金融窓口サービス技能士とは?難易度や合格率・勉強時間は?
種類 | 難易度 | 合格率 |
技能検定 | やや易しい | 50% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 2か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
評価アップ | 2件 |
- 上記は3級学科についてです(3級実技の合格率は70%)。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月28日に集計。
金融機関に勤めている人が評価アップのために取得する技能検定試験です。
学生や社会人が取得して履歴書に書いても就職や転職にはほとんど影響しません。
金融窓口サービス技能検定とは、主に金融機関における窓口業務等に必要な技能・知識を問う技能検定試験です。
金融窓口サービス技能士とは
銀行窓口業務の技能・知識を問う検定試験
金融窓口サービス技能検定とは、主に金融機関における窓口業務等に必要な技能・知識を問う技能検定試験です。
金融機関に勤める女性行員の多くが受験します。
試験は難易度の低い順に3~1級に分かれています。
それぞれの級の試験においてお客に対して金利や為替あるいはリスクなどの情報を正確に説明して商品を提案し、適正に金融に関する業務をおこなえるかどうかを評価します。
合格者は、金融機関の窓口業務のスペシャリストとして「技能士」と認定されます。
合格した各級に応じて合格証書が交付され、例えば「3級金融窓口サービス技能士」と称することができ、名刺等に印刷して配布も可能になります。
銀行をはじめとした金融機関の窓口でおこなう業務は、単にお金の入出金だけではありません。
その他にも、税金や公共料金の収納、投資信託・国債・外貨預金などの金融商品の販売など業務は多岐にわたります。
お客と接する窓口担当者には、金融商品に関しての正確な知識と、誤解のないように説明する能力が求められます。
参考:金融窓口サービス技能士|職種を調べる・探す|技のとびら – 技能検定制度のポータルサイト
主催者サイト:一般社団法人金融財政事情研究会
正確にいうと国家資格ではなく技能検定試験です
金融窓口サービス技能検定はと、職業能力開発促進法という国の法律に基づき、平成14年度から実施されている技能検定試験の1つです。
試験は厚生労働省の委託により一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が実施・運営しています。
金融窓口サービス技能検定は国家試験に基づく国家資格と紹介されるケースが多いようですが、正確にいうとFP(ファイナンシャル・プランナー)と同様に、国が認めた技能検定試験です。
役に立つ資格なのか?
就活にはほぼ影響しない
銀行などの金融機関に就職・転職を希望して、金融窓口サービス技能士やFP(ファイナンシャル・プランナー)などの資格(技能検定)を取得する学生や社会人がいます。
けれど・・・どれくらい役に立つのか?本当に就職は有利になるのか?
率直に申しあげて、残念ながら仮に2級や1級を取得しても就活にはほとんど影響しません。
履歴書に書いてもほぼスルーです。
Fラン学生に多い勘違いですが、簿記検定、ITパスポート、ファイナンシャル・プランナー、MOS、秘書検定・・・在学中に取れる難易度の低い資格(民間資格)程度で就活は有利になりません。
人気の企業であれば、何百通と送られてくるエントリーシート全てに目を通しません。
現実的に学歴フィルターは存在します。ほぼ大学名で決まってしまう現実があります。
社会人で転職が有利になるとすれば、公認会計士、税理士、司法書士、それから社会保険労務士などの難関国家資格くらいです。
銀行が求めるのはマジメな人間
銀行などの金融機関が学生を採用する際に最も評価するのは「マジメな人間」であるかどうかです。
就活に際して最も評価されるのは出身大学つまり学歴です。
学部を問わず国公立大学でしかも在学中の成績が良い学生を採用します。
他人のお金を扱う仕事である以上、常に不正行為と隣り合わせです。
