福祉用具専門相談員とは?試験の難易度や合格率などは
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
講習受講 | 2~6万円 | 1週間程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 1,119件 |
- 指定の講習を受講すればほぼ全員合格できます。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月16日に集計。
福祉用具専門相談員とは、高齢者や障がい者に福祉用具をレンタル・販売する際に、適切な用具の選び方や使い方をアドバイスする国家資格です。
講習を受講すれば原則全員合格できます。6~8日間で50時間ほどの内容です。
特に受講資格はなく誰でも受講できます。
他の福祉系国家資格も取得すれば就職や転職に活かせます。
福祉用具専門相談員とは
福祉用具の使い方をアドバイス
福祉用具専門相談員とは、高齢者や障がい者に福祉用具をレンタル・販売する際に、適切な用具の選び方や使い方をアドバイスする専門家です。
まず、「福祉用具」とは何かと言うと、厚生労働大臣が定めた自宅で使用する用具のことをいい、歩行や入浴等、日常生活を支える用具などを指します。
例えば、車イスや歩行器、移動用リフト、手すり、スロープ、介護用ベッドといった大型のものから、使いやすく改良した食器や歯ブラシ、衣類、靴、杖など、福祉用具には実にたくさんの種類があります。
福祉用具は、介護が必要な人や日常生活に不便を感じている人達にとっては便利な道具です。
新しい技術を取り入れた福祉用具が次々に発表されるため、福祉用具専門相談員が利用者や家族の希望をヒアリングして、身体の状態や居住環境を把握した上で用具選びをサポートします。
福祉用具は、レンタル商品と販売商品の2種類に分かれています。
原則は再利用可能なレンタル支給となっていますが、肌に直接触れるため再利用に適さない入浴・トイレに関する商品などは「特定福祉用具」として販売対象品となっています。
レンタル・販売を行った後も福祉用具専門相談員は必要に応じて点検・メンテナンスを行います。
福祉用具を上手に選び、使うことで要介護者やその家族の生活の質の向上につながります。
それだけに、福祉用具専門相談員のアドバイスは重要です。
介護保険法を根拠とするれっきとした国家資格
福祉用具専門相談員について紹介しているサイトを読むと、多くの場合「公的資格ですが国家資格ではない」と説明しています。
たしかに、福祉用具専門相談員の指定講習は都道府県知事の指定を受けた業者が実施します。
指定講習を修了した者を認定するのも都道府県知事ですから国家資格ではないような気もします。
しかし、福祉用具専門相談員介について規定しているのは介護保険法や介護保険法施行規則です。
介護保険法施行規則は厳密にいえば法律ではないかもしれませんが、法律に準ずる扱いを受けます。
さらに、総務省の発表する国の資格制度一覧(国家資格)にも掲載されています。
参照:国の資格制度一覧
以上の点から判断しても、福祉用具専門相談員はれっきとした国家資格だと言えます。
役に立つ資格なのか?
福祉用具のレンタルショップには有資格者が必須
福祉用具専門相談員は、介護を必要とする人、さらに介護をする人の両方の立場を理解し、多くの福祉用具の中から利用者の状態や障がいの度合いに応じた最適な福祉用具を選定する役割を担っています。
2015年度の介護保険制度改定以降、福祉用具貸与・販売事業所(いわゆる福祉用具のレンタルショップ)には、必ず2名以上の福祉用具相談員を置くよう義務付けられました。
つまり、福祉用具専門相談員は、福祉用具貸与・販売を行うショップでは必要な存在なんです。
まだまだこういった福祉用具のショップは全国的に少ないです。
しかし、超高齢化社会の進行で福祉用具を使用しながら生活を送る要介護者の数は増え、福祉用具を扱うショップが今後増えるのは容易に想像できます。
福祉用具を販売するホームセンター・ドラッグストアなども増えています。
福祉用具専門相談員の活躍の場は、今後は増々拡大していくでしょう。取得するメリットは十分あります。
現場での経験を積んで信頼される福祉用具専門相談員になれば、専門知識を活かしたキャリアアップにも役立つ国家資格です。
最適な福祉用具を選定することで、ご利用者・ご家族に喜ばれればやりがいにもつながります。
身体の不自由な人の役に立つような仕事を将来したい!と考えている中高生であれば、義肢装具士という国家資格もあります。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
ズバリ、この資格が最も活かせるのは、福祉用具のレンタルや販売をしているショップの営業です。
経験を積んで、さらに自動車免許があれば活動の幅が広がります。
営業ですから当然ノルマ(目標)も存在し、毎月営業成績に追われます。
ただし、需要があって供給する商品なので正しい知識さえあれば売りやすい商品です。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった福祉施設でも資格を活かせますが、こういった場所では介護の仕事がメインとなります。介護の仕事をしながら福祉用具専門相談員の知識を役立てるという形になるでしょう。
また、介護福祉士や介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)など、他の介護関連の職に就いている人が福祉用具専門相談員の資格を持つことで利用者支援の幅がいっそう広がります。
