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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

建築物環境衛生管理技術者の難易度は高く15%前後の合格率

高層ビル

ビルメンテナンス業では必須の国家資格、講習会を受講すれば取得は容易

種類難易度合格率
国家資格難しい10~20%
受験資格取得費用勉強時間
実務経験等~1万円10か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
就職・転職505件
  • 上記は国家試験を受験した場合です。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年9月6日に集計。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは、大型商業ビルなどで給排水・電気・空調・清掃・害虫防除など、建築物の環境衛生の管理・監督などを行う国家資格です。

難易度は高く合格率は15%前後です。

過去問を10年分くらいをしっかり学習すれば合格できます。テキストは参考書程度の利用がおすすめです。

なお、認定講習会であれば比較的容易に取得できます。

ビルメンテナンス業・ビル管理業では非常に需要の高い資格です。ビルの多い都会では転職に活かせます。

目次

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは

ビルをメンテナンスする男女の作業員

建物の環境衛生について監視する監督者

建築物環境衛生管理技術者とは、通称「ビル管理士」あるいは「ビル管理技術者」と呼ばれる厚生労働省所轄の国家資格です。

その名の通り「ビルの管理」が主な業務です。

大型商業ビルなどで、給排水・電気・空調・清掃・害虫防除など、建築物の環境衛生の管理・監督などを行います。

法律(建築物衛生法)の規定に基づいて、面積3000㎡以上(学校については8000㎡以上)の特定建築物においては、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)を必ず選任しなければなりません。

特定建築物とは、不特定多数の人が利用する興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校、旅館などで、特に環境衛生面において適正な維持管理が必要となる建築物のことです。

ビルや建物において建築物環境衛生管理技術者に選任されると、環境衛生について監視する監督者の立場を担います。

建築物環境衛生管理技術者には、ビルの所有者やテナントの入居者などに対して意見を述べる権限が法律上認められています。

また、ビルの所有者やテナントの入居者は、建築物環境衛生管理技術者の意見を尊重しなければなりません。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、特定建築物の環境衛生面における事実上の最高責任者としての職務を遂行します。

参考:建築物環境衛生管理技術者について|厚生労働省

国家試験か認定講習会で取得できる

この資格を取得する方法は2通りあります。

  • 国家試験に合格する
  • 認定講習会を受講し修了する

国家試験を受験するにも、認定講習会を受講するにも、現場での実務経験、学歴及び経験年数、免許及び経験年数などの制限が設けられています。

誰でも受験できるワケではないのでご注意ください。

受験資格・学習方法などについては後述していますのでそちらも参考にしてください。

役に立つ資格なのか?

都会を中心に需要がある

特定建築物においては建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)を必ず選任しなければなりません。

この特定建築物、一体どれくらいあるのかというと、令和4年度調査で全国に47,910あり毎年増え続けています。

参考:歴年の建築物衛生法特定建築物数 – 公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会

ちょっとした大型テナントビルやショッピングモール、人通りの多い駅周辺にあるビルなどはほぼ面積3000㎡以上の特定建築物に該当します。

そういった建物全てにおいて建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)が必要になるので、ビルメンテナンス業・ビル管理業では非常に需要の高い資格です。

