医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は意味ないの?
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | やや易しい | 70% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 3か月程度 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 約2,000件 (26件※) |
- 医療事務全体の求人は約2,000件あります医療事務技能審査試験合格者と明記している求人は26件です。
- 全国求人数は、ハローワークの情報を基に2024年11月27日に集計しました。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は数ある医療事務に関する検定試験の中でも歴史があって受験者数は最大です。
しかし、取得してもメリットは少なく将来性も低いです。
やはり民間資格では就職や転職には有利になりません。
経験者優遇、未経験であれば学歴・年齢・容姿、さらに面接時の印象が重要です。
なお、試験は在宅でテキストを見ながら解答します。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)とは
歴史のある検定試験
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)とは、医療事務スタッフとして病院で働く上で求められるスキルを認定する民間の検定試験です。
試験の合格者は「メディカルクラーク」と名乗れます。
医療事務技能審査試験が始まったのは1974年です。医療事務関連の資格は数多くありますが、その中でも最も受験者数が多く認知度も高いです。
試験は全て在宅試験で受験します。以前は2級・1級の区別がありましたが、現在はありません。
主催者サイト:医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)|資格試験/技能認定|日本医療教育財団
医療事務技能審査試験では、単に診療報酬請求業務に関する知識だけではなく、受付業務で求められる接客能力も「患者接遇」として評価するのが特徴です。
とはいえ、ペーパー上での試験です。これで接客能力を判断するのは少し無理があるような気がします。
全て在宅試験、テキストを見るのが基本
医療事務技能審査試験は、基本的に会場での試験は実施しておらず、全て在宅試験の方式です(団体受験は学校で受験)。
そこで、疑問に思うのが「在宅試験っていうことはカンニングは自由にやり放題なの?」っていう点です。
はい、もちろんカンニングなんて自由です。というか、そもそもテキストを見ながら問題を解くという試験ですから、カンニングという概念がありません。
カンニングっていうと表現が悪いかもしれません。「参考にする」と言えばいいのでしょうか・・・
試験日当日の午前中指定で、受験申込時に記入した住所に宅配便で試験問題が送られてきます。
そして、翌日までに同封の返信用封筒に試験問題と解答用紙を封入して返送します。
その間どんな参考書を置いていようが問題ないです。
元々医療事務の民間資格のほとんどが試験会場に資料の持ち込みが可能でした。
今や、在宅受験が主流です。
しかし、これで合格率が約70%といいますから驚きです。
解答用紙を送付するのは翌日ですから、分からない問題について人に聞くだけの時間は十分あるはずです。
在宅試験とはいえお金をかけて受験するんですから、何が何でも合格するっていう気持ちはないのでしょうか?
役に立つ民間資格なのか?
医療事務技能審査試験は歴史もあって受験者数も最大規模を誇る人気の検定試験です。
しかし、やはり民間の検定試験にすぎません。医療の現場へ行くと無資格者扱いです。
病院などで資格として評価され資格手当の支給対象となるのはほぼ国家資格です。
つまり、医療事務の民間資格など持っていても持っていなくても同じです。履歴書に書いてもあまり評価されません。
医療事務などの職員を採用する際にまず重視するのは中途採用であれば実務経験です。
未経験者を採用するのであれば、重視するのは学歴や年齢や姿などです。有名大学卒あるいは地元の有名進学高校卒が有利です。
新卒採用時には学歴を重視します。大きな病院になれば大卒しか採用しません。
さらに、面接時の印象も重要です。病院の受付は基本的に接客業だからです。
大人っぽい清潔な髪型と服装に気をつけて面接に臨む方がよほど大切です。
将来性について徹底研究
目指すのであれば国家資格
病院で資格として認められているのは国家資格です。
医療事務は単なる民間の検定試験なので、マレな例外を除いて資格手当が支給されることもありません。
概ねその地域の最低賃金+α程度です。
そのワリに覚えることも多く、仕事に馴染めずに長続きせず短期で辞める人がとても多いです。
若い人であれば、法律的な根拠のない医療事務、看護助手、歯科助手、医師事務作業補助者といった民間資格など目指さず、将来就職や転職に圧倒的に役立つ国家資格を目指してください。
社会人であれば、医療や福祉の道を目指すのであれば、介護職員初任者研修、ケアマネジャー、介護福祉士、登録販売者を目指す方が現実的に役立ちます。
いずれも国家資格なので資格としての価値が十分あります。資格の価値の重みが違います。
高校生や中学生で、今後医療や福祉の業界で仕事をしたいのであれば、看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士・・・などの医療系の資格取得を目指して学校へ通うのが理想です。
もちろん就職や転職は有利になります。一生涯役に立つ手に職の資格です。
医療事務技能審査試験の難易度と合格率について
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は、医療事務の中では最も受験者数が多く、人気の検定試験です。
医科と歯科の2つに分かれていますが、合格率は70%ほどです。
他の医療事務系の資格の合格率は下記の通りです。
- 75%:医療秘書技能検定試験(3級)
- 70%:医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 70%:医事コンピュータ技能検定
- 70%:医療事務管理士技能検定試験
- 35%:診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務技能審査試験は、他の医療事務資格と比べても同等程度の合格率のようです。難易度は低く、合格しやすい試験です。
合格するには
医療事務技能審査試験用のテキストや問題集は市販されていません。一般の書店には並んでいません。
ではどうすればいいのかと言うと、ニチイが主催する通信講座を受講します。
メディカルクラークは、ニチイの認定試験(正確にはニチイで勉強をしている人が目指す資格)なんです。
それ以外であれば、Amazonやメルカリで売っている中古の書籍を購入するしかありません。
ニチイの派遣で医療事務として働くのであれば、ニチイの担当者からメディカルクラークを受講するようにおそらく言われるはずです。
受講して合格すればほんの少しだけ時給が上がります。
けれど、多くの人は通信講座の代金をペイする前に辞めてしまうので、結局は無駄になってしまう可能性が高いです。
指定された日に在宅で受験、誰でも合格可能です
受験日は任意というワケにはいかず、毎月試験日が決まっています。
在宅試験のやり方はいたって簡単です。
まず、主催者サイトより「資料・申込書請求」を行い「受験申込書類」を取り寄せます。
指定された申込受付期間までに受験料を銀行振込を完了し、受験申込書郵送します。その後、試験日の10日前までに受験票が届きます。
試験日の当日の午前中指定で試験問題が届きます。そして、「受験」が終わったら翌日までに同封の返信用封筒に問題と解答用紙を入れて送付します。これだけです。
参照:試験概要|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)|日本医療教育財団
合格率70%ほどですから、普通に2か月勉強すれば合格できるはずです。
合格発表は、試験日から約1か月後に郵送により通知が届きます。
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
医科:年12回(毎月実施)
歯科:年6回(隔月実施)
お申し込み
試験日の2か月前~2週間前
受験資格
受験資格の制限はなく、どなたでも受験できます。
試験会場
在宅試験
受験料
8,800円(税込み、医科・歯科共通)
試験内容
- 実技I:患者接遇/筆記(記述式)/2問/50分
- 学科:医療事務知識/筆記(択一式)/25問/60分
- 実技II:診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検/4問/70分
合格基準
学科、実技Ⅰ・Ⅱのすべての得点率が70%以上
合格発表
試験日から約1か月後に郵送により通知
主催者情報
試験に関する詳しい情報は試験概要|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)|日本医療教育財団をご覧ください。