健康運動指導士とは?就職や転職に強みのある旧公的資格

椅子に座ってタオルで運動する年配女性

かつて国が認定していた旧公的資格、運動指導を行う専門のトレーナー

種類難易度合格率
民間資格60〜70%
受験資格取得費用勉強時間
指定講座受講10~30万円
活かし方全国の求人数おすすめ度
就職・転職125件
  • 事前の知識によって難易度・学習期間はかなり違います。
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2026年8月6日に集計。
試験の級
講座受講料\137,500円~\291,500円
受験料\13,619円
その他費用登録料:\25,300円
再登録費用(更新料)/5年:\22,000円
更新の際の講習会受講費:\10,000円~

※金額は2026年8月現在全て税込です。

民間資格ですが、かつては国が認定していた旧公的資格(国家資格ではない)であったため、現在でも取得すれば就職や転職は一部の施設で有利になります。

取得するには養成校へ通うか養成講習会を受講します。

ただし、取得・更新ともに費用が高い!

目次

健康運動指導士とは

ピンク色の半袖シャツでトレーニングする女性

運動指導を行うトレーナー

健康運動指導士とは、スポーツクラブや保健所・保健センター、病院や介護施設などで、運動指導を行う専門のトレーナーです。

社会人や高齢者の運動指導、生活習慣病の予防や肥満予防のための運動指導、食育指導などが主な目的です。

運動をする人の心身状態に合わせて安全にできる「運動プログラム」を保健医療関係者と連携して提案し、健康運動指導士が実際に運動を指導することで健康を支えます。

健康運動指導士は、人々の生活や健康に深く関わっています。健康や運動に対して正しく幅広い専門的な知識が求められます。

主催者サイト:健康ネット|健康運動指導士|健康運動指導士とは

当初は公的資格として誕生、現在は完全なる民間資格

健康運動指導士の制度は、国民の生活習慣病予防・適切な運動習慣の普及を目的とした当時の厚生省の施策の一つとして1988年に始まりました。

当初は国(厚生省)の認定事業として健康運動指導士は養成され、国家資格的な色合いの強い公的資格という位置付けでした。

しかし、2005年に民間技能審査事業認定制度が廃止されたため、2006年度以降は公益財団法人健康・体力づくり事業財団の独自事業となり、現在は完全な民間資格になっています。

もともと国のお墨付きで始めた事業です。

現在でも非常に公共性は高く、安全で効率的な運動指導がおこなえる専門家としての標準的な資格であることには変わりはありません。

現在も厚生労働大臣認定健康増進施設制度の認定基準の1つとして健康運動指導士の配置が求められています。

ちなみに、公益財団法人健康・体力づくり事業財団は、官公庁からの再就職者が多く在籍するなど、今なお国や省庁と極めて太いパイプを持つ団体です。

元々が「お国お墨付き」の事業からスタートしている背景もあります。

今後、国の施策によって国家資格への格上げや新たな法制化の可能性も完全には否定できません(当サイト運営者の勝手な推測ですが)。

情報元:総務省|各府省等からの再就職者が5代以上続いている独立行政法人・特殊法人等・公益法人の役職に関する府省庁によるあっせんの有無等の再調査
参考資料(pdf)をクリックすると団体名一覧が表示されます。

スポーツ系の資格は、取得も更新も金額が高い!

こういった最近のスポーツ系、医療系、健康系の民間資格は、どれも取得するのも維持するのもお金がかかります。けっして安くはないです。

例えば、健康運動指導士になるには、多くの人は健康運動指導士養成講習会を受講しなければなりません。

経験や、既に取得している資格によって料金は違いますが、概ね137,500円~291,500円が必要です。

そして、認定試験が13,619円、合格後の登録料が25,300円です。

一度登録しても有効期限が設けられ、5年毎に再度登録費用が22,000円がかかります。

登録費用とは名簿に記載する事務手数料です。

更新する際には指定された講習会を受講しなければなりませんが、実費で10,000円以上です。

このように、健康運動指導士は取得だけでなく、5年ごとの更新にも一定の費用がかかります。

公共性の高い資格である一方、維持コストは他の民間資格と比較してもやや高めに設定されています。

取得を検討する際は、将来の活動において費用対効果(コストパフォーマンス)が見合うかをしっかり事前に調査しておくことが大切です。

参照:健康ネット | 健康運動指導士 | 健康運動指導士養成講習会開催要領

※金額は2026年8月現在で全て税込です。

役に立つ資格なのか?

