種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 65% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 2週間程度 |
- 上記は3級(一般受験者)についてです。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2023年2月14日に集計。
あくまでも趣味の範囲の「食生活のお勉強」です。こういった短期間で取得できる民間資格では、就職や転職が有利になることはありません。履歴書に書いても評価されません。評価されるとしたら栄養士・管理栄養士のような国家資格です。
小・中学校で食育指導ができる栄養教諭になるには、基本的に教員免許にプラスして栄養士、管理栄養士のような国家資格が必要です。食生活アドバイザー程度の民間資格取得者に講師を依頼する学校や自治体はありません。

数週間程度で取得できる民間資格に一体どれほどの価値があるのかよく考えてみてね。
食生活アドバイザーとは


勉強する内容は超基本的な内容
食生活アドバイザーとは、食生活に関するさまざまな知識を問う民間の検定試験です。
試験の学習を通して、食生活に関する知識を健康管理などに活用する方法を学びます。健康的で安全な食生活をトータルにアドバイスするのが目的です。
とは言え学習する内容は食生活の超基本的な内容です。あくまでも趣味の範囲の勉強なので、就職や転職が有利になることはありません。
試験の主催者は、学校などの教育現場で「食育」全般の指導ができるなんて誇大な宣伝をしていますが、民間資格程度で食育指導など論外です。
食生活アドバイザーには3級と2級の2つのレベルがあります。特別な受験資格もないため、食に興味のある方であれば誰でも取得を目指せます。
役に立つ民間資格なのか?
食生活アドバイザーは民間の検定試験です。合格しても就職や転職が有利になったり、食に関する仕事に就けるものではありません。
全国の求人を探しても、食生活アドバイザーの募集などは見つかりません。
例えば、食生活つまり栄養に関する国家資格には栄養士と管理栄養士があります。栄養士なら2年以上、管理栄養士なら4年以上にわたって専門の教育を受けます。
学習する内容は、調理学・生化学・生理学・食品学・食品加工学・栄養学・臨床栄養学・応用栄養学などです。
一方、食生活アドバイザーなどは数週間程度で取得できる民間の検定試験です。1週間の勉強で合格する人も珍しくありません。
学習する内容は、料理が上手になる方法や栄養バランスを考えた献立の作り方などのような実用的な知識とはほど遠く、食そのものや食材についての知識を断片的に学習するだけです。
こういった民間の検定試験でどれくらい専門的な知識が身に付くと思いますか?この程度で就職が有利になったり仕事に活かせるなんてことはないでしょう。
結局この食生活アドバイザーだけを単独で取得しても、仕事・求人などには結びつきません。
「なんとなく資格らしいものがとれた!やったー!」という自己満足で終わります。わざわざ、食生活アドバイザーを取得しても、正直言って何のメリットもありません。
食生活や栄養に関する本当の知識を身に着け、食に関する仕事に就きたいのであれば、やはり栄養士、管理栄養士などの資格です。
当然ですが栄養士や管理栄養士であれば就職・転職に役立ちます。
将来性について徹底研究
就職や転職、昇給は有利になりません。
主催者のホームページではかつて、「合格すれば、食品メーカー、給食センター、飲食店、医療機関などで正社員として採用される可能性が高い」なんてPRしていました。
※さすがにこれは誇大広告と判断したようで、現在はこういった説明は削除されています。
改めて確認しますが、前述の通り全国で探しても食生活アドバイザーの求人は見つかりません。ゼロです。パートやアルバイトすら募集していません。
食品メーカー、給食センター、飲食店、医療機関などで募集しているのは、調理師や栄養士、管理栄養士などです。
食生活アドバイザーの資格取得を推奨している会社なんてありません。資格手当を支給している会社もありません。仕事での年収アップも期待できません。
食生活アドバイザーの資格取得によってよって、個人的に食生活の知識がアップするかもしれませんが、そこまでです。
食育指導などできません!
さらに、「学校など、教育現場で…栄養・環境・マナーなど、教育の現場で、食育全般の指導ができます」なんて説明書きをしています(2023年4月現在)。
ちょっと待ってください!それって消費者を欺く行為ですよ。大きな誤解を招きます。
食生活アドバイザーの講座を修了しても栄養教諭にはなれません。学校などの教育現場で、栄養・環境・マナーなど、「食育」全般の指導などできません。
小・中学校で食育指導ができる栄養教諭になるには、基本的に教員免許にプラスして栄養士、管理栄養士のような国家資格が必要です。食生活アドバイザー程度の民間資格取得者に講師を依頼する学校や自治体はありません。
よくもまぁ、ここまで誇大に宣伝できるものだと呆れてしまいます。あり得ないことを羅列しているホームページの典型的な例です。
単に薄っぺらな知識を身に付ける目的であれば、こんな民間資格など無用です。
わざわざ何万円もするユーキャンなど講座を申し込んでお金を払うのはお金の無駄遣いです。少なくとも栄養士免許があれば誰も見向きもしない民間資格です。
何万円も通信教育に払うのであれば、そのお金で新鮮な野菜や良質の食材を買う方がよほど有益です。
栄養に関する知識を持たない素人が「アドバイザー」などと称して誰かに指導まがいの行為をするのであれば、あまりにも無責任な民間資格です。
合格するには
比較的簡単に合格できる
食生活アドバイザーには3級と2級がありますが、3級は書店などで参考書があるのでこれをよく読んでおけばほぼ合格できます。
試験は3級と2級のみ実施されていて、1級は実施していません。3級2級ともに試験時間は90分です。
出題形式は3級は5肢択一式のマーク方式のみ。2級は6肢択一式のマークシート方式に加えて記述式問題も出題されます。
各級の合格率は以下の通りです。
- 3級:65%
- 2級:40%
頻出ポイントや重要事項さえ勉強しておけば比較的簡単に合格できます。
ある程度、食品の知識を持っているのであればそれほど難しくはありません。通信講座はバカ高いだけなので市販されているテキストを何度も繰り返し学習すればお金もかかりません。
はじめから講座受講料が目的?
ただ、ちょっとカラクリというか裏技のようなイヤらしい方法があるんです。
「合格講座速習コース」という名の試験直前対策講座を受講すると合格率が下記のように格段に上がります。
- 3級:65%⇒80%
- 2級:40%⇒67%
講座当日に模擬問題集が配布されるようですが、そこにある程度試験に出る内容が書いてあるんでしょうね。もちろん有料です。3級12,000円(税込)、2級:18,000円(税込)です。
つまり、お金を払って合格率を高くするようなものです。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・問題集
試験情報
試験日
年2回:7月の第2日曜日、11月の第4日曜日
お申し込み
4月上旬~5月下旬
9月上旬~10月中旬
受験資格
どなたでも受験できます。
試験会場
札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡
受験料
2級:8,000円
3級:5,500円
併願
2級・3級:13,500円
(各税込)
試験内容
【3級】理論問題:選択問題(マークシート形式)
【2級】理論問題:選択問題(マークシート形式)+筆記問題(記述形式)
- 栄養と健康(栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養など)
- 食文化と食習慣(行事食・旬・マナー・配膳・調理・献立など)
- 食品学(生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物など)
- 衛生管理(食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性など)
- 食マーケット(流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売など)
- 社会生活(消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規など)
試験時間:90分
合格基準
約60%の正解で合格
コメント