人様のお金に手を付ける可能性の低いマジメな人間を採用します。
難易度の低い資格や検定を取得するよりも、学校の成績の方が重要です。
あとは銀行によくある身内のコネです。
高卒で銀行へ就職を希望する女性であれば商業高校であったとしても在学中の成績優秀者が有利です。
金融窓口サービス技能士を取得していても成績や授業態度が悪くて学校推薦がもらえないと難しいでしょう。
窓口業務ですから、あとは容姿も・・・
銀行へ入れば男性なら外回りが待っています。自動車運転免許は持っておいた方がいいでしょう。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
現在既に金融機関に勤めている人であれば、自分自身の評価アップのためにも2級・1級を取得しましょう。
金融機関でもこの種の資格は取得を推奨しています。男性の総合職であっても資格取得が大学の単位のように細かく設定されいて人事評価の対象になっている銀行もあります。
合格することで評価の対象になるのであれば、持っていて損はないので可能な限り取得しましょう。
3級受験生のほとんどは女性
金融窓口サービス技能検定3級は、ファイナンシャル・プランナーと同じようにほとんどの受験生が女性です。
金融窓口サービス技能検定試験では、窓口対応に必要な知識を問います。
そのため試験は一般職の女性向けの内容です。
新卒者を総合職として採用する基準をクリアしていれば解答できるような常識的な部分も出題されます。
そのため総合職の男性受検者が少ないようです。
就活を控えた大学生や、転職を希望する社会人、資格マニアの中には男性もいますが、3級の受験生はほぼ女性のようです。
実技試験では、テラーかコンサルティングどちらがおすすめ?
3級試験では、実技試験で「テラー業務」と「金融商品コンサルティング業務」の2つの科目に分けて実施されますが、どちらを受けるべきか?
まず、テラー業務を受験するのはほとんどが女性です。
金融窓口サービス技能検定は、そもそも窓口を担当する女性向きという前提の試験で、特にテラー業務は女性向きです。
男性であれば、コンサルティングの方が向いているとも言われています。
テラーの方が若干ですが合格率は高めです。仮に現在窓口業務をしているのであれば、もちろんテラーの方が勉強しやすいでしょう。
男性であれば、営業に配属されやすいのでコンサルティングの知識の方が将来役立つ可能性はあります。
ファイナンシャル・プランナーとどちがおすすめ?
どちらを取得しても、就職や転職に役立つ資格ではないですが、まぁ、強いて言えば、ファイナンシャル・プランナーの方が少しだけおすすめかもしれません。
資格の知名度的にもファイナンシャル・プランナーの方が上です。
金融窓口サービス技能士は、金融機関職員以外にはマイナーな資格です。
ファイナンシャル・プランナーの方が汎用性が高く、銀行以外に勤務していても、名刺に印刷してあればなんとなくカッコいい感じがします。
まぁ、その程度のおすすめですけど・・・
人気職種だった銀行は今や斜陽産業
ちょっと余談ですけど、参考までに。
かつて、平成元年頃のバブル期をピークとして銀行は文系学生にとっては人気ナンバーワンの憧れの就職先でした。
堅実で高級取り、銀行へ就職すれば本人も親もひとまず安心、明るい将来が待っていました。
ちょっとした中堅の企業であれば、どこでも銀行出身者が部長や役員待遇で迎えられていたので退職しても安心です。
ところが時代も移り変わり、最近の銀行業務といえば手数料を目当てとした年寄り相手の金融商品の売買が中心です。
企業への融資は激減し、融資が減れば役員待遇で銀行出身者を迎え入れる企業もなくなりました。
メガバンクですらここ数年は減収減益の連続で相次ぐ店舗の閉鎖、余剰人員のリストラを発表しています。
今や銀行は斜陽産業の代表格です。半沢直樹は過去の話しです。
銀行が憧れの就職先だったのは昔の話しです。
現在は就職先としての魅力は薄れています。
合格するには
試験は学科と実技
金融窓口サービス技能士の資格は、難易度の低い順に3級から1級の3段階に分かれています。
3級は受験資格などはなく、誰でも受験できます。
2級・1級は受験資格として金融機関で勤めた経験や期間が求められ、受験資格を満たした人のみが受験できます。
