日商PCは意味ない?就職を控えた高校生向けの検定試験
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 80% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
入試でPR | 0件 |
- 上記は3級についてです。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年7月4日に集計。
パソコンなどのIT機器を活用するための知識やスキルを評価する民間資格です。
高卒の就活や大学受験でPRできるメリットがあります。
合格者を優遇する大学・短大が全国で10校ほどあります。
勉強すれば、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)に近い知識は身に付き役に立ちます。
とは言え、難易度が低いため社会人が取得しても就職や転職で役立ちません。
日商PC検定とは
日本商工会議所が主催する検定試験
日商PC検定とは、企業においてパソコンなどのIT機器を効率的に活用するための知識やスキルを評価する検定試験です。
試験は、「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3種類に分かれています。
それぞれにおいて級が設定されており、難易度の低い順にBasic、3級、2級、1級の4種類に別れています。つまり、3×4=12種類の試験があります。
試験は、知識科目と実技科目の2科目で(Basic除く)、合格すると例えば「文書作成2級」「データ活用3級」と認定されます。
日商PC検定を主催するのは、日商簿記検定や販売士検定を実施する日本商工会議所です。
かつて実施していた「日本語文書処理技能検定(ワープロ検定)」と「ビジネスコンピューティング(ビジコン)検定」という2つの検定試験を、平成18(2006)年から1つに統合したのが日商PC検定です。
主催者サイト:日商PC|商工会議所の検定試験
検定試験の種類によって利用するソフトが違う
日商PC検定の試験は「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3種類に分かれていますが、使うソフトウェアが指定されていて目的も明確です。
- 文書作成:Wordを使用。正しいビジネス文書の作成や取扱いができるかどうかを問う。
- データ活用:Excelを使用。表やグラフの作成、業務データの処理を行い、的確なデータ分析や効果的な資料の作成等ができるかどうかを問う。
- プレゼン資料作成:PowerPointを使用。目的に応じた適切で分かりやすいプレゼン資料を作成できるかどうかを問う。
いずれもマイクロソフトのパソコン用ソフトウェアを使用します。
日頃からExcelやWordを使っていれば理解は早いでしょう。
役に立つ資格なのか?
日商PC検定は、高校生あるいは情報系の専門学校の学生が就職を意識して受験します。
就職を控えた高校生が、パソコンに慣れるために勉強するにはいいかもしれません。
履歴書に書けば多少なりとも評価されます。
専門学校の学生なら、勉強した成果を形として残せます。
また、日商PC検定3・2級合格者を優遇する大学・短大が全国で10校あります。入試の際にPRできる可能性がわずかですがあります。
終活を控えた大学生や、転職を考えている社会人が取得して履歴書に書いてもほぼ評価されません。取得するメリットはないでしょう。
IT業界へ進みたいのであれば他の国家資格を目指しましょう。
将来性について徹底研究
日商PC検定・MOS・パソコン検定・・・何がおすすめ?
IT関係、いわゆるパソコン系の検定試験や国家資格はいくつか存在しますが、どれが最も就活や就職・転職活動に役立つでしょうか?
