公共性の高い民間資格・検定試験一覧
目次
公共性の高い民間資格・検定試験一覧
法令等により合格者が優遇される民間資格
民間資格名 | 合格者が得られる効果 |
簿記検定 | 最も難易度の高い1級の合格者は税理士の受験資格を得ます。 |
数学検定 | 2級以上で高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の数学を免除。 |
歴史能力検定 | 旧大検・国家試験の一部科目が免除。 |
認知症ケア専門士 | 一定のスキルが認定され、資格手当を支給する施設もある。 |
臨床心理士 | 文部科学省の任用規程により、全国の教育機関に派遣されるスクールカウンセラーの資格要件とされています。 |
認定心理士 | 児童福祉施設・社会福祉施設などで求人があり、相談業務の実績を積めばスクールカウンセラーになれる可能性も。 |
ビジネス著作権検定 | 上級に合格すれば、国家検定でもある知的財産管理技能検定2級の受験資格が得られます。受験する際は下位である3級を飛ばして2級から受験できます。 |
建設業経理士 | 公共工事の入札の際の経営審査で、2級以上であれば評価対象となりポイントが加算されます。 |
証券外務員 | 証券外務員の仕事をするには金融庁に登録しなければなりませんが、登録される条件として証券外務員の資格が必要になります。 |
福祉住環境コーディネーター | 2級以上を取得すると、介護保険を利用して住宅改修をおこなう際に提出する住宅改修費支給申請書に添付する理由書の作成ができます。 |
法学検定 | 試験の主催者は、公益財団法人日弁連法務研究財団という日本弁護士連合会が中心となって設立した団体です。最上位のアドバンストに合格すれば法科大学院の入試で考慮される可能性がある。 |
消費生活アドバイザー | 地方自治体の消費生活センターで相談業務に従事する際の資格要件の1つに指定されています。試験の合格者は、国家資格でもある消費生活相談員資格も取得できます。 |
文書情報管理士 | ほとんど全ての官公庁、自治体では、電子化業務に入札する際の条件として、文書情報管理士2級以上の有資格者が社内にいることとしています。 |
健康運動指導士 | かつて国の認定事業であった旧公的資格。厚生労働大臣認定健康増進施設制度の認定基準の1つとして健康運動指導士の配置が上げられています。 |
健康運動実践指導者 | 健康運動指導士と同様に、かつて国の認定事業であった旧公的資格。厚生労働大臣認定運動療法施設の認定基準の1つとして健康運動実践指導者の配置が上げられています。 |
日本語教育能力検定試験 | 国が定めた日本語教員資格ガイドラインに、日本語教師となる「教員の資格」として規定。ただし、将来的には全く別で国家資格が誕生する予定なので将来性は低い。 |
ビル経営管理士 | 一般不動産投資顧問業登録の申請を行う際には国土交通大臣の登録を受けなければならないが、ビル経営管理士を人的要件として規定。ただし、任意の制度であって未登録でもかまわない。 |
ビオトープ管理士 | ビオトープ管理士1級(計画管理士・施工管理士ともに)は、「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」として国土交通省の登録資格として認められています。 |
愛玩動物飼養管理士 | 環境教育推進法に基づく登録基準に適合している人材認定等事業のひとつです。さらに、動物園、動物保護施設、ペットショップ、繁殖施設などで必要な動物取扱責任者の選任要件になっています。 |
赤十字救急法救急員 | 労働安全衛生法に基づく酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の受講の際に、救急法の講習を修了して救急員適任証を受けていれば、技能講習の講習科目のうち救急そ生の方法の免除を受けられます。 |
民間資格の中には、試験に合格すれば国家資格の受験資格を得たり、特定の業務をするための資格要件となるような公共性の高いものがあります。
例えば、簿記検定は民間資格ですが、1級の合格者は国家資格である税理士試験の受験資格を得ます。
臨床心理士は民間資格であるにも関わらず、文部化科学省の定めるスクールカウンセラーの資格要件になっています。
ビジネス著作権検定上級の合格者は、技能検定である知的財産管理技能検定2級の受験資格を得ます。
高校・大学・短大の入試の際に評価される民間の検定試験
民間資格名 | 合格者が得られる効果 |
英検 | 2級以上で明確に加点する大学が多数。多くの高校・大学の入学試験や単位認定で優遇されています。 1級で通訳案内士の英語の1次試験が免除。準2級以上で高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の英語が免除になります。 |
TOEIC | スコアによって優遇する大学・短大多数あり。 スコアによっては通訳案内士の英語の1次試験が免除されます。 |
漢字能力検定 | 準2級以上で入試の点数に加点、合否判定の際に考慮するとする大学が多数あり。 |
日本語検定 | 大学32校41学部の入試の際、有資格者は優遇される可能性がある。 |
世界遺産検定 | 230校を超える大学のAO・推薦入試において評価されている。 |
ニュース時事能力検定(N検) | 全国252校600の学部・学科の大学・短大・高校の入学試験において、優遇・一部試験科目免除。 |
情報検定(J検) | Fランクの大学を中心に111の大学においてAO入試・推薦入試の際に参考程度に評価される。 |
数学検定(実用数学技能検定) | 720校以上の高校・中学で入試の際に優遇措置を実施、490校以上の大学・短大・専門学校で入試の際に優遇。1級、準1級、2級の合格者は、高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)の必須8科目のうち、「数学」の試験が免除。 |
歴史能力検定 | 2級以上の合格者は高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)の「日本史B」または「世界史B」の科目が免除、全国通訳案内士の筆記試験科目「日本歴史」が免除、一部の大学・短期大学・高等学校での入試の際に優遇 |
日商PC検定 | 全国10の大学において入学試験の際に優遇措置を実施。 |
P検-ICTプロフィシエンシー検定試験 | 2020年(令和2年)4月、452大学1071学部の入学試験で優遇措置を実施。2019年(令和元年)、68大学144学部において単位認定。 |
法学検定 | 上位級の合格者は法科大学院の入試で考慮される可能性がある。 |
統計検定 | 2020年(令和2年)10月、横浜市立大学、滋賀大学のデータサイエンス系大学院において、入学試験で優遇措置を実施。 |
心理学検定 | 1級あるいは特1級合格で入試の際に優遇措置を実施する大学院がある。所定の単位として認定する大学も。 |
入学の合否を左右する可能性もあるため、いずれも試験の公平性・公正性が保たれている試験を実施する民間資格に限られています。
例えば、在宅受験可能といった適正な合格基準が保たれているとはいえないもの、指定の通信講座受講が条件といった検定料の妥当性を欠くような民間の検定試験などは一切含まれていません。
公共性の高い民間資格 ~まとめ~
特に公共性の高い民間資格をいくつかあげてみました。合格すれば単なる民間の検定試験より役立つ機会は多いでしょう。
目的を持って取得すれば、就職・転職の際に多少なりとも有利になる可能性があります。
今回列挙したのは、法令やそれに準ずる国の規則などに明確な根拠のある民間資格、ああるいは公共性の高い高校や大学に関連する検定試験のみです。
これらの民間資格こそが公的資格と言えるのかもしれません。