建築物環境衛生管理技術者は、ビルや建物の物件ごとに選任しなければなりません。

原則として複数の建物を兼任できないため、有資格者の数が追いつかず常に不足しています。

求人情報を検索すると、建築物環境衛生管理技術者の求人は全国的にも多く見つかります。

有資格者は転職にも有利なので持っていれば役立つのは間違いないようです。

一般的にビルメンテナンス・ビル管理業と言われる仕事は、決して楽だとはいいませんが肉体労働でもないため、長年続けられます。

40代以降でも取得すれば条件の良いビル管理会社へ転職も可能です。

人材不足のため有資格者はとても重宝されます。

一度ビルを建ててしまえばそうそう取り壊す機会はありません。

長年役立つ食いっぱぐれの少ない資格の1つです。

将来性について徹底研究

青空にそびえ立つ高層ビル

この資格の活かし方

建築物環境衛生管理技術者の資格を活かせる業界は、ビルメンテナンス会社・ビル管理会社などです。

この資格を取得するには一定年数の現場での経験(実務経験)が必要です。

新卒者が就職に備えて取得するのではなく、現在の職場で活かすため、あるいは転職に活かすために取得します。

ビル管理に携わる仕事をしている人であれば、会社の命令で資格取得を命じられる場合も多いようです。

合格して建築物環境衛生管理技術者として選任されれば、より責任のある仕事を任されます。

管理職に昇進するための条件としている会社も多いため、年収が上がるきっかけになります。

毎月10,000円ほどの資格手当が給与に上乗せされる会社も多いようです。

ビル管理の仕事をしているのであれば取得するメリットは大いにあります。

是非スキルアップのためにも取得しましょう。

ビルメン4点セットがあれば職に困らない?

ビルメンテナンス業界では、「ビルメン4点セット」という4種類の資格があり、これらを持っていれば仕事に困らないと言われています。

4点セットとは以下の4種類です。

確かに電気系や設備系の資格を持っていれば、ビルのメンテナンス業務に活かせそうです。

もちろん持っていて無駄ということはありません。

しかし、残念ながら今どきのビルメンでは、4点セットを全て持っていても職に困らないということはないようです。

特にボイラーに関しては、資格が不要な簡易ボイラーに転換する施設が増えています。

よほどの大型施設ではない限り需要がありません。

危険物取扱者に関してもボイラーとセット(燃料と燃焼装置)と考えられているため、やはり需要が少ないです。

危険物の指定数量や倍数の関係で保安監督者の選任が必要ない建物が増えています。

冷凍機械責任者に関しても高性能で小型のチラー(冷水循環装置)を使用している建物が増えているため、やはり需要は先細りです。

第二種電気工事士はできたら取得しておいた方が便利ですが、ビル管理に必要なのは障害発生時の際の一次対応のための知識です。

資格を使用した工事などはほとんどしません。

仮に、各種の免許(資格)が必要な施設であっても、現場での経験のない単なるペーパー資格者では採用されるのは難しいでしょう。

4点セットを全て持っていても、資格は入社するために必要な条件ではありません。

必ずしも転職は有利になりません。

ビルメンテナンスはサービス業です。ビル所有者やテナント入居者は全てお客様です。

現場では、お客様としっかりと失礼のないコミュニケーションが取れる人の方が求められています。

経験がなければ即戦力になりません。

電験三種を持っていて実務経験もあれば就職は有利

ビル管理業に就職するのであれば、もちろん建築物環境衛生管理技術者は必置資格なので有利ですが、電験三種(電気主任技術者)の資格を持っていて実務経験もあればさらに有利になります。

電験三種は難関なので簡単には合格できません。

社会的評価も高く、ビルだけではなく中小の工場から店舗まで幅広い業種で需要が見込めます。

一方、建築物環境衛生管理技術者は講習会でも取れます。

ビル管理会社以外はあまり需要がありません。

ビルメンテナンス業では、電験を持っている方が建築物環境衛生管理技術者よりも資格手当が上のようです。つまり給料が上です。

もちろん両方持っていれば無敵とも言えます。

管理責任者の経験があればかなり転職は有利です。

これらの資格があり、実務経験が5~10年程度あれば50代でも転職先には困りません。

エネルギー管理士の資格も、実務経験があれば同様に転職の役に立つでしょう。

ビル設備管理技能士との違いについて

よく似た名称で「ビル設備管理技能士」という資格がありますが、どう違うのでしょうか?

こちらも取得した方が良いのでしょうか?

まず結論から申し上げますと、ビル設備管理技能士を取得する意味はありません。

持っていても邪魔にならない程度で、建築物環境衛生管理技術者だけで十分です。

ビル設備管理技能士は、国家資格という分類ですが、正確には技能検定試験の一種です。

合格しても、ただ「ビル設備管理技能士」と名乗ったり名刺に印刷できるだけで、必置資格でなければ独占業務などもありません。

一般的には能力の証明に過ぎず、業務をするための資格ではないということです。

合格しても資格手当を支給する会社は少ないです。

職業訓練校の指導員を目指すなら取得してもよいでしょう。その程度です。

それよりも、ビルメン4点セット、あるいは電験三種やエネルギー管理士を目指す方がおすすめです。

ビルメンは決して定年後の楽な仕事ではない!

