冷凍機械責任者が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

冷凍機械責任者(高圧ガス製造保安責任者)

現場ではほとんど必要とされていないが冷凍に関する知識を証明する資格

種類 難易度 合格率 学習期間

国家資格

普通

25〜35%

6か月程度

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

就職・転職

〜1万円

誰でも受験可

※上記は三種・免除なしの場合です。

最終更新日:2020/08/16

冷凍機械責任者(高圧ガス製造保安責任者)とは

バインダーを持った男性

冷凍機械責任者とは、高圧ガス製造保安責任者という国家資格の区分の1つです。

 

高圧ガス製造保安責任者には、一般高圧ガス関係の6種類と、冷凍設備に関わる3種類の合計9種類があります。

 

冷凍機械責任者とは、冷凍に関わる高圧ガスを製造する冷凍機械について、設備の点検や調査などの保安業務を行うことができる資格です。

 

私たちの身の回りには、家庭用の冷蔵庫から業務用の大型冷凍倉庫まで様々な冷凍機械があります。

 

冷凍機械とは、その名の通りモノを冷凍して冷やす機械で、食品や素材を冷凍保存するためだけではなく、ビルや住居の空調設備などにも利用されています。

 

普段何気なく冷凍庫を利用していますが、モノを冷凍するには、電気で冷やす方法と、高圧ガスを利用する方法の2種類があります。

 

高圧ガスとは、圧力をかけて圧縮したガスのことです。分かりやすく説明すると、スプレー缶、カセットボンベ、風船に入っているヘリウムガスなどです。圧縮してあるため、蓋を開けると勢いよくガスが飛び出します。

 

ただし、これらは少々圧が高くても、高圧ガスとは呼びません。高圧ガスとは、例えば、家庭で使用するプロパンガスなどです。私たちの生活のいたるところでこういった高圧ガスは使われています。

 

ガスは引火性があり、爆発する性質があります。スプレー缶も中身が残ったまま火の中に入れると爆発します。高圧ガスは取り扱いを間違えると大事故につながります。

 

冷凍機械責任者とは、この高圧ガスを利用する冷凍機械の保安業務を行う資格です。一定規模以上の冷凍設備がある施設では、冷凍機械責任者の有資格者の中から冷凍保安責任者を選任しなければならないと高圧ガス保安法で定められています。

冷凍機械責任者は3種類に分かれる

冷凍機機械責任者の資格は、難易度の低い順に以下の3つの種類に別れます。

  • 第3種冷凍機械責任者(1日の冷凍能力が100t未満)
  • 第2種冷凍機械責任者(1日の冷凍能力が300t未満)
  • 第1種冷凍機械責任者(全ての製造施設)

正式名称は、「第三種」と漢数字を使います。一般的には「冷凍3種」や「3冷」のように略して表記したり、呼ぶことが多いです。

 

難易度としては、第3種冷凍機械責任者が最も易しく、第2種、第1種になるにつれて難しくなります。それと同時に取り扱える冷凍設備の規模も大きくなります。第1種冷凍機械責任者になると、全ての規模において冷凍設備の保安業務が可能です。

 

受験資格の制限がないので、経験ゼロでも全ての種別を受験できます。しかし、設備の保安責任者になるには1年以上の実務経験が必要です。

 

冷凍保安責任者の下で冷凍機械を運転するには資格は不要です。

 

なお、第3種と第2種の試験については都道府県知事が実施しますが、第1種は経済産業大臣が試験を実施します。

 

主催者サイト:ホーム | 高圧ガス保安協会

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

冷凍機械責任者のレーダーチャート

本来、大型の冷凍機械を導入している企業では、規模に応じた種類の冷凍機械責任者を選任しなければなりません。

 

しかし、最近の冷凍機械は、資格者不要のいわゆるユニット型というパッケージタイプのものが主流です。

 

冷凍能力の規模に関わらず、冷凍保安責任者が必要ない冷凍機械がほとんどです。

 

