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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

ビジネスキャリア検定は意味ない?難易度や合格率を解説

親指を立ててグッジョブのポーズをとる男性

知名度も低くマイナーな民間資格、就職や転職は有利になりません

種類難易度合格率
民間資格やや易しい40~60%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可~2万円2か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
自己啓発13件
  • 上記は概ね3級についてです。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年11月26日に集計。

ビジネス・キャリア検定とは、厚生労働省所管の中央職業能力開発協会が実施する試験なので公的資格というイメージが強いようですが完全なる民間資格です。

マレに合格者を優遇する求人も見つかりますがかなり少数です。

知名度も低くどちからといえばマイナーな試験です。

仮に難易度の高い2級に合格しても就職・転職が有利になるとは言えないでしょう。

社会人が自己啓発のために勉強するには良いかもしれません。

当サイト内における評価や感想は公正で客観的な判断に基づいていますが、あくまでも運営者個人の意見です。参考にするかしないかはご自身で判断してください。

目次

ビジネス・キャリア検定とは

ノートパソコンを持ったビジネスウーマン

管理職を目指す人が受験するという名目

ビジネス・キャリア検定とは、主に事務系の会社員が、仕事上で必要となる専門知識の習得とその能力の評価を行うことを目的とした検定試験です。

試験は、中央職業能力開発協会が実施します。

専門知識とは、例えば「人事・人材開発・労務管理」の分野であれば、従業員の採用、人材育成、就業管理などに関する知識です。労働基準法などの法律についても学習します。

「経理・財務管理」の分野であれば、主に企業会計などの簿記に関する知識です。事務処理上必要となる知識について学習します。

ビジネス・キャリア検定とは、人事や労務などの事務職、いわゆるホワイトカラー職種に従事するビジネスマンが、管理者やリーダーになるための実践的な学習だと言えます。

試験は8分野に分かれる

ビジネス・キャリア検定では、試験の分野を8つに分類しています。

自分が現在従事している職種に合わせて受験するのが基本ですが、受験制限はないのでどこでも好きな分野について受験できます。

8分野とは以下です。

  • 人事・人材開発・労務管理
  • 経理・財務管理
  • 営業・マーケティング
  • 生産管理
  • 企業法務・総務
  • ロジスティクス
  • 経営情報システム
  • 経営戦略

それぞれの分野には、難易度の低い順にBASIC級、3級、2級、1級があり、自分が受けたい級から受けられます。

※すべての分野に2級、3級はありますが、分野によってはBASIC級や1級は実施していません。

参考:ビジネス・キャリア検定

公的資格ではなく完全なる民間の検定試験

このビジネス・キャリア検定について紹介しているサイトを見ると、どこも「公的資格」と紹介しているのが分かります。

それは、この試験を実施てしている中央職業能力開発協会という団体が、国の法律によって規定された(職業能力開発促進法第六章)特別の民間団体だからです。

この団体自身も、ビジネス・キャリア検定を「公的資格試験」なんて紹介しています。

しかし、断っておきたいのは、ビジネス・キャリア検定は完全なる民間の検定試験だということです。

いくら中央職業能力開発協会が厚生労働省人材開発統括官所管の特別民間法人とはいえ民間の団体です。

ビジネス・キャリア検定の制度自体が法律で規定されていない以上、国家資格ではありません。

関連情報:資格制度一覧(303制度)|総務省

国が定めた技能検定職種にも該当しないので、技能検定にも当てはまりません。

関連情報:技能検定制度について|厚生労働省

さらに、公的資格の制度は2005年に廃止されたので、現在では「公的資格」は存在しません。

関連情報:公的資格(旧認定資格)について

つまり、ビジネス・キャリア検定は、公共性は高いかもしれませんが完全なる民間資格なんです。

役に立つ資格なのか?