「ビル管理なんて座ってるだけなんで仕事が楽・・・」「ビルメンなんて65歳の定年を過ぎた人でも再就職できる職業」

などと認識している人が多いようです。

30代後半までずっとフリーターだった男性が、資格を取ってビルメンテナンス業に就職したいなんて言うようですが、仕事が楽だと思っているからでしょう。

しかし、こういった認識はほぼ間違いです。

ビル管理業は、覚えることも多く、外部業者と交渉もしなければなりません。

ビルの所有者に対して意見も言います。コミュニケーション能力・マネジメント能力が必要です。

おそらく「人と話すのは苦手」という人では務まらない仕事です。

この業界に就職したいのであれば資格は後回しです。まずは就職することです。

ビル管理業に就職すれば、職場にはダメな人間もたくさんいるでしょう。

その人達との違いを会社に認めてもらうためにも就職後は勉強して取れる資格は取ることです。

前向きに仕事に取り組めば必ず評価されます。

評価されたら責任のある仕事を任されて給与も上がるでしょう。

ビルメンは決して楽な仕事ではありません。

ビル経営管理士とは全くの別モノ

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とよく似た名称で「ビル経営管理士」という民間資格があります。

ビル管理士は、これまで紹介してきたようにビルのメンテナンスが主な業務です。

一方、ビル経営管理士は、ビル運営の企画や立案、テナントの募集や契約交渉、建物の維持管理などが主な業務です。

分かりやすく言うと、ビル管理士はビルの「管理」、ビル経営管理士はビルの「経営」という違いです。

ちなみに、就活に備えて何か不動産に関する資格を取得したいのであれば、やはり宅地建物取引士がおすすめです。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)になるには

ビルの内部を点検する男女

取得できるパターンは2種類

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格を取得する方法は以下の2パターンです。

  • 国家試験に合格する
  • 認定講習会を受講し修了する

国家試験を受験するのも講習会を受講するのも、ともに環境衛生上の維持管理に関する実務経験が一定年数以上必要になります。

下記で解説しますので参考にしてください。

国家試験に合格して取得する

次の用途に供される建築物の当該用途部分において、環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事された人は国家試験を受験できます。

  • 興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、遊技場(ボーリング場等)
  • 店舗、事務所
  • 学校(研修所を含む)
  • 旅館、ホテル
  • その他アからエまでの用途に類する用途

