メンタルヘルスマネジメント検定
自分自身や部下の心の病について正しく理解するための検定試験。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
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民間資格 |
1か月 |
易しい |
70% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
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自己啓発 |
~1万円 |
誰でも受験可 |
※試験にはⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種がありますが、全てⅢ種についての数字です。
最終更新日:2022/06/16
メンタルヘルスマネジメント検定とは
当サイト運営者も、近い身内に数人います。友人・知人の中にも程度の差こそあれ普通にうつ病の人はいます。誰でも身近にうつ病患者はいるのではないでしょうか。
メンタルヘルスマネジメント検定とは、大阪商工会議所が主催する民間の検定試験です。
名称から判断すると、悩み事相談、つまりカウンセラー的な仕事につながる資格と想像してしまいますが、実は全く違います。
メンタルヘルスマネジメント検定とは、うつ病などの疾患の正しい理解とうつ病の予防、そして、自分自身あるいは身近な人がうつ病に陥った場合の正しい対処方などの知識を学ぶための試験です。受験生は会社員など組織で仕事に従事している人が対象です。
怪我をした、風邪をひいた、腰痛になった、などという場合は、出血したり咳や鼻水、腰を押えるなどと誰が見ても疾患の様子が分かります。
しかし、心(メンタル)の病といわれるものは、外見上では簡単に病気と判断できないものです。日常の行動の変化などから察するしか手段がありません。
その兆候を的確にとらえて、医療の専門家につなげる橋渡し的な役割を担う知識の学習がメンタルヘルスマネジメント検定という事です。
メンタルヘルスマネジメント検定の学習を通して、うつ病を改善するためのカウンセリングの手法を学ぶワケではありませんのでご注意ください。
主催者サイト:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために
役に立つ資格なのか?
うつ病という心の病は誰でも聞いたことがあると思いますが、正面から向き合って真剣に考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。
身近にうつ病患者がいるにも関わらず、うつ病について知識がないからといって放置しておくことはできません。職場であれば管理職として失格です。
自殺にまで発展する可能性もありますので、自分自身及び同僚や部下のそのような事を食い止める意味でも正しく理解をする事は重要です。
心の病で一番恐ろしいのは「知らないこと」です。何も知らずに問題を抱えている人を叱咤激励するとさらに重篤となり最悪な結果になることもあり得ます。それに気づけば問題が大きくならないうちに対処できます。
メンタルヘルスマネジメント検定は、一番初歩のⅢ種でも自分の心の健康を保つ事の知識を得られます。部下を持った場合にⅡ種の知識があれば、正しい対応をして部下を窮地から救うこともできます。
メンタルヘルスマネジメント検定の学習を通して心の病に関する知識はつきますが、対応方法など解決するための「技術」はつきません。心理カウンセラーのようなカウンセリングなどもできません。カウンセラー(相談員)的な資格と勘違いされる方が多いようですが、全く別物です。その点は十分に理解する必要があります。
メンタルヘルスマネジメント検定の学習をすることは、心の病について学習するためにも価値があることだと思います。受験するしないに関わらず誰もが一度学習するとよい内容です。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
メンタルヘルスマネジメント検定とは、主に職場でメンタルな問題を抱えていて、体調を崩す、仕事で十分な力を発揮できない、対人関係を良好に保てなくなる等の問題をなくす、もしくは軽減するための知識を持っているかを試す検定試験です。
措置方法や対処法を学ぶようなカウンセラー的な資格とは別のものです。
自分が一般社員レベルであれば自己管理のためのⅢ種、部下を持つ管理職であればⅡ種の勉強をして検定に受かればその知識は職場での心の健康のために活かせます。
とりあえずメンタルヘルスに興味があって学習して試験を受けてみたい方なら、現状はⅢ種で十分です。
就職してから総務や人事になったり、昇格して部下を持ったときにⅡ種を受けた方が現実的で学習するメリットもあります。
就職や転職のために取得するものでもありません。
メンタルヘルスマネジメント検定をはじめ、多くの民間団体が主催する心理系検定試験に合格しても、就職・転職が有利になることはありません。
本格的に心理学について学びたいのであれば、あるいは心理学の分野へ就職や転職したいのであれば、臨床心理士や公認心理師などを目指してください。
ただし、いずれも大学院まで進んで勉強しなければならないので短期間では取得できません。数週間~数か月で取得できるような民間資格とは価値が違います。
メンタルヘルスマネジメント検定のⅢ種、Ⅱ種に受かったからと言って就職や転職に活かせるものでもありません。ましてや社内で評価されて人事部へ異動なんてことはまずありませんのでその点は十分ご理解ください。
しかし、ワケの分からない検定試験が多い中、メンタルヘルスマネジメント検定は学習するメリットのある内容だと思います。
心理系の資格は目的を持って学習してください。
メンタルヘルスマネジメント検定の学習内容はしっかりとしていますが、学習する上で目的を考えないとダメです。
メンタルヘルスマネジメント検定というのは、「検定」と言うとおり一定の知識を持っているという証明です。
合格したから、何かすることを許されるとか、特別な業務を独占できるといった免許や資格とは違います。就職や転職を有利にするために学習するものでもありません。
メンタルヘルスマネジメント検定のⅡ種は部下や部署内スタッフのメンタルヘルスを守る知識を付けるために学習します。つまり、部署の責任者で部下を持っている人がマネジメントの一環として学ぶことであり、相応のポジションにいない人にとっては無意味で仕事に活かせるものではありません。
転職する場合であっても、係長や課長レベルの仕事をしている人でもなければ、合格しても不釣合いなものになってしまいます。
試験にはⅢ種、Ⅱ種、Ⅰ種の3種類があります。