グッドのポーズをとるスーツを着た男性

ビジネス・キャリア検定に合格すれば就職や転職が有利になるという印象を持っている人も多くいますが、現実は少し違います。

いくら国が定める職業能力評価基準に基づく検定試験とはいえ実態は民間資格です。

学習する内容も専門的とはいい難く表面的です。

仮に最も難易度の高い2級(1級は実施していません)に合格したところで経験や実績を証明しているとはいえません。合格しても就職や転職が有利にはなりません。

転職する際の面接で自分をPRするのであれば、ビジネス・キャリア検定合格よりも、それまでの経験や実績を詳しく説明した方が面接担当者に良い印象を与えるでしょう。

新卒者であれば面接の結果や学校での成績そして学歴の方がもっと重要です。

将来性について徹底研究

この資格の活かし方

ビジネス・キャリア検定を積極的に活用している企業もごく少数ですが存在します。

参照:活用事例・活用企業のご紹介 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)

名だたる大手企業を中心として35社ほどですが、これ以外にも積極的に活用している企業はあるようです。

参照:キリングループロジ/ビジネス・キャリア検定合格者が300人突破 ─ 物流ニュースのLNEWS

※お使いのブラウザのセキュリティ項目の設定次第で表示されません。

ほとんどが「自己啓発」の一環として導入していますが、中には「3級は全社員必須」として社員教育に活用している企業もあります。

こういった企業へ就職・転職を希望するのであれば、ビジネス・キャリア検定の資格はアピール材料として活かせる可能性はあるでしょう。

学習するメリットはあるかもしれません。

中央職業能力開発協会は天下り団体

ビジネス・キャリア検定は民間資格でありながら共性性が高い理由は簡単です。

それは、試験を主催する中央職業能力開発協会が天下り団体だからです。

役員概要や役員名簿を見ると明白です。

情報元:役員概要 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
※一番上の「役員名簿(pdf)」をご覧ください。

今でこそ3人と少数ですが、最大で厚生労働省から9人の天下りを受け入れていたといいますから驚きです。

全ての役員の過去の経歴などを時間をかけて調べればもっといるかも知れません。

かつてはこの中央職業能力開発協会に、税金から湯水の如く助成金が注がれたんですが、使わずに内部に溜め込んでいたため問題になりました。

そのため、民主党政権時代には厚労省の事業仕分けの対象になり、国の委託事業としては廃止という結論になり、現在は助成金もカットされています。

予算がつかないためか、テキストの改訂などにほとんど手を付けていないようです。

法律の改正はいつまで経ってもテキストに反映していません(2022年に約5年ぶりに改訂)。

積極的に受験生を集めるPR活動もしていないようなので、かつてほどの勢いはなく受験生も年々減り続けています。

しかし、ウルトラCの必殺技を使って、「えーい、国家資格にしてしまえ!」とイッキに国の認める技能検定にしてしまう可能性はあります。

中央職業能力開発協会とは法律で定められた国の出先機関のような団体ですから・・・否定できません。

他の国家資格や民間検定の方がまだおすすめ

例えば、試験分野の1つに「人事・人材開発・労務管理」がありますが、労務管理を本格的に学ぶのであれば、社会保険労務士の国家資格がおすすめです。

難関ですから簡単には合格できませんが、「人事・人材開発・労務管理」の1級を目指すよりも実用的で社会的な評価も高いです。

「経理・財務管理」の勉強をするのであれば、やはり簿記検定でしょう。

簿記検定2級の方が、ビジネス・キャリア検定2級よりも知名度もあって就職・転職には役立ちます。

さらに、「営業・マーケティング」の分野でも、まだ販売士の方が実際の現場では必要とされています。

ロジスティクスの分野であれば運行管理者の国家資格です。

その他、中小企業診断士、情報技術系国家資格の方が、ビジネス・キャリア検定よりはよほど取得する意味があるでしょう。

関連資格:基本情報技術者とは

なお、名称がよく似たビジネス実務法務検定という民間資格がありますが、こちらは企業で必要な法務知識を学習するための試験です。

合格するには

ビジネス・キャリア検定は、前述の通り試験分野が8つに分かれており、それぞれ難易度によってBASIC級、3級~1級があります。

BASIC級(合格率約70%)や3級(40~50%)程度であれば、試験は4択で難易度も低いため、比較的簡単に合格できます。経験によって違いますが、数日間学習すれば大丈夫です。