現実を申し上げますと、基本情報技術者や応用情報技術者のような国家資格であれば就職や転職活動の際に評価される可能性はあります。
あるいは、CCNAなどのベンダー系の検定試験などです。
その他の民間資格(検定試験)、例えば、情報検定(J検)、インターネット検定、MOS、P検-ICTプロフィシエンシー検定試験などは、大学・短大入試や高校新卒の就職の際に多少評価される可能性があるにすぎません。
これらは大学生の就活、社会人の転職の際には評価されません。パソコンを最低限触れますよ・・・っていう証明にはなりますけど・・・
社会人の転職であれば、学歴・年齢・過去の実績、面接時の印象の方がよほど重要です。
難易度の低い民間資格などどうでもいいことなんです。
仮に、応募者が何も資格なしで実績と経歴がほぼ同じ2人を比較するにしても、パソコン系の検定試験など一切考慮しません。
合格するには
1か月もあれば合格できる程度の難易度
日商PC検定は、単純にExcelやWordのスキルだけを問うだけではなく、実技科目の他に、知識科目が出題されるのが特徴です。
知識問題とは、パソコンの基礎知識と用語、ビジネス文書・ビジネスマナーについて問います。3択問題で出題されます。
パソコンに慣れていれば実技の対策はすぐできるでしょう。あとは、知識問題の対策をすれば短期間で合格できるレベルに達することができます。
経理の知識などは全く必要ないです。
全くの初心者であれば多少時間もかかりますが、コピーアンドペースト(コピペ)ができる程度であればスタートは切れます。
1か月(30時間)ほど集中して勉強すれば3級なら十分合格できます。独学で十分学べます。
勉強方法としては、後に紹介するFOM出版の公式テキスト&問題集を利用するのがおすすめです。繰り返し学習すれば合格は見えてきます。
実技問題にはパターンがあるので、問題集でいくつかのパターンを身に付けてしまえば同じ方法で解答を導くことができます。
解き方は1つではなく、いくつかの方法があります。どの導き方をしても結果が正しければ合格です。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
日商PC検定文書作成3級公式テキスト&問題集です。
もちろん個人差はありますが、1週間で3回くらい繰り返し学習すれば合格できます。
巻末に模擬試験が3回分付いますが、本試験はほぼ同じ内容で出題されるので、完璧に理解できるまで繰り返しましょう。
「文書作成」の他に、「データ活用」「プレゼン資料作成」用のテキスト&問題集も出ているので、必要に応じてお買い求めください。
種類 | 評価 |
テキスト&問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
1級:10月の第1日曜日、2月の第3日曜日
2・3・Basic級:随時実施
※各ネット試験会場によって決めます。
お申し込み
下記主催者サイトを参考にしてください。
受験資格
受験資格の制限はなく、どなたでも受験できます。
試験会場
全国各地
※試験は全国約2,000の会場において実施。日商PC検定試験に対応したソフトウェアが導入されている「商工会議所ネット試験施行機関」から希望会場を選択します
受験料
1級:10,480円
2級:7,330円
3級:5,240円
Basic:4,200円
(各税込)
試験内容
試験内容:企業実務における文書作成や表計算などのアプリケーションソフトの利活用能力を問うとともに、以下のとおりネットワーク環境下におけるITの利活用に資する知識・スキルを問う内容となっています
- 企業実務に必要とされるハード、ソフト等IT関連の知識を問う。
- 企業実務におけるパソコン等IT機器、ネットワークの利活用について問う。
- ネット社会における新たなビジネススタイル、ビジネススキルを問う。
- ビジネス文書や業務データについて、その作成のみならず、保存、管理、検索、活用、流通、再利用などライフサイクル全般について問う。
- ITを利活用した実践的なコミュニケーション能力を問う。
- ネットワーク上での、ビジネス文書、業務データの取り扱いについて問う。
【各級のレベル(難易度)】
- ベーシック:基本的なワープロソフトや表計算ソフトの操作スキルを有し、企業実務に対応することができる。
- 3級:企業実務に必要とされる基本的なIT・ネットワークの知識、スキルを有し、自己の業務に利活用することができる。
- 2級:企業実務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識、スキルを有し、部門責任者(部門責任者を補佐する者)として、業務の効率・円滑化、業績向上を図るうえで利活用することができる。
- 1級:企業実務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識、スキルを有し、ネット社会のビジネススタイルを踏まえ、企業責任者(企業責任者を補佐する者)として、経営判断や意思決定を行う(助言する)過程で利活用することができる。
受験当日は身分証明書(氏名、生年月日、顔写真のいずれも確認できるもの、社員証、学生証など)が必要
合格基準
【1級、2級、3級】
知識、実技の2科目とも70%以上の得点
【Basic】
70点以上の得点
合格発表
試験終了後、即時に合否発表がされます。※1級のみ、試験日の約1か月後。
受験後1か月以内に受験したネット試験会場から合格証を交付。