認知症介助士は役に立たない?民間資格なので評価されない
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 90% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~4千円 | 1日~1週間 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 0件 |
- 通信講座を受講すると3万円ほど必要です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月15日に集計。
認知症介助士とは、認知症の症状や進行について理解し、さまざまな事例から認知症患者への適切な対応方法を学習する民間の検定試験です。
イメージ先行の民間の検定試験です。公共性は低く、履歴書に書いたからといって就職や転職が有利になるものでもありません。
認知症について正しい知識を身に付けたいのであれば、各自治体が開催する「認知症サポーター養成講座」をおすすめします。
こちらはナント無料です!
認知症介助士とは
認知症患者への適切な対応方法を学習
認知症介助士とは、認知症の症状や進行について理解し、さまざまな事例から認知症患者への適切な対応方法を学習する民間の検定試験です。
家族や近所など身近な所に認知症の人がいれば、試験の勉強を通して得た知識を、接し方やコミュニケーションの取り方などに活かす狙いがあります。
認知症介助士は、民間団体の日本ケアフィット教育機構が認定します。
取得方法(勉強方法)は5種類
検定試験を受験する手段・勉強方法は下記5種類です。
1 | 認知症介助セミナー及び検定試験 | 19,800円(テキスト無し) 16,500円(テキスト有り) |
2 | 会場に集合してのマークシート試験 | 3,300円 |
3 | CBT試験会場でパソコンによる受験 | 3,300円 |
4 | 自宅などでパソコンを使って受験 | 3,300円 |
5 | 通信講座を受講して在宅受験 | ユーキャン:29,000円 産業能率大学:13,750円 |
- 全て税込み、2024年4月21日現在の金額です。
- 認定証・認定カードの発行は有料になる場合があります。
1.は、インストラクターによる講義とディスカッションなどです。セミナー受講後、検定試験を受験します。つまり、実質一日で合格できます。一日の学習ですが、合格率は独学で受験するよりも高いそうです。
2~4は独学で勉強して受験する方法です。テキストは市販されていないので、公認テキスト3,300円、対策問題集2,200円が別途必要になります(無くてももちろん可)。
試験は簡単なので、独学でも数日程度の勉強で合格できます。中には勉強せずに合格する人もいます。
よほど勉強に自信がない人でない限り、高いセミナーや通信講座など必要はないでしょう。
5.は、ユーキャン、産業能率大学の通信講座による受講後、自宅で受験します。自宅でのペーパー受験ですから、ほぼ全員合格できるはずです。
合格すると認定状がもらえます。カードタイプ認定証(2,200円)、バッジ(1,650円)も利用できます。タダじゃないんですね!
しかし・・・ユーキャンはメインテキスト2冊、あとは添削問題(2回、うち1回は検定試験)と小冊子3冊で29,000円って、ちょっと高すぎやしませんか?※質問は1日3回、標準学習期間3か月。
役に立つ民間資格なのか?
民間の検定試験はほぼ評価されない
認知症介助士は民間資格です。
介護職員初任者研修や実務者研修などのような国家資格ではないため、履歴書に書いて評価されたり、就職や転職が有利になるということはありません。
日本ケアフィット共育機構は、他にもサービス介助士、防災介助士などの試験を実施していますが、どれも同じです。これといって世間では評価されません。
世間では介護に関する民間資格はたくさん存在します。
介護食士、終活アドバイザー、レクリエーション介護士、認知症ライフパートナー、介護予防健康アドバイザー、終末期ケア専門士・・・
これらはどれも自己啓発、趣味・教養の検定試験です。
中には、単に講座受講料と受験料を目的としただけの資格商法的なものもあるので要注意です。
もちろん、就職面接などで前向きな姿勢はアピールできます。
現実的には人手不足の業界ですからこの資格を持っていても持っていなくても介護の業界であればおそらく採用になるはずですが・・・
ただし、民間資格はどれも資格手当の対象にはなりません。
民間資格ですが認知症ケア専門士であれば評価される可能性があります。
認知症ケア専門士の受験資格を得るには、概ね過去10年間に3年以上の実務経験が必要となるなど、優れた学識と高度の技能が求められます。
施設によっては資格手当を支給している施設もあります。
自治体が開催する無料の講座で十分!
こういった民間の検定試験を全て否定するつもりはありません。
勉強することで認知症患者に対する正しい接し方を身に付けようという考えは素晴らしいと思います。
身近な人のために介護や介助について勉強したいと思うのは自然のことでしょう。
ただ、高いお金を払って通信講座を受講するくらいなら市町村で行われている認知症サポーターの養成講座をおすすめします。
内容は認知症介助士とほぼ同じです。講習は全国各地で頻繁に開催しています。オンラインでの受講も可能です。可能な範囲で出張講座も開催しています。
しかも、なんと原則無料で受講できます。テキストも無料!こちらの方が断然お得です。
受講者は全員「認知症サポーターカード」がもらえます。
さらに一歩進んで、仕事に結びつけたいと考えるのであれば介護職員初任者研修がおすすめです。
1か月にも及ぶ長期の講座ですが本格的に介護について勉強できます。
自治体によっては格安で受講できます。就職や転職にも直結します。手当を支給する施設も多くあります。
※介護施設に就職後に、施設側の費用負担で受講することも可能です。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
介護の分野でベストセラーとなった本です。
認知症ケアの現場で数多くの認知症の人と接してきた著者の豊富な知見をもとに、不可解な行動の裏にある心理をマンガ形式で紹介しています。
誰もが年齢に関係なく「自分もそのうちこうなる」という心の準備は必要でしょう。何も事前知識なく認知症になると本人ももどかしい上、周囲も理解できず怒号をあげることになります。
そうなる前に日本全国民必読の書だと思います。
種類 | 評価 |
関連書籍(マンガ) |
講習会情報
日程・受講資格・内容・その他
試験日
取得方法により違います。
※自宅受験、CBT受験、インターネット受験であれば随時。会場受験は指定日。
お申し込み
随時受付(主催者にお問い合わせください)
受験資格
誰でも受験できます。
試験会場
セミナー:東京、大阪
CBT:全国各地の受験センター
通信講座:自宅等
受験料
- セミナー受講後に受験の場合:セミナー受講料16,500円+テキスト3,300円
- 検定試験料金:3,300円
- 通信講座の場合:主催者金額によります
試験内容
30問(選択肢)40分
※通信講座のカリキュラムは以下の通りです。
- 認知症介助士の基本理念
- 高齢社会の理解
- 認知症の基礎知識
- 認知症の人への介助
- 認知症の予防
- 体験談・事例
- 関連法規および制度
合格基準
1問1点の30点満点・21点以上合格(70%以上の正解)
主催者情報
試験に関する詳しい情報は認知症介助士検定試験|認知症介助士|公益財団法人日本ケアフィット共育機構をご覧ください。