勤務先での具体的な業務内容を記した実務従事証明書を用意し、受験願書と一緒に提出します。

なお、建築物における環境衛生上の維持管理に関する実務に関しては下記サイトで詳しく説明しています。参考にしてください。

参考:受験資格|国家試験情報

建築物環境衛生管理技術者試験は、建物の空調、衛生設備から清掃、ゴキブリ、ネズミ等の害虫駆除の知識まで、広く浅くではなく広くやや深い知識を求められます。

2年以上の実務経験が必要ですが、人手不足のせいか毎年多くの人が受験します。

合格率は平均すると20%前後でとても低くなっています。

試験の特徴としては、問題数が180問と多く、試験時間も6時間と長丁場になる点です。

試験当日は体力勝負となりますので体調管理も重要です。

とにかく過去問を繰り返し学習する

建築物環境衛生管理技術者試験は、過去問から繰り返し出題されます。

過去問題集とテキストを1冊ずつ用意してください。

勉強時間は、1日3時間で6か月は要します。1年近くはみておいた方がいいです。

できたら10年分くらい掲載されている過去問題集を購入して繰り返しすることです。疑問点はテキストで確認してください。

1日2時間ほど学習時間に費やせば6~10か月ほどで合格圏内に達するはずです。独学でも十分合格できます。

建築物環境衛生管理技術者試験は、実施年度によって合格率に大きな幅があるのも特徴です。

過去10年間の合格率を平均すると19.36%になります。

最も高いのは2005年度の35.3%で、最低は2006年度の9.4%です。

この差はかなり大きいです。例えば35.3%なら3人に1人以上合格ですが、9.4%では10人に1人も合格できません。

合格率が高い年度の翌年は低くなり、低い年度の翌年は高くなる傾向が顕著です。

合格のハードルが低い「当たり年」の予想がおおよそつきます。

認定講習会を受講し修了して資格を取得する

国家試験は難関なので合格するまでに時間を要しますが、厚生労働大臣登録講習会を修了すれば資格を取得できます。

受講する資格は、学歴および経験年数、または免許および経験年数によって条件が変わります。

受講できるのは医師、一級建築士、技術士の機械、電気電子、上下水道等の登録を受けた人か、大学・高校で工学や農学など指定された学科を卒業し、建築物の維持管理に関する実務経験を積んだ人に限られます。

詳しくは下記を参照してください。

参考:建築物環境衛生管理技術者講習会|公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター

受講料は108,800円(非課税、2022年11月現在)です。受講期間約3週間、合計101時間の講義です。

講習会を修了し、その後の修了試験に合格すれば「修了証書」が交付され、申請することで厚生労働大臣から「建築物環境衛生管理技術者免状」が交付されます。

国家試験の難易度に比べると講習会で取得する方が簡単です。

しかし、合格率は90%程度と言われ落ちる人もいます。

不合格になっても再試験は3年以内で3回受験できるので、講習会の内容を復習すれば合格できます。

おすすめの通信講座

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験は独学でも十分合格できますが、やはり難関な国家試験です。問題によっては理解するまでに時間が必要です。

JTEXは40年の実績があります。主に企業単位での受講者が多いのが特徴です。効率よく学習できるように工夫されたテキストで、合格に必要な知識が着実に身に付きます。値段もお手頃で、おすすめの通信講座です。

※こちらから受講申し込みができます。

ビル管理技術者受験講座|技術講座専門のJTEX

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

通称「赤本」の過去問題集だけでは理解しずらい点を補うためにはおすすめのテキストです。

図や表が多く解説が丁寧なので、基本を学習するのに役立ちます。繰り返し読むことで記憶も定着します。

この本だけでは実力は付きません。必ず問題集で学習してください。

種類評価
テキスト

ビル管理士試験のテキスト(参考書)です。解りやすくまとめられていて、あまり予備知識のない人におすすめです。

図が豊富で解説が詳しく、項目ごとに過去問がついているので、理解度を確認しながら勉強をすすめらえます。

まずはこのテキストを数回読んでから過去問題集を解いて、分からない点はまたテキストに戻ることで理解が深まります。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

過去の出題を内容に合わせて354項目に分類して掲載した問題集です。

過去約10年分の問題・解答解説と、直近の試験傾向分析も収録しています。

重要な箇所は意識せずとも反復して学習できます。正解だけでなく、不正解の選択肢についても詳しい説明がしてあるので、より知識を深めて理解が進みます。

「赤本」よりも最近はこちらが人気です。テキストと合わせて学習するのが効果的です。

種類評価
問題集

多くの受験生が利用している通称「赤本」です。過去6年間の全問題と詳細な解説を収録しています。

解説がわかりやすいので学習を進めるのに役立つ問題集です。この赤本を何度も繰り返して学習すれば合格できる実力が付きます。

初めて受験する人は、まずはこの問題集からはじめてください。受験生に必要な1冊です。

種類評価
過去問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

10月第1日曜日

お申し込み

5月上旬~6月中旬

受験資格

一定期間以上の実務経験が必要です。

試験会場

札幌市、仙台市、東京都、愛知県、大阪市、福岡市

受験料

受験料:13,900円
講習を受講する場合は108,800円(テキスト等教材費含む)
(各非課税、2024年4月8日現在)

試験内容

【試験科目】

  1. 建築物衛生行政概論 20問
  2. 建築物の構造概論 15問
  3. 建築物の環境衛生 25問
  4. 空気環境の調整 45問
  5. 給水及び排水の管理 35問
  6. 清掃 25問
  7. ねずみ、昆虫等の防除 15問

5択マークシート

  • 午前90問:3時間
  • 午後90問:3時間

合格基準

各科目毎の得点が満点数の40%以上、かつ全科目の得点が満点の65%以上

主催者情報

試験に関する詳しい情報は国家試験情報|公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターをご覧ください。

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