試験は、各級とも学科試験と実技試験で実施され、合否判定もそれぞれの科目でおこないます。
実技と学科、どちらかのみどちらからでも受験可能ですし、両方同時受験もできます。
一部合格者には試験免除制度があり、学科試験あるいは実技試験のみの合格者は合格した試験がが免除されます。
ただし、有効期間は合格した試験日が属する年度の翌々年度末までです。
基本的にはマークシート方式による筆記試験です。
実技試験というのは、何か作業などをするのではなくペーパーテストです。
事例問題などが、長文と表などを組み合わせて出題されます。
実技は、学科の知識を前提として事例問題形式で出題されます。
学科の勉強をしっかりとすれば解答できます。
比較的簡単で、初学者でも短期間で合格可能
難易度としては、1級はかなり難しいですが、3級と2級は独学でも合格できます。
最も難易度の低い3級であれば、金融関係の知識ゼロであっても独学で1日1時間の勉強時間で1~2か月程度で合格できます。
勉強方法としては、市販のテキストや問題集がないので、試験主催者である金融財政事情研究会(きんざい)が出している問題集を利用するしかないです。
この問題集を何度も解き、問題の形式や出題傾向に慣れておくことです。
金融業務やマナーの初歩的な知識を問う出題が多いので初学者でもそれほど難しく感じないでしょう。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ問題集
金融窓口サービス技能検定試験3級学科・実技用の問題解説集です。
マイナーな試験のため、テキスト・問題集は市販されていません。試験を実施するきんざいが発行しているこちらの問題集で学習するしかないようです。
大きな書店に行けば売っています。購入する際には受験する級を必ず確かめてください。
事実上の公式テキスト・問題集になっていますから、勉強方法としてはこちらを利用するのがよさそうです。
種類 | 評価 |
問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
【3級】CBT方式(3級のみ)通年実施(休止期間を除く
【2級】1月下旬、5月下旬
【1級】9月上旬
お申し込み
【3級】通年受付(インターネットによる申し込みのみ)
【2級】11月中旬~12月上旬、3月中旬~4月上旬
【1級】7月上旬~下旬
受験資格
- 3級:金融機関関連業務に従事している者または従事しようとする者(実質的に誰でも受験できます)
- 2級:①2年以上の実務経験を有する者②3級技能検定の合格者③厚生労働省認定テラー技能審査3級合格者
- 1級:①4年以上の実務経験を有する者②2級技能検定の合格者③厚生労働省認定テラー技能審査2級合格者
試験会場
全国主要都市、3級は全国のCBTテストセンター
受験料
【1級】
学科:8,900円
実技:17,000円
【2級】
学科:8,600円
実技:9,000円
【3級】
学科:5,000円
実技:5,500円
(各非課税、2024年4月7日現在)
試験内容
※3級について説明します。
金融窓口サービス技能検定3級は【学科試験】と【実技試験(テラー業務・金融商品コンサルティング業務)】についておこなわれ、それぞれ合否判定をします。
【学科試験】マークシート方式による筆記試験
- A分野:顧客対応・コンプライアンス等
- B分野:関連法令・規制
- C分野:金融経済知識・投資理論
- D分野:金融商品知識
- E分野:相談業務等に係る知識
語群選択式(三肢)20問、三答択一式20問、計40問
合格基準:100点満点で70点以上
【実技試験】マークシートによる筆記試験
《テラー業務》
- 顧客対応
- 事務手続
- コンプライアンス
- 商品知識
- 情報収集、提案・セールス
事例問題5題程度。1題につき小問は4問程度
合格基準:100点満点で70点以上
《金融商品コンサルティング業務》マークシート方式による筆記試験
- 投資型金融商品知識
- コンプライアンス
- 説明・提案技能
- 苦情対応力
事例問題5題程度。1題につき、小問は4問程度
合格基準
100点満点で70点以上