福祉住環境コーディネーター2級以上を持っていれば住宅の改修工事に伴う理由書の作成ができます。理由書とは「介護保険制度を基礎とした住宅改修理由書」のことです。
この理由書は誰にでも書けるわけではなく、福祉住環境コーディネーターの他はケアマネジャー、理学療法士・作業療法士のような専門的な国家資格の有資格者に限定されています。
福祉住環境コーディネーター2級を取得すれば、仕事の幅が広がりますので持っていて損はありません。
※福祉住環境コーディネーターは、市町村によって作成が認められていない自治体もあるので注意してください。
実はかなりの体力仕事、精神的にも疲れる
「福祉用具の相談員」と聞くと、車椅子やら浴室のイス、歩行器や杖を選んであげて、レンタルや販売をしているだけだと思っている人もいます。
お年寄り相手に提案する商品ですから、簡単に持ち運べそうなイメージです。
しかし、実は福祉用具専門相談員は力仕事が多いんです。
介護用ベッドなどを車に積んで客先で下ろすのは大変な作業です。
さらに、部屋に搬入して組み立てなければなりません。
撤去などの仕事もあります。ひとつひとつの部品が重ければ組み立てるだけでも一苦労です。
介護用品は日進月歩、常に新しいアイデアを取り入れた商品が出続けます。
最新あるいは特別な機種に関しては知識を得るために展示会などへ行って常に勉強をしなければなりません。
利用者に一番相応しい福祉用具を選ぶには相当な知識が必要です。
また、福祉用具専門相談員は作成する書類が多く、残業が増える傾向にあります。
福祉用具専門相談員はその名の通り福祉用具の専門家です。福祉用具には介護保険が適用されるケースが多く、その際にはさまざまな書類を制作しなければなりません。
昼間は現場で肉体労働、夜は事務所や家で書類の作成・・・と、多忙な日々を過ごす覚悟が必要です。
デスクワークが苦手な人には向かない仕事かもしれません。
経験豊富なケアマネジャーと交渉できる程度の知識が必要
福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者およびその家族に福祉用具の選び方や使い方をアドバイスしますが、介護保険の適用を受けて福祉用具を利用する場合は担当のケアマネジャーへ福祉用具に関するアドバイスをしなければなりません。
つまり、営業の相手が介護業界では経験豊富なケアマネジャーになるということです。
ケアマネジャーとは、5年以上(かつ900日以上)の実務経験を持つこの業界のプロです。
ケアマネジャーにとって利用者は大切な顧客です。信用できない福祉用具専門相談員に任せるわけにはいきません。
頼りにならないと思われたら途端に相手にされなくなってしまいます。
何も知らないお年寄りに福祉用具の使い方を説明するといった簡単な仕事ではなく、介護の業界で長年にわたる知識のある相手と交渉しなければなりません。
福祉用具専門相談員にはケアマネジャーと同等に渡り合える程度の知識が求められます。
合格するには
講習は50時間、6~8日程度
福祉用具専門相談員は、福祉用具専門相談員指定講習を受講し、修了評価試験に合格することで取得できます。通信教育では取得できません。
講習はどなたでも受講可能です。実務経験の有無も問われません。
都道府県知事の指定する研修事業者が実施しており、費用は2万円~6万円となっています。
講習・研修の日程、申し込み方法等については各都道府県のホームページで確認してください。
法定講習時間は50時間と決められているため、1日8時間受講しても6~8日程度はかかります。
土日に開催する講習もありますが、その場合最低でも1か月近くの時間を要します。
講習の内容は、福祉用具を実際に使う実習や福祉用具選定のディスカッションなどです。
講習終了後、各都道府県指定の修了証がもらえます。
この講習を修了しなくても介護福祉士や社会福祉士、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、義肢装具は、福祉用具専門相談員として認められます。
2015年の介護保険制度改定以前は、介護職員初任者研修修了者は相談員として認められていましたが、現在はこの資格だけでは業務ができなくなったため講習を受講しなければなりません。
修了試験の難易度は低く、ほぼ全員合格できる
指定講習の最後には修了評価という筆記試験がありますが、ほぼ全員合格できます。
試験は人を落とすのが目的ではなく、基本的に不合格者はいません。
試験問題に関する情報は事前に提供されます。
仮に1回目で落ちたとしても、講師が問題の解説をして、再度そのまま同じ問題で2回目を受けられるケースもあります。
よほどのことがない限りそ合格できます。試験というよりも確認程度です。
講習情報
日程・受講資格・内容・その他
開催日
実施機関によります。
お申し込み
実施機関によります。
受講資格
受験資格の制限はなく、どなたでも受講できます。
講習会場
全国各地
受講料
各研修機関により異なります。
約2~6万円
講習の内容
50時間、おおむね5~7日間。
- 福祉用具と福祉用具専門相談員の役割
- 介護保険制度等に関する基礎知識
- 高齢者と介護・医療に関する基礎知識
- 個別の福祉用具に関する知識・技術
- 福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識
- 福祉用具の利用の支援に関する総合演習
合格基準
ほぼ全員合格できます。
主催者情報
講習に関する詳しい情報は主催者のホームページをご覧ください。