つまり、冷凍機械責任者の資格が活かせる企業は限られていて、ごく一部の旧式の大型設備を使っている工場等を除いて有資格者の必要性は低いということです。

 

仮に、有資格者が必要になれば、経験豊富な社員の誰かに検定試験を受けさせれば足ります。わざわざ有資格者を外部から中途採用するほどでもありません。

 

第3種冷凍機械責任者の試験は、検定試験であれば合格率80%以上です。この程度の難易度の試験であれば、合格しても就職・転職では有利にならないので特に役立つ資格でもありません。

 

しかし、冷凍機械責任者が不要な冷凍機械が増えているにもかかわらず、最近の国家試験受験者数・検定講習受講者数は、逆に増加傾向にあります。

 

それは、冷凍機械責任者試験に合格すれば、冷凍サイクルに関する知識があるという証明につながるからです。冷凍機械を設置している会社へ就職・転職する際に「冷凍機械について理解してます」とアピールできるというメリットがあります。

 

ビルメンテナンス業界では、「冷凍機械責任者等あれば尚可 」という求人をよく見かけます。資格そのものよりも、知識が役立つ資格であると言えます。


冷凍機械責任者の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

冷凍機械責任者は法律で定められた必置資格です。そのため、一部の企業では根強いニーズがあります。

 

冷凍機械責任者の有資格者が必要になるのは、大型の冷凍機械を導入している冷凍・冷蔵倉庫業、大規模な製氷工場・アイスクリーム工場などです。

 

必ず冷凍機械責任者がいなければならないような設置場所は減っていますが、冷凍設備に関する知識は多くの現場で求められています。

 

例えば、ビルの空調施設、食品工場や化学工場の冷凍・冷却装置、商業施設、病院、倉庫などです。意外と身近な場所で冷凍機械責任者の需要は今後も見込まれています。

 

冷凍機械責任者の試験を受験するには、年齢制限や受験資格はありません。学生が就活に備えて取得することも可能です。

 

就職を希望する会社が大規模な冷凍設備を備えているのであれば、有資格者は多少有利になる可能性はあります。

 

しかし、第3種では最低限の知識の証明にすぎません。人によっては軽く見られます。できたら第2種以上を取得しましょう。さらに実務経験もあれば転職にも活かせます。

 

単に資格を取得したというだけではなく、身に付いている専門的な知識をどこまでアピールできるかがこの資格を活かすポイントです。

他の国家資格とあわせて取得すればより活かせる

 

冷凍機械責任者は、ビルメンテナンス業界では有名な「ビルメン4点セット」の1つです。

 

「ビルメン4点セット」とは、電気工事士、危険物取扱者乙4、ボイラー技師、冷凍機械責任者の4種類の国家資格です。

 

関連資格:電気工事士とは危険物取扱者とはボイラー技士とは

 

この4種類の資格を持っていても、現場で直接必要となる機会は少ないのですが、知識の証明につながるので根強い需要があります。会社によっては資格手当が支給されたり、管理職への昇格条件になっています。

 

それぞれ応用分野も広いため、ビルメンテナンス業以外への転職にも活かせます。

 

電気工事士とボイラー技士あるいは消防設備士の資格を持っていると、ビル設備管理者会社へ就職も可能です。

 

さらに、電験三種(第三種電気主任技術者免状)や建築物環境衛生管理技術者、エネルギー管理士なども合わせて取得すれば、就業できる業種の幅も広がります。

 

関連資格:電験三種とは電験二種とは建築物環境衛生管理技術者とはエネルギー管理士とは

ボイラー技士2級とどちらが難しいのか?

