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消防設備士

消化器を点検する男性
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消火器の点検・整備ができる乙第6類が人気、他の甲種も取得したい

種類難易度合格率
国家資格やや易しい40%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~2万円2か月以上
活かし方全国の求人数評価
就職・転職1,280件
  • 上記は乙第6類についてです。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2023年4月17日に集計。

中高年でも取得しやすく就職や転職に役立って将来性もある資格です。消防設備士を取得して履歴書に書いてアピールするには需要のある乙第6類(消火器、消火バケツ等)がおすすめです。実務経験や他の資格があるとさらに活かせます。

目次

消防設備士とは

火災報知器と赤いランプ

消防・防災設備の安全性を点検

消防設備士とは学校、公共施設、マンション、会社など人が多く集まる大型施設において、消防及び防災設備の工事・点検・整備をするための国家資格です。

消防及び防災設備とは、消火器、屋内消火栓、スプリンクラー、自動火災報知機・ガス漏れ検知器などの警報設備、救助袋、金属製避難はしごなどのことを言います。

万が一の災害の時、人が多く集まる大型商業施設や学校などで消防設備が正しく作動しないと大惨事につながりかねません。

火災や災害時に正しく作動するよう、異常がないか確認するために定期的に消防設備士が設置場所に来て消火器やスプリンクラーなどの点検を行います。

誰でも一度は建物に設置されている消火器の有効期限を確認している人を見たことがあるでしょう。

消防設備士は消防法で定められたれっきとした国家資格者です。消防設備士の資格を持たない人が、消防設備の工事、整備、点検をすることは認められていません。

参考:消防設備士について|一般財団法人消防試験研究センター

消防設備士には「甲種」と「乙種」がある

消防設備士試験は大きく分けて「甲種(こうしゅ)」と「乙種(おつしゅ)」の2つに分かれています。

甲種は消防設備の「工事、整備、点検」が行える資格であり、乙種は「整備と点検」のみ行えて「工事」はできません。簡単に言えば工事ができるかできないかの違いです。

  • 甲種消防設備士:工事・整備・点検ができる
  • 乙種消防設備士:整備・点検ができる

工事とは、消防用設備の設置工事などです。点検とは、正常に動作するかどうかのチェックや使用期限の確認等です。整備とは、故障部品の交換等や使用期限の切れた消化器の回収などです。

甲種・乙種にはそれぞれ分類がある。

さらに甲種と乙種はいくつかの分類があって、分類によって扱える消防設備が異なります。

甲種と乙種に共通して1類~5類、甲種のみに「特類」、乙種のみに工事の必要のない6類・7類があります。

分類の違いによる対象設備は以下の通りです。

1類屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
2類泡消火設備
3類不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備 、ガス漏れ火災警報設備
5類金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類(乙種のみ)消火器
7類(乙種のみ)漏電火災報知器
特類(甲種のみ)特殊消防用設備等

※6類の消火器は置くだけで工事は必要ないため甲種の分類は存在しません。7類の漏電火災警報器の工事は電気工事士の専門分野となっていて甲種でもできません。

役に立つ資格なのか?

赤い木箱に入った消化器

今後も高い需要が見込まれる

日本では都市部を中心に、マンションなどの集合住宅やショッピングセンターなどの複合施設が増え続けています。

そういった施設では、その用途、規模、収容人員に応じて屋内消火栓、消化器、スプリンクラー、自動火災報知設備などの消防用設備等の設置が消防法により義務づけられています。

消防設備は、一度設置したら点検は定期的にずっと行わなければなりません。消防設備士の需要は年々高まっています。今後ますます社会で必要となる資格の一つです。

例えば、乙第6類は消火器の点検整備ができる資格ですが、この世から消火器が無くならない限り乙6の需要が無くなることはありません。

消防設備士の資格が役立つのは、消防設備の点検会社や工事会社です。その他、ビル管理会社、マンション管理会社、消防設備のメーカーでも役立ちます。

キャリアアップのための資格という位置づけ

一般的に、消防設備士は中高年でも取得しやすく、就職や転職に役立って将来性もある資格だと言われています。

しかし、人気の乙6類や乙4類を取得したからと言って、誰でもすぐに就職や転職につながるとは言えないようです。

採用にあたって重視されるのは実務経験であり、「資格を持っているだけ」では期待するほど就職は有利になりません。

もちろん未経験であっても、他の国家資格、複数の乙類、甲種まで持っていれば多少は優遇されるでしょう。年齢も重要です。

消防設備士は資格の維持にもお金が掛かります。資格を取った後にも定期的に講習を受講する義務があります。なんとなく興味で取得しても、使わなければ数年後には失効・返納命令を受けて終わりなんてことになります。