メンタルヘルスマネジメント検定にはⅢ種、Ⅱ種、Ⅰ種の3種類の試験があります。レベルとしてはⅢ種が最も取得しやすくⅠ種が最も難しくなりますが、単に難易度の違いだけではなく学習する内容も違ってきます。
まずⅢ種ですが、「セルフケア」と呼ばれている通り、職場環境において、自分自身がうつ病にならないための知識を学習します。うつ病の防衛策を事前に学習しておくということです。
次にⅡ種ですが、「ラインケア」と呼ばれています。管理職やリーダーが部下の心の健康に注意して、うつ病にならないための知識を学習します。事前に知識があれば、部下の態度の変化を素早く察知して、うつ病にならないよう早期に対応することができます。
Ⅰ種は会社の経営者向けで「マスター」と呼ばれています。経営者として社員全体がうつ病にならないための知識を学習します。社員が万が一うつ病で自殺などしたら大変なことになります。危機管理の一環として経営者がうつ病対策を学習します。
Ⅲ種は自分自身に対するメンタルヘルスですが、Ⅱ種はリーダーとして部下に対するメンタルヘルスですので、学習する対象者が違います。Ⅲ種よりランクアップした難易度がⅡ種というワケではありません。
怪しい心理系の民間資格がいっぱい、多くは資格商法
民間の団体が主催する心理カウンセラー系の資格は数えきれないほどたくさん存在します。
産業カウンセラー、メンタル心理カウンセラー、こころ検定、メンタルケアカウンセラー、メンタルヘルスカウンセラー、ケアストレスカウンセラー、メンタル総合心理カウンセラー、メンタル心理ヘルスカウンセラー、上級心理カウンセラー、メンタルケア心理士、青少年ケアストレスカウンセラー、不登校訪問支援カウンセラー、心理学検定・・・まだまだたくさんあります。
中には本格的な勉強を要する資格もあるかもしれませんが、多くは何も知らない素人をターゲットとした受講料と受検料目的の現代版資格商法です。
確実に言えることは、こういった短期間で取得できる民間の心理系資格では就職に結びつきません。個人で開業してもカウンセリング業務などできず収入は得られません。
心理学に興味があっても、趣味の範疇で留めておいた方がよいでしょう。
合格するには
Ⅲ種、Ⅱ種ともに、難易度としては、それほど高くありません。公式過去問集が出版されていますし、それ以外にも数種類テキストや参考書が出ていて一般の本屋さんで購入することができます。
問題集を解き、ミスをしたり分からなかった問題は解説やテキストを参照しながら確認していくことを繰り返していけば、大丈夫です。
Ⅲ種を合格すれば、もう少し学習してⅡ種も合格できると考えている人もいますが、受験対象が全く違いますので試験内容も別物と考えて下さい。
Ⅲ種とⅡ種は併願による同日受験が可能です。余裕があれば2つとも受験してみるのもよいと思います。
公式HPに掲載されている勉強会は理解が深まるかもしれませんけど受講料がバカ高いので不要です。受講する必要はありません。
あとは知識を会社などでどう生かすかです。今はまだメンタル疾患への誤解や偏見がまだ多いのでこの試験を通して正しい知識を身に付けて下さい。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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【Ⅰ種】 11月上旬の日曜日 |
試験日の1ヶ月~2ヶ月前に申し込みます。 |
受験資格 |
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受験資格の制限は一切ありません。どなたでも受験できます。 |
試験内容 |
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出題範囲は以下の通りです。
【Ⅲ種・セルフケアコース】一般社員
【Ⅱ種・ラインケアコース】管理監督者(管理職)
【Ⅰ種・マスターコース】人事労務管理スタッフ・経営幹部
【受験料】Ⅲ種4,400円、Ⅱ種6,600円、Ⅰ種11,000円(すべて税込) |
試験に関する詳しい情報は公開試験 | 受験要項 | メンタルヘルス・マネジメント検定試験をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
改訂3版 メンタルヘルス・マネジメント検定試験III種(セルフケアコース)重要ポイント&問題集 | |||||
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こういった検定試験は、主催者が発行する公式テキストや問題集が一番信頼できることが多いのですが、最も評判が良いのはこちらのテキスト&問題集になります。これ1冊だけでⅢ種(セルフケア)に合格した受験生が多くいます。
この本を利用して合格した人に聞いたところ、主催者発行の公式テキストは、言い回しや説明などで分かりにくいと感じたので、全く利用しなかったということです。お金に余裕があれば公式テキストと両方購入して勉強すると完璧ですがあまりおすすめしません。 |
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メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト III種 セルフケアコース〔第5版〕 | |||||
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主催者発行の公式テキスト&問題集です。文章量が多く、やや難解なので、正直なところあまり評判はよくありません。
内容は非常にためになるので、受験しない方でも一読をおすすめする一冊です。ぼくは受験する気はありませんが、Book-offで見かけたので購入して読みました。 |
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おすすめ参考書
プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術 |
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「傾聴」と聞いても普通の人には馴染みがありませんね。傾聴とは、カウンセリングの際のコミュニケーションスキルの一つで、人の話をただ聞くのではなく、注意を払ってより深く丁寧に耳を傾けることです。相手が話したいこと、伝えたいことを受け入れ、共感しながら真摯に「聴く」行為や技法を指します。
この本では、傾聴の大切さを難しい内容をやさしく噛み砕いて親しみやすく説明しています。丁寧で細かく傾聴を分析するだけで膨大な情報を得ることができます。傾聴のことはもちろん、人について理解ができるので日常や仕事にも大きく役立ちます。 |
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