 

冷凍機械責任者第3種とボイラー技士2級、どちらが難しいのか気にしている人も多いようです。

 

難易度としては少しだけ冷凍機械責任者第3種の方が難しいです。

 

ちなみに、ビルメン4点セットの中で、一番難しいと言われるのが冷凍機械責任者です。

 

本試験においても、ボイラー技士の出題は、「間違ったものを選べ」あるいは「正しいものを選べ」となっているので消去法で答えが導けます。

 

一方冷凍機械責任者は、「正しい組み合わせはどれか」という形式で出題されるため、より正確な知識が求められます。消去法では正解が導けません。

 

ボイラー技士1級が冷凍機械責任者第3種と同程度と言われています。

 

冷凍機械責任者に合格するには

冷凍機械責任者になるには、以下の2種類の方法があります。

  • 全科目の国家試験を受験
  • 講習を受講して一部科目免除となり国家試験を受験

以下、それぞれについて説明します。

全科目の国家試験を受験

冷凍機械責任者は、難易度の低い順に第3種〜第1種に分かれています。受験制限がないため、どの級からでも受験できます。

 

試験の難易度と必要な知識の目安は、それぞれ下記のように言われています。

  • 第3種:工業高校を修了
  • 第2種:高等専門学校を修了
  • 第1種:大学の工学部を修了

第3種は入門編です。計算問題も出題されません。おそらく文系で数学苦手の人でも合格できるでしょう。

 

冷凍機械責任者は難易度が高い試験と言われますが、「とりあえず」受験するようなレベルの低い人も多くいます。他の国家資格と比べると、どちらかというと簡単な部類です。

 

過去問題集で繰り返し学習して、疑問点があればテキストに戻って確認する勉強方法を4〜6か月続ければ、初学者でも合格できる実力が身につきます。

 

ただし、過去問題の解答を丸暗記するだけではもちろんダメです。内容を理解し、「蒸発」→「圧縮」→「凝縮」→「膨張」の冷凍サイクルを頭の中でイメージできるようにしなければなりません。

 

この基本さえしっかりと頭の中で構築できるようになれば、自然と頭に入って理解が進むはずです。

 

試験のレベルとしては、3種、2種、1種には難易度の差がかなりあります。いきなり2種を受験するのではなく、3種を国家試験のみで合格してから、2種に進むのをおすすめします。

 

1種は別次元の試験です。受験生の多くは理工系大卒者などです。物理化学(熱力学)が理解できていないと相当難しく感じます。特に学識では90%以上が計算式で占められているので計算式が苦手な人は難易度が格段に上がります。

講習を受講して一部科目免除となり国家試験を受験

国家試験を受けて合格する方法以外に、高圧ガス保安協会が毎年2回開催する冷凍機械責任者の検定講習を受講する方法もあります。これは全ての種別で開催していますが、1種のみ年1回です。検定講習は3日間通しで受講します。

 

講習修了後の検定試験に合格すれば、国家試験の一部が免除になります。冷凍機械責任者の場合は法令が免除になるため、第3種の場合は資格試験で「保安管理技術」だけを受験します。そして6割以上の得点で合格です。

 

検定講習の最終日に検定試験に出そうな部分を教えてくれるので、そこを確実に全て覚えればほぼ合格できます。

 

全て国家試験で受験するよりも合格率は高く、合格率は80〜90%と跳ね上がります。

 

この講習と検定試験はセットで第3種冷凍機械の場合は16,400円(電子申請、2020年4月現在)です。講習を欠席すると検定試験の受験資格が無くなります。

 

参考:電子申請による講習お申込み | 高圧ガス保安協会

 

講習を受講しても、しっかりと時間をかけて勉強しないと普通に最終の国家試験で不合格になります。自信がなければ、2種からスタートして1種合格を狙うのが良いでしょう。

捨てるな!2種の計算問題は得点源です

第2種冷凍機械責任者の試験になると計算問題が2問出題されます。これは計算問題が苦手な人にとってはやっかいです。

 

ついつい弱気になって、計算問題を諦めてそれ以外だけで合格を狙いたくなります。

 

けれど、実は2問の計算問題は捨てるのはあまりにももったいないです。この計算問題は毎年出題の傾向がはっきりしているため、確実に得点できるボーナス問題なんです。

 

計算が苦手な人でも、その気になって勉強すれば、1か月ほどで理解できるはずです。2問確実に得点できれば、あとの8問がとても楽になります。

 

最初から計算問題を捨てるのはもったいないです!