トレーニングの指導をする女性

民間資格だが求人は意外と多い

健康運動指導士は民間資格ですが、求人を調べてみると意外と見つかります。

ハローワークインタネットサービスで、健康運動指導士の免許・資格コード(2912)を入力して検索すると、2026年8月時点で約125の求人が全国で見つかりました。

※2023年3月時点で約232件、2025年8月時点で131件の求人がありました。年々減少傾向にあるようです。

1都道府県当たり5件程度です。求人に偏りはなく、都会から地方まで見つかります。

求人を出しているのは、病院・介護施設・リハビリ施設が中心です。スポーツクラブなどのトレーニング施設での求人が少ないのは意外です。

内容を詳細に見ると、多くは「健康運動指導士の資格必須」あるいは「あれば尚可」となっています。資格として一定の価値が認められています。

健康運動指導士は、民間資格ですが、就職・転職に役立つようです。

取得するメリットはあるでしょう。

将来性について徹底研究

腕をのばすトレーニングをする二人の女性

他の国家資格と組み合わせるのが理想

健康運動指導士の資格は、単独で持っているよりも他の国家資格と合わせて取得することでさらに活かせます。

例えば、管理栄養士栄養士、看護師、理学療法士、作業療法士などの国家資格です。

管理栄養士・栄養士は栄養学の専門家です。スポーツと食生活の指導を合わせて行えば、より効果的に健康指導ができます。

理学療法士作業療法士看護師などであれば、介護施設等でリハビリや運動指導を行った際に事業所が介護報酬の加算を算定しやすくなります。

介護保険サービス等において、リハビリや運動指導による加算(介護報酬)を算定するには、理学療法士・作業療法士・看護師などの特定の国家資格保有者の配置が要件となっていることが多く、民間資格単独では事業者側の加算対象にならないケースが一般的です。

そのため、民間資格である健康運動指導士単独で評価されるというよりは、医療系の国家資格と組み合わせることで真価を発揮します。

その他に、柔道整復師、保健師などの国家資格と合わせて取得しても活かせます。

給与・年収面になどは、公的機関等においては、医療系の専門国家資格であれば医療職の俸給表で算出しますが、健康運動指導士は民間資格なので一般行政職(事務職等)の俸給表が適用されるケースが多く、給与水準が低めに設定される傾向があります。

スポーツクラブでも給料は安いのが現実です。

おそらく、健康運動指導士の資格だけで働いている人は少数です。

勤務先の状況と今後の動向

2022年12月1日時点で、全国の健康運動指導士は18,244人(女性11,594人、男性6,650人)で、女性の方が圧倒的に多いことが分かります。

勤務先は以下の通りです。

  • アスレチッククラブ・フィットネスクラブ等  3,907人
  • 診療所・病院等  2,837人
  • 保健所等  1,312人
  • 介護老人保健・福祉施設等  1,227人
  • 学校  1,193人
  • 健康組合・会社  311人
  • フリーで活動  2,455人
  • その他学生含む  5,205人

ちなみに、2022年4月1日時点で全国で18,865人でした。減少しているようです。

参考:健康ネット|健康運動指導士|健康運動指導士とは
※画面を下へスクロールすると円グラフが出てきます。

健康運動指導士の働く場はスポーツクラブなどが中心ですが、最近は、病院、老人福祉施設、介護保険施設や介護予防事業等で活動する人が増加しています。

また、就職を控えて取得する学生も大幅に増えています。

病院、老人保険施設、保健所などで働く健康運動指導士の数は合計で5,376人となって、スポーツクラブで働く3,907人を既に抜いています。

介護施設は今後も増えることが予想され、健康のために運動という意識は今後も高まるでしょうから、当分健康運動指導士の需要が減ることはないでしょう。

参考:健康運動指導士・健康運動実践指導者の現状について(pdf)

健康運動実践指導者との違いについて

健康運動実践指導者という健康運動指導士とよく似た名称で、同じく公益財団法人健康・体力づくり事業財団が試験を実施している民間資格があります。

関連資格:健康運動実践指導者とは

ともに「健康のための運動方法を指導」という面では似ていますが、役割に違いがあり、取得するための条件も違っています。

健康運動指導士と健康運動実践指導者の違いを簡単に説明すると

  • 健康運動指導士:運動プログラムや指導計画をつくり実際に指導もする
  • 健康運動実践指導者:運動プログラムに基づいて実践指導をする

という違いがあります。

つまり、運動を指導するだけであれば、健康運動実践指導者でもOKですが、あくまでも健康運動指導士が立てた運動プログラムを実践して指導できるということです。もちろん、健康運動指導士はどちらも可能です。

健康運動指導士の方が高度な専門知識を必要とし、上位資格という位置付けです。試験の難易度にもかなりの差があります。

よく似た健康系民間資格にご用心!

健康系や運動系の民間資格は、たくさんの種類が世の中に溢れています。

カリキュラムを熱心にアピールしている団体も多いですが、なかには受講料を集めること自体が目的になっているような、実用性の乏しい検定試験が存在するのも事実です。

講習を受けるだけのもの、通信教育だけで取れるものなど難易度は様々ですが、どれも「民間の一団体が独自に認定しているにすぎない」という点は共通しています。

どんなに立派な名称の資格であっても、企業の求人要件に該当しなければ、就職や転職が有利になることはまずありません。

高いお金を払ってカタカタの肩書き(資格名称の使用)を手に入れても、自己満足で終わってしまうリスクがあります。

その資格は本当にあなたのキャリアに必要なのか?

