専攻

日本語教育について専門あるいは副専攻で学べる大学は、国公立・私立を問わず全国にいくつか存在します。

 

その多くは「外国語学部」「文学部」「国際〜学部」のような学部内に、「日本語学」や「日本語教育学」のような名称で学科があります。「国文学」や「英語学」関係の学科で、副専攻として履修できる大学もあります。

 

大学によっては、日本語を理論的に研究する学科もあれば、日本語教師育成のために教育実習制度などが充実している実践的な大学もあります。

 

大学や大学院で学んだ日本語教師がステータスとしても一番上です。海外の大学で日本語教師として教えられる道も開きます。

2.大学卒で、日本語教師養成講座420時間以上を受講

これは、文化庁が示した「日本語教師養成のための標準的な教育内容」方針に沿った講座を指します。

 

参考:法務省による日本語教育機関の告示基準の策定に伴う「日本語教員養成課程・コース」を設置する専修学校・各種学校に対する周知のお願い(pdf)

 

日本語教師養成講座とは、通学による養成講座です。主に日本国内にある民間の専門学校・各種学校が開催しています。

 

参考:日本語教員養成研修実施機関・団体一覧 | 文化庁(pdf)
(こちらに全国の日本語教員養成研修実施機関一覧が載っています。)

 

学校によっては、実習として模擬授業にかなり時間をかけます。受講生は授業のために相当時間をかけて準備をしなければなりません。中途半端に実習に臨めば、散々後で立ち直れないほどけなされます。

 

養成課程は通常1年ほどかけて学習します。あくまでも講習ですから難易度は高くないです。仕事をしながらであれば修了までにかなり時間がかかるので、意志が強くなければ続きません。

 

養成課程は教室に通って受講するのが基本ですが、中には全て通信教育という講座もあります。その場合、自宅学習のみで模擬授業もありません。

 

しかし、日本語教師の求人の中には、「通信を除く」という条件が明記されている場合もあります。つまり、単に机上のライセンスだけではなく、「必ず模擬授業や実習で訓練している」という条件を明確にしているということです。

 

420時間養成課程を受講するのであれば、面倒ですが通学コースを選ぶのがおすすめです。

3.日本語教育能力検定試験に合格

日本語教師になるための資格というと、日本国際教育支援協会が試験を実施する日本語教育能力検定試験(JEES)がほぼ唯一社会的に認められている試験です。この検定試験を通して日本語教育の専門家として基礎的な水準にあるかどうかを判断します。

 

この検定試験は国家資格や公的試験ではありませんが、日本語教師として働くための基礎的な資格として広く社会に認められています。

 

受験資格に制限はなく、学歴や年齢を問わず誰でも受験できます。日本語教師を希望する人の多くはこの試験の合格を目指します。

 

ちなみに合格率は20%ほどですから、難易度としては一応は難しい試験になります。日本人だから誰でも短期で合格・・・なんてワケにはいきません。日頃あまり意識しない日本語の文法について覚える必要があります。

 

検定試験には、2カ月ぐらい勉強して合格する人もいれば、3年くらい時間を要する人もいます。暗記事項も多いため、根気がないと途中で挫折します。

 

この資格を取得しなければ日本語教師になれないわけではありませんが、合格していれば知識の証明につながるので持っていた方が就職は有利です。

 

単純に日本語教育能力検定試験に合格しただけでは、やはり採用は難しいです。就職をより有利にするために、420時間の養成講座受講+日本語教育能力検定合格というパターンが最も多いです。

 

420時間講習や日本語教育能力検定といわれているものは、求人先の採用条件の1つに過ぎません。やはり学歴も経験も重視されます。

 

日本語教師として、生涯に渡って自分を磨き続ける覚悟がなければ、簡単には務まりません。

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興味のある方は是非資料請求だけでもしてみてください。デジタルパンフレットもダウンロードできます。

いろんな講座を比較検討することもできます。

女性のイラスト

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日本語教育能力検定試験 試験情報

試験日

お申込み

10月下旬

6月下旬〜8月中旬

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。

試験内容

試験の構成は以下の通りです。

  • 試験T 90分 100点 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
  • 試験U 30分 40点 試験Tで求められる「基礎的な知識」および試験Vで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。
  • 試験V 120分 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

【出題範囲】

  1. 社会・文化・地域
  2. 言語と社会
  3. 言語と心理
  4. 言語と教育
  5. 言語一般

試験地:札幌、仙台、東京、愛知、大阪、広島、福岡
合格率:20〜30%

試験に関する詳しい情報はJEES 日本語教育能力検定試験ホームをご覧ください。


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