消防設備士の資格は、特定の職に就くために役に立つかどうかというのではなく、仕事で必要だから取得するキャリアアップのための資格です。

将来性について徹底研究

この資格の活かし方

消防設備士を取得して、履歴書に書いてアピールしたいのであれば、まずは一番身近な乙種6類(消火器、消火バケツ等)がおすすめです。

4類が必要な自動火災報知設備よりも消化器の方が設置している建物が多いのが理由です。建物がある限り、消火器に関わる仕事が無くなることはないでしょう。

4類を取得すれば、防災設備専門業者と一部のビルメンテナンス業、マンション管理などの会社で知識を活かせます

ビルメンテナンス業は、建物によって設置されている消防設備の種類が異なるので一概には言えませんが、1類と4類と5類(どれも乙種でよい)と6類が活かせます。

自動火災報知設備(4類)は乙種なら点検と整備ができますが、設置するには電源部分の接続が必要になり、甲種4類の他に電気工事士資格が別途必要になります。

電気工事士の資格も合わせて持つとさらに転職・就職は有利となります。点検をしながら工事もあわせてできる職人といった感じです。

関連資格:電気工事士(二種)とは

電気工事士を持っている、あるいは今後目指すのであれば4類か7類を取得すれば資格の相乗効果が期待できます。

乙種6類は消防設備士で1番人気、受験生も多い

消火器を扱える乙種6類は、乙種受験生の半数近くを占めるほどダントツ1位の人気です。

令和3年度であれば、全乙種消防設備士試験受験者数約3.4万人に対して乙6類受験者は約1.93万人と、受験者の半数以上が乙6を受験しています。

参照:試験実施状況|一般財団法人消防試験研究センター

前述の通り消火器は私たちの生活で特に身近な消防設備です。

消火器の設置は、多くの人が集まる商業施設や学校だけではなく、マンションの共有部分や一般住宅にも設置が義務付けられています。さまざまな消防設備の中でも圧倒的な設置台数なので仕事の需要も多いです。

乙種6類を持っていれば消火器の整備と点検が可能になります。乙6種には甲種がないため乙種だけで消化器については完結します。消火器の点検専門としての実用性もあります。

乙6を取得すると、消火器の製造や販売を行なうメーカー、消防設備の設置やメンテナンスを行なう企業などで資格を活かせます。

ちなみに、次に人気で役立つと言われているのは乙4類だと言われています。乙4類で扱える自動火災報知設備もやはり高い需要があります。

受験資格を満たすなら甲種を受けよう

消防設備士は分類により扱える消防設備が異なります。基本的に乙種は点検・整備のみで工事ができません。

そのため、可能であれば甲種の取得をおすすめします(6類は工事する物は無いので甲種が無い)。甲種は設備工事ができるため、乙種よりも需要の高い資格です。

もちろん、乙種取得後に実務経験があれば甲種受験資格を得られますが、学歴、実務経験、指定の国家資格保有によっても受験資格を得られます。

甲種の受験資格があるのなら、積極的に甲種を狙いましょう。消防設備士は、危険物取扱者とは違い甲種と乙種の難易度がほとんどありません。乙種を取ってから次に甲種を取る予定なら二度手間になってしまいます。

関連資格:危険物取扱者とは

例えば、甲種第4類と第二種電気工事士を持っていれば、自動火災報知設備等の工事・点検・整備に役立ちます。

電気工事士を持っていれば甲種の受験資格が得られるので、せっかくなら甲種を受験するべきです。

ちなみに甲種の受験資格を得られる国家資格には以下のようなものがあります。

電気工事士、技術士、電気主任技術者、無線従事者資格(アマチュア無線技士除く)、1級建築士または2級建築士、ガス主任技術者、給水装置工事主任技術者

関連資格:技術士とは電験三種とは電験二種とは

実は、この中でも最も簡単なのは無線従事者資格です。

無線従事者の中には「陸上特殊無線技士」が含まれ、その中でも「第3級陸上特殊無線技士」は超簡単な資格なんです。

関連資格:陸上特殊無線技士とは

合格率は90%近くで出題は例年ほぼ同じ問題です。アマチュア無線免許より簡単で、短期間でほぼ誰でも合格できます。

消防設備の業務とは直接関連はないものの検討してみては?既に持っているのであれば使わない手はありません。

合格するには

乙種なら誰でも受験できる

乙種は学歴・年齢・性別・職歴などを問わずどなたでも受験できます。受験資格などはありません。

甲種は受験資格が定められています。受験資格は大別して以下の3種類です

  • 学歴:大学、短期大学、高等専門学校において機械や電気、建築などの学科や課程を修了など
  • 実務経験:乙種消防設備士の交付を受けて2年以上の実務経験、消防設備士補助の実務経験が5年以上等
  • 国家資格を有する:甲種消防設備士、電気工事士、技術士、電気主任技術者、無線従事者資格(アマチュア無線技士除く)、1級建築士または2級建築士、ガス主任技術者、給水装置工事主任技術者