参考までに

受験生の多くが利用する「SIによる 初級 冷凍受験テキスト」などのテキストは、一般の書店や通販サイトでは販売していません。

 

社団法人日本冷凍空調学会よりお申し込みください。一種の公式テキストです。本試験はここから出題されます。

 

また、「Echoland」は多くの受験生が利用しているサイトです。このサイトだけで第3種に合格する人もいます。是非ご利用ください。

 

参考:冷凍機械責任者試験支援サイト EchoLand-plus トップページ

冷凍機械責任者 おすすめの講座

JTEXは40年の実績があります。主に企業単位での受講者が多いのが特徴です。効率よく学習できるように工夫されたテキストで、合格に必要な知識が着実に身に付きます。値段もお手頃で、おすすめの通信講座です。

 

こちらから受講申し込みができます。

第3種冷凍機械責任者 | 技術講座専門のJTEX

冷凍機械責任者 試験情報

試験日

お申込み

毎年11月の第2日曜日

8月下旬〜9月上旬

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。

試験内容

【試験科目】

  • 法令(高圧ガス保安法に係る法令)
  • 保安管理
  • 学識(応用化学・機械工学)

冷凍機械責任者の試験は、第1種と第2種は試験科目は同じです。
※3種は、学識の科目がありません。
第3種冷凍機械責任者試験は、法令・保安管理ともに択一式です。
【合格基準】
全科目それぞれ60点以上

試験に関する詳しい情報は国家試験の概要 | 高圧ガス保安協会をご覧ください。

冷凍機械責任者 おすすめテキスト・基本書

ゼロからはじめる3種冷凍試験(改訂2版)

オーム社の「ゼロからはじめる3種冷凍試験」と、次に紹介する「3種冷凍試験完全対策」はどちらも初心者向けテキストです。

 

冷凍機械について全く事前知識がないけど独学で挑戦したいと考えている人にはこちらのテキストがおすすめです。

 

初学者向けに、「冷凍って何?」「熱って何?」など、冷凍機械責任者の試験合格のために必要な初歩的な基礎知識を図やグラフを交えて分かりやすく解説しています。

種類 評価
テキスト
3種冷凍試験完全対策(第2版) (Masterbook)

こちらも初学者には評判の良いテキストです。試験に出題されそうなポイントを箇条書きにスッキリとまとめていますが、「ゼロからはじめる」より内容は少なく、物足りなさを感じます。

 

合格に必要な知識のわかりやすい解説と実戦的な演習問題で構成しています。多少なりとも学習が進んでいる人や、本試験までに時間がなく要点をとにかく頭に叩き込みたい人向けのテキストです。

 

全く知識ゼロで、この一冊のみで試験を受けて合格する人もいます。

種類 評価
テキスト

冷凍機械責任者 おすすめ問題集

2020年版 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集

過去8年間に本試験で出題された「法令」「保安管理技術」の全問題と解答・解説を収録した過去問題集です。

 

この過去問題集を解いて、分からない点、間違った箇所をテキストに戻って確認しながら学習をすすめれば、合格できる実力がつきます。

 

内容も解説も大変良く、多くの受験生が利用しています。3種冷凍の過去問題集の中ではおすすめです。

種類 評価
過去問題集
2020年版 第3種冷凍機械責任者試験 過去問題集

電気書院版とともに評判の良い過去問題集で、多くの受験生が利用しています。

 

過去問題8年分とその解答・解説を掲載しています。年度ごとに収録して、1問ごとに問題と解説・解答を掲載しているのが特徴です。一問一答集のように利用できます。

 

解説が詳しく、反復学習に適しています。テキストと合わせて学習するのがおすすめです。

種類 評価
過去問題集

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