労働安全コンサルタントとは?難易度は高く求人数は少ない
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 普通 | 20~30% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
学歴・実務経験等 | ~4万円 | 6か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 37件 |
- 合格率は最終の数字です。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年11月1日に集計。
労働安全コンサルタントは、事業主の依頼を受けて労働災害の発生を防止するためにアドバイスを行います。
受験資格の制限が厳しく、誰でも受験できるわけではありません。
多くの受験生は専門的な実務経験を求められます。
難易度が高いわりには求人は少なく、あくまでもスキルアップのための資格です。
労働安全コンサルタントとは
労働災害の発生を防止するアドバイザー
労働安全コンサルタントは、企業や組織に対して安全の水準の向上を図るために職場の安全についての診断及びこれに基づく指導を行う専門家です。
分かりやすく言うと、労働安全コンサルタントは労働災害の発生を防止するためにアドバイスやコンサルティングサービスを提供します。
例えば、職場の安全状況を見て診断して、事業者に対して安全に関する指導を実施します。
さらに、労働者に対して安全教育なども行います。
労働安全コンサルタントと名乗って活動するには、国家試験に合格後に安全衛生技術試験協会へ登録の申請を行い、厚生労働省に備える労働安全コンサルタント名簿への登録を受けなければなりません。
手元に登録証が届いた時点で、労働安全コンサルタントと名乗って活動ができます。
所轄省庁:労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント|厚生労働省
労働衛生コンサルタントとの違いは?
労働安全コンサルタントととよく似た国家資格に労働衛生コンサルタントがありますが、どう違うのでしょうか?
関連資格:労働衛生コンサルタントとは
労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントは、とも労働環境の改善に関わる専門家ですがそれぞれ異なる業務を行います。
労働安全コンサルタントは事業所における労働者の安全の確保が一番の目的です。
問題があれば指導・教育を行い、労働災害を未然に防ぐ役割を担います。
一方、労働衛生コンサルタントは、労働者の健康を守るために事業所の衛生状態を調査し、必要に応じて指導・教育を行います。
労働者の衛生面・健康面での問題の発生を未然に防ぐ役割を担います。
要約すると下記の通りです。
- 労働安全コンサルタント:事業所の安全確保と事故予防
- 労働衛生コンサルタント:労働者の健康リスクと職業病の予防
労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントは異なる資格ですが、現実の業務では両方の側面が重なる場合も多いです。
そのため、労働安全と労働衛生の両方の専門知識を持つコンサルタントもいます。
なお、労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントともに事業主には選任の法的義務はありません。利用は任意です。
役に立つ資格なのか?
労働安全コンサルタントは経験の基づく専門的な国家資格ですから、合格すればもちろん社内でのスキルアップ、さらには転職に活かせます。
業種や勤務する企業によっても違いますが、専門的な知識を活かせる職場であれば資格手当や給与アップなどが期待できます。
ただし、大手の建設会社ともなると安全に関わる部署(安全部等)の職員は全員この資格を持っていたりします。
どこの会社でも引っ張りだことまではいかないようです。
また、労働安全コンサルタントの資格を取得して副業に活かす、あるいは独立開業する手段もあります。
労働基準監督署を退官(署長等)した元公務員が労働衛生コンサルタントとして自宅を事務所として独立して、企業からの顧問料と講演の謝礼で稼いでいるケースもあります。
技術士や第一種電気主任技術者、一級建築士、1級土木施工管理技士などの資格を持っている人にも労働安全コンサルタントの国家資格はおすすめです。受験資格も満たします。
仕事の幅が広がり、独立する際にも役立ちます。
労働安全コンサルタントになるには
口述試験が合否を別ける
試験の区分は機械・電気・化学・土木・建築の5種類です。
それぞれにおいて筆記及び口述の試験が実施されます。
合格後、実際の業務では試験区分による制限はありません。
試験の難易度は高く簡単には合格できません。出題範囲が広く専門性も高く、筆記試験でも口述試験でも現場での業務に直結した問題が出題されます。
そのため、現場の経験がないと余計に勉強時間が必要になります。
特に口述試験が難しいようです。
口述試験の合格率は約80%です。
筆記試験の合格率が30~40%ですから、ただでさえ難易度の高い筆記試験の合格者の中から口述試験で20%を振り落とすことになります。
さらに申し上げますと、理工系の大学出身者や難関な国家資格の有資格者に受験者は限定されています。元々受験生はレベルの高い人ばかりです。
そんな中での最終合格率30~40%ですからそれなりに覚悟を決めて勉強しないと合格できません。
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
【一次試験】
- 10月中旬
【二次試験】
- 大阪:1月中旬頃の指定された日
- 東京:2月上旬頃の指定された日
お申し込み
- 一次試験:7月上旬~8月上旬頃まで
- 二次試験(口述試験):11月上旬~中旬頃まで
受験資格
- 大学(短期大学を除く)もしくは専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上安全の実務(※1)に従事した経験を有する者。
- 短期大学または高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
- 高等学校または中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
- 技術士法第4条第1項に規定する第二次試験に合格した者。
- 第一種電気主任技術者免状の交付を受けている者。
- 1級土木施工管理技術検定に合格した者、および1級建築施工管理技術検定に合格した者。
- 1級建築士試験に合格した者。
- 労働安全衛生法第11条第1項の規定による安全管理者として10年以上その職務に従事した者。
- 厚生労働大臣の登録を受けた者が行う安全に関する講習(※2)を修了し、かつ15年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
- 高等学校高等科、大学予科または高等師範学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
- 独立行政法人大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者(理科系統の正規の課程を修めた者に限る)またはこれと同等以上の学力を有すると認められる者で、その後5年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
- 労働災害防止団体法第12条第1項の安全管理士または安全管理士であった者。
- 労働安全衛生法第93条第1項の産業安全専門官または産業安全専門官であった者で、8年以上安全の実務に従事した経験を有する者。
※その他の受験資格・科目の免除については受験資格(労働安全コンサルタント)をご覧ください。
試験会場
- 一次試験:北海道、宮城、東京、愛知、兵庫、広島、福岡、
- 二次試験:東京、大阪
受験料
24,700円
※2024年4月現在
試験内容
【筆記試験】
- 産業安全一般(択一式):10:00~12:00
- 産業安全関係法令(択一式):13:00~14:00
- 械安全、電気安全、化学安全、土木安全、建築安全から1科目を選択(記述式):14:30~16:30
【口述試験】筆記試験合格者のみ
- 上記筆記試験の範囲についての口述試験
合格基準
- 一次試験(筆記試験):総点数のおおむね60%以上、ただし1科目につき満点の40%未満のものがある場合は不合格
- 二次試験(口述試験):4段階評価の上位2ランクであること。口述試験の合格者をもって最終合格者となります。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は主催者ホームページをご覧ください。