※受験資格についての詳しい内容は、受験資格|消防設備士試験|一般財団法人消防試験研究センターでご確認ください。

消防設備士試験の対策

消防設備士の合格率は、甲種では30%前後、乙種では40%前後です。乙種の中では乙4が難しく、他はほとんど一緒くらいの難易度です

所持する国家資格によって多くの学科免除が受けられるため、取得は比較的容易だといえます。難易度としても比較的低めです。

なお、筆記試験の一部免除を受けた場合は、免除分を除いた出題で各科目ごと40%以上かつ、全体の60%以上の成績を修めなければなりません。

つまり、免除科目を多く設定すると総出題数が少なくなり、一問あたりのウェイトが大きくなります。得意な科目であればあえて免除申請せずに受験する人も珍しくないです。

必要な勉強時間は、1日1~2時間勉強したとして、乙種で1~2か月、甲種で3か月程度です。ただし、事前知識などの個人差でかなり違ってきます。全くの知識ゼロであればさらに時間がかかるでしょう。

甲種試験では、実技試験で「製図」が出題されるため、乙種よりも難易度は高くなります。甲種が乙種より合格率が低いのは、この製図が出題されるためです。

製図には入念な対策が必要になります。製図だけに2か月くらいの時間を費やして学習するのが一般的です。製図に最も時間を割きましょう。

市販の参考書を繰り返し学習すれば合格できる。

消防設備士試験のテキスト・参考書・問題集は、数多くの出版社から販売されており書店で普通に手に入ります。

テキストと問題集を繰り返し、完璧になるまで学習すれば比較的短時間で合格できるでしょう。

試験で出題された問題は持ち帰りが制限されているため、過去問題集に相当する問題集は手に入りません。

試験の実施をしている消防試験研究センターで、過去に出題された問題を一部公開しています。そちらも参考にしてください。

参照:過去に出題された問題|一般財団法人消防試験研究センター

まずは無料の資料請求

いろんな講座を比較検討できます。

おすすめの通信講座

JTEXは40年の実績があります。主に企業単位での受講者が多いのが特徴です。効率よく学習できるように工夫されたテキストで、合格に必要な知識が着実に身に付きます。値段もお手頃で、おすすめの通信講座です。※

※こちらから受講申し込みができます。

消防設備士受験講座(第6類乙種)|技術講座専門のJTEX

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

ジャンル別に区分して「テキスト&予想(過去)問題集&解説」をまとめた一冊です。

消防設備士のテキストというと、下記で紹介している「工藤本」が一般的でしたが、それよりも分かりやすく理解しやすいうという評判です。実技の写真も豊富で特に初学者にはおすすめです。

このテキストに掲載されている問題を繰り返し解き、解説や対応するテキスト部分を読むことで合格に近づきます。過去問がよく研究されており、要点もよくまとまっています。本試験はこ本から多く類似問題が出題されます。特に実技はそのままの問題が出題されます。

他と比較しても素晴らしい一冊です。この本1冊でしっかり勉強すれば大丈夫です。おすすめの1冊です。

種類評価
テキスト&問題集

いわゆる「工藤本」として人気の第6類消防設備士試験対策用テキストです。

ゴロ合わせで暗記するのをウリにしています。要点が要領よくまとまっていますがゴロ合わせは少し強引です。

人によってはゴロ合わせがまったく頭に入らず、合う合わないがかなり分かれるようです。本の構成も使いづらく、同じ事が何度も書かれていたり、あちこち参照したりで「読む」には効率が悪いです。実技の問題もちょっと足りない感がします。

これ一冊でももちろん合格は狙えますが、あまりおすすめできません。

種類評価
テキスト

おすすめテキスト・基本書

こちらも「工藤本」と呼ばれる受験生に人気の問題集です。

「この一冊で合格できる」となっていますが、これは問題集なので別途テキストが必要です。しかも実技試験のボリュームが少ないので、これだけでは少々無理があります。

ある程度知識のある人や、本試験まであまり時間がない人はこれ一冊でもいいかもしれません。

種類評価
問題集

試験情報

試験日

都道府県ごとに試験日は異なります。居住地以外でも受験できます。試験の頻度は年2回程度ですが、東京では毎月3回程度実施しています。

お申し込み

各都道府県別によります。

受験資格

乙種はどなたでも受験できます。甲種は受験資格が定められています。

試験会場

各都道府県によります。

受験料

甲種: 5,700円
乙種: 3,800円

試験内容

【筆記】

  • 消防関係法令(10問)
  • 基礎的知識(5問)
  • 構造・機能・整備など(15問)

【実技】

  • 鑑別等(5問)

消防設備士甲種の試験科目及び出題数は以下の通りです。
【筆記】

  • 消防関係法令(15問)
  • 基礎的知識(5問)
  • 構造・機能・整備など(20問)

【実技】

  • 鑑別等(5問)
  • 製図(2問)

合格基準

  • 甲乙共通:筆記試験において各科目毎に40%以上、全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上の成績を修めた者。試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修めた者。
  • 甲種特類:各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上の成績を修めた者。

合格発表

郵便ハガキで合否の結果を直接通知、支部別に合格者の受験番号を公示、消防試験研究センターのホームページ上に掲示

主催者情報

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