大切なお金と時間を無駄にしないために、事前によく考えてください。

健康運動指導士になるには

トレーニングが終わって額の汗をぬぐう女性

受験資格は思いの外厳しい

健康運動指導士の受験資格を取得する方法は以下2通りです。

  • 健康運動指導士養成講習会を受講する
  • 健康運動指導士養成校で学ぶ

健康運動指導士養成校とは、公益財団法人健康・体力づくり事業財団と提携している体育系の大学です。下記にその養成校が一覧になっています。

参考:健康ネット|健康運動指導士|健康運動指導士養成校のご紹介

それ以外の人は、養成講習会を受講しなければなりません。

ただし、誰でも養成講習会に参加できるわけではありません。

受講者の受講資格(保有している国家資格や学歴、既取得資格)によって、受講するコース(講習時間・単位数)と費用が以下のように4つに分かれています。

  • 104単位コース 4年制大学卒業者で、看護師・栄養士・薬剤師・理学療法士・作業療法士・歯科医師などの医療系資格を有する者 等
  • 70単位コース 医師、保健師、管理栄養士の資格を有する者
  • 51単位コース 4年制体育系大学(指定学科等)の卒業者(卒見込み含む)
  • 40単位コース 健康運動実践指導者、または日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格(スポーツプログラマー等)の所有者 等

ご自身の保有資格や学歴によって「どのコースから受講を開始できるか」「受講料がいくらになるか」が大きく異なりますので、事前に主催団体(健康・体力づくり事業財団)のホームページで詳細を確認してください。

受験資格を得て、健康運動指導士認定試験に合格した上で、健康運動指導士として登録されてはじめて健康運動指導士と名乗れます。

※健康運動指導士の受験資格がない人は、スポーツプログラマーを取得すれば受験資格が得られます。

試験は養成講習会で使用する公式テキストから出題される

健康運動指導士の試験は「健康運動指導士養成講習会テキスト上・下」の中からしか出題されません。

学習方法としては、このテキストをしっかりと繰り返し読み込むことです。テキストは最低3回は読みましょう。

ただ、上・下2冊で1000ページ以上あって、文字だらけで太字も下線もないつまらないテキストです。読み続けるのに苦痛さえ感じます。丸暗記などとても無理です。

文字をひたすら読んでいても頭に入りにくいので、問題集+別売テキストを購入して合わせて学習するのが効果的です。

学習期間については、やはり事前知識の量でかなり違ってくるので一概には言えません。

医療関係者、管理栄養士、保健師のように、あらかじめ健康に関する基礎知識を持っている人は短期間で合格できますし、ほとんど不合格になりません。

逆に基礎知識のない人は半年以上はじっくり学習しなければ合格できません。

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

健康運動指導士養成講習会で使われる財団の分厚い公式テキスト(上・下)の要点をまとめた学習用テキストです。

各章ごとに、整理と暗記・予想問題に分けて解説されているので、試験に向けた日々の学習から試験直前対策まで幅広く利用できます。

養成講習会テキストを読んだ後に、このテキストで勉強すれば、かなり理解が進むはずです。

種類評価
テキスト&問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

年3回(3月、9月、11月)、CBT方式のため、期間内の希望日・会場を自由に選択可能

お申し込み

試験の約1か月前まで

受験資格

健康運動指導士養成講習会、または健康運動指導士養成校を修了していなければなりません。
※講習会受講資格は主催者サイトを参照ください。

試験会場

【養成講習会】
集合講習(実習など)は主に東京・大阪等で開催
※講義部分はeラーニング

【認定試験】
全国のCBTテストセンター(プロメトリック社が運営する約300箇所のテストセンターから、都合の良い日時・会場を選択して受験)

受講料・受験料

【養成講習会】

  • 104単位コース:291,500円
  • 70単位コース:220,000円
  • 51単位コース:165,000円
  • 40単位コース:137,500円

【認定試験】

  • 13,619円

(各税込)

講習会・試験内容

【養成講習会の内容】40単位コースの例

  • 健康管理概論(講義:3単位)
  • 健康づくり施策概論(講義:3単位)
  • 生活習慣病 NCD(講義:11単位)
  • 運動プログラムの実際1(講義:4単位、実習:4単位)
  • 運動プログラムの実際2(講義:2単位)
  • 運動負荷試験(講義:1単位、実習2単位)
  • 運動行動変容の理論と実際(講義:2単位、実習:1単位)
  • 運動とこころの健康増進(講義:2単位、実習1単位)
  • 栄養摂取と運動1(講義:4単位)

【認定試験】

  • 四肢択一式 75問:2時間
  • 養成講習会の内容に沿った出題。

合格発表

試験の約1か月後

主催者情報

試験に関する詳しい情報は健康ネット|健康運動指導士 健康運動実践指導者をご覧ください。

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