2級になると5択の試験になり、少し難易度は上がります。

合格率は40~60%ほどで、1~3か月の学習期間が必要です。

1級になると10%台の合格率ですから難しくなります。ただ、受験生がいたりいなかったりで実施していない分野もあったりします。

いずれの級も独学でも十分合格できます。社会人であれば、BASIC級や3級よりも2級から挑戦しましょう。

試験問題は、4割くらいは過去の問題から出題されます。

つまり、40問中22問は過去の問題とほぼ同じです。残りの問題についても、おおよそ過去の問題に非常に似ています。

中央職業能力開発協会から発売をされている公式テキストと公式の過去問題集を繰り返して学習すれば合格できます。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

中央職業能力開発協会が出版する標準の公式テキストです。

実は、公式テキストとはいえ評判が決してよくはありません。この検定のテキストはどの単位もテキストの内容がほとんど改訂されておらず、情報やデータ、法律等が古いままです。試験用の標準テキストであるならば、最新の法令改正に対応すべです。

掲載されているグラフや数値も10年以上も前のデータです。内容のポイントも全くまとまっていません。いかにもお役所仕事といった完成度の低さです。

3級レベルなら一般的なな内容が出題される比率が高いので、このテキストでも使えないワケではありません。

しかし、テキストに記載の内容は全然本試験に出題されません。テキストはこれしかないいにも関らず残念な内容です。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

不思議なことに公式の問題集が販売されていませんでしたが、2017年になってようやく販売されるようになった標準の過去問題集です。

試験主催者でもある中央職業能力開発協会のホームページに過去問と解答はありますが、不親切なことに解説が一切ありません。解説はこの過去問題集で解説を確認する必要があります。

多少解説が省かれている部分もありますが、一応は学習の役に立つようです。

この過去問題集で学習して、本試験で正解率は6~7割程度だと思います。

種類評価
過去問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

前期:10月上旬(3・2・1級)
後期:2月中旬(BASIC・3級・2級)

お申し込み

前期:4月中旬~7月下旬
後期:10月上旬~12月中旬

受験資格

どなたでも受験できます。

試験会場

各都道府県の指定会場

受験料

1級:12,100円
2級:8,800円
3級:7,920円
BASIC級:4,950円

(※2024年1月現在、各税込)

試験内容

《試験分野》

  1. 人事・人材開発・労務管理
  2. 経理・財務管理
  3. 営業・マーケティング
  4. 生産管理
  5. 企業法務・総務
  6. ロジスティクス
  7. 経営情報システム
  8. 経営戦略

《等級》
BASIC級、3級、2級、1級
【等級区分】
試験の対象者等は、以下のとおりです。

  • BASIC級:学生、就職希望者、内定者、入社して間もない方
  • 3級:実務経験3年程度(係長、リーダー相当職を目指す方)
  • 2級:実務経験5年程度(課長、マネージャー相当職を目指す方)
  • 1級:実務経験10年以上(部門長、ディレクター相当職を目指す方)

※BASIC級は生産管理/ロジスティクスの2分野のみ
※1級は人事・人材開発・労務管理/経理・財務管理/営業・マーケティング/生産管理/ロジスティクス/経営情報システム/経営戦略の7分野

合格基準

  • 1級:試験全体として概ね60%以上かつ問題ごとに30%以上に正答
  • 2級:出題数の概ね60%以上に正答
  • 3級:出題数の概ね60%以上に正答
  • BASIC級:出題数の概ね70%以上に正答

主催者情報

試験に関する詳しい情報は試験分野・試験区分 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)をご覧ください。

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